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2016.11.28 エネルギー変換を迫るパリ協定及びエネルギー変換による日本企業の利益率上昇と日本の税収増・国富の増加について (2016年11月29、30日、12月1、2、3、6、8、14、15、21、26日に追加あり)
 書くべきことは多いが、今日は、気候変動枠組条約締約国会議(COP22)によって求められるエネルギーの変換と、それがもたらす日本企業の利益率上昇、税収増、日本の国富増加について記載する。

    
 2016.11.20  2016.11.20  2016.11.18   2016.11.19   2016.11.23
                  日経新聞
(図の説明:パリ協定の発効により、環境に良い財やサービスを供給する会社の事業機会が広がり、これは国民の福利を増すことにも貢献する。また、多くの業界に低炭素の動きが広がっており、これは同時にNOxやSOxの排出も抑制するため、空気をきれいにして住環境をよくする。そして、世界の自動車メーカーがEV・FCVなどの無公害車に舵を切ったが、日本では1995年頃から本格的なEV・FCVの開発を始めため、既に多くのノウハウを持っている。このような中、ドイツのVWが急速にEVシフトを始め、トヨタや日産もガソリン車の熱交換器や排気部品を作っていた子会社の扱いに苦慮しているが、これらの会社も熱交換や排気の技術を応用して事業機会の広がった市場にアクセスすれば、生き残りは十分に可能だ)

 
 日本ガイシの蓄電池     地熱発電所     有機薄膜型太陽電池 除染と廃炉
            2016.11.20日経新聞          2016.11.27日経新聞
(図の説明:自然・再生可能エネルギーを使う技術は進歩し、日本ガイシの大容量蓄電池、地熱発電所、有機薄膜型太陽電池《建物の壁や窓にも設置可》などができたため、原発のコストは決して安くない)

(1)気候変動枠組条約について
1)COP21、COP22
 モロッコで開かれたCOP22は、*1-1のように、パリ協定(COP21)を受けて、「地球温暖化対策はすべての国の緊急の責務だ」とする「マラケシュ行動宣言」を発表し、国際社会が一丸となって温暖化対策取り組む決意を示した。

 パリ協定は、化石燃料を排して自然エネルギーに転換することを決定し、*1-2のように、世界の都市・企業・投資家など約700の組織が実施を支援すると表明している。支援を約束した組織は、ニューヨーク・ロンドン・東京・横浜等の都市や米マイクロソフト・独保険大手アリアンツ・富士通・リコー・武田薬品・帝人等の企業で、COP21の議長ファビウス仏外相は「低炭素社会や気候変動に強靱な未来への移行の鍵となる」としているが、都市計画や技術革新などで積極的にパリ協定を支援した方がメリットの大きい都市や企業は多いだろう。

2)厳しい環境規制とエコカーの普及は生産性の向上と成長のツールである
 *1-3のように、トランプ氏は米国の環境規制に慎重だそうだが、厳格な環境規制によるEV・FCVなどのエコカー普及は、新興国も含めた地球温暖化対策のKeyになる。そして、これらのNOxやSOxを出さないエコカーにより、①車が普及しても街がすすけないため ②公害を出さず ③自然エネルギーと組み合わせれば、どの国でもエネルギーを自給でき ④すべての車をエコカーにすれば、道路を建物の中に通すことも可能になる などの利点がある。

 また、自動車製造の競争において土俵が変わるため、これまでの順位に縛られず、米国企業はじめ開発途上国の企業が自動車産業で勝利するチャンスが生まれる。そのため、カリフォルニア州の排ガスを一切出さない車の販売を義務付ける厳しい方向への規制強化は技術進歩を促してよいと私は考える。

 日欧勢よりトラック販売が多く、燃費規制への対応に苦慮してきた米系メーカーがあるそうだが、アメリカはEV・IT・自動運転・人工衛星技術が進んでいるため、トラックもまた、本気で開発すればFCV・EVによる自動運転車の開発はすぐである上、自然エネルギーを使って自ら発電しやすい農家が使用する農業機械とEVの親和性は高く、それを開発すれば自然に普及すると思われる。

3)エネルギーの変換が日本企業の利益率を上昇させ、日本の国富を増やす理由
 燃料は、産業革命後(日本では明治維新後)、石炭から石油へと変わってきたものの、どちらも日本では十分に産出されないものだったため、自然・再生可能エネルギーに変換すれば、自分でも発電できる比較的安いエネルギーが日本にも十分に存在することになる。そのため、高いエネルギーコストを外国に支払わなくてすみ、その分、エネルギー需要者の生活は楽になり、エネルギーを使う企業の利益率も上がって、それは賃金増、税収増、配当増に繋がる。

 また、自然・再生可能エネルギーへの変換を国として見れば、エネルギーが国内に存在するため、エネルギー代金を外国に支払わなくてすみ、それだけ国内消費や投資に回せる資金が多くなる。

(2)EV・FCVが起こす自動車会社再編の事例
1)独フォルクスワーゲン(VW)の場合
 独フォルクスワーゲン(VW)は、*2-1のように、2016年11月22日、2025年には電気自動車(EV)の販売台数を100万台として業界首位をめざし、米国でもEVを生産する戦略を立てた。そして、車がネットに接続した付加サービスも充実して世界8,000万人の会員を獲得し、2025年には関連売上高で10億ユーロ(約1180億円)を狙って、車販売以外の収益源も広げるそうだ。

 一方、VW乗用車のブランドは、2020年までに3万人削減を柱としたリストラ策をまとめ、効率化で次世代技術やサービス投資の原資を確保し、EVの米テスラモーターズ、ライドシェア(相乗り)の米ウーバーテクノロジーズなど新興勢力に対抗するとのことである。そして、「電動車両は4、5年でブレークスルーが起きる。販売台数だけでなく技術、ビジネスモデルでもリーダーに立つ」と宣言して、EV専用に車台や主要部品を共通化したプラットフォーム「MEB」の車両生産を、独2工場に加えて米国でも生産するそうで、経営戦略の変更から実行までの時間が短く、戦略内容にも先見の明がある。

2)日産自動車の場合
 日産自動車は、*2-2のように、2016年11月22日、系列最大の自動車部品メーカー、カルソニックカンセイを米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却すると発表し、「系列解体」の大なたを振るうカルロス・ゴーン社長が中核部品メーカーまで手放すとのことで、これは、系列とともに新技術へと向かうトヨタ自動車と一線を画している。

 カルソニックカンセイ株は、KKRが、4,983億円で株式公開買い付けする。EVや自動運転が普及すれば、自動車の熱交換器や排気部品は市場縮小に繋がるため、日産自動車はカルソニックを手放す一方で、自動運転をにらんで独ボッシュや独コンチネンタルなど「メガサプライヤー」と呼ばれる欧米部品大手と連携を強め、彼らの先端技術に日産のノウハウを加えて効率的で競争力のあるクルマづくりを目指すとのことで、トヨタがトヨタ自動車系列の部品会社に自動運転などの先進分野への投資を促しているのと対照的である。

 世界では日産のゴーン社長のやり方が普通で、トヨタのやり方は日本式経営だ。トヨタの経営の方が、せっかく作った組織が壊されず、従業員の雇用が守られ、グループの結束も強くなるが、変化に迅速さを欠く。そのため、トヨタの方法は、変化に時間をかけられる場合には強いが、通用しない場合もある。

3)トヨタ自動車の場合
 しかし、本格的な馬力の出るEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)を開発したのは日本の自動車会社が世界で最初だったため、既に、蓄積している技術も多く、トヨタ自動車は、*2-3のように、中国の開発拠点を増強して、EV投入も検討するそうだ。中国ではPHV(プラグイン・ハイブリッド車)とEVを「新エネルギー車」として普及に力を入れるため、その中でのPHVは既に古いだろう。そのため、今後はトヨタもゼロエミッション車としてFCV・EVの双方に注力するというのは、戦略として妥当である。

 それでは、これまで培ってきた自動車の熱交換・排気技術が生かせないというのが、大手自動車メーカーの悩みだが、熱交換や排気の技術は自動車にしか使えないわけではなく、航空機・船舶などの大型の乗り物、ビルや家などの建物にも応用できる。

 そのため、*2-4のように、トヨタホームがミサワホームを子会社化し、技術・商品開発・調達などの協業を拡大して環境性能の高い住宅を作り出せば、国内の住宅販売の伸びが小さくても、自動車と同様、輸出や海外展開が可能だろう。さらに、*2-5のように、トヨタは、大型トラックに水素で電気を作る燃料電池を搭載して米で実証実験を行うそうだが、燃料電池には熱交換や排気の技術が欠かせない。

4)それでは、日産系のカルソニックカンセイはどうすればよいのか
 日産自動車が米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却すると発表した日産系列の自動車部品メーカー、カルソニックカンセイは、やはり熱交換器や排気部品を製造していた会社であるため、*2-6の大和ハウスなどの住宅・建築や航空機・船舶・農機具メーカーなどとゼロエミッション化のための技術・商品開発、部材調達などの協業を行うのが効果的だろう。

 つまり、現在、持っている技術を最大限に生かしながら、次の技術開発を行い、それを商品化して市場に出すのが最も合理的だと、私は考える。

(3)再生可能エネルギーによる発電と蓄電技術の進歩
1)再生可能エネルギーによる発電技術
 *3-1のように、「温暖化対策は日本にとって商機だ」という考え方がやっと広まってきたのは、遅すぎたがよいことだ。日本は文系が科学音痴であるため、パリ協定の批准では後れを取って環境でリーダーになることができなかったが、技術上は地熱・ごみ焼却による発電は既に行っている。そのため、後は、政治・行政・メディアが変わるだけなのだ。

 また、*3-2のインドネシアで大規模地熱発電の建設を進めているのは、日本の東芝・伊藤忠商事・九州電力等で、日本よりインドネシアの方が開発しやすいため、インドネシアで先に建設しているのだ。

2)蓄電技術の進歩
 日本ガイシは、*3-3のように、三菱電機からコンパクトな世界最大級の電力貯蔵用NAS電池(出力5万キロワット、容量30万キロワット時)を受注し、九電の蓄電池変電所に納入して運転開始したそうだ。

 九電管内では、太陽光発電を中心として再生可能エネルギーの普及が急速に進んでいるため、NAS電池によって電力の安定供給・再生可能エネルギーの円滑な接続に向けた取り組みを進めるそうだ。NAS電池は、日本ガイシで2002年に事業化され、現在は世界で約200カ所、総出力53万キロワット、総容量370万キロワット時の納入実績があり、イタリアやアラブ首長国連邦(UAE)でも電力系統に設置されて電力需給バランスの調整に利用されているとのことである。

3)電力自由化と脱原発・再生エネの選択
 グリーンコープ生協さが(佐賀市、柳川晶子理事長)は、*3-4のように、11月14日から、太陽光発電などの再生可能エネルギーを使った電気「グリーンコープでんき」の共同購入を受け付けるそうだ。これにより、原発によらない太陽光・バイオマス・火力などの電気を100%供給するため、電力の需要者もそれを選べることになる。このように、需要者が電力を選択できることが、(私が提案した)電力自由化の狙いだったのである。

(4)放射性廃棄物と電源構成
 日本の経産省は、*4-1のように、「電力の安定供給のために、2030年の電源構成で原子力や石炭火力などの“ベースロード電源”を全体の6割以上にする」そうだ。これには、次世代送電網や上記の新技術・新ビジネスの創出は考慮されていない。これが、「日本は文系が科学音痴で駄目だ」と私が書いている理由である。

