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2016.10.2 良い人材がすべての基本だが、今、そのために足りないのは学力である。 (2016年10月4、6、7、11、18、30日に追加あり)
  
2016.2.10 2016.10.1goo   各国の削減目標      2016.9.30東京新聞(原発の現状)  
 朝日新聞                (日本は情けない)

   
2016.9.30  2016.9.30毎日新聞(公立学校の全国学力テストの結果)      上位県
 日経新聞

(1)無知と不見識による政策判断ミス
 *1-1のように、欧州連合(EU)は、2016年9月30日に「パリ協定」への締結を決め、インドも発効の条件を満たして締結する予定であるため、「パリ協定」は10月に発効する見込みだそうだ。日本は、(私の提案で)1997年に採択された京都議定書をまとめた国なのだが、その後、無知で不見識なバックラッシュによって環境政策は後戻りし、パリ協定もこの臨時国会でやっと審議する予定だ。つまり、形だけ決めても実行するまでに時間をかけることで形骸化させる政策によって、日本は存在感を示すどころか、日本とは関係なくパリ協定の発効が決まったのである。

 一方、*1-2のように、今世紀後半に温室効果ガス排出の「実質ゼロ」を目指すパリ協定を、米中は9月3日に締結し、「国際的信用にかかわる(ユンケル欧州委員長)」として欧州連合(EU)も、9月30日にEUと一部加盟国が先行締結する「例外的措置」を決めた。日本は、「締結は米中の動きを見てから」などと、いつものとおり他に遅れて初めてあわてて追随する姿勢であるため(これが官主主義の限界)、そのような国が意思決定に参加できずに蚊帳の外に置かれて存在感がなくなるのは当然のことなのである。

1)EVの例
 *2-1のように、欧州の自動車大手はディーゼル車から電気自動車(EV)へのシフトを強め、独フォルクスワーゲン(VW)は2016年9月29日に開幕したパリ国際自動車ショーで、1回の充電で最長600キロメートルを走れるコンセプト車を発表した。また、独ダイムラーはEV向け新ブランド「EQ」を立ち上げると表明し、第1弾として1回の充電で最長500キロメートルを走れるコンセプト車を公開した。

 しかし、トヨタをはじめ日本車はプラグインハイブリッド車(PHV)が中心で、電気だけで走れる距離は現行車の60キロメートルにすぎず、PHVはガソリン車でもあるため、EV車の長所を活かした設計ができない。また、日本では、電池の容量が小さいというEVに関する悪い宣伝が行き過ぎていたため電池の改良が進まず、次世代エコカーの本命を乗用車まで燃料電池車(FCV)とし、水素燃料の供給施設はコスト高で少なく、大いに出遅れている。そのため、科学的に正しい判断に基づいて迅速な行動をとる欧州勢が、先端技術の標準づくりをするのは当然のこととなる。

 EVへの転換も私の提案で始まったのでよく知っているのだが、EVへの転換の目的は新興国まで含めた排気ガスの抑制であり、それを燃費さえよければよいと考えて燃費規制(排ガス規制ではない)にした政治・行政や不正をしてまでディーゼルエンジンで乗り切ろうと考えた自動車会社は不見識だったのだ。

 なお、*2-2のように、北京モーターショーの会場もEVのオンパレードとなり、中国が日本企業を巻き込んで世界ナンバーワンのEV大国になる可能性が極めて高くなったそうだ。中国は、アメリカのZEV法(ゼロ・エミッション・ヴィークル規制法:排気ガス規制法)の中国版を作ったそうで、燃費規制ではなく排ガス規制があるべき規制であるため、これが世界に受け入れられるのは時間の問題だ。日本政府(経産省)や日本のメーカーは、自動車の排気ガスでいぶされて気分が悪くなっている人や排気ガスで汚れた道路をよく見るべきだったのである。

 また、三菱自動車は最初の燃料電池車を創ったにもかかわらず日の目を見ることなく、*2-3のように、燃費規制に合わせるため、ディーゼルエンジン車の燃費測定で不正を行っている。さらに、再測定でも不正があり、統計データのとり方すら知らない人が都合のよいデータを集めて結果を出しているのではないかと思われるほどだ。もしそうなら、統計学や数学などの基礎学力に問題がある。

2)エネルギーの例
 *3-1のように、他のエネルギー源と比較してコスト高で事故時の環境汚染が大きすぎる原発市場は世界でしぼむ。そのため、日立、東芝、三菱重工は核燃事業を統合することで調整している。
 
 にもかかわらず、*3-2のように、原発再稼働を進める経産省の意向を追い風に、国民負担を求めたい電力会社側の理屈で、内閣府の専門部会が議論を本格化させるとのことだ。そして、経団連でエネルギー対策を担当する加藤氏が、「原子力を積極的に推進してきたことに基づき、国の補償を求める」と述べたそうだが、原子力を推進していた時には、国民は「原発は安全でコストの安い夢の電源だ」と聞かされていたのだから、事実と異なる説明をして原子力を推進した者が正しい責任者である。

 なお、国は、東京電力福島第一原発の事故後に見直したエネルギー基本計画で、原子力を「重要なベースロード電源」と位置づけ、廃炉費用を電力自由化で新規参入した小売業者にも負担させる方針だ。しかし、これは、電力自由化を骨抜きにして原発より優れた電源が普及するのを邪魔し、新しい技術や新規企業の発展を阻害するやり方であって、経済学の基礎知識がなく、日本の再生可能エネルギーをEVと同じ運命にするものだ。

(2)教育における学力の軽視
 なぜ我が国で、(1)のような驚くべき判断が続くのかについては、書くと反感を感じる人がいるだろうが書かなければわからないので書くと、*4-3で代表されるように、全国学力テストをすることにさえ反対する人がいるくらい、学力を軽視しているからである(ただし、この程度の調査に数十億円かかるというのは、豊洲市場や東京オリンピックの経費と同様、高すぎる)。そのため、私は運動や芸術と同様、英・数・国・社・理くらいの「学力コンクール」はしばしばやるべきで、学校のみならず個人の上位者も氏名を発表して遣り甲斐を出すべきだと考える。何故なら、(1)で書いたことは、大学教養レベルの物理・数学・経済学の範囲内であり、これらがわかっていれば直ちに理解でき、わかっていなければ理解できないことだが、それを支えているのは小学校から高校までの学力だからだ。

 また、*4-1には、「①国語と算数・数学しかテストしていないこと」「②各地で学力の底上げが続いたという文科省の分析」「③国語では目的に応じて自分の考えを明確にしながら読んだり、根拠を示して書いたりする問題に課題があり、算数・数学でもグラフから情報を読み取って記述する問題などに間違いが目立った」と書かれている。

 しかし、①については、国語と算数・数学しかテストしないということは、国語と算数・数学しか重要科目として真剣に勉強していないということだろうが、それでは③のように自分の考えを明確にしながら読んだり、根拠を示して書いたりすることはバックグラウンドの知識がないためできないのが当たり前であり、グラフから情報を読み取って記述することもまた同じである。②は、その範囲では各地で頑張ったということなので、全国学力テストは無駄ではなかったということだ。

 なお、*4-2にも、やりとりや表現を理解する力や根拠を示して書く力などに引き続き課題が残ったと書かれているが、やりとりや表現を理解する力は国語だけの問題ではなく背景の知識が必要であり、根拠を示して書くことは(根拠にならないことを根拠のように書いているメディアも含めて)日本人の多くが不得意とすることだが、本来は普段から大人とのコミュニケーションの中で訓練されていくべきものである。

 そのような中、*4-4のように、沖縄県内の公立小学校は、国語A、算数Bの平均正答率が初めて全国平均を上回り、4教科全てで全国平均を超え、算数Aは、都道府県別で4位になったそうだ。公立中学校は、全教科の平均正答率で全国平均との差を縮め、国語Bは都道府県別で45位と、初めて最下位から抜け出すなどの改善傾向がうかがえたそうで、頑張ったことに敬意を表したい。

