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2016.5.17 九州大地震の支援と今後の方針について (2016.5.18、19、20、21追加あり)
    
  仮設住宅建設費用     仮設住宅間取り  東日本大震災仮設住宅 九州大震災仮設住宅

     
     九州の断層帯と原発                    益城町(役場を含む)の損壊

    
 復興予算        新しい街づくりへ           現在の熊本市    現在のピョンヤン
2016.5.18朝日新聞

(1)復旧・復興へ総額7,780億円の補正予算
 *1-1、*1-2のように、復旧・復興のため総額7,780億円の補正予算が可決し、地元負担が(費用全体の)0.5%から1%になるそうでよかった。

 しかし、熊本市は、地方分権のための道州制が行われる場合には、九州の州都となる第一候補であるため、復旧・復興のための総額7,780億円の補正予算も、単なる無駄遣いではなく、都市計画のある現代の街づくりを始めることに使ってもらいたい。

 単なる無駄遣いとは、①地震直後に送った支援物資が滞留して使用されなかったことや②短期間で壊すことが明白な仮設住宅の建設に使う災害救助費573億円などだ。上図のように、東日本大震災では仮設住宅に一個当たり500~700万円を支出しているが、その作りは粗末で金額に見合わず、家がないよりはよいという程度で住んでいる人も惨めだった。そして、今回の木造のものでも粗末で金額に見合わず、木材がもったいない。しかし、東日本大震災の場合は津波で広範囲の建物が流され、今後の津波に備えて高台移転やかさ上げを行う必要があったため、仮設住宅の建設もまだ合理的だったのだ。

 一方、九州大地震の場合は、津波はなく断層に近い場所で建物が倒壊しただけであるため、どこを住宅地・公園・農業地帯にするかについての都市計画をたて直し、リスクが高くて住宅地に向かない場所に住んでいる人は、他の安全な場所に引っ越さなければならない。そのためには、罹災した人を中心に考えれば、現在住んでいる土地・家屋を固定資産税評価額で国か県か市町村に引き取ってもらい、家を新築する費用900万円(=見舞金300万円+仮設住宅建設費600万円)を補助してもらって、低金利・利息補助・太陽光発電などを利用して次のステップに進んだ方がよいだろう。そのため、見舞金300万円だけもらって仮設住宅に入るか、900万円もらって終わるかを、本人が選択できるようにすればよい。そして、材木は新しい住宅・学校・福祉施設などの建設に、デザインよく使えばよいと考える。

 そこで、「安全に住めない」と認められる一帯の人には、*1-3の罹災証明書を速やかに発行して立ち退かせるべきであり、市町村職員である素人が住宅被害を調査して危険な家を「半壊」などとケチケチした判定をすべきではない。なお、この罹災証明書の発行は、益城町、西原村、南阿蘇村などで大変遅れていたそうだが、必要なことをするにも財政基盤や人的基盤が小さすぎるのを解決するには、*2のように、合併して市町村再編をすべきだ。

(2)民の支援
 *1-4のように、今回は震災に慣れていて手際がよかったにもかかわらず、熊本県内の拠点が物資で埋まり、自治体職員の仕分けが追いつかない状態だったのは、原発事故で近づけなかったわけではないため、初めから輸送の専門家である日通、ヤマト運輸、佐川急便などの運送会社を使って仕分けし、輸送すればよかったと思われる。また、食品も、普段から弁当作りに慣れている業者を使って調達し、道路が開通するまでヘリコプターで運べば問題はなかった筈だ。

(3)仮設住宅について
 *3に、仮設用地の確保が進まないと書かれているが、(1)で書いたように、最終の住居を建設した方が無駄遣いが少ないため、近くの街まで含めて観光客が減ったホテルの空室、空き家、民間賃貸住宅などを手当てし、必要な新しい住宅団地や福祉施設を早急に建設した方がよいと考える。30分~1時間くらいの通勤は、関東では近い方に入る。そして、こうした方が、人口減時代のコンパクトシティー化と熊本県の将来の両方に資すると思う。

(4)農業の再編と規模拡大
 危険であるため住宅地に向かないと判断された土地でも、自然公園、牧場、*4-1のような規模拡大した農業には利用できる。そのため、農水大臣・環境大臣・国交大臣・観光庁長官は、早急に具体的かつ積極的な支援を県や市町村と協力しながら進めてもらいたい。

 また、大規模化して新しい作物を作る場合には、*4-2のように、イオンやイトーヨーカドーなどの小売店と連携して輸出も視野に生産することが可能であり、そうすると、こういう会社から農業生産法人への出資や人材供給も期待できる。

(5)学校の再編
 壊れた学校も多かったが、地方自治体の合併と合わせ、*5の小中一貫校や中高一貫校への移行を行えば、耐震性の高い校舎を新築するにあたり費用が少なく、税金と空き地を有効に使うことができる。

(6)川内原発は断層の上にある
 鹿児島県知事は、*6-1のように、無責任にも「川内原発周辺で熊本地震のような地震は起きない」と述べているが、川内川は断層(地殻の割れ目)そのものであり、それは川の形からわかる。

 そのため、南日本新聞も、*6-2のように、「原発も鹿児島県知事選の重要な争点では」と書いているが、地震で運転中の高圧配管に損傷が生じて圧力が一気に下がった場合には、水の沸点が一気に下がり、圧力容器内でも水が爆発的に蒸発して衝撃波様の衝撃を発し、更に他の機能や構造も損ねる危険性があるため、私も川内原発稼働の再検討に賛成だ。

*1-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20160516&ng=DGKKASFS16H0J_W6A510C1MM0000 (日経新聞 2016.5.16) 熊本復旧、首相「必要な財政支援」 補正、今夕に衆院通過
 衆院予算委員会は16日午前、安倍晋三首相らが出席して熊本地震の復旧・復興費用を盛り込んだ2016年度補正予算案の基本的質疑を実施した。首相は「必要な財政支援をしっかり行う。各自治体は安心して復旧事業に取り組んでもらいたい」と表明。補正予算案は16日夕に予算委で全会一致で可決、続いて衆院本会議でも可決し、17日の参院本会議で成立する見通しだ。首相は補正予算案について「被災地に必要な支援をするうえで、十二分の備えを整えるものだ。できることは全てやる決意で取り組む」と強調。麻生太郎財務相は被災自治体に起債を認め、起債額のうち95%は地方交付税で補填すると説明し「地元負担は(費用全体の)0.5%から1%になる」と語った。首相は欧州訪問時の首脳会談に関して「世界経済の認識は一致している。ただ処方箋については議論があった」と指摘。26日からの主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で「どういうメッセージを出していくか話し合うのが大切だ」と語った。衆参同日選に関しては「今まで一度も申し上げたことはない。衆院解散の『か』の字も考えていない」と述べた。