 そして、原子力の構成比を従来通り20%以上と決めた後、*4-2のように、福島廃炉・賠償費は、2013年末に11兆円としてきた約2倍の20兆円を超えると再推計し、費用の上振れ理由は、前回2013年末には想定していなかった賠償対象件数の増加や除染作業の難しさが理由だとしている。これは、経産省の想定、見積もり、予算の信頼性が皆無だということを意味する。また、東電へは無利子融資枠を現在の9兆円より広げる方向で財務省と協議した上、一部はほかの電力会社も含めて電気料金に上乗せするため、国民負担の増大が避けられないのだそうだ。

 さらに、*4-3のように、経産省の有識者会議で原発の廃炉をめぐり、その費用を誰が、どう払うのかが、今さら議論されており、一部の費用負担をすべての国民に求める案を検討しているそうだ。しかし、「原発は安全でコストが安い」などとして異論を言わせず原発を推進してきたのは、経産省と大手電力会社自身であるため、その責任を明らかにすることなく国民が負担するのは、今後のためにもよくない。

<COP22、パリ協定>
*1-1:http://digital.asahi.com/articles/ASJCL3RWTJCLULBJ00B.html
(朝日新聞 2016年11月18日) 温暖化対策は「緊急の責務」 COP22宣言
 モロッコで開かれている、気候変動枠組み条約締約国会議(COP22)の参加国は17日、共同で「地球温暖化対策はすべての国の緊急の責務だ」とする「マラケシュ行動宣言」を発表した。温暖化対策のルール「パリ協定」からの離脱の意向を示すトランプ次期米大統領に対し、国際社会が一丸になって取り組む決意を示した。宣言では、パリ協定を受けて、各国政府や産業界などあらゆる分野で温暖化の取り組みがなされ、その流れは押し戻せないとし、「地球温暖化と闘うために、各国は最大限の政治的な努力をすべきだ」とした。さらに、温暖化対策のために途上国に対し、年間1千億ドルの資金を拠出することを改めて明言した。4日に発効し、日本も締結したパリ協定は、すべての国が参加し、産業革命前の気温と比べて気温上昇を2度より低く抑えることを目指している。

*1-2:http://www.nikkei.com/paper/related-article/tc/?b=20161120&bu=BFBD9496EABAB5E6B39EBAA88BA48 (日経新聞 2016.11.20) 都市や企業など世界700の組織、パリ協定を支援
 12日に閉幕した第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で採択された地球温暖化対策の2020年以降の新枠組み「パリ協定」について、世界の都市や企業、投資家など約700の組織が16日、協定の実施を支援すると表明した。気候変動に対応するための変革も加速する。支援を約束したのはニューヨークやロンドンなどの都市と米マイクロソフト、独保険大手アリアンツなど。日本からは東京都や横浜市、富士通、リコー、武田薬品工業、帝人などが加わった。COP21の議長を務めたファビウス仏外相は「低炭素社会や気候変動に強靱(きょうじん)な未来への移行の鍵となる」と話す。

*1-3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161118&ng=DGKKZO09676030X11C16A1TI1000 (日経新聞 2016.11.18) トランプ氏、米環境規制に慎重 エコカー戦略を翻弄 大型車には追い風も
 オバマ大統領の遺産のひとつとされる厳格な環境規制への対応が迫られる米国市場。16日のロサンゼルス自動車ショーでは、電気自動車(EV)などエコカーの発表が相次いだ。だが、温暖化対策に慎重なトランプ次期米大統領の登場で、流れが変わる可能性もある。「我々にとって最初のEVだ」。英高級車ブランド、ジャガー・ランドローバーのラルフ・スペッツ最高経営責任者(CEO)は自動車ショーの会場で胸を張った。2018年発売予定のEV「アイペース」は1回の充電で220マイル(約354キロメートル)走る。この日は独BMW傘下のミニも充電できるハイブリッド車(PHV)を初披露。韓国現代自動車も20年までに14モデルのEV、ハイブリッド車、PHVを米国で投入する方針を表明した。マツダはディーゼル車を北米市場に初投入すると発表。19年までにEV、21年以降にPHVも投入する。ガソリン安を背景に米新車市場の約6割はピックアップトラックなど燃費の悪い大型車が占め、小型で購入費も高いエコカー人気は伸び悩む。それでも各社が開発に注力してきた背景には厳しい米国の燃費規制がある。連邦レベルでは25年までに燃費を今より5割以上改善するよう求める。カリフォルニア州では排ガスを一切出さない車の一定数の販売を義務付ける規制が18年モデルの車から強化される。だが、トランプ次期米大統領は温暖化対策に慎重で、選挙中は米環境保護局(EPA)の予算大幅削減を公言。日欧勢よりもトラック販売が多く燃費規制への対応に苦慮してきた一部米系メーカーはこれを好機ととらえる。選挙直後の9日、米自動車工業会はトランプ氏の政権移行チームに、燃費規制の緩和を求める書簡を早速送った。エコカー開発に既に巨額の投資をしてきたトヨタやホンダのような企業にとっては「先行者の強み」をそがれる恐れがある。ホンダの北米担当幹部は「規制にかかわらずエコカーの開発は進める」と言うが、政権交代の象徴としてトランプ氏が燃費規制をつぶしにかかってもおかしくはない。自動車ショーの会場内では今年もエコカーよりも数多くのピックアップトラックや多目的スポーツ車(SUV)が並ぶ。トランプ次期米大統領が政策を大きく方向転換すれば、自動車メーカーに与える影響は大きい。

<自動車会社の再編>
*2-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161123&ng=DGKKASGM22H81_S6A121C1FF1000 (日経新聞 2016.11.23)EV販売、25年100万台に VWが目標、首位めざす
 独フォルクスワーゲン(VW)は22日、中核のVWブランド乗用車部門の2025年までの経営戦略を発表した。25年に電気自動車(EV)の販売台数100万台で業界首位をめざし米国でもEVを生産する。車がネットに接続した付加サービスも充実し世界8000万人の会員を獲得、25年に関連売上高で10億ユーロ(約1180億円)を狙う。車販売以外の収益源を広げる。VW乗用車ブランドは18日に20年までの3万人削減を柱としたリストラ策をまとめたばかり。効率化で次世代技術・サービスの投資の原資を確保し、EVの米テスラモーターズ、ライドシェア(相乗り)の米ウーバーテクノロジーズなど新興勢力に対抗する。VWブランドはグループの販売台数の約6割を占め改革の成否を握る。同部門を率いるヘルベルト・ディース取締役は22日の記者会見でEV首位を狙う戦略に関し「電動車両は4、5年でブレークスルーが起きる。販売台数だけでなく技術、ビジネスモデルでもリーダーに立つ」と宣言した。EV専用に車台や主要部品を共通化したプラットフォーム「MEB」の車両生産は18日に決めた独2工場に加え21年から米国でも生産することを決めた。すぐに利益に結びつく従来の製品群も拡充。販売台数に占める多目的スポーツ車(SUV)の比率を2倍に増やし、VWが強い欧州、中国以外でも上積みを狙う。

*2-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161123&ng=DGKKASDZ22HRG_S6A121C1TI1000 (日経新聞 2016.11.23) 日産、トヨタと別の道 カルソニック売却発表 系列解体、次世代車シフト
 日産自動車は22日、系列最大の自動車部品メーカー、カルソニックカンセイを米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却すると正式発表した。仏ルノーから1999年に日産に乗り込んで以来、「系列解体」の大なたを振るうカルロス・ゴーン社長が中核部品メーカーまで手放す。自動運転や電気自動車(EV)の技術開発に向けた決断は、系列とともに新技術へと向かうトヨタ自動車と一線を画している。
●総額5000億円
 KKR傘下の会社を通じて2017年2月下旬からカルソニックカンセイ株に対しTOB(株式公開買い付け)を始める。日産が持つ41%を含めた全株の取得を目指す。買い付け価格は1株当たり1860円で全株式を取得する場合の買収総額は4983億円。KKRによる日本での投資額としては14年に傘下に収めたパナソニックヘルスケア(約1650億円)を抜き過去最大になる。カルソニックカンセイは日産の系列でも中核の中の中核企業といっていい。大量の部品を納めるだけではない。モータースポーツにも「CALSONIC」を冠した車両が参戦する。グループの黒子であると同時に主役であり、技術力と存在感の双方を兼ね備える。ただEVや自動運転が普及すれば魅力が徐々に薄れるのも事実だ。EVの普及は得意とする熱交換器や排気部品の市場縮小につながる。日産は何社もの同業にカルソニック株の売却を持ち掛けたが断られ、売り先はなかなか決まらなかった。「サプライヤーの潜在能力を生かす巧拙が競争力を左右する」。日産の西川広人共同最高経営責任者(CEO)は話す。カルソニックを手放す一方、自動運転をにらんで独ボッシュや独コンチネンタルなど「メガサプライヤー」と呼ばれる欧米部品大手との連携を強める方針。彼らの先端技術に日産のノウハウを加え、効率的で競争力のあるクルマづくりを目指す。日産向け売上高比率が8割超のカルソニックと対照的なのがトヨタ自動車系部品会社だ。デンソーはトヨタグループ以外への比率が半分を超える。トヨタは他流試合も奨励して系列メーカーの収益力を高め、自動運転など先進分野への投資を促そうとしている。かつてのトヨタはグループ内で利害対立が表面化することもあったが、近年は連携を強めようとする動きが目立つ。愛知県蒲郡市にグループの研修施設を置き、各社の新任役員が互いの歴史を学ぶ機会を設ける。12月に新設するEVの企画開発組織にはデンソーなど主要3社の社員も加わる。
●世界の潮流
 系列を崩し、幅広いサプライヤーの技術を活用する日産の選択は世界の自動車メーカーの潮流だ。サプライヤーが供給するモジュールの組み立てに注力すればコストは下がる。ただ部材が共通になることで似たようなクルマを生みだしてしまわないかという懸念は常にある。欧米流のクルマづくりか、グループ連携の強化か。両社の選択の成否は勝ち残りに向けた競争力に直結しそうだ。

*2-3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161119&ng=DGKKASDZ18HNP_Y6A111C1TJC000 (日経新聞 2016.11.19) トヨタ、中国の開発拠点を増強 EV投入を検討
 トヨタ自動車は18日、中国江蘇省常熟市の研究開発拠点を拡張すると発表した。既存の実験棟を増強し、新たな実験棟や電池の評価試験に使う施設を建設する。中国では2018年の発売を予定しているプラグインハイブリッド車(PHV)に加え、電気自動車(EV)の投入も検討すると表明。環境車の品ぞろえを増やし、環境規制の強化に対応する。同日に報道陣への公開が始まった広州モーターショーの会場で、中国本部長の大西弘致専務役員が説明した。研究開発拠点は全額出資子会社のトヨタ自動車研究開発センター(中国)が増強し、18年末以降に完成する予定だ。同拠点では6億8900万ドル(約760億円)の投資を予定しており、今回の増強もこの範囲に含むという。中国ではPHVとEVを「新エネルギー車」と定め、多額の補助金を支給するなど普及に力を入れている。トヨタは18年に主力小型車「カローラ」などのPHVを発売するほか、15年には広州汽車集団との合弁会社を通じ、中国独自ブランドのEVを発売する方針を示していた。今後はトヨタブランドでもEVの投入を検討する。トヨタは12月、本社にEVの企画・開発組織「EV事業企画室」を設け、この分野の取り組みを強化する。ゼロエミッション車では燃料電池車(FCV)とEVの双方に注力する方針だ。

