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2021.9.2~3 女性教育の産業への好影響 ← アフガニスタンには男女の人権を護る憲法と女性差別を具体的に禁止する法律が必要 (9月4《図》、5、7《図》、8、9、10、11、14《図》、15、17、18《図》、20、23日追加)
(1)アフガニスタンについて

 

(図の説明:1番左の図のように、中村医師はアフガニスタンに2003年から用水路を建設し、用水路が完成した地域には、左から2番目の図のように緑地が広がっている。現在は、右から2番目の図のように、太陽光発電所と羊牧場を併設したり、1番右の図のように、砂漠に風力発電機を設置して動力を得たりすることもできる)

    
アフガンの人口ピラミッド   日本の人口ピラミッド      2018.6.4東洋経済

(図の説明:左図のように、アフガニスタンの人口ピラミッドは富士山型に近く、栄養状態が悪くて医療も普及していないため乳児死亡率が高いことを示す。これは、中央の図の日本の1950年以前《主に戦前》の状態に近いが、日本では、右図のように、戦後、急速に実質GDPが伸び、それにつれて栄養状態が改善し、教育や医療が普及して、一人一人の生産性が前より上がって豊かになり、人口ピラミッドがつりがね型からつぼ型へと変化した。つまり、多産と経済成長は正の相関関係がないだけでなく、教育を通して負の相関関係がありそうなのである)

1)米軍のアフガニスタン駐留終了が人権に与える影響
 バイデン米大統領は、*1-1-1のように、「20年間にわたる米軍のアフガニスタン駐留が終了した」と明らかにし、12万3000人の米国人及び米国に協力したアフガン人の国外退避をだいたい終えた後、掃討をめざしていたイスラム主義組織タリバンが復権した。

 が、未だ100~200人の米国人が出国できずに残っており、タリバンが求める経済支援と引き換えに自由かつ安全な移動に関する合意を履行するよう求めており、タリバンの報道官の方は米軍撤収について「私たちの国は完全な独立を手に入れた」とツイッターに投稿したそうだ。

 *1-1-2は、①タリバンの統治を恐れて空港周辺に出国を望む市民数千人が殺到して死者が出た ②アフガン在住の各国国民や協力したアフガン人の国外退避は緊急を要する最優先事項 ③タリバンは国外退避を望むアフガン人に対し、新たな国造りに必要な人材として空港到着を阻んでいる ④在アフガニスタン米大使館員らは7月13日付の極秘公電で駐留米軍が8月31日に撤退すれば、直後にガニ政権や政府軍は崩壊する恐れがあると警告していた ⑤警告にもかかわらず、米政府はガニ政権とタリバンとの戦闘見通しを誤った と記載している。

 また、*1-1-2は、⑥日米欧のG7は8月24日に緊急首脳会議を開いて、退避支援に全力を挙げること・人道危機回避への貢献・女性の権利擁護・テロ対策での緊密な連携を確認 ⑦日本政府は出国を求める人に各自で空港までの移動手段を確保するよう求めたが、市民に自己責任で移動を求めるのは無責任 ⑧日本政府はタリバンと交渉し安全地帯を確保して迎えに行くなどの安全で確実な方法を示すべき ⑨米軍撤退の教訓は、中央アジアの覇権争いを繰り返さず、故中村哲医師が実践したような取り組みで国を再生させること とも記載している。

 さらに、*1-1-3は、⑩タリバンは、8月17日に首都カブールで開いた記者会見でザビフラ・ムジャヒド報道官が初めて姿を見せて国際テロ組織を国内から排除する方針を明らかにし ⑪報道官は「外国組織が他国に危害を与えるために国土を使うことを許さない」とも強調し ⑫資金源であるケシ栽培は「金輪際関わらない。そのためにも国際社会の援助が必要」と訴え ⑬ジェイク・サリバン米国家安全保障担当大統領補佐官は、8月17日の記者会見で「タリバンがどのような行動を世界に示すか次第。(政権承認の是非を)判断するのは時期尚早だ」と答え、女性の権利を守らせるために同盟国と連携してタリバンに圧力をかける と記載している。