*1-2:http://mainichi.jp/articles/20160516/k00/00e/010/151000c
(毎日新聞 2016年5月16日) 総額7780億円の補正予算、午後に衆院通過へ
 衆院予算委員会は16日午前、安倍晋三首相らが出席して熊本地震の被害に対応する総額7780億円の2016年度補正予算案に関する基本的質疑を行った。地震直後に被災地への食料や水などの供給が滞ったことについて、首相は「送ったものが(熊本県庁などに)滞留していたのも事実。どういう課題があったかしっかり精査したい」と答弁した。民進党の岡田克也代表が「より良い制度を考えるべきだ」と指摘したのに答えた。補正審議では野党も早期成立に協力する方針。同日夕に可決され、その後の衆院本会議も通過し、17日に参院での審議を経て同日中に成立する見通しだ。安倍首相は補正について「余震が続き被害状況が拡大する可能性にも配慮しつつ、必要な支援を行ううえで十二分の備えを整えるものだ」と意義を強調。そのうえで「国庫補助の拡充強化や地方負担に対する財政措置の充実も含め、どのような対応が必要になるか検討し、必要な財政支援を行う」と述べ、財政基盤の弱い被災自治体を今後も手厚く支援する考えを示した。自民党の坂本哲志氏への答弁。補正予算案は、事前に具体的な使い道を定めず必要に応じて道路や橋のインフラ復旧などに充てることができる「熊本地震復旧等予備費」に7000億円を計上。仮設住宅建設などに使う災害救助費573億円なども盛り込んだ。

*1-3:http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG13HBV_U6A510C1MM8000/
(日経新聞 2016/5/14) 熊本地震、罹災証明発行に遅れ 申請の3割どまり
 熊本地震の被災地で、住宅など建物の被害を証明する「罹災(りさい)証明書」の申請が熊本県内で計9万7741件に上る一方、発行は2万8266件(28.9%)にとどまっていることが14日分かった。証明書は被災者が国などから支援を受ける際に必要となる。国は5月中の発行を求めているが、発行する市町村の人手不足で6月にずれ込む可能性がある。14日で地震発生から1カ月。証明書の発行の遅れは被災者の生活再建の足かせとなっている。罹災証明書は被災者からの申請を受けて市町村が住宅被害を調査し、「全壊」や「半壊」などと判定した上で発行する。熊本県によると、12日までに被災者から県内の30市町村に発行の申請があった。熊本市が5万7244件で最も多く、震度7を2度観測した益城町が9837件。西原村は1793件、南阿蘇村は1548件だった。発行できたのは熊本市が1万8785件(32.8%)などで、益城町、西原村、南阿蘇村など9市町村は発行できていない。益城町は申請の9割の調査を終えたが「電話回線など町役場の設備が整っていない」という。県の災害対策本部は「他県から派遣された応援職員を市町村に割り振って対応しているが、5月中に終了できるか分からない」としている。

*1-4:http://qbiz.jp/article/86900/1/
(西日本新聞 2016年5月17日) 【連続震度7の衝撃・5】「民」の支援、課題あり
 本震発生直後の4月16日午前4時すぎ。九州電力の担当者が電話したとき、相手の四国電力は人員や機材、輸送フェリーなどの手配を、もう済ませていた。
   ◆    ◆
 14日の前震による最大1万6千戸の停電復旧は、自前で15日深夜に完了。数時間後の本震は復旧したばかりの送電網を切り裂き、停電は最大47万戸を超えた。九電は“ミニ発電所”と言える電源車59台を持つが、とても足りない。次々と各社に応援要請を出した。東日本大震災時、東西で周波数が違うため実現しなかったオールジャパン態勢だが、各社はその後、異なる周波数の電源車を配備。「初めて大手10社が集結したミッション」(九電幹部)が実現した。だが、現場は当初混乱した。電源車が向かう避難所の場所が分からない。電源車用燃料を運んだが既に足りていた。優先配備すべき場所をどう判断するか−。それでも20日夜に復旧が完了。九電電力輸送本部計画部の豊馬誠部長(57)は「最大限のスピードだったと思う」と語る。国の電力需給検証小委員会は、22日にまとめた報告書案で「熊本地震の教訓」の項目を急きょ加えた。「電源車の応援は被災地の電力会社の要請を待つことなく関係事業者が先手先手を打って対応すべきだ」。この一文に、九電関係者は複雑な思いでいる。危機の際は、他社や行政機関との連携と統制が原則。非常時とはいえ、そこまで民間が踏み込むべきなのか。物資を載せて出発したトラックが、物資を載せたまま戻ってきた。日本通運久留米支店の福元雅浩業務課長(43)は驚く。同支店が管轄する佐賀県鳥栖市の物流センター。国の要請に基づき、16日夕方から国の物資を自治体ごとに仕分け、配送を始めた。九州では、大規模災害時の物資輸送に関する産官学の協議会で民間の物流施設の活用を想定し、日通の施設もその一つだった。約7万2千平方メートルの敷地、全天候型、24時間稼働で常時数十人の作業員がいる。「作業自体は難しくないので通常業務と並行して続けられた」と現場で指揮した福元氏は語る。ではなぜ「トラックは戻ってきた」のか。熊本県内の拠点は既に物資で埋まり、荷を置いていけず、自治体職員も不足して仕分けが追いつかない状態だったのだ。国は日通に、自治体ごとに必要な物資を割り振っていたが、状況は刻々と変わる。18日、福元氏らは国に「私たちも自治体に情報確認したい」と提案し、認められた。国も19日、物流業者の活用を広げ、熊本県外にあるヤマト運輸や日通の別の施設で仕分けしてから輸送するようにした。物資の滞りは改善されていった。福元氏は「国が現場の裁量に任せてくれたのは大きかった」と話す。熊本市の依頼で物資の仕分けを指揮した熊本県トラック協会の吉住潔専務(61)は「判断の権限は市職員にあるが、物流の知識はこちらの方が豊富。もっと提案型のやりとりをしてもよかった」と振り返る。国は空港や道路などの民営化を進め、公的インフラを担う企業が増えている。東日本大震災を経験し、今年7月に空港民営化第1号となる仙台空港。滑走路などの地震対策も運営企業の責任で行う。契約上、被害が甚大な場合は国が運営を継承する決まりになっているが、この運営企業幹部は「国が引き継ぐ契約だからといって民間がすぐに手を引くわけにはいかない。熊本での大地震連続発生や空港の被災を、民間ができる役割を考える新たな教訓にしたい」と語る。「公」の機能がまひする今回のような大災害時に、ノウハウにたけた「民」がどう主体的に動くか。行政はどこまで任せるのか。仕組みと意識、双方を変えるときがきている。