*2-4:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161123&ng=DGKKASDZ22HR0_S6A121C1TJC000 (日経新聞 2016.11.23) トヨタホーム、ミサワホームを子会社化 110億円で、国内市場縮小に備え
 トヨタホームは22日、ミサワホームを子会社化すると発表した。TOB(株式公開買い付け)と第三者割当増資を組み合わせて約110億円を投じ、持ち株比率を51%に引き上げる。ミサワの上場は維持する。子会社化を契機に、部材の調達や商品の共同開発などの協業を拡大し、国内住宅市場の縮小に備える。トヨタホームはミサワ株の27.8%を保有する。ミサワの発行済み株式の14.1%に相当する約546万株を上限にTOBを実施する。51%を保有するために必要な残りの株式は、新株発行と自社株処分を組み合わせてミサワから割り当てを受ける。TOBによる取得株数が上限に達しなかった場合でも、増資の金額を増やすことにより、51%の持ち株比率を実現する考えだ。TOBによる買い付け価格は1株あたり1100円で、21日までの1カ月間の平均株価に34%上乗せした価格とする。TOBの期間は28日~12月26日。第三者割当増資の1株あたりの価格は874円とする計画だ。ミサワを子会社化する背景には、国内の住宅市場の縮小懸念がある。国土交通省によると、2015年の新設住宅着工戸数は約91万戸だった。08年の約109万戸を最後に、年間100万戸を割り込む水準が続く。トヨタホームも19年度までに戸建て住宅の販売を14年度比で約5割増の7千戸に増やす計画だが、この目標値は実質的に取り下げている。ミサワも中期経営計画では16年度の売上高目標を5千億円としていたが、今期見通しは4050億円。ミサワはトヨタ自動車を親会社に持つトヨタホームの信用力と資金力を後ろ盾に事業の拡大に弾みをつける考えだ。トヨタホームとミサワホームは住宅販売の大幅な伸びが見込めないなか、合理化などで協力関係を一段と深め生き残りをめざす。技術や商品開発、部材調達などの共通化部分を増やす。ミサワは増資などで得た資金を不動産開発に投じる計画だ。両社とも戸建て住宅が中心の収益構造のため事業の多角化ノウハウを共有する。ミサワは経営状態が悪化し、04年に産業再生機構の支援が決まった。その後、トヨタなどがスポンサーとなり役員などを派遣。トヨタがトヨタホームに住宅事業を集約するなどして、現在はトヨタホームがミサワの筆頭株主となっている。

*2-5:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161119&ng=DGKKZO09731110Y6A111C1TJC000 (日経新聞 2016.11.19)トヨタ、大型トラックに燃料電池を搭載 米で実証実験
 トヨタ自動車は17日、水素で電気を起こす燃料電池の技術を使った大型トラックについて、米カリフォルニア州で実証実験を始めると発表した。同社はすでにセダン型の燃料電池車(FCV)を発売している。大型トラックにも燃料電池を搭載できれば、荷物の輸送時などに出る温暖化ガスを大幅に削減できるとみている。

*2-6:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161123&ng=DGKKZO09849690S6A121C1DTA000 (日経新聞 2016.11.23) 大和ハウス、6年債と10年債の発行見送り コスト上昇で
 金利上昇が企業の資金調達に影響を与えている。大和ハウス工業は22日、20年債の発行条件を決めた一方、6年債と10年債の起債を見送った。米大統領選後の長期金利上昇の影響で、資金調達コストが当初の想定よりかさむと判断したためだ。市場では、金利の不安定な推移が続けば今後の起債ペースが鈍るとの見方も出ている。20年債の発行額は100億円で、利率は0.690%に決まった。当初は「6年債と10年債で300億円程度を調達する」と投資家に通知していたが「投資家が期待する利回りが上昇した」(大和ハウスの担当者)ため、20年債のみに切り替えた。今後の代替調達方法は未定という。米大統領選後、マイナス圏で推移していた日本の長期金利はプラスに浮上した。社債金利も歩調を合わせて上昇。流通市場で大和ハウスと同格付けのダブルA格社債の利回りは0.3%台前半と、10月末(0.2%台半ば)から上昇している。投資家からは「社債の相対的な魅力が低下した」(国内運用会社)との指摘が多くなっている。企業の10月の起債額は8250億円と、過去最高だった9月の発行額に比べ約6割減った。11月の起債額も22日時点で3200億円と、引き続き低調だ。みずほ証券の香月康伸シニアプライマリーアナリストは「償還までの期間が短い社債の発行に、企業は慎重になっている」と指摘する。

<再生可能エネルギー技術>
*3-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161120&ng=DGKKZO09751410Z11C16A1TJC000 (日経新聞 2016.11.20) 温暖化対策、日本に商機、COP22閉幕、パリ協定ルール18年決定 地熱・ごみ発電強み トヨタ、自社工場に大型風力
 モロッコで開かれていた第22回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP22)が19日閉幕した。2020年以降の地球温暖化対策「パリ協定」を受け、世界のグローバル企業は「温暖化ガス削減は商機」とみて動く。協定批准で日本は後れを取り、企業には負担増を警戒する見方もあるが、地熱発電やごみ焼却発電など得意の環境技術を生かしたビジネスが育つきっかけにもなる。モロッコのマラケシュで開かれたCOP22は、パリ協定の詳細ルールを2018年に作ることで一致して閉幕した。4日に発効したパリ協定は地球の気温上昇を抑えるため、今世紀後半には温暖化ガス排出を実質ゼロにすることを目指す。各国は独自の削減目標を掲げるが、グローバル企業は国の枠にとらわれずに対策に取り組む。米アップルや米ゼネラル・モーターズ(GM)、英蘭ユニリーバ。事業活動で使う電力を全量、太陽光発電など再生可能エネルギーで賄うことを目標とする世界企業の集まり「RE100」には欧米中心に80社以上が名を連ねる。日本企業では電通の英子会社だけだ。世界企業が脱炭素を急ぐのは投資家からの要請でもある。世界最大級の政府系ファンドのノルウェー政府年金基金は今春、石炭関連企業から出資を引き揚げた。持続成長につながるとして環境に配慮した企業に優先的に投資する動きが世界の大手年金基金を中心に広がっている。温暖化対策は日本では企業の社会的責任(CSR)と捉えがちだが、「世界企業は収益に直結するとみている」(後藤敏彦サステナビリティ日本フォーラム代表理事)。出遅れが指摘される日本企業でも変化は起きている。トヨタ自動車は高級車「レクサス」などを生産する田原工場(愛知県田原市)内に、20年をめどに出力が最大2万6000キロワットの風力発電設備を設置する予定だ。電力は工場で全量消費する。自社向けの風力発電設備としては国内最大となる。トヨタは50年に工場の二酸化炭素(CO2)排出をゼロにする長期目標を掲げる。風力発電はその一環だ。先進国に限定した京都議定書と異なり、パリ協定は全世界が対象だ。日本で培った環境技術を新興国や途上国に輸出できる商機到来ともいえる。原子力発電所200基分――。地中深くにある蒸気を使って電力をつくる地熱発電は、50年に世界で総出力2億キロワットと、40年間で20倍に膨らむとの予測がある。市場の中心は東南アジアやアフリカだ。中核部品である地熱発電用タービンは東芝など日本の3社で世界シェア7割を握る。インドネシアで16年度末に稼働する世界最大施設のタービンも東芝製だ。地中の蒸気に不純物を含むため「機器の耐久性などは一朝一夕にまねできない」(東芝幹部)と、世界で営業攻勢をかける。ごみ焼却発電設備やエネルギー消費ゼロの住宅やビルなどでも日本企業は独自技術を持つ。「低炭素」から「脱炭素」へ世界が向かう中、大きな商機が生まれる。

*3-2:http://www.nikkei.com/paper/related-article/tc/?b=20161120&bu=BFBD9496EABAB5E6B39EBAA88BA48 (日経新聞社説 2016.11.20) 地熱発電 エネ革命名乗り、温暖化抑制へ深掘りの技
 地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を出さずに安定的に電力を供給できる地熱発電に、熱い視線が注がれている。インドネシアでは日本企業が大規模な設備の建設を進める。国内では開発が足踏みしていたが、原発事故や温暖化問題を受けた規制緩和で風向きが変わりつつある。地下深くに眠る熱を吸い上げる次世代の地熱発電が実現すれば、原子炉50基分の発電が可能になるかもしれない。インドネシア・スマトラ島にある同国第4の都市、メダンから車で8時間走ると、突然、森を切り開いた広大な大地が現れた。褐色の地面から白い蒸気が空高く噴き上がる。世界最大規模の地熱発電所「サルーラ発電所」だ。地下2000メートルまで約30本の井戸を掘り、高熱の蒸気や熱水を取り出す。今年11月から3基の発電施設が順次稼働する予定で、工事は急ピッチで進む。総出力は計33万キロワットと、日本最大の九州電力八丁原発電所(大分県)の3倍。事業費16億ドル(約1800億円)の巨大プロジェクトだ。伊藤忠商事などが出資するサルーラ・オペレーションズの油屋真一最高経営責任者(CEO)は「サルーラの資源量(潜在的な発電量)は非常に豊富で、力強い」と手応えを感じている。世界の火山帯の地下には、高温のマグマがたまっている。雨水が岩盤の割れ目を通って地下1500~3000メートルに達すると、マグマだまりによって熱せられた岩石に触れ150度以上の蒸気や熱水となる。これが地中の亀裂などの「貯留層」にたまる。井戸を掘って蒸気や熱水を取り出し、タービンを回転させて発電するのが地熱発電だ。日本は米国、インドネシアに次ぐ世界第3位、2347万キロワット、原発20基分に相当する資源量を持つ。有力企業も多く、地熱発電タービンでは世界シェアの7割を握る。だが現在の合計出力は52万キロワット。国内の全電源の0.3%にとどまる。資源の8割が国立公園や国定公園にあり、周辺の温泉が枯れるとの懸念もあり大規模開発は進んでいない。日本の地熱発電量は1997年から減少に転じ、現在はピーク時の約7割だ。だが福島原発事故の後、原発に代わる安定電源への関心が高まった。さらに昨年末、196カ国・地域が参加して開いた第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で、今世紀後半に温暖化ガスの人為的な排出量を実質ゼロにするとの目標を掲げた「パリ協定」が採択された。政府は30年までに、CO2を出さない再生可能エネルギーの電源比率を22~24%に高める方針だ。地熱は太陽光や風力と違って季節や天候、昼夜を問わず安定的に電力を供給できる強みがある。昨年、国立・国定公園の開発規制を緩和し、建設禁止区域の地下に、区域外から斜めに井戸を掘ることを認めた。地熱発電の資源量を倍増するとみられる次世代技術の開発も進む。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が研究する「高温岩体発電」は、深度2000~5000メートルの岩盤を砕き人工的に貯留層を作る。ここに注水して熱水を作り、発電に使う。深く掘るほどマグマに近く高温になるため、地表近くにマグマだまりがある火山帯でなくても地熱発電が可能だ。NEDOの米倉秀徳研究員は「深度3000メートル前後のところだけでも、日本には2900万キロワット以上の資源量がある」と話す。従来型と合計すると5300万キロワット以上となり、原発50基分に相当する。1980年代からNEDOや電力中央研究所が井戸を掘削して実験してきたが、石油や原発に比べてコストが高いと判断された。だが電中研の海江田秀志研究参事は「従来型の地熱発電をしている場所で高温岩体発電を実施すれば、規模が拡大しリスクも低減する」と強調する。さらに深い領域から熱を取る「超臨界地熱発電」の構想も浮上している。日本列島の下では海洋プレートが大陸プレートの下へと沈み込んでおり、プレートとともに地下に引き込まれた大量の海水が高温・高圧状態になっている。これを発電に利用する。アイスランドでは、地下2000メートルのマグマ付近の高温・高圧の蒸気を取り出す実験に成功。地熱発電の拡大で電力を再生可能エネルギーでまかなう体制をいち早く作り上げ、化石燃料から脱却した。地熱発電は投資額が大きく、環境影響評価も必要で開発に時間がかかる。政府は30年までに、電源比率を現在の3倍に引き上げる考えだが、それでも1%にすぎない。地熱発電は、日本のエネルギーの将来を占う手掛かりになりそうだ。