 このうち①は悲惨で、酷い刑がしばしば行われる国では②が不可欠だ。また、③は、タリバンの支配層が新たな国造り要員としてアフガン人の出国をの望まなかったとしても、その意味するところを文字の読めない末端まで理解できるとは限らず、自由な思想を持つリーダーの方がいつ殺されて失脚するかわからないため、残された人はやはり危険である。これは、日本の明治維新から第二次世界大戦以前と同じような状況だ。

 従って、④⑤⑥については、⑤の警告に基づいて必要なことを終わらせた後で撤退すれば、①②は起こらず、何とか合格点だったただろう。しかし、日本の⑦も、市民に無理を強いている。⑧は、日本大使館を再開して安全地帯とし、ビザを発行して国外退避したい人をアフガニスタン国外に移送し、その後、日本に空輸するしかないと思われる。

 それを可能にするには、⑨や*1-3に書かれている中村医師の実績と今後の日本の援助方針が効くだろう。中村医師は、アフガンを干ばつが襲って農地が砂漠化するのを見て、病気の背景には食料不足と栄養失調があると考え、「100の診療所より、1本の用水路を」と2003年からアフガン東部で用水路建設に着手した。

 この用水路は、これまで約27kmが開通し、1万6,500haを潤して砂漠に緑地を回復させ、農民65万人の暮らしを支えている。中村哲医師の灌漑は、現地の人が維持・管理できるように江戸時代に築かれ今も使われている福岡県朝倉市の山田堰をモデルとし、護岸はコンクリートではなく鉄線で編んだ「蛇籠」に石を詰めて積み、そこに根を張る柳を植えて補強したもので、その防風・防砂林の植樹総数は100万本を超えて、工事に携わった人たちは現場で技術を習得して熟練工となり、中村さんは近年、国連機関やJICAとも連携してノウハウをアフガン全土に広めようとしていたのだそうだ。

 農林業の技術移転によってアフガン全土に実りの豊かさをもたらすことは、戦争に割く人員を減らして穏やかに暮らすために不可欠な条件だと思われるため、適切な作物を選んで必要な工事を行い、今後の技術支援の軸にすべきだろう。

2)イスラム圏で女性の人権と自由をどう守るか
 タリバン執行部は、*1-2-1のように、「イスラム法の範囲内で女性の権利を尊重する」と主張しているが、旧タリバン政権下で女性を抑圧した過去があるため、国際社会は女性の人権が守られるのか強い懸念を抱いている。

 そもそも、「『イスラム法の範囲内』で尊重される女性の権利」は、女性を1人の人間として男性と差別なく人権・自由を保障するものではなく、アフガン国内の女性が変えることはできない性格のものである。その例として、カブールで美容院の女性の肖像がスプレーで汚されていたり、女性が夫以外の男性の前で着飾ることや目以外の部位を露出することを認めなかったり、女性を拉致したり、女性を職場から追い出したりする事例は枚挙に暇がない。

 アフガンで低迷する女性の識字率や社会進出の課題を告発し続けてきた女性記者エストライ・カリミさんは、「西部ヘラート州で、夫が運転する車で取材先に向かっていたところ、銃声が響き、戦闘員に取り囲まれて夫婦で拉致され、モスクの脇にあるタリバンの施設で『運転席の男は誰だ。女が夫や兄弟の同伴なしで出歩けると思っているのか』と尋問され、憤激するタリバン幹部に夫だと説明すると、勤務先や住所も確認され、約1時間後にモスクの宗教指導者がタリバン幹部をなだめて解放された」のだそうだ。

 また、タリバン傘下に入った国営テレビ局「RTA」では、画面から女性キャスターの姿が消え、その一人のシャブナム・ダウランさんがSNSに投稿したビデオ声明で「タリバンから『帰れ』『政権が変わったんだ』と追い返された」と訴えた。