<地方自治体の再編>
*2:http://www.murc.jp/thinktank/rc/column/search_now/sn090302_01
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 2009/3/2) 自治体再編:市町村合併一巡で次の焦点は道州制、公共経営・地域政策部 主任研究員 大塚敬
 わが国における都道府県制度の見直しとその具体的な方策としての道州制にかかる議論の歴史は古く、昭和32年には第4次地方制度調査会において、都道府県制度を廃止し国と市町村の中間団体として国と地方自治体の両方の性格を併せ持つ「地方」という団体を新設すべきであるとの提案が既になされていた。その後、道州制はさまざまな議論が重ねられつつも実現せずに今日に至っているが近年改めて注目され、平成18年2月の第28次地方制度調査会答申において、広域自治体改革の具体策として道州制の導入が適当であるとの見解が明確に示されたことにより、導入の機運が急速に高まっている。こうした背景には、地方分権の受け皿として地方自治体の抜本的な改革が不可避となったことがある。少子高齢化と人口減少、経済の低成長への移行などにより、すべての地方自治体を現状のまま維持するのは困難であることが明確になった。これに対し、国はまず地域において包括的な役割を担う市町村を、最低限の行財政基盤を確保可能な規模に再編すべく、市町村合併を強力に推進した。この結果、平成10年度末と比較して平成20年12月時点で市町村数は3,232から1,781に減少した。現在、市町村合併は平成の大合併と言われた平成16~17年度から一段落しており、次の焦点は都道府県の再編に移ったと考えられる。合併により市町村の大規模化が進み、政令指定都市数は12から17、中核市数は21から39に急増している。また、各都道府県の市町村数も、平成11年4月1日時点では市町村数30以下の都道府県はなかったが、平成21年1月1日時点では30以下の団体が19に上り、うち9団体は市町村数が20以下となっており、市町村と都道府県のバランスは大きく変わった。また、道州制導入の機運が高まっている背景には、都道府県間の格差の拡大と小規模県の行財政基盤の弱体化もある。平成17年国勢調査の時点で、東京都の約1,260万人を筆頭に、500万人を超える都道府県が9を数える一方で、人口が100万人を下回る県が7県に上る。最も少ない鳥取県の人口は60.7万人で東京都の約20分の1であり、政令指定都市で最も人口が少ない静岡市の71万人をも下回っている。また、人口規模の小さい県ほど人口減少が進展する傾向にあり、国立社会保障人口問題研究所の推計によれば、2035年には人口が100万人を下回る県の数は15に増加し、鳥取県の人口は約49万5千人と政令指定都市の基本要件をも下回ると見込まれている。一方、こうした状況の中、約360万人の人口規模をもつ横浜市は、その人口規模と都市機能の高度な集積に見合った権限を求めて、新たな大都市圏制度を自ら提言している。これは、横浜市や大阪市、名古屋市など特に人口規模の大きな都市に対し、政令指定都市の枠組みを越えて、都道府県や将来の道州の下に組み込まれることなく、広域自治体に委ねていた権限をすべて掌握する自治体としての位置づけを求めるものである。このように地方分権が進展し、その受け皿となる市町村の行財政基盤が強化される一方で、小規模県の人口減少が避け難い状況から見て、自治体再編という大きな流れの中で、市町村合併の次のステップとして都道府県の再編と役割の見直しは必至であり、その具体的方策として、長い間議論されてきた道州制が近い将来ついに実行に移される可能性が非常に高い。平成19年1月に政府が設置した道州制ビジョン懇談会は、平成20年3月に中間報告を公表、道州制の実現に向けた道州制基本法の原案を平成22年内に作成し、平成23年の通常国会に提出、最終的には平成30年までには道州制に完全移行すべきであると明記している。懇談会は、当初想定していた本年1月の基本法骨子案の策定は見送ったものの、予定通り平成23年通常国会への法案提出に向けて審議を続けている。今後は、具体的な制度の枠組みの調整と、受け皿となる広域自治体側の体制整備の両面から、具体化に向けて慎重に、しかし迅速に準備を進める必要がある。前者において課題となるのは区割り調整と国から道州への権限委譲の内容であり、懇談会での議論においてもこれらが大きな焦点になっている。特に区割りについては、有利不利の議論だけでなく、地域の歴史的文化的な背景も含め、都道府県それぞれの思惑もあって今後調整が難航することが予想される。また権限についても、懇談会中間報告では国の役割は国境管理や国家戦略の策定、国家的基盤の維持・整備、全国的な統一基準の制定に限定すると明記されているが、具体的な内容を検討する段階では、これまでも地方分権や規制改革に際して繰り返されてきたように、国と地方の綱引きによる調整難航は必至であろう。さらに課題となるのは道州政府の体制整備であり、中でも特に重要な点は財政運営の中核を担う人材の確保である。現在検討されている案をベースに予想すると、欧州の中規模国に匹敵する人口規模の道州が複数誕生する可能性が高く、その権限も従来の都道府県と比べて大幅に拡大強化される。道州の政府には、従来よりも飛躍的に拡大した財源と権限を駆使して、これまでの都道府県の枠を超えた、まったく新しい視点に立った政策を企画立案し実行する能力が求められる。その中核的な役割を担う幹部となる人材は、従来の都道府県職員の育成や、地方支分部局の廃止など権限縮小によって余剰となる国の職員の活用だけでは十分に確保することは困難である。これを地方行政の人材登用システム改革の好機ととらえて、新卒中心の採用システムや任期付任用など課題が多く指摘されている従来の民間人材登用に係る制度を抜本的に見直し、外部の有能な人材を機動的に登用する仕組みを再構築することが、道州制の成否の重要なポイントとなると考えられる。