*3-3:http://www.ngk.co.jp/news/2016/20160303_01.html (日本ガイシ株式会社 2016年3月3日) 世界最大級のNAS電池が運転開始、コンテナ型でコンパクト、短期間設置を実現
<日本ガイシ株式会社(社長:大島卓、本社:名古屋市)が三菱電機株式会社(本社:東京都千代田区)から受注し、九州電力株式会社(本社:福岡市)豊前蓄電池変電所(福岡県豊前市、豊前発電所構内)に納入した、世界最大級の蓄電池設備となる電力貯蔵用NAS電池が本日、運転を開始しました>
 豊前蓄電池変電所に納入したNAS電池の出力は5万キロワット、容量は30万キロワット時(一般家庭約3万戸分の一日の電力使用量に相当)で、当社が新たに開発したコンテナ型NAS電池(20フィートコンテナ内に出力200キロワットのNAS電池と制御装置類を組み込んだ可搬型の蓄電池)252台で構成されています。2015年6月に受注し生産を開始、8月中旬から据え付けを行い、2016年1月上旬に全てのNAS電池の設置を完了しました。従来のパッケージ型に比べて設置期間を約3分の1に短縮できる特長を生かし、世界最大級の蓄電池設備の設置を約半年間で実現しました。また、NAS電池は他の定置用蓄電池に比べてエネルギー密度が高く、コンパクトでスペース効率に優れています。豊前蓄電池変電所では、約14,000平方メートルの敷地面積に30万キロワット時のNAS電池が設置されており、単位面積当たりの蓄電容量は他の電力系統用大規模蓄電池を大幅に上回っています。九州電力管内では、太陽光発電を中心に再生可能エネルギーの普及が急速に進んでおり、同社は電力の安定供給のために、再生可能エネルギーの円滑な接続に向けた取り組みを進めています。NAS電池はその一つとして取り組む大容量蓄電システム需給バランス改善実証事業※に使用されます。この実証事業ではNAS電池を電力系統に接続し、揚水発電と同等の電力貯蔵機能を活用した電力需給バランスの改善と、系統電圧制御への適用についての実証が行われます。
※一般社団法人新エネルギー導入促進協議会「再生可能エネルギー接続保留緊急対応補助金(大容量蓄電システム需給バランス改善実証事業)」
NAS電池は2002年の事業化以来、全世界で約200カ所、総出力53万キロワット、総容量370万キロワット時の納入実績があり、イタリアやアラブ首長国連邦(UAE)でも電力系統に設置され、電力需給バランスの調整に利用されています。当社は今後も世界的に高まる大容量蓄電池のニーズに応え、再生可能エネルギーの導入拡大に寄与していきます。
<運転を開始したNAS電池の概要>
設置場所: 九州電力豊前蓄電池変電所 (福岡県豊前市、豊前発電所構内)
出力: 5万キロワット、容量: 30万キロワット時、設置台数: コンテナ型252台、敷地面積: 約14,000平方メートル、運転開始: 2016年3月3日

*3-4:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/375962 (佐賀新聞 2016年11月12日) グリーンコープ生協さが、県内で再生エネ供給、14日から受け付け
■「脱原発」を推進
 グリーンコープ生協さが(佐賀市、柳川晶子理事長)は14日から、太陽光発電などの再生可能エネルギーを使った電気「グリーンコープでんき」の共同購入を受け付ける。グリーンコープ連合が、年内にも九州全域で組合員の一般家庭や事業所に供給を始める。2018年には原発によらない電気を100%供給し、「脱原発」を推進していくとしている。太陽光やバイオマス、火力など自社発電施設を持つ丸紅グループや卸電力市場などから電気を調達する。電気は九州電力の送電網で届く。厳密に原発以外の電気を区別できないが、グリーンコープ生協さがの藤瀬広樹専務理事は「原発の電気を使いたくないという人が購入先を選べることで、原発不支持の意思表示になる」と話す。7月から福岡県内約900世帯で供給を始めている。18年からはグリーンコープ連合の14生協でつくる新電力「グリーン・市民電力」(福岡市)の太陽光発電所など再生可能エネルギーによる自社電気の供給も始め、九電からの調達をゼロにする。料金は家庭の標準的な電気使用量(330キロワット)で月額約7800円。市民電力の発電施設は組合員の出資金で建設した。出資金は現在、1万2千人から約10億6千万円が集まっている。太陽光のほか、九州の地域団体と共同で進める小水力発電を含め10施設がある。年間発電量は一般家庭1550世帯分の8200キロワット。不足が生じた場合は丸紅グループから調達して安定供給を図りながら、自前の発電設備を増やして対応する。

<放射性廃棄物と電源構成>
*4-1:http://www.nikkei.com/article/DGXKZO85364450X00C15A4EA1000/ (日経新聞 2015/4/7) 電源構成は将来を見据えて議論せよ
 経済産業省は2030年の電源構成に関し、原子力や石炭火力など「ベースロード電源」を全体の6割以上にする考えを示した。電力の安定供給に必要というのが、理由だ。しかし、これでは各電源の使い分けや構成比が東日本大震災前と大差ないものになりかねない。東京電力福島第1原子力発電所事故の教訓を踏まえつつ、動き出した電力市場の自由化にも対応した、もっと柔軟な電源の使い方を考えるべきだ。次世代送電網(スマートグリッド)といった新技術や新ビジネスの創出を促し、日本の成長に長期的に資するエネルギー政策を、政府は示してもらいたい。ベースロード電源について経産省は、発電コストが安く昼夜を問わず安定して電気を生む電源、と定義している。具体的には原子力と石炭火力、水力、地熱の4つをあげる。天然ガス火力や太陽光、風力発電などはベースロードでないとされる。10年前ならこうした考え方に説得力があったかもしれない。だが状況は変わった。原発には、故障や災害で止まると容易に復旧しない不安定さがある。地球温暖化を抑えるため、石炭の利用には世界的に制約が強まっている。国内では、効率の高い天然ガス火力をベースロード電源としてすでに日常的に使っているのが現実だ。ドイツなど欧米では太陽光や風力発電などを積極的に電源に組み入れており、その傾向が将来さらに強まるのは間違いない。世界規模で電力システムの革新が進む。電源構成をめぐる議論は将来の日本の姿を決めるのが目的だ。従来通りでよしとする発想では技術革新を妨げ、世界の潮流から遅れてしまわないだろうか。経産省が「ベースロード電源6割」という考え方を持ち出したのは、原子力の比率を正面から論じたくないからではないか。机上の計算だが、同省の考えに沿うと結果的に原子力の構成比は20%以上に高まる可能性が大きい。原子力はこれからも一定程度必要だ。そのことを真正面から論じ、将来の電源構成に明確に位置づける必要がある。「ベースロード電源」というくくり方で本質的な問題を避けていると、議論が実態から離れ副作用も生む。原子力を含むエネルギー政策全般への国民の不信感も消えないだろう。

*4-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161127&ng=DGKKASFS26H2I_W6A121C1MM8000 (日経新聞 2016.11.27) 福島廃炉・賠償費、20兆円に 想定の2倍、経産省推計 国民負担が増大、東電へ融資拡大
 経済産業省が東京電力福島第1原子力発電所で起きた事故の賠償や廃炉費用の合計が20兆円を超えると推計していることがわかった。11兆円としてきたこれまでの想定の約2倍に膨らむ。東電の財務を支えるため、無利子融資枠を9兆円から広げる方向で財務省などと協議する。原発の事故処理費用(総合・経済面きょうのことば)の一部はほかの電力会社も含めて電気料金に上乗せするため、国民負担の増大が避けられない。複数の関係者によると、経産省は新たな推計を東京電力の経営改革や資金確保策を話し合う同省の有識者会議の委員らに伝えた。福島第1原発事故では、賠償や除染、汚染土を保管する中間貯蔵施設の整備、廃炉に費用がかかる。これまでの見積もりは賠償が5.4兆円、除染は2.5兆円、中間貯蔵施設は1.1兆円。廃炉は不明確だったが、東電が確保のめどをつけたのは2兆円だった。新たな見積もりは賠償が8兆円、除染が4兆~5兆円。作業が最低30~40年続く廃炉はこれまで年800億円だった費用が年数千億円に膨らむとみており、総額も数兆円単位で上振れする。中間貯蔵施設の費用も合わせて20兆円を超える。費用の大幅な上振れは、前回見積もった2013年末には想定しなかった賠償対象件数の増加や、除染作業の難しさが主な理由だ。廃炉は溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しが始まる20年代前半を控え、原発内部の状況が徐々に明らかになるにつれて2兆円では到底収まらないことが確実になった。廃炉費以外は原子力損害賠償・廃炉等支援機構が政府から交付国債を受け、必要なときに現金化して東電に無利子で貸し付けている。当初5兆円だった国債の発行枠を13年度に9兆円に広げており、再び拡大する。廃炉費は東電が利益を積み立てて負担する。原賠機構と東電は費用の膨張も踏まえて年明けに再建計画を改定し、政府が認定する。東電や他社の電気料金への上乗せをなるべく抑えるには東電が収益力を高め資金を捻出する必要がある。すでに火力発電・燃料調達事業は中部電と全面統合を視野に提携しているが、今回の改定で送配電や原子力事業でも再編・統合の方針を盛り込む。他社から広く提案を受け、収益力の向上につながる統合相手を選ぶ。

*4-3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161120&ng=DGKKZO09754640Q6A121C1PE8000 (日経新聞社説 2016.11.20) 原発の廃炉費は丁寧な議論を
 経済産業省の有識者会議で原子力発電所の廃炉をめぐる二つの議論が進んでいる。一つは、電力自由化の下で必要な廃炉を進める方策について。もう一つは、事故を起こした東京電力(現東京電力ホールディングス)福島第1原発を処理する体制についてだ。いずれも放置が許されない課題だ。やり遂げる仕組みを整えることが急務である。そのための費用を誰が、どう払うのか。国はわかりやすい議論と、国民への丁寧な説明を心がけてほしい。二つの議論に共通するのは、一部の費用の負担をすべての国民に求める案を検討している点だ。新規に参入した電力事業者も使う送電線の利用料に費用を上乗せすることで、新電力から電気を買う消費者にも負担を求める考え方だ。自由化で競争が激しくなれば、原発を持つ電力会社が廃炉に備えて用意する引当金を確保できなくなる可能性がある。そのため、予定より前に廃炉を決めた原発については送電線の利用料の一部を廃炉費用にあてる案が出ている。福島第1原発の処理では、廃炉や損害賠償などの費用が見込みを大きく上回る可能性が高まっている。そこで、上振れ分の一部を送電線の利用料に上乗せして集める案を、国は示している。負担が事業者間の競争を阻害するものであってはならない。一方で重要なのは、役目を終えた原発の廃炉と、福島の事故処理・復興を着実に進めることだ。資金不足で滞るようなことが起きてはならない。事故処理の費用を東電HDの経営努力だけで賄えないなら、補う財源が必要だ。不足分を広く国民に負担を求めざるを得ないのなら、理由を誠実に説明することが大切だ。どうして送電線に上乗せするのか。ほかに手段はないのか。理解を得られるようつとめるべきだ。議論が限られた場所で進む「密室感」は国民の疑念を招く。原発を重要なエネルギーとして使い続けるためにも、信頼を積み上げる努力を怠ってはならない。