<政策における致命的な判断ミス>
*1-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12586084.html
(朝日新聞 2016年10月1日) パリ協定、来月発効 温暖化対策 EUが締結決定
 地球温暖化対策の新しい国際ルール「パリ協定」が11月に発効する。欧州連合(EU)が30日、環境相理事会で協定締結を決めた。3日に始まる欧州議会で承認する。インドも締結する予定で発効の条件を満たし、30日目に自動的に発効する。日本は開会中の臨時国会で審議する予定だが、日本を待たずに発効が決まった。協定は、すべての国が二酸化炭素(CO2)などの削減にとりくむことを定めた温暖化対策のルール。産業革命以降の気温上昇を2度未満に抑え、今世紀後半の温室効果ガス排出を「実質ゼロ」にすることを目指す。55カ国以上が締結し、総排出量が全体の55%以上になることが発効の条件だった。国連によると、9月30日時点の締結国は米国や中国、ブラジル、北朝鮮など61カ国、排出量の割合は47・8%。EUは国内手続きを終えた加盟国とともに締結する。現時点では独仏など7カ国で排出量は4・6%、2日に締結する世界第4位の排出量国インドの4・1%を加えると排出量の条件を満たす。11月7日までに発効する可能性が高く、この日からモロッコで開かれる国連気候変動会議(COP22)で、パリ協定の第1回締約国会合が開かれ、実施ルールづくりなどを協議する。日本は温室効果ガス排出量が世界の約3・8%を占め、世界5位の排出国。5月にあったG7伊勢志摩サミットで議長国を務め、協定の年内発効を目指すことを首脳宣言に盛り込んだ。だが、締結の国内手続きが遅れており、存在感を示せていない。安倍晋三首相は29日、参院代表質問で協定締結について開会中の臨時国会で審議する方針を示したが、審議日程は決まっていない。

*1-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12585975.html
(朝日新聞 2016年10月1日) パリ協定、日本出遅れ 早期発効、審議追いつかず
 今世紀後半に温室効果ガス排出の「実質ゼロ」を目指すパリ協定が、11月に発効する。採択から1年足らずという国際条約としては異例の早さとなった。まだ締結できていない日本の存在感は薄れるばかりだ。1997年に採択された「京都議定書」は発効までに7年かかった。昨年12月に採択されたパリ協定は当初、各国の国内手続きと、実施ルール作りの時間を考えて、2018年ごろの発効が見込まれていた。しかし、世界の排出量の約38%を占める米中が9月3日に締結し、各国の動きが加速。欧州連合(EU)も、「国際的信用にかかわる」(ユンケル欧州委員長)として、30日にEUと一部の加盟国が先行締結する「例外的な措置」を決めた。国連のナバロ事務総長特別顧問は「各国が競っている。これだけ加盟国の多い協定では最速の発効だ」。パリ協定が、各国が自主目標に向けて対策を取る仕組みのため、先進国に削減目標を課して達成を義務づけた京都議定書よりも緩い枠組みだったことも、締結のハードルを下げた。「締結は米中の動きを見てから」と、承認案の審議を来年の通常国会で行う構えだった日本政府。想定外の早さに開会中の臨時国会に提出を前倒しするが、審議日程は決まっていない。早期発効で、11月7日に始まる国連気候変動会議(COP22)では、パリ協定の第1回締約国会合が開かれ、実施ルール作りを議論する。日本の締結が間に合わなければ、意思決定に参加できず、蚊帳の外に置かれる。

<EVの事例>
*2-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20160930&ng=DGKKZO07807540Z20C16A9TI1000 (日経新聞 2016.9.30) VW、背水のEVシフト パリ自動車ショー開幕、排ガス不正/燃費規制強化 欧州、脱ディーゼルの波
 欧州自動車大手がディーゼル車から電気自動車(EV)へのシフトを強めている。先頭を行くのが排ガス不正問題で揺れた独フォルクスワーゲン(VW)だ。29日に開幕したパリ国際自動車ショーでは1回の充電で最長600キロメートルを走れるコンセプト車を発表。燃費規制強化も受け、背水の陣でEV開発を急ぐ。独ダイムラーなども同じ波に乗り、欧州発の新たなエコカー競争が始まる。「20世紀のベストセラーとなった『ビートル』や『ゴルフ』と同様、自動車産業に次の変革をもたらすモデルになる」。VWブランド乗用車部門トップのヘルベルト・ディース氏が会場で胸を張り、世界で初めて披露したのがコンセプトEV「I.D.」だ。開発中のEV専用プラットホーム(車台)「MEB」を採用し、2020年に生産を始める。電池など主要部品の配置を柔軟に組みかえられ、様々な派生モデルを造れる。部品共通化で量産効果を引き出し、「発売時にはゴルフ並みの価格に抑える」(ディース氏)。
●販売比率25%へ
 VWは25年までに30車種以上のEVを投入し、グループ年間販売台数に占めるEV比率を現状の1%から最大25%に引き上げる計画だ。かつてはクリーンディーゼルでエコカー競争を主導しようとしたが、1年前に発覚した排ガス試験の不正問題が歴史的な方針転換の引き金を引いた。だが欧州勢のEVシフトはVWにとどまらない。背景にあるのは燃費規制の強化だ。欧州連合(EU)は最も厳しく、21年に走行距離1キロメートルあたりの二酸化炭素(CO2)排出量を15年規制値より約3割減らす必要がある。三井物産戦略研究所の西野浩介産業調査第一室長は「ディーゼル車の進化だけで数値目標を達成するのは困難だ」と指摘する。
●新ブランド公開
 独ダイムラーはEV向け新ブランド「EQ」を立ち上げると表明。第1弾として1回の充電で最長500キロメートルを走れるコンセプト車を公開した。独オペルや仏ルノーも新型EVを披露した。欧州勢は部品生産や充電インフラの投資も急ぐ。ダイムラーは独化学大手と共同出資した電池企業を14年に完全子会社にし、今年3月には5億ユーロ(約570億円)で第2工場を建設することを決めた。ドイツではEV普及のために官民が折半出資で総額10億ユーロを拠出し、うち3億ユーロで17~20年に計1万5千カ所の充電スタンドを整備する。日本車大手は欧州でのEVシフトにやや距離を置く。トヨタ自動車が披露したのは今冬に日本で売り出すプラグインハイブリッド車(PHV)「プリウスPHV」。ガソリンを使わず電気だけで走れる距離は現行車の2倍強の60キロメートル。日常生活ではほぼEVとして利用できる点を訴えるが、純粋なEVとは異なる。そもそもトヨタ、ホンダは燃料電池車(FCV)を次世代エコカーの本命に据えている。「電動化」という点では一致するものの、水素をエネルギーとするためEVとは違うインフラが必要だ。欧州は現在、新車販売の約5割をディーゼル車が占めるが、次世代車はEV、PHV、FCVの三つどもえの競争となりそうだ。欧州勢は先端技術のデファクトスタンダード(事実上の標準)づくりにたけている。そのEVシフトのスピード感を甘く見ていると、日本車大手は思わぬ劣勢に立たされる可能性がある。