<仮設住宅の建設>
*3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12359246.html?_requesturl=articles%2FDA3S12359246.html (朝日新聞 2016年5月16日) 仮設用地、確保進まず 熊本10市町村、地震前「未選定」
 熊本県などでの一連の地震で、応急仮設住宅を必要とする県内15市町村のうち、10市町村が仮設住宅の建設用地を事前に決めていなかった。各市町村への取材でわかった。東日本大震災後、国は用地の事前選定を求めている。今回、用地の確保が遅れている自治体が出た要因の一つとなったとみられ、避難所生活の長期化にもつながる可能性がある。仮設建設に着手したり、建設を検討したりしている15市町村に、用地を事前に選んでいたかどうかを尋ねた。「選定済み」は嘉島(かしま)町や南阿蘇村など5市町村。「未選定」は熊本市や益城(ましき)町、西原村など10市町村だった。このうち、8市町村は地域防災計画で地震の被害想定をしていなかった。 東日本大震災を受け、国土交通省は2012年5月、建設用地の確保を各都道府県に要請。国交省と内閣府は15年3月には「平常時から建設用地の確保に取り組むこと」との通知を出している。熊本県は15年度の地域防災計画で、市町村は「予定地の確保を行っておくもの」としている。選定していない理由では6市町村が「災害後の住民要望に柔軟に対応するため」とし、7市町村が「未選定」は仮設の着工時期に影響していない、とした。だが、選定をせず、必要な用地の確保が見通せない自治体もある。益城町は、地盤が沈下して町有地の適地がなかなか見つからなかった。必要戸数は2千戸だが、着工できているのは約160戸。町の担当者は「着工が予定より2週間遅れている。必要戸数を建てるには公有地だけでは足りない」と話す。総務省が全国168市町を抽出した調査(14年公表)では「選定済み」が118市町で7割を占めた。今回の地震を受け、内閣府は全国の選定状況を調べる方針だ。

<農業の再編と規模拡大>
*4-1:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=37514
(日本農業新聞 2016/5/16) 熊本の農業被害視察 大豆転換、JAが要望書 農相
 森山裕農相は15日、熊本県を訪れ、熊本地震による農業被害を視察した。益城町や南阿蘇村に震災後初めて入り、農家や行政関係者らと意見交換。菊池市では、水稲から大豆への品目転換に必要な環境整備を求める要望書をJA菊池から受け取った。森山農相の熊本地震の視察は3回目。断水が続く南阿蘇村の河陽地区を訪れ、(有)阿蘇健康農園を視察した。地割れと農業施設の破損に加え、断水が続き営農再開はほど遠い状況を確認。生産者や村から支援の拡充を求める声が上った。JA菊池の子会社アグリパートナーきくちでは、JAが森山農相に要望書を提出。三角修組合長は「水稲から大豆への作付け転換により大豆の面積が増大し、播種(はしゅ)や栽培管理、収穫などの支援が必要になる」と指摘し、播種機など農機の調達や人件費の補填(ほてん)に支援を訴えた。阿蘇市の土地改良区や益城町の畜産農家の被害状況も確認した。森山農相は「17日には地震に関する補正予算が成立し、18日から具体的に動きたい」と述べ、積極的な支援を県や市町村と協力しながら進めるとの考えを示した。 

*4-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20160516&ng=DGKKZO02348020V10C16A5TJC000 (日経新聞 2016.5.16) イオン、有機農家を育成 欧州企業と共同出資会社 専門店展開
 イオンは有機農産物の生産農家を育成する。欧州の専門企業と共同出資会社を設立。生産者から農産物を直接買い取り、新たに展開する国内の専門店で販売する。2020年をめどに首都圏を中心に50店以上にすることを目指す。環太平洋経済連携協定(TPP)の発効による貿易自由化を見据え、農家が付加価値の高い農産物に取り組める環境を整える。フランスで有機専門スーパー約90店を運営するビオセボンと組む。同社の親会社のベルギー企業と6月にも折半出資で新会社を設立。年内に1号店開店をめざす。それまでに専用の農地を約40ヘクタール確保し、当初はニンジンやホウレンソウなど約30品目を扱う。今後5年をめどに農地を25倍の1千ヘクタールに広げ、品目数も3倍程度に増やす。店舗では有機産品の食品のほかに化粧品、日用品も加え、4千品目程度の商品をそろえる。出店はグループの他のスーパーなどから独立した形が中心となる。ビオセボンは農家に有機栽培への転換を促し、契約分を全量買い取る仕組みで事業を拡大している。「有機」の表示をするには化学合成農薬を3年以上使わないなどの規定がある。イオンはグループの販路やビオセボンのノウハウを生かし、転換する農家の経営を支える。世界の有機産品市場は年率1割以上伸びているとされる。日本は12年に約1400億円で世界7位だった。市場規模が30倍の米国や4倍のフランスに比べると、日本の市場はまだ小さい。有機野菜は通常の栽培よりコストが5割程度多くかかるとされる一方、店頭での販売価格は高値で安定している。環境や健康への関心の高まりを受け、日本でも今後の需要の伸びは大きいとみて、イオンは事業を本格化させる。イオングループでは直営農場を持つイオンアグリ創造(千葉市)が有機栽培を広げ、農家との契約も進めている。プライベートブランド(PB=自主企画)の「トップバリュ」でも有機産品を増やしており、一連の事業間の連携も進める。将来は有機農産物の専用物流網も構築する。