PS(2016.11.29追加):*5のように、環境性能の良い自動車の税金を安くするエコカー減税をどこまで認めるかが議論されているが、2017年4月から適用される減税なら、排気ガスを出さないEVとFCVだけを環境車として自動車税免税にすべきだ。何故なら、その方が環境への配慮が進み、EV・FCVの生産投資と買替が起こって、景気もよくなるからだ。しかし、自動車は必需品であるため、自動車購入時に自動車税・自動車重量税・自動車取得税を賦課した上に消費税をかけるのは、諸外国と比較しても理不尽に税を取り過ぎている。間接税として消費税をかけるのなら自動車取得税は廃止すべきであり、一般車の自動車税もドイツ(23.5%)程度にすべきだ。なお、自動車重量税は、自動車専用道路の整備に充てるのなら賦課する理由があるが、一般財源なら自動車に賦課する理由がないため廃止すべきだろう。


自動車関係諸税の大きさ 自動車諸税国際比較  2016年エコカー減税 自動車保有国際比較

(図の説明:自動車関係諸税は租税総収入の10%弱を占めており、とれるところからとっている感がある。しかし、現在、自動車は地方では贅沢品ではなく必需品であるため、自動車関係諸税が高すぎるのはおかしい。せめて、自動車産業同士が激しく競争しているドイツ程度にすべきで、税優遇する次世代自動車は排気ガスを出さないEV・FCVだけとし、EV・FCVの開発を促すのがよい。何故なら、100人当たりの自動車保有台数は、人口の多いインドや中国でも上がってきており、排気ガスを出さないEV・FCVの重要性がますます大きくなるからだ。なお、化石燃料に課税すれば、環境負荷が軽くて燃費の良い自動車が自然と優遇され選択されるため、自動車取得時に低燃費車を優遇しなくても問題ない)

*5:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161129&ng=DGKKZO10050540Z21C16A1EA2000 (日経新聞 2016.11.29)エコカーなお攻防 経産・総務省 投資減税、拡大が焦点
 結論が出ておらず、今後の焦点になる項目もある。一つは環境性能が良い車の税金を安くするエコカー減税。もうひとつは中小企業の設備投資減税だ。いずれも景気刺激を優先する経済産業省と、地方自治体の財源を確保したい総務省との間で主張が真っ向から対立している。エコカー減税は車を買うときに都道府県に払う自動車取得税を、燃費に応じて20~100%割り引く仕組みだ。メーカーの燃費性能は毎年向上しており、現在の基準では新車の86%がエコカー減税の対象になっている。総務省は「燃費が平均以下の車まで『エコカー』として優遇するのはおかしい」(幹部)との立場。対象を絞り込めば、メーカーの研究開発を促す効果も期待できるとしている。経産省や自動車メーカーはこれに反発する。「過大な税負担が国内の自動車市場低迷の一因」として、今の燃費基準の維持を求めている。25日の自民党税調の会合では「減税対象を絞り込むと販売が減り、景気に悪影響が出る」との懸念が出る一方、「販売はそのときの景気で決まる。税金は関係ない」との声も多かった。もうひとつの焦点は今年度から実施している設備投資減税だ。中小企業が導入した機械設備の固定資産税を3年間にわたって半減する内容だが、経産省はこの対象を広げて効率の良い空調設備や介護ロボットを含めるよう求めている。製造業だけでなくサービス業にも活用してもらうためだ。固定資産税は全国の市町村にとって最大の財源だ。総務省は「まだ導入初年度の効果も検証できていないのになし崩し的に拡大するのは納得できない」(幹部)として徹底抗戦の構えを取る。


PS(2016年11月30日追加):*6のように、非正規社員は、正規社員と賃金・福利厚生のみならず、配置・研修・昇進などの扱いが異なり、その結果、長期間働くほど賃金差が広がって、賃金差は50代で最大になる。つまり、日本的経営を行っている日本企業は正規社員には(なるべく)終身雇用を保障しているが、そのために非正規社員を雇用調整に使っているわけである。また、1985年に第一次男女雇用機会均等法が導入される前は、正規社員の割合は15%程度と少なく、そのかわり女性が補助的な仕事を行って短期間で退職する労働者とされていた。そして、1985年の第一次男女雇用機会均等法導入後、企業は非正規社員の割合を次第に増やして、現在では労働者の1/3以上が非正規社員となり、非正規社員の割合は特に女性で高くなっているのだ。
 そして、「自分で選んで非正規社員になった」等々、会社側の言い訳はいろいろあるが、多くの労働者が他に選択肢があって選択したわけではないため、これは雇用形態の違いを理由にした差別に基づく搾取だ。そのため、労働基準法や男女雇用機会均等法で守られず、事業者が社会保険料も納めない非正規社員は非常に例外的なものにすべきで、正規社員でも遠距離の転勤がなかったり、短時間労働(その場合は、それだけ賃金が低いだろうが)にしたりすることは、経営判断で可能な筈である。


 *6より 1984~2012年正規・非正規推移  男女別正規・非正規雇用者数の推移

*6:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161129&ng=DGKKZO10050770Z21C16A1MM8000 (日経新聞 2016.11.29) 正規・非正規の基本給 格差縮小促す、職務や能力厳格評価 働き方改革、指針に反映
 政府は非正規社員の待遇を改善するため、基本給について仕事内容が同じなら正社員との格差を縮めるよう評価の基準を設ける。基本給の差を認める基準は職務能力や職務内容、勤続年数、配置転換の有無などに厳格化する。働き方改革実現会議(議長・安倍晋三首相)で議論し、年内にまとめる「同一労働同一賃金」のガイドラインで示す。早ければ来年の通常国会で関連法の改正を目指す。現在、企業は正社員には企業ごとの給与規定によって賃金を定め、年齢や勤続年数を反映した基本給を払っている。ただ、将来的な働き方が見通せない非正規では仕事の成果が給与に反映されにくい。これを見直し、原則として同じ企業内では雇用形態での不合理な賃金差を認めないこととする。働き方を適切に評価することで全体の生産性向上につなげる。新たに策定するガイドラインでは、どのような賃金差が合理的であるか、または不合理であるかを事例で示す方針。例えば、正社員と非正規の職務に違いがない場合は賃金の差を認めないが、正社員がキャリア形成の一環で実習を積む場合は非正規と同様の仕事内容でも賃金差を容認する。ガイドラインには賃金差の根拠などについての企業側の説明責任を盛り込むことを検討している。企業側には慎重論もあり、調整が続いている。交通費などの諸手当、賞与、福利厚生についても正社員と非正規に不合理な差をつけないよう企業側に促す。一方で、非正規の処遇を改善することで正社員の賃金が下がらないよう企業に労働分配率を引き上げることを求める。政府はガイドラインの拘束力を担保するため、関係する労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法の3法の改正案を早ければ2017年の通常国会に提出する。6月に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」では、19年度からガイドラインを運用すると工程表に定めている。現在も労働契約法など関連3法では正規と非正規について「不合理な相違があってはならない」などと明記しているが、どのような差があれば、待遇の違いが認められるかは具体的に触れられていなかった。日本の多くの企業は人件費抑制などを狙い、非正規の比率を高めており、国内の労働市場で非正規の割合は約4割にのぼる。欧州では同等の仕事をしていれば非正規でも正社員の8割程度の賃金を得ている。日本では約6割にとどまるため、政府は欧州並みに近づけたい考えだ。非正規は昇給がほとんどなく、賃金の差は勤続年数が長いほど大きくなる。最近では働き方の多様化、人手不足を背景に、小売業でパート・アルバイトが店長を務めるなど、非正規でも正社員並みの仕事をするケースが増えている。同一労働同一賃金の考え方を採り入れた人事制度を導入し、非正規の働きぶりをより評価して企業全体の生産性向上を目指す動きも出ている。りそな銀行は08年、業務の難易度などで分かれていた「職務等級」を正社員と非正規で共通にして、等級が同じなら時間当たりの基本給を同じにしている。


PS(2016年12月1日追加):高齢化やバリア・フリー化など課題先進国である日本の市場は、その需要を満たす製品を作れば、後に続く国への輸出やグローバル展開が可能だ。そのため、*7-1の自動ブレーキは、車両間衝突防止、車線はみ出し修正、歩行者への衝突防止などを徹底させて、国内外の他のメーカーにも販売すると利益が上がるだろう。また、自動車メーカーは典型的な男社会で、壮年期の男性に適した製品が殆どだが、女性や高齢者が設計の本丸部分に加わると、女性や高齢者に受ける自動車ができると思われる。なお、*7-2のように、信号機が老朽化して更新時期を迎えているのなら、更新するにあたっては、色の変化だけでなく、①位置情報 ②一方通行の情報 ③「進め」「右折可」「止まれ」などの電磁信号を自動車に送るようにすれば、より自動運転しやすいと思われる。

*7-1:http://digital.asahi.com/articles/ASJD133CTJD1ULFA006.html?iref=comtop_8_01 (朝日新聞 2016年12月1日) 自動ブレーキ性能、マツダ「アクセラ」最高点 2位は…
 国土交通省は1日、市販車の自動ブレーキによる衝突防止性能などの評価結果を公表した。従来の車両追突時などの評価に加えて、今回は歩行者との衝突防止性能を加えた点数を初めて公表。総合点でマツダの「アクセラ」が最高点となった。同省の評価に応募した、トヨタ自動車、ホンダ、マツダ、富士重工業、スズキの5社11車種が対象。車を時速10~60キロの範囲で5キロ刻みで走らせ、そのたびに人形を飛び出させて、自動ブレーキで止まれるかを測定した。人形に衝突すると減点になる。人形は、大人(身長180センチ)と子供(同120センチ)の2種類を用意した。自動ブレーキの車両衝突防止や、車線はみ出し時の警報などの安全性能に、歩行者衝突防止性能の点数(25点)を加えて総合評価した(計71点)。最高点はマツダのアクセラ(70・5点)で、富士重工のフォレスター(69・5点)とインプレッサ(68・9点)が続く。国交省は、12点以上で「ASV(先進安全自動車)+」、46点以上で「ASV++」を販売時に表示することを認めており、今回は全車種が46点以上だった。今回新たに評価した歩行者との衝突防止性能に限った点数をみると、アクセラ(24・5点)、フォレスター(23・5点)、インプレッサ(22・9点)の順だった。自動ブレーキについて、国交省は2014年から車両衝突防止性能の評価は公表しているが、歩行者衝突防止性能については初。交通事故の死者の4割近くは歩行者で、高齢ドライバーの事故も相次ぐなか、国交省は点数の公表でメーカーの開発競争を促す。