*2-2:http://autoc-one.jp/special/2695104/ (オートックワン 2016年5月3日)
電気自動車(EV)で日本の自動車メーカーが中国メーカーに負ける日が近い!?
●北京ショーが再びEVで大盛り上がり
 北京モーターショーの会場内は、EVのオンパレードになった。事態をよく呑み込めていない、口の悪い日本メディアは「どうせ、欧米や日本の技術のパクリでしょ」と嘲笑う。しかし、今回の中国でのEV盛況ぶりは、そんないい加減なものではない。それどころか、中国が日本企業を巻き込み世界ナンバーワンのEV大国にのし上がる可能性が極めて高くなってきた。「ちょっと、それって、言い過ぎじゃない?」と思われる方も多いかもしれない。だが、これが現実。筆者の個人的な観測ではなく、日系自動車メーカーの幹部や技術者たちの「本音」なのだ。中国でのEV事情を振り返ってみると、最初に盛り上がりを見せたのは2000年代後半だった。この頃は、中国は新興国のBRICs(ブラジル、ロシア、インド、チャイナ)の一角として、GDP(国民総生産)の伸び率が毎年二桁となる、急激な経済成長を続けていた。それに伴い、沿岸部の大都市圏を中心として、自動車の需要が急増。あと一歩で、アメリカを抜いて生産、販売それぞれで世界ナンバーワンの座につきそうな勢いだった。この時期、筆者は中国各地で日系や中国地場の自動車メーカーや部品メーカーを取材して回ったが、どこも「作っても作っても間に合わないほど売れる」と嬉しい悲鳴を上げ、工場の増設や新設が相次いでいた。
●中国が新EV政策でアメリカと手を組む?
 そうした国の成長を象徴するように、国際的なイベントが目白押しだった。2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博、そして同年に広州で開催されたアジア競技大会の3イベントで、中国政府は「新しい中国」のイメージアップを繰り広げた。その一環として、EVがあった。「十城千両」と呼ばれる施策によって、10の大都市でそれぞれ1000台以上のEVを数年間で普及させるとした。その後、対象の都市の数は25まで拡大した。北京オリンピックや上海万博では、電池交換式のEVバスが走り、広州にほど近い深センを本拠とするEVベンチャーのBYDが脚光を浴びた。しかし、「十城千両」は2013年頃、突如終わってしまった。その理由は、地方都市の官僚がEV普及の重要性をよく理解しておらず、EVに関する規制緩和や事務手続きで大幅な遅れが生じ、普及台数が伸び悩んだためと言われている。ところが、2014年秋になると、中国政府は何の前触れもなく、「新たなるEV政策」を発表。以前は、販売奨励金の対象が地方自治体や企業を中心としていたが、それを個人向けに拡大したのだ。さらに、「アメリカと手を組む」という大胆な行動に出た。これには、それまでEV技術で世界をリードしてきた日系自動車メーカーも強烈な衝撃を受けた。
●中国でついに始まる「NEV」ってなんだ?
 「アメリカと手を組んだ」とは、どういう意味か?それは、アメリカのZEV法の中国版を作ったということだ。ZEV法とは、ゼロ・エミッション・ヴィークル規制法。米カリフォルニア州の環境局による大気保全委員会(CARB)が規定する法律だ。カリフォルニア州は南部のロサンゼルス周辺の大気汚染が酷く、その改善策として、世界一厳しい排気ガス規制の一環として、1990年にZEV法を施行した。ここでは、EVやプラグインハイブリッド車、さらに燃料電池車などの電動車の普及台数を、同州内でガソリン車の販売台数の多い自動車メーカー毎に指定した。もし、この指定台数を達成できないと、各自動車メーカーのガソリン車の販売台数1台あたり、30万円程度と推測される巨額のペナルティが課せられる。こうした厳しいZEV法は、アメリカの他の州にも影響を与えている。自動車メーカーにとっては、アメリカは90年代~2000年代にかけて、世界ナンバーワンの自動車販売国。そのなかで、州別売上ランキングナンバーワンがカリフォルニア州だ。そのため、日系メーカーにとっても、EVや燃料電池車を開発する際、まずは「ZEV法ありき」で開発を進めてきたというのがEV開発の実態だ。そうした世界自動車産業の図式を、中国が参考にしたのだ。
●日本メーカーは当面は「プラグインハイブリッド」
 具体的にどうしたかというと、CARBに対する学術的なサポートをしている、カリフォリニア大学デービス校(UCD)に対して、中国の国立自動車研究所(CATARC)と一緒に中国版のZEV法を作って欲しいと、中国政府がアメリカ政府に持ち掛けたのだ。そうして生まれたのが、NEV法(ニュー・エネルギー・ヴィークル規制法)だ。そのNEV法が2016年に入って、具体的な内容が徐々に明らかになり、自動車メーカー各社は情報収集に躍起になっている。つまり、EVや燃料電池車などの電動車について、自動車メーカーが気にするのは、世界一の自動車製造・販売国の中国と、第二位のアメリカだ、ということ。この2国のみが、電動車の販売台数に対する厳しいペナルティを課すからだ。一方、日本の場合、こうした厳しい規定がない。あるのは、経済産業省が自動車産業界と連携してまとめた「次世代戦略2014」のなかで、ざっくりとした「達成目標」を提示しているだけだ。日本政府としては、自動車産業の自主性に任せるものであって、政府が強制的に指導するのは“いかがなものか”と「逃げ腰」である。そんな弱気の日本を尻目に、中国はアメリカとタッグを組んで、EVの本格普及に乗り出す構えだ。だが、日系メーカーの一部では「前回の十城千両で痛い目にあったから、少し様子を見たい」という声が聞かれる。 その結果として、日系メーカーは当面は「プラグインハイブリッド車止まり」の事業戦略しか公表していない。こんな弱腰で、本当に大丈夫なのか?気がつけば、EV産業界は中国とアメリカに牛耳られてしまうのではないのか?そんな強い危機感を、北京で感じた。

*2-3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12586093.html (朝日新聞 2016年10月1日) 再発防止策を公表 三菱自燃費再測定不正
 三菱自動車は9月30日、燃費不正発覚後にデータを再測定した際にも不正があったと国から指摘された問題について、再発防止策を公表した。相次ぐ不祥事のたびに講じてきた再発防止策はうまくいかなかっただけに、資本業務提携を結んだ日産自動車の支援の下で、実効性を持たせられるかが問われる。三菱自の益子修会長兼社長が30日、国土交通省を訪れ、再発防止策を報告した。報告後、報道陣に「長い道のりだが、信頼を回復したい」と述べた。再測定をめぐる問題で8月末から販売を自粛していた8車種は10月1日から売り出す。三菱自は4月に軽自動車4車種の燃費不正が発覚した後、軽以外の9車種の燃費を再測定した。その際、法令の「グレーゾーン」を突く形で、有利な数値を選び出すプログラムを使って燃費を計算。その後、国交省の測定で、9車種のうち8車種で燃費がカタログより最大8・8%悪いことがわかり、国交省は「常軌を逸する事態」と批判した。三菱自は6月に23項目の再発防止策を公表したが、今回、8項目を追加した。不正の温床となった「開発本部」の見直しが柱で、開発本部の中間管理職を減らして風通しをよくし、燃費計算に使うプログラムの改訂に当たる専門委員会も新設することにした。三菱自は2000年、04年にリコール隠しが発覚。経営危機に陥り、三菱グループの資金支援で再建を図った。専門性の高い多くの技術者が退職し、組織が「たこつぼ化」した。燃費不正を受けて設けられた特別調査委員会は、こうした閉鎖性が「不正行為が法規に違反していることへの意識が極めて希薄」な企業文化を生んだと分析した。三菱自は10月、日産の出資を受けて傘下に入る。仏ルノーから送り込まれた日産のカルロス・ゴーン社長は、たこつぼ化した部門を横断するチームをつくって再建に成功した。経験を生かせるかが、再建のカギを握る。