<教育の再編>
*5:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20160516&ng=DGKKZO02343760V10C16A5CK8000 (日経新聞 2016.5.16) 義務教育学会の設立を 小中一貫改革広める (前東京都品川区教育長・学校教育研究所理事長 若月秀夫)
 小中一貫教育を行う「義務教育学校」が制度化されたのを受けて、東京都品川区で小中一貫教育を導入した若月秀夫前教育長が「日本義務教育学会(仮称)」の立ち上げを準備している。今年4月、学校教育制度の多様化と弾力化を進めるために、現行の小学校・中学校に加えて、義務教育9年間を一貫して行う「義務教育学校」を新たな学校の種類として規定した改正学校教育法が施行された。文部科学省によると、法改正を受けて4月から全国15市区町村が22校の義務教育学校を設置、2017年度以降に114校の設置が予定されている。東京都品川区が小中一貫教育を導入してから満10年という節目の年に義務教育学校が制度化されたことは、当時の教育長として極めて感慨深い。品川区が小中一貫教育を導入した背景には、戦後続いてきた6―3制が現在の子供達に本当に適しているのかという疑問があった。加えて、教員の意識改革が求められる中で、一向に変わらない小中学校間の“縄張り意識”“ムラ意識”を払拭したいからでもあった。義務教育における学校種間の連携・接続については、中央教育審議会が1971年の答申で、各学校段階の教育を効果的に行うために小中学校の区切り方の変更に言及したが、その後、国レベルの検討は進まなかった。ところが15年ほど前から、一部の自治体が構造改革特区制度などを活用し、小学校と中学校の教育を別々に考えるのではなく、小中を貫く「9年制義務教育の場」という概念で捉え直す学校づくりに取り組み始めた。改革は国の検証作業でも学力の定着・向上や生徒指導上の課題克服に一定の効果があると認められ、05年に中教審は「新しい時代の義務教育を創造する」答申で、義務教育学校設置の可能性やカリキュラム区分の弾力化、学校種間の連携・接続の改善を検討する必要性を指摘した。その後も全国で、施設一体型や施設分離型の小中一貫教育に取り組む自治体が相次いだ。06年には「小中一貫教育全国連絡協議会」が発足し、小中一貫教育法制化に向けた機運が高まった。中教審も、小中間の連携強化や小中一貫教育の制度化に向けた検討を進め、教育再生実行会議は14年の第5次提言に小中一貫教育学校(仮称)の制度化を盛り込んだ。こうして地方が国を引っ張る形で、改正学校教育法施行に至ったのである。
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 現在、全国各地で様々な形態で小中一貫教育が展開されている。義務教育学校や施設一体型小中一貫教育学校では、1年生から9年生までの児童生徒が一つの学校に通うという特徴を生かして、9年間の教育課程を「4―3―2」や「4―5」など児童生徒の実態に合わせた柔軟な学年段階の区切りを設定している。さらに教育課程の特例を活用して独自の教科を設けたり、従来は中学校段階で実施していた教科担任制や定期考査、生徒会活動などを小学校高学年段階から導入したりする取り組みも見られる。その一方で、小中一貫教育を標榜しながらも、実際には単なる教員の交換授業や小中学校合同の学校行事など、一過性で表面的な活動に終始奔走している学校も少なくない。職員室や校内の会議が小中学校で別々な学校や、交換授業や合同行事が他の教育活動と関連付けられていないなど、ちぐはぐな実態も散見される。まさに“仏造って魂入れず”である。こうした学校は、小中一貫教育の目的を中1ギャップの解消や不登校対策、学力向上などに矮小(わいしょう)化して語る傾向が強い。確かにどれも重要な問題だが、小中一貫教育本来の目的がそこだけにあるわけではない。なぜなら、それは現行の小中学校でも解決可能だからである。小中一貫教育で大切なことは、「小中一貫した教育」という新しい価値や概念が、教員の学校観や教員観、児童生徒観や指導観などに変化を及ぼし、義務教育に対する教員の認識や意識を新たにすること、そしてそれに基づく教育活動を通して義務教育の質そのものを変えていくことにある。中1ギャップの解消といった個別具体的課題の解決は、教員の意識改革の成果の1つにすぎない。
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 一口に小中一貫教育の展開といっても、それぞれの地域や学校によって大きな温度差が見受けられる。それには理由がある。要は、情報不足、連携不足なのである。多くの自治体や学校にとって小中一貫教育は未知なる分野なのに、国が示す標準型や身近な先行事例が存在しない。今のように他地域との情報の交換・共有化が図られず、相互啓発作用も望めない状況下では、孤立無援で不安な試行錯誤を余儀なくされる。大きな混乱や失態を避けようと、当たり障りのない安全運転に陥りかねない。これでは改革は進まない。今、必要なのは、小中一貫教育が目指すべき方向性を示す縦軸と、同じ「志」を共有する自治体や学校の取組状況を示す横軸、という座標軸の設定なのだ。小中一貫教育を巡って各自治体や学校が情報を交換し、共有できる「場」が必要不可欠であり、それを教育現場は望んでいる。そこで、品川区で共に小中一貫教育を推進してきた大学研究者や学校現場の管理職、文部科学省担当者など多くの関係者の理解と賛同を得て、今秋に「日本義務教育学会(仮称)」を立ち上げる準備を進めている。小中一貫教育を巡ってはカリキュラム開発をはじめ、教員養成、教員免許、人事制度など検討すべき課題が山積する。こうした課題に学校現場や大学、行政の関係者が一体となって取り組み、小中一貫教育を真摯に推進する自治体や学校を支え、その広がりをより確かなものにしたい。

<川内原発は断層の上>
*6-1:http://qbiz.jp/article/86800/1/
(西日本新聞 2016年5月14日) 鹿児島知事「川内原発周辺で熊本地震のような地震は起きない」
 熊本地震を受け、全国で唯一稼働する九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の安全性に不安の声が上がっていることについて、同県の伊藤祐一郎知事は13日の定例記者会見で「川内原発周辺で熊本地震のような地震は起きない。文献上、地震が頻発する断層がなく、緊急性は感じなくていい」と述べ、運転停止や事故に備えた避難計画見直しは不要との見解を示した。伊藤知事は、運転継続を認める理由に「原子力規制委員会が『停止する必要はない』と明確に言っている」ことも挙げ、「何かあれば自動停止するので、福島第1原発みたいな事故が発生する可能性はほとんどない」とした。