*7-2:http://qbiz.jp/article/99167/1/ (西日本新聞 2016年12月1日) 信号機 進む老朽化 制御機2割が更新期経過 警察庁まとめ
 信号機の赤青黄の点灯をコントロールする「信号制御機」や、信号を支える柱の老朽化が進んでいる。警察庁によると、制御機の更新時期は設置から19年。全国の制御機の約2割がこの期間を経過し、老朽化したと判断されており、重大事故を招く危険性が懸念されている。2012年9月、神戸市中央区の国道交差点で、信号の柱が突然折れ、路上に停車中の乗用車に接触。車は破損したが、運転していた男性や通行人にけがはなかった。柱は設置から45年がたっていたが、修理されないままになっていた。警察庁によると、「信号機の心臓部」ともいえる制御機は今年3月末時点で全国に20万5千基。うち「老朽化」と判断されたのは約2割の4万3千基。信号が消えたり、点滅を続けたりするなど、老朽化した制御機のトラブルは14年度に全国で314件起きた。制御機1基の更新費用は約120万円で、都道府県が負担する。信号は高度経済成長期以降に大量に整備されたが、自治体によっては予算を確保できず、事実上放置されている信号が増えているとみられる。15年度末時点で、福島県は、47都道府県で老朽化の比率がワーストの35・6%。一方、最も低い岐阜県は0・6%にとどまる。33・7%と全国2番目に高い兵庫県は、15年度に確保できた予算のままで更新ペースが続けば、25年度には県内の6割以上が老朽化すると予測している。全国的な統計はないが、信号を支える柱も、制御機と同様に老朽化が進んでいるとみられる。兵庫県警は柱の適切な更新時期を設置から40年としており、15年度末時点で県内の約14%がこれを超えている。県警は柱をたたいて強度を調べる打音検査のほか、海辺で潮風に当たりやすいなど設置場所の環境から傷みやすい柱を優先的に更新するなどして対応している。警察庁は20年度までに老朽化した信号機約4万3千基の更新を目標に掲げ、都道府県警にも計画の策定や予算の確保を指示。兵庫県警の担当者は「地下の見えない部分で腐食が進む場合もあり、危険性の判断は難しい。予算を平準化し、計画的に更新できる態勢づくりが必要」と話している。


PS(2016.12.2追加):日本では、世界でトップを切って1995年頃からEVをはじめとする本格的な環境車を開発し始めたのに、*8のように、「①EVは航続距離や充電時間に課題がある」「②EVの背中を押したのは外国の環境規制」「③独連邦参議院が2030年までにエンジン車の販売禁止を求めるとの独誌シュピーゲルの報道に対し、トヨタ首脳は『極端だ』と反応」「④FCV普及の前提となる水素ステーションの整備も課題」などとして、開発済のEVやFCVも本気で普及する体制をとらない点で、私もトヨタの経営陣はどうも先見の明や環境センスに欠けると思っていた。例えば、①④の課題は、1~5年で解決すべきで、10~20年も同じことを念じ続けるようなものではない。また、②は、リーダーの不勉強による見識の低さから、日本政府の環境意識が低いことによる。さらに、③の「極端だ」という反応は「バランスが重要」と言いたがる文系の人によく見られるが、例えば、「よりよいものができても、街灯にはろうそく・ガス灯・白熱電球・蛍光灯・LED電球をバランスよく使うべきだ」と結論づけるのと同じくらい馬鹿げているのだ。

     
 *8より  あかりの変遷     ガス灯       水銀灯    ソーラーLED

*8:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161202&ng=DGKKASDZ28IET_Z21C16A1EA1000 (日経新聞 2016.12.2) EV注力、トヨタの焦燥と勝算、環境規制受け開発加速 グループ一丸で巻き返し
 トヨタ自動車が12月1日付で「EV事業企画室」を設立し、電気自動車(EV)の量産に向けた取り組みを急いでいる。世界で初めてハイブリッド車(HV)の量産に成功し、水素で走る燃料電池車(FCV)を「究極のエコカー」に据えるトヨタ。EVにこれまで以上に注力する背景からは、環境変化に対する「焦燥」とトヨタなりの「勝算」が透けて見える。
●後ろ向きの印象
 9月下旬、仏パリ。トヨタの豊田章男社長はパリ国際自動車ショーの会場に足を運んだ。会場では独ダイムラーや独フォルクスワーゲン(VW)などが相次いでEVのコンセプト車を披露。欧州勢の動きを目にした豊田社長は周囲に「ショーと現実は異なるが、EVシフトが加速するかもしれない。注意が必要だ」と漏らした。トヨタは1997年に世界初の量産型HV「プリウス」を発売し、2014年には走行中に二酸化炭素(CO2)を一切出さないFCV「ミライ」も出した。こうした取り組みにより「トヨタ=環境」のイメージを強め、「エコカーもすべて開発している」(伊地知隆彦副社長)。だが、「EVに後ろ向き」との印象がつきまとっていた。例えば昨年発表した50年までの環境目標。HVやFCVは意欲的な販売目標を掲げる一方、EVについては「航続距離や充電時間に課題があり、近距離の移動に向いている。現在の乗用車と同様の車についてはHVやプラグインハイブリッド車(PHV)が適している」(伊勢清貴専務役員)と述べるにとどめた。課題があるにもかかわらず、なぜEVに注力するのか。背中を押したのは、各地の環境規制だ。米カリフォルニア州では18年式の製品から規制が強まり、一定の販売を義務付けるエコカーの対象からトヨタが得意とするHVが除外される。世界最大の自動車市場である中国でも当局が手厚い補助金でEVの普及を後押しする。HVを筆頭に「エコカーで先行するトヨタを米中両国が規制を使って締め出している」との見方は業界の通説だ。もっともこうした規制は以前から明らかになっていた。トヨタ幹部が「想定外だった」と打ち明けるのは、欧州の動向だ。VWはディーゼルエンジンの排ガス不正問題を契機に、EVへのシフトを表明。同社は6月、「25年までにEVを30車種投入し、25年に世界販売台数の20~25%をEVにする」と宣言した。10月に入ると、衝撃的なニュースも飛び込んでくる。独誌シュピーゲルが、独連邦参議院(上院)が30年までにエンジン車の販売禁止を求めると報道したのだ。トヨタ首脳は「極端だが、多くの人が今のままではよくないと考えている証拠だ」と発言。走行中にCO2を出さないゼロエミッション車(ZEV)の開発加速が必要との見方を示した。
●燃料電池車に壁
 もちろんトヨタが量産で先行したFCVでもZEV規制に対応できる。だが、FCVは主要部品の生産能力に限界があり、17年時点でも年間生産は3000台。普及の前提となる水素ステーションの整備も課題だ。「参入メーカーが比較的多いEVの方が充電拠点の整備が早く進む」(トヨタ幹部)との読みがある。EVをFCVと並ぶZEVの柱と位置付けたトヨタの今後の焦点は、競争力のある製品を生み出せるかに移る。トヨタは年間100万台規模を生産・販売するHVの技術をEVにも応用できるとみているが、グループ内には「HVとEVでは異なる点もあり、トヨタは出遅れた」との声もある。巻き返しのカギを握るのがEV事業企画室の顔ぶれだ。発足当初は4人ときわめて少人数だが、現行のプリウスの開発責任者を務めたトヨタの豊島浩二氏をヘッドに、デンソー、アイシン精機、豊田自動織機の出身者が脇を固める。「開発初期からグループ会社が参画するのは当社で初めて」(トヨタ幹部)という。トヨタの経営陣はここ数年、グループの一体感の醸成に注力してきた。内部で意見が対立して時間を浪費することもあったが、一丸となれば効率は高まる。EV事業企画室に参画するグループ3社の研究開発費(16年3月期実績)を足すと6000億円を上回り、自動車部品最大手の独ボッシュに迫る。EVの開発はグループ連携の成否を占う試金石にもなる。


PS(2016.12.3追加):大容量蓄電池や燃料電池が進歩したため、*9-1の“ベースロード電源”という概念は不要であり、これは、*8で述べた恣意的かつ不合理な電源バランスの考慮にすぎない。そして、*9-2のように、経産省が「福島原発事故処理に22.6兆円、廃炉に8.2兆円かかる」としながら、*9-3のように、「石炭や原子力の低コスト電気を新電力に大手が供給する」と主張しているのは、原価計算も理解せずに強弁を繰り返している点で間違っている。
 なお、*9-4の電力小売自由化で300社を超える企業が電力供給に参入したにもかかわらず、契約を切り替えた家庭が3%強に留まるのは、価格だけの問題ではなく、*9-3のように、新電力も化石燃料や原子力由来の電力と混合している上、事故処理や廃炉費用を負担させられ、新電力が従来の電力会社と電力という商品の内容で差別化できないからである。つまり、経産省の方針は、市場経済ではなく、経済学・経営学も理解しておらず、焼け太りしながら日本の国民や産業を邪魔しているにすぎない。

    
 世界の日本の農水産物  台湾の輸入制限への   2016.11.30    2016.12.3 
  に対する輸入制限    日本政府の態度     共同通信      日経新聞

(図の説明:左図の赤で着色された国が2015年5月現在、フクイチ事故の放射能汚染により、日本の農水産物の輸入停止や条件付輸入をしている国で、これによる損害も原発事故の被害だ。これに対し、日本政府は「世界貿易機関(WTO)への提訴も考える」などとしているが、世界を相手にフクイチ事故の放射能汚染を“風評被害”と強弁してWTOに提訴するような滅茶苦茶なことをすれば、日本食品の安全基準が疑われるとともに、その後は、まともなことを言っても相手にされなくなるだろう。これは、フクイチ事故処理費用を億面もなく22.6兆円と増加させ、それを新電力に負担させるやり方にも同様に出ている)

*9-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161203&ng=DGKKASFS02H40_S6A201C1EA2000 (日経新聞 2016.12.3) ベースロード電源 昼夜問わず安定的に発電
▽…コストが安く、昼夜を問わず安定的に発電できる電力源。原子力や石炭火力、水力、地熱発電などが該当する。日本はエネルギー政策を考える上で、安全性や安定供給、経済効率性、環境への適合といった要素を重視しており、ベースロード電源の割合を高めていけば、停電のリスクは減り、電気料金も抑制できる。政府はエネルギー基本計画で原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、安全を確保できた原発を再稼働させる必要性を示してきた。
▽…ベースロード電源を多く持つ電力会社は電気料金を低く設定でき、競争上も優位な立場に立てる。大手電力が長く、地域の電力需要を独占してきた日本では、原発や水力発電などの設備の多くを大手電力が保有する。水力と石炭火力、原子力を合計したベースロード電源の割合(2015年度)を比べると、大手電力が4割近くに達するのに対し、新電力は10%強にとどまる。新電力がコストが高い電源に頼らざるをえない構図は今後も続く見通しで、競争環境の是正が急務となっていた。
▽…ベースロード電源以外では、次に発電コストが低い「ミドル電源」、発電コストが高い「ピーク電源」がある。エネルギー資源に乏しい日本は各電源の利点や欠点を踏まえつつ、バランス良く各電源を活用していくことが欠かせない。政府は昨年、ベースロードの比率を56%程度などとする30年時点の望ましい電源構成を決めた。

*9-2:http://this.kiji.is/176377454849410556 
(共同 2016/11/30) 福島原発事故処理に22.6兆円、廃炉8.2兆円、新電力も負担
東京電力福島第1原発の事故処理費用 経済産業省が東京電力福島第1原発の廃炉費用について、従来想定の約2兆円から約4倍に当たる8兆2千億円に拡大すると試算していることが29日、分かった。賠償や除染費用も増大し、事故処理費用は総額22兆6千億円となる。政府は巨額費用の負担による東電の経営危機を避けるため「廃炉の加速化」を名目に、新たに年数百億円程度を電気料金に上乗せし、東電を支援する方向で検討する。他の大手電力や電力小売りに参入した新電力も対象で、家計の負担は一段と重くなりそうだ。廃炉は溶け落ちた核燃料取り出しの工法が決まらないため費用の試算が難しく、これまで数兆円規模で増えるとされていた。