<エネルギーの事例>
*3-1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201609/CK2016093002000126.html (東京新聞 2016年9月30日) 世界でしぼむ原発市場 日立、東芝、三菱重が核燃事業統合へ
 日立製作所と東芝、三菱重工業の三社が原発の燃料製造事業を統合することで調整していることが二十九日、分かった。東京電力福島第一原発の事故の影響で国内の原発はほとんど稼働せず財務が悪化しており、来春を目指した統合で経費節減などを目指す。しかし、原発産業をめぐる経営環境は国内外で厳しさが増しており、狙い通りの効果を上げるのは難しい状況だ。統合を検討している三社は、日立、東芝、三菱重が直接出資する二社と、東芝傘下の米ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)などが出資する一社。安倍政権は原発の再稼働を急ぐが、国民負担を増やす議論が始まるなど矛盾や課題が山積している。安倍首相はインドやトルコなど海外に原発を売り込むが、原発産業は世界でも厳しさを増している。欧州ではドイツが脱原発の方針を決定。フランスは原発大手アレバが開発した原子炉に相次いでトラブルが発生し、二〇一五年度まで五年連続で純損益が赤字になり、政府が支援に乗り出している。英国は二酸化炭素(CO2)の排出を抑えるため原発の新設を決めたが、事業者の採算割れを防ぐため一キロワット時当たり一二・二一円(一ポンド=一三二円換算)の収入を保証する仕組みを導入。市場で取引される電力価格(一キロワット時当たり五・五円程度)の二倍を超え、足りない分は国民が負担する状態だ。米国では採掘困難な地層から石油や天然ガスが得られるようになったシェール革命で火力発電が安くなり、コストに劣る原発の廃炉が相次ぎ決まっている。新興国では原発の増加が見込まれている。だが、世界の原子力産業を調査する市民グループによると、中国では原発への投資額は再生可能エネルギーの二割弱。インドでも一二年以降、風力の発電量が原発を上回る傾向が続いている。加えて、原発には金銭以外のリスクもある。使い終わった核燃料など「核のごみ(高レベル放射性廃棄物)」は数万年におよぶ長期の管理が必要なため、民間企業は責任を負いきれず、各国とも処分に頭を悩ませている。名古屋大情報文化学部の高村ゆかり教授は「採算面や金銭に換算できないリスクがあるという側面を見ると、原発産業を民間ビジネスとして成り立たせるのは難しい」と話している。

*3-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12587832.html
(朝日新聞 2016年10月2日) 原発事故、責任負うのは 事業者賠償に上限案
 原発事故の賠償責任を国民も負うべきか――。内閣府の専門部会が議論を本格化させる。背景には、原発再稼働を進める政権の意向を追い風に、国民にも負担を求めたい電力会社側の理屈がある。だが、事業者が「有限責任」になったら安全への意識が薄れ、対策が手薄になりかねないと指摘する専門家もいる。
■賛成派「国策、国も負担を」
 「原子力を積極的に推進してきたことに基づき、国の補償を求める」。5月の専門部会で、経団連でエネルギー対策を担当する加藤泰彦氏(三井造船会長)が述べた。オブザーバー参加の電気事業連合会も同調しつつ、自由化が進んで原発費用のすべてを電気料金でまかなえる総括原価方式がなくなったら、原発事故時の負担額を予測できない懸念を示した。これまで電力業界は「原発のコストは安い」と主張してきたが、賠償負担が重くなったらコストがどれだけ高くなるかの言及はなかった。国は、東京電力福島第一原発の事故後に見直したエネルギー基本計画で、原子力を「重要なベースロード電源」と位置づけた。いずれの意見も、これらを理由に国も事故の補償を担うべきだとの考えだ。部会では業界以外からも、テレビ番組のコメンテーターとしても知られる住田裕子弁護士が「(事業者への)絶大な許認可権限や監督権が国にはある。国の責任を一歩進めるべきだ」と主張。いまの原子力損害賠償法では国の援助があいまいで、具体化すべきだとの考えに立った。
■慎重派「安全おろそかに」
 ただ、事業者の有限責任化には慎重論も根強い。環境法や賠償制度に詳しい大塚直・早大教授は、無限責任の維持を強調した。国も負担する制度を採り入れると「安全に対する事業者の投資がおろそかになる可能性がある」というのが主張の柱だ。また、消費者団体役員の辰巳菊子氏は、原発事業について「利益はすべて事業者にいき、事故時だけ国に負担を求める話は納得しがたい」と指摘した。法曹界も有限責任に反対の立場だ。日本弁護士連合会は8月、賠償制度の見直しについて「そもそも(事故を起こすなどの)不法行為の法制度で賠償の責任が限定されることはない」とする意見書を公表した。事業者負担を限定すると、賠償制度が持つ「事故の再発を防ぐ機能」も失われるとしている。
■無限責任の原則、なし崩しの恐れ
 一方、福島の事故をみると、無限責任がなし崩しになる恐れがある。
 国は2013年度末、賠償や除染にかかる費用として、東電への貸し付けを5兆円から9兆円に増額した。しかし、その後も費用がかさみ、当面の廃炉費用を含めると計20兆円近くに膨らみそうだ。東電は7月、今後も増える廃炉費用を負担しきれないとして、国にさらなる支援を求めた。経済産業省も具体的に支援策の検討を始め、電力自由化で新規参入した小売業者にも負担を求める方針だ。全国の消費者の負担が重くなれば、福島事故が有限責任の先行例になり、賠償制度の見直しにも影響しかねない。
■原発事故の事業者責任の論点
<有限責任>
・事業者の安全意識が低下しないか
・過失度合いで負担額を決めると賠償手続きが煩雑化
・国の負担割合をあらかじめ決めるのは困難
・国民の理解が得られるか
<無限責任>
・現行の民間保険や政府補償では備えが過小
・事業者が巨額債務を抱える問題が残る
・国の援助のあり方

<教育―学力の軽視>
*4-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20160930&ng=DGKKASDG22H5H_Z20C16A9EA2000 (日経新聞 2016.9.30) 学力テスト、地域差縮小続く 下位県の成績向上 応用力に課題
 文部科学省は29日、全国の小学6年と中学3年を対象にした2016年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト、学テ)の結果を公表した。平均正答率で、下位自治体と全国平均や上位との差は初回だった07年度と比べて縮まっており、文科省は「各地で学力の底上げが続いた成果」と分析している。 今年4月、全国の国公私立の小中学校2万9千校に在籍する207万人が国語、算数・数学で受け、それぞれに知識を問うA問題と活用力を測るB問題が出題された。各回の全国平均を100として正答率が低い3県と比較したところ、07年度に3.7ポイントあった中学数学Bの差が今回は2.0ポイントに改善。上位と下位の差も縮まった。小学校の算数Bを除く小中7科目で07年度より数値が向上し、15年度と比べても5科目で改善した。平均正答率はこれまでと同様、B問題で低かった。国語では目的に応じて自分の考えを明確にしながら読んだり、根拠を示して書いたりする問題に課題があり、算数・数学でもグラフから情報を読み取って記述する問題などに間違いが目立った。都道府県別の平均正答率(公立)では、小学校の4科目のうち3科目で石川が最も高かった。中学では秋田と福井がそれぞれ2科目でトップとなり、上位の顔ぶれは例年と大きく変わらなかった。低迷が続いていた沖縄は、初めて小学校の全科目で全国平均を上回った。学テは教育委員会や学校現場が結果から子供の課題を把握し、指導改善につなげることを目的に07年度に始まり、今回で10年目。当初は全員参加方式で民主党政権下に抽出方式となり、自民党の政権復帰に伴い13年度から全員参加に戻った。全員参加は今回で4年連続だが、今年4月の熊本地震の影響で熊本県の全小中学校と宮崎、大分両県の一部は後日実施となり、結果は全国集計に反映されなかった。文科省は当初8月25日に今回の結果を公表する予定だったが、中学校分の採点などを受託した業者の集計にミスがあり公表が1カ月以上遅れた。

*4-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20160930&ng=DGKKZO07808290Z20C16A9M13300 (日経新聞 2016.9.30) 「深い学び」なお途上 小6・中3学力テスト結果
 2016年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト、学テ)は基礎知識の定着に一定の改善がみられたものの、やりとりや表現を理解する力や根拠を示して書く力などに引き続き課題が残った。次期学習指導要領で掲げられる「深い学び」の実践に向け、各教科の専門家からは指導のさらなる工夫を求める声が上がっている。