*6-2:http://373news.com/_column/syasetu.php?ym=201605&storyid=75431
(南日本新聞 2016年 5月 15日) [鹿県知事選] 原発も重要な争点では
 鹿児島県の伊藤祐一郎知事はおとといの定例会見で、熊本地震を巡って運転停止を求める声が出ている九州電力川内原発(薩摩川内市)について、今夏に予定されている知事選の争点にならないとの考えを表明した。知事は「調査・点検はすでに終わり、原子力規制委員会も(停止する必要がないと)太鼓判を押している」と述べた。知事としては、最大震度7が2回発生した熊本地震で、川内原発の揺れは最大8.6ガルで、原発が自動停止する設定値(最大加速度160ガル)を大きく下回ったことなどを踏まえた発言だろう。確かに、一連の地震で川内原発が被害を受けたとは聞かない。仮に大きな揺れがあたったとしても、異常があれば自動停止するシステムになっている。だが、不安の声がやまないのは、熊本を中心に甚大な被害をもたらした活断層の動きが専門家の予測を超えていることがある。余震の多さと震源域が広範囲に及び、発生から1カ月たっても地震は終息していない。川内原発周辺にも活断層はある。仮にそれらが動けば、大きな被害につながるのではないかと不安視するのは自然な感情だろう。知事も「多くの人が心配しているのは確か」と語っている。そうした中で、原発の安全性や今後の在り方などを巡り知事選で論争するのは重要なことだ。知事選には現職の伊藤氏のほか、新人の元テレビ朝日コメンテーター三反園訓氏、ストップ川内原発!3.11鹿児島実行委員会実行委員の平良行雄氏の3氏が立候補するものとみられている。三反園氏は地震後、「原発は一時停止し、点検するべきだ」と主張する。平良氏は「廃炉に向けた川内原発の即時停止」を政策の柱とする方針だ。3氏の原発に対する姿勢は異なる。だからこそ知事選では、原発を含む今後のエネルギー政策についてさまざまな選択肢で論争することが欠かせない。避難計画に疑問や不安があることにも、知事は川内原発周辺では今回のような地震は起きないとした。「緊急性は感じなくていい」と述べ、計画を見直す必要はないとの見解を示した。住民の不安に応えているだろうか。知事は「どういう態勢を取れば安心してもらえるかの作業は必要」とも語っている。今後の具体的な対応が求められる。県政の課題は多岐にわたる。原発問題だけが争点ではない。しかし、原発の論議は避けては通れない。正面から論じるべきだ。


PS(2016.5.18追加):熊本県は全国によい農産物を供給している県であるため、*7-2はよかったと思うが、畜舎や農業用ハウスの再建に対する補助率が5割超でいいかどうかは疑問だ。私は、ここでしっかりした畜舎や農業用ハウスを作った方がよいため、余剰している米ではなく、今後伸ばしたい作物を作っている場合の自己負担率は1割以下にした方がよいと思う。
 なお、*7-1のように、政府が地方創生のための地域特性に応じた政策を支援する方針を出したことは、地方が主体となって考える新しい街づくりに役立つため、よいことだ。しかし、私は、現在の省庁に欠けているのは総合的判断力であるため、文化庁や消費者庁など一部の政府機関を分散した場所に移転して、セクショナリズムの度合いを増すのには反対だ。首都直下型地震も予測され首都機能不全に陥っては困るため首都機能を移転するのなら、まとめて被害が及ばない場所に移転した方がよいと考える。
 しかし、*7-3のように、「米価安定のために2016年産米で34都道府県が減反を達成した」などとしているのは、転作せずに土地を遊ばせている誤った政策で、耕作放棄地予備軍を作っている。

*7-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20160518&ng=DGKKASFS17H44_X10C16A5PP8000 (日経新聞 2016.5.18) 地域特性に応じ政策 地方創生、政府が支援方針
 政府がまとめる新たな地方創生の基本方針の素案が17日、明らかになった。人口減少や東京一極集中に伴う地方間の経済格差の是正のため、地域の特性に応じた政策を推進する必要性を明記。自治体独自の戦略にあわせ、国が情報・人材・財政からなる「地方創生版3本の矢」の支援を加速する方針を打ち出した。20日に首相官邸で開くまち・ひと・しごと創生会議で素案を示し、31日に閣議決定する見通しだ。文化庁など政府機関の地方移転の実現や、元気な高齢者が地方に移住する「生涯活躍のまち(日本版CCRC)」構想の推進も盛り込んだ。2040年までに全体の4割超にあたる705市町村が全国平均の2倍以上のスピードで人口減少に直面すると分析。中核市や中山間地域など地域特性ごとの共通課題を示し、解決のための政策メニューをまとめる必要があるとした。地方就職を支援する奨学金制度の普及や、公共施設の集約などを具体策に挙げた。

*7-2:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=37549
(日本農業新聞 2016/5/18) 農業支援第2弾きょう公表 補助率上げなど柱 熊本地震
 熊本地震に対応する2016年度補正予算の成立に伴い、森山裕農相は第2弾となる被災農業者への支援策を18日に公表する方針を表明した。経営体育成支援事業の補助率引き上げや、作付け困難な水稲に代わる作物の種子代助成が柱。迅速な事業の執行を通じ、農業復興を強く後押しする考えだ。 森山農相が17日の閣議後会見で明らかにした。農水省は既存の事業を活用した第1弾の農業支援策を9日に公表し、営農再開の支援に乗り出している。さらに必要な支援は、補正予算を活用して第2弾を打ち出す方針を示していた。森山農相は補正予算の成立をにらみ「(18日に)具体的なものを現場にお知らせする」との意向を示した。畜舎や農業用ハウスの再建に充てる被災農業者向け経営体育成支援事業について森山農相は、熊本県が補助率を現行の3割から5割超に引き上げるよう要望していたことを踏まえ、「どれくらいかさ上げになるか(示す)」と説明した。この他、被災施設の撤去や共同利用施設と卸売市場の再建、被災した畜産農家の地域ぐるみでの営農再開などにも取り組む方針。森山農相は「農家の皆さんの再生産への意欲を失わせることのないよう、しっかりした取り組みをしたい」と強調した。併せて、被害が大きい熊本市や益城町、南阿蘇村など9市町村に技術職員を二人ずつ派遣したと報告。被害の査定や書類作成に当たらせるとした。