*9-3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161203&ng=DGKKASFS02H48_S6A201C1MM8000 (日経新聞 2016.12.3) 新電力に低コスト電気 石炭や原子力、大手が供給、福島賠償を共同負担
 経済産業省は電力自由化で参入した新電力が石炭火力や原子力など発電コストの安い電気を調達できるようにする。電力大手が新電力の需要の3割相当を提供し、代わりに東京電力福島第1原子力発電所事故の賠償費用のうち3兆円程度を大手と新電力の共同負担に切り替える。賠償による新電力の料金上昇を抑え、大手との競争を促す。電力市場の競争促進や原発事故の処理費用の負担を話し合う経産省の有識者会議で来週にも決める。必要に応じて関連法や省令などを改正する。石炭火力や原子力などコストが低く発電量が天気や時間帯に左右されないベースロード電源を日本卸電力取引所に放出することを2020年度をめどに義務づける。いま大手が取引所に出すのは石油火力などコストの高い電気が中心で、割安な電気は自社の小売部門に流している。1キロワット時あたりの発電コストは原子力が約10円、石炭火力は約12円、石油火力は30円を超える。300社以上の新電力のなかには自前の発電所のない事業者も多い。取引所に調達を頼るが、安い電気が手に入らず対等な競争が難しかった。新電力の需要の3割にあたる量を発電コスト以下で放出してもらう。現在は石炭火力の発電量が多いが、再稼働が進めば原発の電気も出てくる。新電力はオークションで電気を買い付ける。福島第1原発事故の賠償費用はこれまでの想定の5.4兆円を上回る8兆円ほどに膨らむ。東京電力ホールディングスを中心に関西電力や中部電力などほかの大手も一緒に負担してきたが、今後は3兆円程度を新電力との共同負担に変える。賠償費用は大手が11年の事故後から拠出しているが、共同負担の3兆円は事故に備えてそれ以前に積み立てておくべきだった金額との位置づけだ。全ての電気利用者が大手と契約して原発の電気を使っていた時代の費用をこれから回収するため、新電力も含む全ユーザー(原発のない沖縄は除く)に負担を求める。具体的には大手と新電力の双方が負担する送電線の利用料に賠償費用を上乗せする。全国の電気の販売量に占める新電力の比率は8%。利用料はおおむね販売量に応じて払うため、新電力の負担は数千億円になりそうだ。福島第1原発以外の全国の原発の廃炉費用の一部も送電線利用料に上乗せする方針で、新電力に100億円単位の追加負担になる。新電力が費用をすべて小売料金に転嫁すれば、家庭の電気料金を1カ月あたり数円から数十円押し上げる要因になる。経産省は「安価な電気を調達できるようになるメリットのほうが費用負担よりも大きい」(幹部)とみている。本格的な価格競争が起きれば、大手も含めた料金の引き下げにつながる。大手と新電力の損得のバランスを取りながら、賠償と競争を同時に進める。

*9-4:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161203&ng=DGKKZO10252260T01C16A2PP8000 (日経新聞 2016.12.3) 政治大手既得権にメス 低コスト電気提供 新電力との競争促す
 経済産業省が電力大手に石炭火力など安価な電気の放出を求めるのは、大手の既得権にメスを入れるためだ。東京電力福島第1原子力発電所事故の賠償費負担の一部を新電力に切り替えるのをきっかけに、競争力のあるベースロードの電気を新電力に回して一気に競争を促す。4月の電力小売り自由化で300社を超える企業が参入したが、契約を切り替えた家庭の割合は3%強にとどまる。低コストの電気を大手が囲い込み、新電力は余った電気を調達せざるを得ない構造が根底にある。経産省は昔から大手に取引所への電気の放出を求めてきたが、競争力の源泉である石炭火力や原子力の電気は出てこなかった。無理に放出を義務づければ財産権の侵害に当たる恐れもあった。ここにきて賠償費用が大幅に上振れし、新電力に一部を肩代わりしてもらうことになった。経産省は見返りとして大手にベースロードの放出を説得していった。幹部は「こんなときじゃないと求められない」と話す。大手はなお反発している。一方、大手の契約者だった時代に払っておくべきだったという理屈で新電力の利用者に賠償費用を負担させる案は理解しにくい。事故処理費用が膨らんで後付けで理屈を考えたとの批判もある。原発が嫌いで新電力に乗り換えた人には、いっそう丁寧な説明が必要だ。


PS(2016年12月6、15日追加):日立の社長が、*10-1のように、「将来の経済発展や環境問題を考えると、原発は重要な選択肢」としているのは、日立の利益という観点からにすぎない。何故なら、経済発展のためには、無尽蔵で請求書のこない自然エネルギーを使う方が合理的であり、環境問題を考えれば原発は最悪の公害を出すからだ。そのため、ベトナム政府の判断は世界の潮流に沿って未来を考えたもので日本政府の判断より優れていると私は思うが、それでも自分の方が正しいと考える理由は、過去にもあった日本人の根拠なき自信から来る傲慢さだろう。
 なお、*10-2のように、麻生副総理・財務相と菅官房長官が、2016年12月15日、ハモンド英財務相と会談して日本政府が民間企業である日立の原発輸出を支援するために、英国の原子力発電所の建設プロジェクトに1兆円の資金支援を行い、事故が起きた場合の賠償の仕組み(日本国民が負担 ??)についても英政府と協議するそうだ。そして、日本政府は原発輸出を成長戦略の柱と位置づけているとのことだが、今でも原発を成長戦略の柱と考えているのなら馬鹿にも程がある。メイ首相が原発建設の許認可を先送りしたのは、中国への依存度が高まるのを懸念したのではなく、原発建設は環境配慮も経済合理性もなく、無料の自然エネルギーへの変換を阻害するだけであることに気づいているからだろう。

*10-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12692425.html (朝日新聞 2016年12月6日) 「原発の重要性不変」 日立・東原社長、輸出に注力
 日立製作所の東原敏昭社長は5日、ベトナム政府が日本やロシアとの原発計画を撤回したことについて、「逆風があっても、将来を考えれば原発の重要性は変わらない」と述べ、引き続き原発の輸出に注力する考えを示した。朝日新聞などのインタビューに答えた。ベトナム政府は先月、安全対策費用の高騰などから原発計画を撤回。日立が受注を目指すリトアニアでも10月の議会選で「反原発」を掲げる野党が第一党となったことなどを踏まえ、東原氏は「足元では(原発輸出に)いろいろと逆風が吹いている」との認識を示した。そのうえで、「将来の経済の発展や環境問題を考えた議論をしたとき、原発は重要な選択肢として残るはずだ」と強調した。米大統領選でトランプ氏が勝利してから円安が進んでいることについては、「業績にプラスに働くのは事実だが、今後も何が起こるか分からない。為替も1ドル=100円から120円ぐらいまで幅を持って見ていく」とした。業績に追い風が吹くなか、政府が経済界に求めている来春闘での賃上げについては、「為替の影響を除いた実力の成果を見極めて判断したい」と述べるにとどめた。

*10-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161215&ng=DGKKASFS14H8E_U6A211C1MM8000 (日経新聞 2016.12.15) 英原発に1兆円支援、政府、日立受注案件に
 政府は英国が計画する原子力発電所の建設プロジェクトを資金支援する。英国政府から原発の建設・運営を受託した日立製作所の英子会社に国際協力銀行(JBIC)や日本政策投資銀行が投融資する。総額1兆円規模になる公算が大きい。政府は原発輸出に力を入れているが、ベトナムでの新設計画が中止になるなど逆風が絶えない。官民連携で突破口を探る。麻生太郎副総理・財務相と菅義偉官房長官が15日、ハモンド英財務相と会談し、日英関係の強化を確認。世耕弘成経済産業相は年内にクラーク・ビジネス・エネルギー産業戦略相と会談し、原発分野での協力を表明する方向で調整している。両政府は来年中にも資金支援の大枠を固める。支援対象となるのは日立傘下のホライズン・ニュークリア・パワーが英中部ウィルファで計画する原発2基。ホライズンは日立が英国で手掛ける原発の設計から運営までを受け持つ全額出資子会社だ。ウィルファの2基にかかる総事業費を現時点で約190億ポンド(約2.6兆円)と想定。日立が総事業費の1割程度、英国政府が25%以上を出す案が出ている。日本政府はJBICと政投銀を通じホライズンに投融資する。さらに日本貿易保険(NEXI)が信用保証枠を設定。日本のメガバンクやHSBCといった日英の大手金融機関を呼び込み総額1兆円規模の資金を融通する計画。日英政府が支援姿勢を明確にすることで機関投資家などによる出資を促す。稼働後の売電収入なども加え全体の事業費をまかなう方向だ。日本政府は原発稼働後の電力の買い取り価格や買い取り期間、事故が起きた場合の賠償の仕組みなどについても英政府と協議し、持続可能な枠組みづくりをめざす。日本政府が異例の資金支援に乗り出すのはメイ政権の発足が大きい。キャメロン前首相は2015年10月、英南東部の原発に先進国として初めて中国製原子炉の導入を決めるなど中国を重視する姿勢を示していた。だが英国のEU離脱決定を経て就任したメイ首相は今年7月、中国国有の中国広核集団とフランス電力公社が英南部で手掛ける原発建設の許認可を突然先送りした。9月末には条件付きで建設を認めたが、メイ政権は中国への依存度が高まるのを懸念しているとみられる。日本にとってはチャンスともいえる。安倍晋三政権はインフラ輸出を成長戦略の柱と位置づけている。


PS(2016年12月8日追加):高齢ドライバーの事故ばかり吹聴していると、高齢者と若年者が事故を起こした場合には、若年者が悪くても高齢者の不注意や認知症のせいにされそうである(メディアに、このように差別を助長する表現を含む記事が多いのは問題だ)。しかし、*11の逆走については、曲がる場所を一度間違えると目的地とは程遠い場所に行かなければならなくなる高速道路の設計にも問題があり、慣れない地域を走る人や外国人も高速道路を使うことを考えれば、後戻りや進路修正をもっと容易にすべきだ。また、道路から自動車に信号を発して逆走できないシステムにする方法も考えられる。

*11:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/384417
(佐賀新聞 2016年12月8日)2016年県内、高齢運転者の逆走3件目
 佐賀県内の高速道路では今年、高齢ドライバーによる逆走が他に2件発生している。いずれも80代の男性で、本線に入った直後に発覚して事故は免れた。県警高速隊によると、3月中旬に佐賀市の長崎自動車道の下り線で、男性(83)が運転する車が金立サービスエリアから福岡方面に逆走し、約2キロ先で制止させられた。男性は「財布を忘れて取りに戻ろうと思った」と話しているという。11月上旬には、武雄市の男性(82)が運転する車が長崎道の武雄北方インターチェンジ(IC)から進入して本線に入った直後、Uターンして逆走しながらICに戻った。男性は一般道と間違って高速道に入ったとみられる。このほかにも、1月に福岡県内の24歳女性が運転する軽乗用車が長崎自動車道を逆走し、神埼市で大型バスに接触する事故が発生。これらとは別に、逆走までは至らない高速道路への誤進入は今年、県内で3件確認されている。


PS(2016年12月14日追加):数人の高齢者が運転中に問題を起こしたからといって全高齢者が運転不能で免許返納すべきであるかのように主張するのは、程度の低い決めつけであり、高齢者いじめだ。何故なら、年齢別交通事故発生頻度は、10~20代は60~70代の1.5倍である上、30代でも1.1倍あり、これは自賠責保険の保険料に既に反映されているからだ。また、*12に書かれているように、公共交通が不便な地域では車は生活必需品であり、コミュニティーバスがあっても財政の都合で便数が少く不便なため、自動ブレーキなどの事故防止機能を充実させた車の普及が急がれ、これは生活の質を保つために年齢も国も問わないニーズなのである。なお、男女を同じに論じているが、下のように、平成27年時点の0歳時の平均余命(=平均寿命)は男性80.79歳・女性87.05歳であり、80歳時点の平均余命は男性8.89年・女性11.79年で、それだけ元気に動いており、その元気さは普段からの活動量に比例する。さらに、現在、農業者の平均年齢は65歳を超えており、自動車だけでなく農機具も電動の安全性の高いものにすべきで、これらの需要は日本と似た人口推移を辿る他国でも次第に多くなる本物なのだ。なお、アクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐためには、オートマチック車からマニュアル車に切り替えて昔に戻るよりも、それらを間違えようのない遠い場所に配置する方がよいと、私は考えている。