*4-3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161002&ng=DGKKZO07902070S6A001C1PE8000 (日経新聞社説 2016.10.2) 学力テスト10年の総括を
 年中行事のように漫然と続けるのではなく、その功罪を総括して今後のあり方を考えるべきだ。導入から10年目を迎えた全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)のことである。調査は小学校6年生と中学校3年生を対象に、文部科学省が2007年度から始めた。国語、算数・数学は毎年実施。12年度からは理科が3年に1度行われ、19年度をめどに中3の英語も加わる。民主党政権下の一時期は抽出調査だったが、基本的には「毎年・全員参加」で調査は繰り返されてきた。学習成果の検証を通して授業改革や制度見直しに役立てるのが大きな目的だという。小6、中3の子どもの大半が取り組むテストを続けてきたことで詳細な学力データが積み重なり、学校での指導に生かす試みが広がってきたのは確かである。学力と家庭状況との関連もくっきり浮かび上がっている。そうした意義は理解できるが、だからといって数十億円もの費用をかけた悉皆(しっかい)調査が本当に毎年必要かどうか、当初からの疑問は拭えていない。「基礎的な知識は身についているが応用力には不十分」といった調査結果が示す課題は、毎年ほとんど同じだ。先日公表された今年度のテスト結果をみても、同様の傾向が浮かび上がっている。調査の本来の目的である全体的な学力傾向を把握するには抽出調査でこと足りよう。全数調査を実施するにしても数年に1度にする手もあるはずだ。実際に理科は3年に1度の実施である。「毎年・全員参加」の大きな弊害は、過去問題を勉強させるなど「学力コンクール」化が止まらないことである。このため文科省は今回から、都道府県別の平均正答率について表向きは小数点以下の数値を四捨五入して示した。弥縫(びほう)策を講じるよりも、この10年を検証して制度を見直すのが本筋だろう。このままでは走り出したら止まらない公共事業と同じではないか。

*4-4:http://ryukyushimpo.jp/news/entry-366771.html
(琉球新報 2016年9月30日) 小6 全教科平均超え 全国学力テスト 中3も差縮める
 全国学力テスト全国学力・学習状況調査文部科学省  文部科学省は29日、小学6年生と中学3年生を対象に4月19日に実施した2016年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。県内の公立小学校は、国語A、算数Bの平均正答率が初めて全国平均を上回り、4教科全てで全国平均を超えた。算数Aは、都道府県別で4位となった。県内公立中学校は、全教科の平均正答率で全国平均との差を縮め、国語Bは都道府県別で45位と、初めて最下位から抜け出すなど改善傾向がうかがえる。県内小学校の平均正答率は、国語Aが73・4%(全国平均72・9%)で、都道府県別では21位。国語Bは58・1%(同57・8%)で21位。算数Aは80・7%(同77・6%)で4位。算数Bは47・7%(同47・2%)で11位だった。前年度の平均正答率と比べると、国語Aで4・1ポイント、算数Aで3・0ポイント、算数Bで3・0ポイント上がった。国語Bは9・2ポイント下がった。県内中学校の平均正答率は、国語A71・3%(同75・6%)、国語B63・1%(同66・5%)、数学A54・3%(同62・2%)、数学B37・0%(同44・1%)。全国平均との差は国語Aでマイナス4・3ポイント(前年度マイナス5・8ポイント)、国語Bがマイナス3・4ポイント(同マイナス4・5ポイント)、数学Aでマイナス7・9ポイント(同マイナス8・6ポイント)、数学Bがマイナス7・1ポイント(同マイナス7・6ポイント)と、いずれも差を縮めた。都道府県別の平均正答率は国語Bが45位、残り3教科は最下位だった。前年度の平均正答率と比べると国語Aで1・3ポイント、国語Bで1・8ポイント、数学Bで3ポイント上昇した。数学Aは1・5ポイント減だった。今回の調査には、県内の公立小学校260校1万5109人、公立中学校147校1万4751人が参加した。熊本地震の影響により4月19日の実施を見送った熊本県の全小中学校と宮崎、大分両県の一部学校は結果集計を見送った。


<人材育成のための教育環境整備>
PS(2016年10月4日):東京都は、オリンピックや豊洲市場に相場以上の金をかけているが、*5-1のように、人材を育てる教育施設(保育・公教育・学童保育を含む)の整備は疎かで、未だに待機児童が多い上、現在の施設は子どもの居場所として質が悪すぎる。そのため、私は、0~2歳児を保育の対象とし、3歳児以上は義務教育として小学校で教育しながら育てるのが、今後の人材育成のためによいと考える。なお、保育の質は、佐賀県の*5-2の事例のように、居場所としての施設もケアの内容も工夫されている質の良い保育園ができている反面、東京都は、*5-3のようにその両方が欠けている。そして、オリンピックなどの一時的なイベントで相場以上の予算をかけて無駄遣いするよりも、教育施設を整備する方がよほど重要であり、将来への投資になるにもかかわらず、このような予算の使い方になる理由が最も重要な問題なのである。

 
       豊洲市場の建設費              オリンピック会場建設費の国際及び国内比較上
      2016.9.16朝日新聞                               2015.7.10Yahoo  

*5-1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201607/CK2016072002000135.html (東京新聞 2016年7月20日) 都内の待機児童8466人 減少から再び増加
 東京都内で認可保育所に入れず、行政のほかの保育サービスでも預け先が見つからない待機児童は、今年四月一日時点で前年より六百五十二人増え、八千四百六十六人に上ることが分かった。現行基準で統計を取り始めた二〇〇二年以降、最多だった一四年(八千六百七十二人)に次ぐ多さ。都が十九日、各区市町村の集計を基に発表した。都によると、四月現在で認可保育所は前年より百五十八カ所増え、定員も一万三千六百三十五人増の二十三万三百三十四人だった。前年は減少した待機児童数が再び増加したことは、施設整備などの対策が、保育ニーズの伸びに追いついていないことを示している。都は主な要因として、人口増加や共働き家庭が増えていることを挙げる。認可保育所などの利用申込者数は二十六万三千五百十八人で、就学前児童人口に占める割合が41・3%と、初めて四割を超えた。認可以外も含めた保育サービスを利用する児童数は、前年より一万四千百九十二人増え、二十六万千七百五人で過去最多だった。年齢別の待機児童数は一歳児が四千四百四十七人と最も多く、ゼロ歳児が二千七十二人、二歳児が千四百八十五人と続く。区市町村別では、世田谷区の千百九十八人が最多。続いて江戸川区の三百九十七人、板橋区の三百七十六人。前年からの待機児童の増加数が大きかったのは、中央区の百四十四人、荒川区の百十六人、江東区の百十人の順だった。待機児童 保護者の仕事や病気で、認可保育施設に入れる条件を満たしているのに、定員超過などで入所できない乳幼児のこと。都市部に集中し、0~2歳児が多い。昨年4月時点で2万3000人を上回り、5年ぶりに増加した。保護者が育児休業中などの理由で、自治体が計上していない潜在的な待機児童はさらに約6万人いる。用地不足などで施設整備が追い付かず、保育士の確保も課題となっている。

*5-2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10105/359511 (佐賀新聞 2016年9月25日) 待機児童問題改善へ 保育園起工式、定員75人
 人口増加が続き、保育所の入所待ちをする「待機児童」が県内で最も多い鳥栖市で23日、保育所の起工式があった。社会福祉法人健翔会(門司健理事長)が同市田代本町に建設する「あいりす保育園」で、定員は75人。鳥栖市内では来春までにあと2保育所の建設が予定されており、待機児童問題の改善を目指す。あいりす保育園は敷地面積3300平方メートルに、木のぬくもりが感じられる木造平屋建て園舎(建物面積740平方メートル)を建設し、園庭810平方メートルなどを整備する。園舎には未就園の子どもと保護者の交流の場となる子育て支援センターや学童保育を併設する。総事業費は2億3千万円。式には市や福祉、園の関係者らが出席した。門司理事長(83)は「100年先を見るとまず教育が大事になる。教育と保育の両方に力を入れ、たくましい子どもを育てたい」とあいさつした。同法人はすでにレインボー保育園(同市桜町)と虹の子保育園(同市古野町)を運営しており、今回が3園目になる。建設地に隣接して同法人のデイサービス施設やケアハウスがあり、利用者のお年寄りや地元と交流を図りながら運営する。同園では今後、保育士の確保を急ぐ。市によると、今春の待機児童は5人で、希望の保育所に入れないなどの理由による「隠れ待機児童」は約180人とみている。あいりす保育園の他に、来春までに鳥栖西中校区に定員71人と80人の保育所が建設され、市内の定員は226人増える予定。