*7-3:http://www.saga-s.co.jp/column/economy/22901/312985
(佐賀新聞 2016年5月18日) 佐賀など34都道府県、減反達成へ、16年産米 4月末、農水省調査
 農林水産省は17日、2016年産主食用米の生産調整(減反)目標への対応状況を調査した結果、4月末の計画段階で、佐賀など34都道府県が目標を達成する見込みとなったと発表した。前年同時期より3県増え、目標への取り組みが進んでいることから、過剰生産を回避し、米価の安定につながる可能性があるとみている。熊本県は地震の影響で調査の対象外。長年コメ余りが問題となり、農水省や農業団体は飼料用米や麦、大豆への転作を進めている。作付け計画は6月末まで変更が可能なため、今回の調査を受け、さらに転作を促す狙いがある。農水省は昨年秋、16年産主食用米の全国の生産数量目標を前年比8万トン減の743万トンとし、都道府県別に配分した。この目標を北海道や山形、宮城、富山、兵庫、岡山など34都道府県が達成する見込みだ。このうち在庫量などを踏まえ、目標をより厳しくした「自主的取組参考値」に対しては佐賀、福岡、大分など21都府県が達成する見通し。前年同時期より5府県増えた。調査は県やJAなどから農家の計画を聞き取ってまとめた。農水省は実際の作付面積や生産量の推計は公表していない。15年産は目標が751万トンに対し、生産量は744万トンだった。現在と同じ基準で目標設定を始めた04年産以来、初めて目標を達成した。農家やJAなど出荷側と卸売業者間の取引価格は、全国平均で60キロ当たり約1万3千円で推移し、供給過剰で低迷した14年産から千円ほど上がった。


PS(2016年5月19日追加):*8-1のように、将来の農業の担い手は、「佐賀の地から、世界に向けた農業の発信源となるような担い手やリーダーを目指して頑張りたい」「世界に打って出られる農業をしたい」などの頼もしい抱負を持っているので、学校等(農業高校、農業塾、大学の農学部)で、先進農業国の状況を学ばせたり、視察させたりすると、日本でも応用できる沢山のヒントが得られると考える。なお、「父を超える味のイチゴを作る」というのもあるが、品種や栽培方法などの農業技術が進み、農業生産の環境も変わるため、お父さんは当たり前に超えられ、それだけが目標では小さすぎるだろう。
 また、*8-2のように、熊本地震を受けた農業支援策で、いろいろな農産物に対して復興のための助成金がつくことになったため、これを機会に、熊本の自然条件にあった作物に転作したり(米もあっているとは思うが)、農地の集約を行ったりするのがよいと思う。関東でも、熊本、宮崎、沖縄、鹿児島、長崎、佐賀、福岡(何故か、大分はあまり見ない)などの農産物はおなじみだ。

       
*8-2 イチゴの被害  “重機隊”の応援(*9-1)     その他の応援と感謝
  2016.5.19、4               2016.5.19、15、14西日本新聞
  日本農業新聞

*8-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10105/312899 (佐賀新聞 2016年5月18日) 13日、「未来さが農業塾」入塾式、高校生14人 地域農業のリーダーに
 将来、家業を継いで就農を希望する高校生を対象とする「未来さが農業塾」(塾長・荒木清史高志館高校長)の入塾式が13日、佐賀市川副町の県農業試験研究センターで開かれた。県内の農業系5校の生徒14人を新たに迎え、県内の先進農家での研修や海外の農業事情の視察などを通じて高度な農業経営術を身に付ける。同塾は、農業系高校でつくる県高校教育研究会農業部会が主催。県の農林水産部や研究機関、JAなどの団体が支援に当たる。本年度は12月までに県内の農家に泊まり込んでの研修やオーストラリアへの海外研修などを行い、高度な農業技術や経営ノウハウの取得に努め、3年次には営農計画を策定する。式には1~3年生の塾生45人が出席した。荒木塾長は「これからの農業は若い柔軟な発想が大事になる。立派な地域農業のリーダーとして育ってほしい」と式辞を述べた。入塾生を代表して佐賀農高1年の吉原颯人さん(15)=白石町福富=は「佐賀の地から、世界に向けた農業の発信源となるような担い手やリーダーを目指して頑張りたい」と宣誓した。他の塾生も「父を超える味のイチゴを作る」「世界に打って出られる農業をしたい」と入塾の動機などを語った。

*8-2:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=37570 (日本農業新聞 2016/5/19) 熊本地震で支援策第2弾 種子・苗代を半額助成 農水省
 農水省は18日、熊本地震を受けた第2弾の農業支援策を公表した。2016年度補正予算を活用し、被災した農業者の営農再開に向け、水稲から大豆など作物転換にかかる種子代や作業料金を助成する。畜産クラスター事業を通じた畜産経営の再建などにも乗り出す。第2弾の支援策は、17日の補正予算成立を受けて公表した。森山裕農相は「速やかに営農再開いただけるようにサポートする」と述べ、事業の執行を急ぐ考えを示した。営農再開に向けた支援では、地割れや水利施設の損傷で16年産の稲作が困難になった農業者に対し、代わりに作付ける大豆や野菜などの種子・種苗代を半額以内で助成する。農作業委託や、代替作物の栽培に必要な農業機械のレンタルにかかる経費も支援する。中でも、大豆など経営安定対策の対象作物には交付金合わせて10アール当たり5万5000円が支払われるため、所得の一定確保へ一連の対策で作付けを後押しする考え。畜舎の倒壊や家畜の死亡といった甚大な被害が出ている畜産経営の再建は、畜産クラスター事業で対応。地域ぐるみで収益力向上に取り組む畜産クラスター計画の中心的経営体に、施設整備と家畜導入をセットで支援する。被災地の建設費高騰に備え、施設整備を支援する際の上限単価引き上げなど柔軟に対応する。この他、被災を機に野菜や果樹などに作物転換したり、規模を拡大したりする農業者も支援する。農業機械や施設園芸用機器のリース導入、パイプハウスや果樹棚の設置に必要な資材の共同購入にかかる経費を半額以内で助成する。今回の補正予算は、省庁ごとに予算を積み上げる従来の編成と違い、あらかじめ使い道を定めない予備費を財源とした。同省は現場の要望を聞き取り、事業費を決める方針。農業者が支援を受けるには、JAや市町村などを通じ、同省に意向を伝える必要がある。


PS(2016年5月20日追加):*9-1のように、全国の建設業者のボランティアである“重機隊”が活動を始めて力強い。また、*9-2のように、民間の支援を調整して動くことにより大きな力を出し、それぞれの得意分野を生かして現地のニーズに応えるため、支援組織「佐賀から元気を送ろうキャンペーン」を発足させたそうだが、全国規模や九州規模でニーズに応えれば解決が速やかだろう。