   
  年齢別平均余命   農業の修業人口と平均年齢    日本の世代別人口の推移 

*12:https://www.agrinews.co.jp/p39657.html (日本農業新聞 2016年12月11日) 高齢者の運転 生活の質と安全両立を
 高齢者の運転による悲惨な交通事故が後を絶たない。運転免許証の返納を促す動きもあるが、交通不便な農村にとって車は欠かせない。自家用車に頼らず移動できる手段を確保するとともに、自動ブレーキなど事故防止機能を充実させた車の普及が急がれる。高齢者の生活の質を保ちつつ安全対策は待ったなしだ。高齢ドライバーの事故は年々増え続けている。特に注視すべきは80歳以上だ。警察庁によると2005年は8645件だったが、15年は1万4895件と7割も増えた。年を取って目が悪くなったり、反射神経が鈍ったりする他、認知機能の低下などが疑われる。認知症への対策を強化するため、来年3月に改正道路交通法が施行される。75歳以上のドライバーが運転免許の更新時に認知機能検査を受け、「認知症の恐れがある」とされた場合は医師の診断が義務付けられる。認知症と診断されると免許取り消しになる。更新時でなくても、信号無視などの違反があれば、臨時の認知機能検査を受けなければならない。取り締まりは厳しさを増す。ただ、公共交通機関が整わない農村部で車は生活必需品だ。過疎化が進む地方では一人暮らしの高齢者も多い。同居世帯でも日中は一人で、家族に運転を頼れない。最寄りのバス停や駅までは遠く、バスや電車は1日数本の地域も少なくない。日々の病院や買い物に行くのに高価なタクシーばかり使えない。運転に不安を抱きながら、やむを得ず運転を続ける事情もある。自由に運転できることは、気持ちの張りや生活の質を保つ側面もある。自分の力で外出できれば友人と交流し行動範囲を広げ、社会への参画につながり、心身を活性化させる。「危ないから」と免許を取り上げるだけでは行動のきっかけを失って家に閉じこもり、寝たきりや認知症を招きかねない。メーカー各社は自動ブレーキなどの機能を搭載した車種開発を進めている。車両の衝突防止、車線はみ出し時の警報と性能は高まってきている。しかし、歩行者との衝突を避ける機能開発・普及はまだ不十分だ。政府も事故防止のため、技術面の支援を加速させるべきだ。一方で、自治体は高齢者が移動できる手段の整備を急がなければならない。安価に利用できる乗り合いタクシーやコミュニティーバスなど、地域住民同士で支え合う仕組みづくりへ知恵を絞るべきだ。事故を防ぐには当人の自覚が一番だ。過信せず、体の衰えを見極めた上で危険を減らす対策が求められる。暗くなる夕方以降は運転をやめる、高速道路は走行しない、アクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐためオートマチック車からマニュアル車に切り替えるなど、できることは多い。家族や地域は高齢者の活動を奪わないよう、多様な選択肢を用意したい。


PS(2016年12月21日追加):*13-2のように、農林水産物・食品の輸出拡大に向け、販促や輸出支援の新組織を立ち上げるそうだが、そのような目的のために素人が天下りして作った新組織が役立つとは思えない。それより、*13-1のように、原発事故から5年たっても十分な除染すら行われていない中、風評被害や差別などではなく医学的根拠があって輸入制限のかかるような放射性物質汚染食品を「日本産」として一括して販売すれば、美味しいか否かとは関係なく、日本産の安全ブランドを損なって輸出の妨げになる。また、産地表示がなければ、日本国民でもなるべく日本産を避けなければならなくなる。そのため、まとめるとすれば、「made in Kyusyu(Japan)」「made in Shikoku(Japan)」「made in Hokkaido(Japan)」など獲れた地域を明記すべきであり、地域が明記されない場合は、消費者は安全性を考えて最悪の地域を想定しなければならない。そのためにも、原発は廃止すべきなのだ。

*13-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12706402.html
(朝日新聞 2016年12月15日) 除染に税金、数千億円 来年度から予算計上 政府方針
 政府は、東京電力福島第一原発の事故費のうち、帰還困難区域の除染に国費を使う方針を固めた。帰還希望者のため「復興を加速させる」狙いだ。東電が負担すべき事故関連費に税金を直接使うのは初めて。この費用は東電に求めない。来年度予算に計上し始め、総額は数千億円になる見通しだ。当面、所得増税などで集めた復興予算(計32兆円)を使う。これまで除染は国が立て替え、最終的に国が持つ東電株の売却益で充てる前提だった。方針は14日、自民党内でおおむね了承され、20日にも閣議決定される。

*13-2:https://www.agrinews.co.jp/p39725.html (日本農業新聞 2016年12月21日) JAグループ、ジェトロ・・・ 輸出増へ15団体協定 3月にも新組織 農水省
 JAグループや日本貿易振興機構(ジェトロ)、経団連など15団体は20日、東京・霞が関の農水省で、農林水産物・食品の輸出拡大に向けた連携を強化する協定を初めて締結した。業界を挙げて現地での販売促進などに取り組む。農水省は、来年3月にも輸出を支援する新組織を立ち上げる方針。輸出額が伸び悩む中、政府の1兆円目標達成に向け、官民で輸出体制を強化する。
●業界挙げて販売促進
 海外への販売促進は、産地がばらばらに行って訴求力を十分発揮できず、単発の商談会やイベントに終わって継続的なPRにつながっていないなどの課題がある。11月の政府の農林水産業・地域の活力創造プランでは、海外での販売促進の強化や輸出支援のための新組織を立ち上げることを決定している。消費者への販売促進などにたけた食品専門の販促機関であるソフェクサ(フランス食品振興会)をモデルに、「日本版ソフェクサ」として来年3月にも創設する。新組織は国内外に専門家を置き、海外のニーズを把握して国内の生産者につなげたり、消費者向けの販売促進を強化したりする。ジェトロ組織を活用し、将来民営化することを視野に入れ、民間企業など外部人材も活用する計画だ。連携協定は、政府が立ち上げる支援組織の効果をより大きくするため、実際に輸出に関わる団体の連携を強化する。農業団体や、米や青果物などの業界団体、経団連、商工会議所、全国知事会の代表が参加。政府が決定したプランに沿った取り組みを官民で進めることをアピールした格好だ。山本有二農相は「皆さんと新たな体制の下で互いに連携し合い、一緒になって輸出を伸ばしたい」と述べ、新組織の活用を促した。全中の奥野長衛会長も「国内の生産力を高めるためにも輸出は非常に大事だ」と輸出の意義を強調した。


<バスの小型化と自動運転車>
PS(2016年12月26日追加):*14-1のように、路線バスは財源難だけでなく運転手不足からも便数を減らさざるを得ない状態になっており、これを解決する方法には、バスの小型化や自動運転機能の搭載がある。特に佐賀県には、乗車人数が少ないのに大型バスを走らせるのはもったいない区間が多いため、バスを小型化すれば大型免許がいらないので運転手の増加が見込まれる上、女性運転手も少ないので積極的に女性も採用すればよいだろう。なお、*14-2のように、完全自動運転車生産のための企業間連携も進んでいるが、これは、もう少し時間がかかりそうだ。

*14-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/390030 (佐賀新聞 2016年12月26日) 県内路線バス 運転手不足深刻、免許保有者減、取得費高く
■佐賀市交通局「このままなら縮小も」
 路線バスの運転手が不足している。大型二種免許の保有者が減って人材確保が難しくなっているためで、業界では免許取得費用を援助するなどの取り組みも広がっている。佐賀市でも「市民の足」としてバスが担う役割は大きく、市交通局は「このままいけば路線縮小もあり得る」と危機感を募らせる。佐賀市南部をカバーする市交通局には現在94人の運転手がおり、平均年齢は53歳と高齢化が進んでいる。現状でも運転手は6人足りず、時間外勤務で路線をなんとか維持しており、「病気やけがで欠員が出ればさらに厳しくなる」と担当者。人手不足が解消せず、高齢化が進めば「路線縮小も検討せざるを得ない」とこぼす。市交通局は随時、運転手を募集しているが、なかなか人が集まらない。免許を持つ人が全国的に減少しているためで、2011年に104万人いた保有者は、15年には96万人まで減っている。また県内に大型二種免許の公認教習所がなく、取得に60万円前後の高額な費用が必要なことも、人材確保の壁となっている。市交通局のベテラン運転手(52)は「偏りが出ないようシフトを組んでもらったり、体調にも気を遣ってもらったりと配慮してもらっている」と話す一方、「人は足りてない。時間外勤務や公休出勤が増え、25年間働いてきて今が一番きつい」と打ち明ける。対策を打つ事業所もある。西鉄バスは、採用枠を大型二種免許取得者以外にも広げ、自社で運転手を育成している。自社が持つ自動車教習所に通わせ、免許取得にかかった費用を5年間で全額支給したり、普通免許を持つ高校新卒者を採用して3年後に大型二種を取得させたりと、人材確保に力を入れている。県バスタクシー協会は「深刻な問題だと認識しているが、現時点で具体的な対策や話し合いの場などは持てていない」と動きは鈍い。市交通局の大塚智樹副局長は「路線バスは地域住民の足。路線縮小は避けなければならない。人材確保は業界全体の問題であり、各事業所がどうこうできるレベルを超えつつある。国や県単位で大型二種免許取得者を増やす取り組みが必要ではないか」と指摘する。

*14-2:http://qbiz.jp/article/100576/1/ (西日本新聞 2016年12月22日) ホンダとグーグルが連携へ 完全自動運転で共同研究
 ホンダは22日、米IT大手グーグルと、ハンドルやアクセル、ブレーキの操作が一切いらない完全自動運転の実現を目指した共同研究の検討を始めたと発表した。実現すれば、ホンダは日本メーカーとして初めて、自動運転の研究で世界でも先行しているとされるグーグルと手を組む。ホンダとグーグルが業種の垣根を越えて手を組めば、他のメーカーなどでも連携が加速し、自動運転の開発競争が一段と激しくなりそうだ。共同研究は、ホンダ子会社の本田技術研究所(埼玉県和光市)と、グーグルが自動運転の研究開発部門を別会社化して設立した「Waymo(ウェイモ)」(米カリフォルニア州)の技術チームが進めることを検討している。ウェイモの自動運転用センサーやソフトウエアなどを、ホンダが提供する車両に搭載し、米国で共同の実証実験を行う予定だ。ホンダが完全自動運転に関する具体的な取り組みを公表するのは初めて。ホンダとグーグルは、正式契約に向けて今後、実証実験の時期など共同研究の詳細を詰める。ホンダは2020年ごろに高速道路での自動運転の実用化を目指し、開発を進めてきた。より高度な自動運転に向け、段階的な技術開発を目指すホンダに対し、ウェイモは既に難度が最も高い完全自動運転に向けた取り組みを進めている。ホンダは「開発の手法が異なる両社で幅広く取り組む方が、ゴールにより早く近づける」(広報部)と強調した。ただ、完全自動運転の実用化の目標時期は示さなかった。グーグルは、欧州自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とも自動運転の共同開発を進めている。

| 資源・エネルギー::2015.5~2016.12 | 05:37 PM | comments (x) | trackback (x) |

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