*5-3:http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/243476.html
(NHK 2016年4月22日) 日本総研 主任研究員 池本 美香
 保育園に落ちたというブログが国会で取り上げられたことをきっかけに、待機児童問題がこれまでになく注目を集めています。待機児童数は7年連続で2万人を超えています。政府は2001年に「待機児童ゼロ」を打ち出し、この10年で保育所の定員は50万人も増えました。しかし、それ以上に、共働きや一人親など、保育所を必要とする子どもが増えています。政府は先月末、緊急的な待機児童解消策を打ち出しましたが、その内容は、国の基準より手厚い保育を行っている自治体に、基準を緩和して一人でも多く子どもを受け入れるよう要請する、といったもので、安全の確保や活動の豊かさといった「質」の低下が懸念されています。ただでさえ、短期間に保育所を増やしてきたため、現場では経験の浅い保育士が増えていて、保育士による虐待や保育所での死亡事故など、深刻な事例も報道されています。毎年10数人の子どもが保育施設で亡くなっており、この10年間に死亡した子どもはあわせて150人近くに上っています。特に国や自治体が認可も補助もしていない認可外保育施設において、死亡事故が多くなっています。私自身も5年前に息子が待機児童となり、認可外保育施設に預けるしかなく、その質が本当に心配でした。その後認可保育所に入ることができましたが、階段から落ちて頭を打ったり、アレルギーのある食材を食べてじんましんがでたりと、認可保育所なら安心というわけではありません。認可保育所でも、治療に要する期間が30日以上の重篤な事故が、昨年4月から12月の間に342件も報告されています。保育所に入れても、その質に不安があれば、親は安心して働けません。入れる保育所があっても、預ける気になれないと職場復帰をあきらめる人もいます。待機児童問題については、量の拡大だけでなく、保育の「質」の維持、向上に向けた検討が不可欠です。海外ではすでに、保育の質を確保するための取り組みが活発化しています。その背景には2つのきっかけがあります。一つは、国連で子どもの権利条約が採択されたこと、もう一つはノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のヘックマン教授が「保育への投資はリターンが大きい」という研究結果を出したことです。一つ目の子どもの権利条約は、安全・安心に加え、教育、遊びやレクリエーション、意見表明など、子どもに幅広い権利を認めるものです。海外ではこの条約に沿って政策が検討されているため、保育政策についても「働く親が子どもを預ける場所があるか」ではなく、まず「保育が子どもにとってふさわしいものとなっているか」が検討されます。すべての乳幼児に質の高い教育を保障するという観点から、保育所を学校と同列の教育機関と位置づけ、学校を担当する省庁が保育所を所管する国も増えています。親の仕事の有無にかかわらず、すべての子どもに保育所を利用する権利があり、親の所得にかかわらず利用できるように、幼児教育の無償化を進める国もあります。保育の質が重視されることとなったもう一つのきっかけは、幼児期の教育の質が、学校教育の効率性を左右するというヘックマン教授の研究です。質の高い幼児教育を受けた子どもは、その後の学力が高いことや、成人したあとの所得が高いことなどがわかりました。これは幼児教育を通じて意欲や自尊心、創造性などの非認知能力が高まるためだと考えられています。成人になってから事後的に補助するよりも、予防的に幼児期に投資する方が、財政への負担が少ないと考えられるようになっています。ヘックマン教授の研究を背景に、海外では保育の質向上のための財源の確保に国民の合意が得られ、幼児教育への公的投資が増えています。では、具体的に、海外ではどのようにして保育の質を確保しているのでしょうか。日本ではあまり検討されていない取り組みを3つご紹介します。第一に、保育士の処遇です。日本の保育士の平均賃金(認可保育所の保育士の約3分の1を占める公立保育所を除く)は、小学校教員の7割弱と少なく、月額で10万円以上も差があります。全産業平均と比べても、大きく下回っています。これに対して海外では、保育士も教育者としての専門性や、子どもの安全に対する責任といった高度な役割を果たしているとみなされ、幼児期と小学校で教員の賃金格差が小さくなっています。こうした高度な役割を果たせる保育士の育成に向けて、保育士に免許の更新を義務付けたり、保育士養成校の質をチェックする国もあります。第二に、園の運営についての評価です。日本では国が自治体に対して、年に一度は園を訪問して質をチェックするよう求めていますが、施設数が急増している自治体では数年に一度の訪問しか行われていません。外部の専門家による第三者評価も、義務付けではないため、2013年度に第三者評価を受けた保育所は5%にすぎません。これに対して海外では、国の評価機関が全国すべての施設を定期的に訪問して評価し、その結果をホームページで一元的に公表する取り組みがあります。たとえばイギリスでは、すべての園の評価レポートがホームページに掲載されていて、親にとって、保育所選びの際の貴重な情報源となっています。全国の園の評価結果が国に集約されるため、全国の保育の質の変化や地域別の状況も把握でき、政策の見直しにも役立ちます。好事例もホームページで紹介されるので、各園がそれを見て自らの運営の改善を図ることもできます。第三に、親の参画です。海外では、国の評価機関による訪問だけで質を確保することは難しいため、保育の質にもっとも関心が高い親に、日常的に保育の質をチェックしてもらうという考え方が見られます。親の役割として、気になることがあればすぐに園と相談すること、それでも気になることがあれば、自治体や評価機関に伝えることが期待されています。親の代表と職員の代表が定期的に集まる運営委員会を、すべての園に設置するよう求め、親の意見やアイディアを質の向上に活かそうとする国もあります。さらには、保育士不足や財源不足を補うために、親が交替で保育士の補助をしたり、大掃除や施設の修繕を親たちで行う例もあります。こうした親の参画は、親同士が親しくなるきっかけにもなっています。日本は保育の質を、保育士の努力だけで確保しようとする傾向も見られますが、海外の動向をふまえれば、保育の質を高めるためには、保育士の養成の在り方や賃金水準を見直すことが必要です。さらには、実質的に子どもにふさわしい保育が提供されているか、外部の専門家による評価をすべての園に義務付けることや、保育の質の向上に親の力を積極的に活かすことも期待されます。海外では、保育を子どもにとってふさわしいものとするために、実にきめ細かな配慮が見られます。保育士を採用する際に、過去の犯罪歴などをチェックすることが、多くの国で義務付けられています。園の活動に対して、子どもが意見を表明する権利を、法律に記載する国まであります。財源の制約から質の話を後回しにして、目先の待機児童解消に取り組むより、より長期的な視野を持って、子どもの権利や効果的な公的投資の視点から、すべての子どもに質の高い保育を保障する方向に、舵を切ることが求められます。また、その方がむしろ、財源確保に向けた合意を得やすいという面もあると思います。


PS(2016年10月6日追加):*6-1のような化学メーカーで出る水素の活用はよいが、*6-2の三菱重工MRJの5度目の納入延期は情けない。そして、ライバルはブラジルのエンブラエル社だそうだが、三菱重工がMRJを水素燃料で設計していればonly oneであり、他国の飛行機と同列の競争をせず引っ張りだこになった筈である。現在の飛行機は大量の排気ガスと大きな騒音を出すため、これを出さない燃料電池飛行機を作れば競争の土俵が変わったのだが、技術力だけでなく先見の明もないのだろう。

*6-1:http://qbiz.jp/article/95324/1/ (西日本新聞 2016年10月6日) 水素活用へ実証実験 山口・下関市、化学メーカーと連携
 山口県下関市は本年度から、同県周南市の化学メーカーや同市、県などと連携し、水素を使った燃料電池自動車などの実証実験「低炭素水素技術実証事業」に取り組む。年末までに下関水産会館跡地(下関市大和町)に簡易型水素供給設備(水素ステーション)の設置工事に着手し、2017〜19年度に実証実験を実施する予定。市環境政策課によると、周南市の化学メーカー「トクヤマ」「東ソー」などから発生する未利用分で高純度の水素を液化し、下関市内に輸送。水素ステーションに貯蔵し、市の燃料電池車や、下関漁港内のフォークリフト用に使用。純水素型燃料電池にも水素を供給し、漁港内の入浴施設や食堂にも活用する。環境省の委託事業で事業費は15億円で、このうち市の負担は約3億円。市環境政策課は「水素社会の到来を見据え、温室効果ガス削減とエネルギー問題を同時に解決できる水素技術の普及に向けて、取り組みを進めたい」としている。