*9-1:http://qbiz.jp/article/87095/1/ (西日本新聞 2016年5月19日) “重機隊”思い出の品救う 建設業者が全国から応援 被災家屋で無償捜索
 熊本地震の被災地では倒壊家屋に埋もれた「思い出の品」を見つけ出そうと、全国の建設業者が重機を使ったボランティア活動を始めている。関係者の思いに応えるため、受け入れ側も万全の環境を整えている。呼び掛けたのは、岐阜県高山市の災害ボランティア団体「Vネットぎふ」代表川上哲也さん(52)。今回の地震後、「本格的な解体作業が始まると、全て撤去されてしまうことが多い」と懸念。「思い出」を持ち主に返してあげたいと、東日本大震災や関東・東北豪雨などで復旧作業した建設業者に協力を募った。活動場所は熊本県西原村。全国から仲間が集まり、ボランティアセンターを開設する村社会福祉協議会に目的を話した。社協側は危険を伴う機器を扱う作業はボランティア活動保険の対象とならないこともあり、一時は難色を示した。しかし「自分の技術を役立てたい」「保険が出なくても構わない」との熱い思いに打たれ、川上さんらの活動を認めた。1階部分がつぶれた川元博美さん(58)宅。社協のビブスを着た作業員らが手慣れた様子でショベルカーやチェーンソーを操ると、小さな貯金箱が見つかった。娘が幼い頃から大切にしていた品。「やっと見つけた。今日で捜し物は終わりだな」。川元さんは目に涙を浮かべながらつぶやく。日記やアルバム、結婚記念のネックレス…。これまで200人以上が携わり、いくつもの「思い出」を見つけた。川上さんは「家族の歴史は一度失うと取り戻せない。それだけは守ってあげたい」と支援を続ける決意を語った。

*9-2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/313601
(佐賀新聞 2016年5月20日) 民間25団体が連携 被災地を支援、ニーズ、得意分野で調整
 熊本地震の被災地を連携して支援しようと、佐賀県内外のNPO法人や一般社団法人など25団体が支援組織「佐賀から元気を送ろうキャンペーン」を発足させた。民間の支援を一本化し、調整して動くことでより大きな力につなげる狙い。被災地で活動する他の団体とも連携し、それぞれの得意分野を生かして現地の細かなニーズに応える。支援組織は、東日本大震災発生時にできたネットワークを基に構成。佐賀未来創造基金や地球市民の会などが入っており、佐賀から必要な人材や物資を送る仕組みをつくる。具体的には、被災地で復興支援を行うNPO法人アジアパシフィックアライアンスや日本レスキュー協会などが被災者のニーズを調べ、その情報に沿って活動に適した団体が支援する。主に熊本県益城町と西原村で活動し、期間は約1年を予定。岩永清邦委員長は「行政には対応が難しい細かなニーズに、民間のフットワークの軽さで応えていきたい」と話す。被災地の現状と支援のあり方を考える講演会を21日午後3時半から佐賀市白山の佐賀商工ビルで開く。西原村で災害復旧に当たった県職員の鶴田さゆりさんらが話す。参加無料。申し込みは地球市民の会、電話0952(24)3334。


PS(2016年5月22日追加):大豆に転作すると飼料用米(牧草やとうもろこし等の代替品がある)に転作するよりも補助金が少ないのは前からおかしいと思っていたが、水稲農家の転作に際しては、このような問題が生じているのだ。しかし、本当は足りないものを作る人の方が儲かる仕組みでなければならない。熊本は水がよいため、スイカは適地であるし、そのほか桃・アーモンド・オリーブ・デコポン(ハチミツが副産物)などの水を多く吸い上げる作物にも向いていると思うので、熊本大学・九州東海大学の農学部や九州農政局も協力して、水稲にこだわらず、周囲を彩りながら、土地の長所を活かして儲かる農業を考えたらどうだろうか。

    
   デコポン       オリーブ       桃と菜の花            アーモンド

*10:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=37596
(日本農業新聞 2016/5/21) 熊本地震 大豆作「湿田は無理」 水稲並み所得難しく 阿蘇市
 熊本地震の影響で水路を断たれた熊本県阿蘇市の水稲農家が、国が勧める大豆への作付け転換では所得を確保するのは難しいと、不安を抱えている。十分な収量が見込めない湿田地帯で、“大豆不適地”のためだ。国の交付金を含めても主食用米と同等の所得は見込めそうにない。大豆に向かない地域特性を踏まえた支援を求める声も上がっている。「前を向いてやるしかないが、大豆では食っていけないのが現実だ」。同市で稲作を営む内田智也さん(31)は、荒れた水田を前に腕を組む。今期は45ヘクタールで田植えを予定していたが、水路が壊れるなどして3分の1は断念した。大豆への転換も模索するが、「米ほどの所得は確保できない」と言い切る。同市は湿田地帯で雨も多く、大豆には不向きとされる。九州農政局によると、10アール当たり収量は100キロに満たず、全国平均、県平均の半分程度だ。近年は乾田化も進むが、地震で排水施設が破損しているとみられ、収量は減る恐れが強い。阿蘇地域振興局は、管内の大豆の販売代金を60キロ1万円と見込む。10アール収量を100キロとしても、販売代金は1万6000円。畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策、10アール2万円)と水田活用の直接支払交付金(同3万5000円)を合わせても収入は10アール当たり7万1000円にとどまる。担い手加算(同2万3000円)などの交付金もあるが、受けられない農家も少なくない。一方、主食用米の販売代金は60キロ当たり1万3000円で、10アール収量は480キロ。米の直接支払交付金(7500円)を合わせて収入は10アール当たり11万1500円となり、大豆を大きく上回る。九州農政局は「基本的に大豆でも米と同等の所得が確保できる」としつつも、「阿蘇などの地域では所得が米を下回る可能性もある」と認める。阿蘇市などによると、市内で田植えができない水田は約300ヘクタール。農家らによる応急復旧が進んでいるため今後、作付けできる水田が増える可能性もあるが、多くの農家が収入減少の影響を受けるとみられる。阿蘇土地改良区は「生活が厳しくなる農家が出る。前例にとらわれず、所得を補償するなどの支援が必要だ」と訴える。農水省は、地震で営農が困難な農業者の所得確保策として、他の農業法人で働くことも想定する。受け入れ法人に年間最大で120万円を助成する支援策を用意した。

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