*6-2:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161005-00000004-wordleaf-bus_all (Yahoo 2016年10月6日) 三菱重工のMRJが5度目の納入延期になる公算、プロジェクトは大丈夫?
 初の国産ジェット旅客機である三菱重工のMRJが5度目の納入延期になる公算が高まってきました。これ以上、納入が遅れると、収益面でかなり厳しい状況に追い込まれます。MRJのプロジェクトは大丈夫なのでしょうか。
●5度目の納入延期を検討
 三菱重工の航空機製造子会社である三菱航空機は、MRJについて5度目の納入延期を検討しています。当初は2013年の納入を目標としていましたが、初飛行の前に3回ほど開発スケジュールが延長され、初飛行に成功した2015年11月時点では2017年の納入を目指していました。しかし、開発スケジュールはさらに遅れ、その後は2018年半ばをメドに開発を進めてきました。2016年8月には、米国での試験飛行のため日本を飛び立った同機が空調システムの不具合などで2度日本に引き返すというトラブルが発生。3度目のトライでようやく米国への移送を完了しています。MRJは今後、機体の型式証明を取得するため、累計で2500時間に及ぶ飛行試験を実施する必要があります。この試験をクリアすれば、晴れて2018年半ばの納入にこぎ着けることができたはずなのですが、今度は別の問題が浮上してきました。量産に際して設計変更が必要なことが明らかとなり、開発スケジュールがさらに伸びる可能性が出てきたのです。
●ライバルはブラジル・エンブラエル社
 新しい航空機を開発するにあたってトラブルはつきものであり、何度も遅延すること自体に問題があるわけではありません。しかしビジネスにおける収益面を考えるとそうも言っていられません。MRJの開発費は当初1800億円程度を見込んでいましたが、金額は大幅に膨らみ、現在では4000億円に達しているともいわれています。MRJの現時点における目標販売数は1000機となっており、仮予約を含めても約400機の受注しか取れていません。1000機を販売することができても収益的には厳しいといわれていますから、受注がこれ以上伸びないという状況になった場合には、かなりの赤字を覚悟する必要も出てきます。スケジュールが遅れることの最大の問題は、ライバルであるブラジル・エンブラエル社の最新鋭機納入のタイミングが刻々と近づいていることです。同社はMRJの競合となる機体の納入を2020年に開始する予定ですが、MRJはエンブラエルより2年納入が早いことがセールスポイントでした。しかし、このアドバンテージがなくなってしまうと、MRJはエンブラエルと直接戦わなければなりません。エンブラエルは新規参入の三菱と異なり、豊富な納入実績がありますから、直接、競合するという状況になった場合には、三菱の苦戦が予想されます。三菱重工の経営陣は、当初から黒字化には10年かかるとの見通しを示しています。5度目の納入延期となった場合には、さらに長期戦を強いられることになります。


PS(2016/10/7追加):東京オリンピックと同様、*7の大阪万博にも呆れてモノが言えない。何故なら、日本(特に東京、大阪)は、施設が整っておらず外国での認知度も低い開発途上国ではないため、このようなイベントで無駄遣いをし、国民をないがしろにして国威発揚すべき段階ではなく、本物の豊かさを実現していく段階だからだ。また、東京オリンピックと大阪万博の組み合わせも50年前と同じことの繰り返しで呆れる。そのうち、江戸時代や明治維新をもう一度やろうということになるのではないか?

*7:http://www.nikkei.com/article/DGXLASHC21H7F_R20C16A9AC8000/
(日経新聞 2016/9/22) 大阪万博へ100ヘクタール確保 府・市、夢洲集約を正式決定
 大阪府が2025年の誘致を目指す国際博覧会(万博)の会場候補地について、府と大阪市は21日、人工島の夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)に集約すると正式に決めた。埋め立て済み用地のほか、西側の廃棄物埋立処分場などを活用し会場に必要とされる100ヘクタールを確保。府・市が誘致するカジノを含むIR(統合型リゾート)用地も最大70ヘクタール生み出せるとした。現在は工事が進んでいない南側の約100ヘクタールについては、IRの進出動向をにらみ最大30ヘクタール程度埋め立て可能とした。目標とする3千万人の来場者を会場に輸送するため、大阪市営地下鉄中央線の延伸を開催に間に合わせる。シャトルバスなどの往来のため、夢洲に渡る橋も拡幅する。松井一郎府知事は方針決定後、記者団に「エンターテインメントを柱に大阪のにぎわいを実現できる」と強調。吉村洋文市長は「万博とIRで相乗効果が出せるようにしたい」と話した。


PS(2016年10月7日追加):道路際の住民や車に乗っている人は、もともと車両通行時の騒音や振動に悩まされてきたため、*8のように、せっかく静かに走れるようになったEV・HVに「車両接近通報装置」の設置を義務付ける規制は全く愚かで、日本でしか通用しないガラパゴス規制になるだろう。障害者・高齢者・一般人及び自転車が事故に巻き込まれないようにするためには、①道を広くして歩道・自転車道を設置する ②車に自動停止装置を付ける ③車の運転者が気をつける などが有効で、日本の街づくりにおける道路計画のなさは、国土交通省及び地方自治体の思考停止に依るところが大きい。

*8:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10201/364063
(佐賀新聞 2016年10月7日) HV接近音、装置義務付け、18年以降の新型車対象
 国土交通省は7日、道路運送車両法の保安基準を改正し、走行音が静かなハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)の接近を歩行者に音で知らせる「車両接近通報装置」について、2018年3月以降の新型車への設置を義務付けた。視覚障害者やお年寄りが接近に気付かず、事故に巻き込まれるケースがあるためで、現在は認められている通報音の停止機能も禁止する。現在販売されている車種は、20年10月から適用する。中古車は対象外となる。通報装置は、市販されているHVやEVに標準装備されているが、メーカーごとに音量や音質が異なり、歩行者に分かりづらいといった問題もあった。


PS(2016年10月11日追加):いつものとおり廻りを見てバスに乗り遅れないようにあわてて行動するパターンで遅れ馳せだが、*9のように、「パリ協定」の批准案を閣議決定したのはよかった。今後は、これに沿って自然エネルギーによるCO2削減計画を作ることが必要で、乗り物は速やかに電動か燃料電池に変えれば、環境と資源の課題が同時に解決する。例えば、2020年の東京オリンピック開催時以降は、東京23区内などの都市部はEVか燃料電池車しか走らせないようにする思いきった施策を行えば、大きくCO2を削減でき、都市のヒートアイランド現象を緩和でき、次の技術に繋がって、景気もよくなる。

*9:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10201/364925
(佐賀新聞 2016年10月11日) パリ協定批准を閣議決定、国会審議で承認目指す
 政府は11日、地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」の批准案を閣議決定した。近く国会提出し、衆参両院の承認を得て、モロッコで国連の気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)が始まる11月7日までの批准を目指す。ただ環太平洋連携協定(TPP)を巡る与野党攻防のあおりを受けて審議が後回しになる懸念もある。パリ協定はすでに米国や中国、欧州連合(EU)諸国、カナダ、ブラジルなどが批准。批准55カ国以上、世界の温室効果ガス排出量に占める比率が55%以上という発効要件をクリアし、11月4日の発効が決まっている。


<太陽光発電の例>
PS(2016.10.18追加):太陽光発電の開発も、公認会計士の携帯品であるシャープの電卓をヒントに、私が経産省に提案して1995年頃に始まったもので、一直線に進んでいれば日本がトップになって多くの特許を得ていた筈だが、日本では太陽光発電に対するいちゃもんや妨害が多くて進展せず、シャープは鴻海に買収され、パナソニックも、*10-1のように国内不振を補うために米テスラと共同生産して海外に活路を見出すこととなった。これにより、日本発の技術も中国とアメリカで発展することになったが、こういうことの積み重ねが日本企業の利益率を低くし、イノベーションによる経済発展を邪魔しているのだ。
 こうなる理由は、政治・行政・経営・メディアに多い文系の人材が科学に弱すぎる上、私がこのようなことを書くと「女のくせに謙虚でなく生意気だから、あいつの言うことは絶対やらない」と考える人が少なからずいることで、このように科学的でも公正でもない判断基準で物事を決める人がリーダーになっていることが重大な問題なのである。そのため、文系学部も大学入試や大学教育において、数学・物理学・化学・生物学をはじめとする科学の科目を増やすことが、有能なリーダーを育成するにあたって必要不可欠だ。
 なお、*10-2のように、インドネシアでは、新エネ振興補助金は既存の電力会社ではなく政府が出しており、来年も継続する方針だそうで、インドネシアの方が着実に新エネルギーが伸びそうだ。

*10-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161018&ng=DGKKZO08478550X11C16A0TJC000 (日経新聞 2016.10.18) 太陽光パネル、海外に活路  パナソニック、米テスラと共同生産 販売網活用、国内不振補う
 パナソニックが太陽電池事業の立て直しを目指し、電気自動車(EV)メーカーの米テスラモーターズと協業することが17日分かった。2017年にも米国で太陽光パネルを共同生産する方針だ。テスラが買収予定の米住宅用太陽光パネル最大手、ソーラーシティの全米に広がる販売網を活用する。海外に活路を求め、販売減が続く国内を補う狙いだ。協業はテスラが同日発表した。テスラが買収を公表しているソーラーシティが建設中の工場(ニューヨーク州)で、パナソニックが開発した太陽光パネルを生産するほか、生産技術の指導などでも協力する見通し。投資額は数百億円に上るもようだが、パナソニックはその一部も負担するとみられる。17年の生産開始を目指す。パナソニックにとってテスラグループの販路を使って太陽光パネルを拡販できる利点がある。パナソニックは16年度の海外での販売量を前年度の約2倍の10万キロワットと全販売量の2割にまで引き上げる目標を掲げる。米国では太陽光パネルの販売代理店と相次いで提携している。背景には国内での不振がある。パナソニックが住宅向けでシェア首位に立つ国内市場は、太陽光発電の買い取り価格の下落で市況が悪化。同社の太陽電池を含むエネルギー事業の15年度の売上高は14年度比11%減の3671億円に落ち込んだ。1~8月の太陽電池事業の売上高も前年同期比4~5割減ったもようだ。販売減は生産にも影を落とす。16年2月から稼働を停止する二色の浜工場(大阪府貝塚市)は今秋の再開を予定していたが、来春にずれこみそうだ。海外市場の開拓が不可欠の中、太陽光発電事業に注力するテスラとの協業はパナソニックにとって設備投資の資金負担などが見込まれ、リスクを抱える面もあるが起爆剤となる可能性もある。両社はEVに使うリチウムイオン電池の工場も共同建設しており、11月にも量産を始める予定だ。テスラの新型車の受注が好調で、投資計画を前倒しにするなど、関係は深い。

*10-2:http://qbiz.jp/article/96151/1/
(西日本新聞 2016年10月18日) インドネシア 新エネ振興補助金、政府は来年も継続方針
 インドネシアのエネルギー・鉱物資源省は、新・再生可能エネルギー振興に向けた補助金の拠出を来年も継続する方針を固めた。補助金額は、約1兆1,000億ルピア(約88億2,600万円)。17日付インベストール・デイリーが伝えた。同省新・再生可能エネルギー局のリダ局長は、補助金には新・再生可能エネルギーの買い取り価格と国営電力PLNの電力生産コストとの差額分を補うことで、PLNによる買い取りを促進する重要な目的があると説明。国会は先に、企業に対する支援は補助金にふさわしくないとして却下する方針を示していた。国会第7委員会(エネルギー鉱物資源関連)との会合では、同補助金を通常の電力補助金と合算することにも同意し、合算しない場合でも同補助金の運用はPLNが行うことを確認した。同補助金の内訳は、小水力発電が5,200億ルピア(電力供給量30万2,420キロワット)、太陽光発電が2,050億ルピア(12万5,000キロワット)、バイオマス発電が3,020億ルピア(4万2,800キロワット)、バイオガス発電が383億ルピア(6,200キロワット)、ごみ焼却発電が77億ルピア(1,600キロワット)となっている。リダ局長は、今月25日付で電力価格と太陽光発電事業入札に関するエネ鉱相令『16年第19号』を公布する予定と表明。同相令の公布後に、全国で発電容量が合計25万キロワットとなる太陽光発電事業の入札を実施する計画とした。


PS(2016.10.30追加):*11に、都道府県立などの公立中高一貫校で学年を超えた前倒し学習などの学力対策が広がっており、約6割が中学で高校の学習内容を教え、進学率も一般の公立高より高いそうでよいことである。何故なら、私立の進学校は前からそうで、東大の場合、入学する時に東大教養レベルの知識を持っている人も少なくなく、授業料の高い私立でなければそれができないとすれば、経済的事情で進学の可能性が左右されたり、男女別学しかなかったり、中高一貫の私立校がない地方の生徒は不利になったりするからだ。しかし、そのように勉強すると「“ゆとり”ある楽しい学校生活ができない」と主張する人もいる。私は経験があるが、そのように勉強しても読書・習い事・遊び・スポーツなどをする時間は十分あり、暇の多い時期から必要な学識を身につけ始めることで、むしろゆとりを持って学ぶことができ、さらに大人になって使用する考え方や知識を短期間で詰め込むことなく、身につけることができる。そのため、下のように、近年は公立中高一貫校だけでなく、公立小中一貫校も増えており、歓迎だ。

 
    2013.10.25朝日新聞

*11:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12633538.html (朝日新聞 2016年10月30日) (教育考差点)公立一貫校、進む前倒し学習
 都道府県立など公立の中高一貫校で、学年を超えた前倒し学習などの学力対策が広がっている。朝日新聞が全国の一貫校にアンケートした結果、約6割が中学で高校の学習内容を教えていた。進学率も一般の公立高より高く、学校数はこの10年で2倍に増えている。公立中高一貫校は、(1)一つの学校で6年の一貫教育を行う中等教育学校(2)同じ自治体が設置した中高を接続し、中学から高校に入試なしで進める併設型(3)中高で生徒間の交流などをする連携型――に分類できる。アンケートは9~10月、一貫教育を進めやすい中等教育学校と併設型の計118校を対象に行い、105校(89・0%)が回答。このうち中学段階で高校の学習内容を教え始める学校は65校(61・9%)だった。前倒し学習は私立では進学校を中心に一般的に行われているが、公立の一貫校でも広がっている実態がわかる。中等教育学校と併設型は学校教育法施行規則に基づき、中高の学習内容の入れ替えが可能だ。中学3年時に高校の内容を教える例が多いが、鹿児島県立楠隼(なんしゅん)中学・高校は中1の11月から国数英で高校の内容に触れていた。1週間の平均的な授業時間数も一般の公立校より多い。高校でみると、一貫校は1コマ50分換算で33~35コマが72校(68・6%)で最多だったが、公立高全体では30~32コマが69・2%(昨年度の文部科学省調査)で最も多い。一貫校の今春の卒業生のうち、大学・短大に現役で合格して進学した割合は平均77・9%。公立高全体の平均50・1%(文科省調査)を大きく上回った。公立中高一貫校は旧文部省が1999年、ゆとりある6年間の学校生活の実現や進路の選択肢を増やすことなどを目的に、自治体が設置できる制度を開始。中等教育学校と併設型は2000年度には3校だったが06年度には59校、今年度は計118校になっている。10校を設置した東京都教育委員会の担当者は「経済的事情などから公立を選びたい人はおり、一貫校の門戸を広げる必要があると考えた。将来のリーダーを育成したい」と話す。

| 教育・研究開発::2014.8~2016.11 | 11:12 AM | comments (x) | trackback (x) |

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