 さらに、ロイター通信によると、南部カンダハルでは7月にタリバンが銀行を訪れ、女性職員9人に出勤停止を命じ、カンダハルの女子校に勤める女性教員は「学校は閉鎖したままで生徒が心配。たとえ授業が再開しても、科目は宗教に偏るでしょう。進学を志す女子がまた減ってしまう」と憤っているそうだ。

 タリバンは政権に就いていた1996~2001年、極端なイスラム教解釈で女性の通学や就労を妨げ、服装を強要して国際的な批判を浴び、今後も女性の行動に一定の縛りをかける恐れが強いため、カブールではタリバンの権力掌握を受け、全身をすっぽり覆う衣装「ブルカ」を買い求める女性が店に殺到したのだそうだ。

 アフガンでタリバンが猛攻を続けていた頃から、*1-2-2のように、海外留学中のアフガン人学生からは「また教育が奪われる」と懸念の声が上がっていた。アフガンで裁判官になるのが目標で、3年前に激しい競争の中でアズハル大の奨学金を勝ち取って単身でカイロに来た7人兄妹の長女は、教育を禁じるタリバンが国を支配すれば、「女性で単身留学している私は標的になる。帰国すれば命を狙われる」と話し、医者を目指していた妹は「もう諦めた。ここから逃げたい」と毎日泣いているそうだ。

 タリバンが制圧した州都では、教育機関や政府施設が破壊され、一部では女性に体や顔を覆う衣装「ブルカ」の強要も始まったそうで、これらからわかるように、イスラムの女性が「ブルカ」を着たり、教育を受けなかったり、識字率が低かったりするのは、その文化を自ら望んでいるからではなく、支配者に強要されるからなのである。

3)今後の対応について
 アフガンの状況は、日本の第二次世界大戦前後の状況や女性の地位に似ている。これらを同時に解決するには、日本国憲法に近い徹底した民主主義憲法を導入し、男女平等の民法を制定し、女子差別撤廃条約に調印させ、男女雇用機会均等法や男女共同参画基本法を成立させなければならない。

 外圧でそれらを行わなければ、アフガン内部のリーダーは、自由で人権を尊重する人ほど殺されて早く失脚するのである。そのため、私は、*1-3のような経済支援や日本企業の進出を、民主主義に基づく新憲法の導入等を条件として行うべきだと思う。そして、女性を教育して男女共同参画させることは、実は、産業や経済の発展にも大きく寄与するのだ。

(2)日本では、豪雨で繰り返す内水氾濫・外水氾濫

   
   Weathe News      2019.8.29佐賀新聞     2021.8.14産経新聞

(図の説明:今夏は、左図のように、佐賀県《特に嬉野市》で1,000mmを超える雨が降り、低い土地にある市や町で、中央の図のような内水氾濫が起こった。そのうち武雄市や大町町は、2019年にも同じ場所で内水氾濫が起こっており、右図のように、洪水が予想される地域である)


 2021.8.14日本TV    2021.8.16佐賀TV    2021.8.14朝日新聞   2021.9.1 
                            順天堂病院     佐賀新聞
(図の説明:1番左の図のように、豪雨時の六角川本流の水面は住宅地の屋根より高く、一部で外水氾濫を起こしたと同時に広い範囲で内水氾濫を起こした。その結果、左から2番目の図のように、武雄市では住宅地が一時は3mも水に浸かった。また、右から2番目の図のように、大町町の順天堂病院も1年おきに1階が水没しており、せっかく病院を誘致できたのに残念なことだ。さらに、1番右の図のように、激甚災害の指定を受けて国庫補助率が上がったのはよかったが、かさ上げしなければならないのは補助率だけではなく住宅地そのものであるため、復旧にしか使えないのは使い勝手が悪い)

1)2021年8月の浸水被害
 8月11日から降り続いた豪雨で九州北部の佐賀県武雄市・福岡県久留米市は、*2-1のように、水路や下水道の排水が追い付かず、雨水が地表にあふれる「内水氾濫」が起きて住宅浸水や道路の冠水が相次いだ。武雄市内では支流の内水氾濫に加えて六角川本流も一部で外水氾濫し、東部を中心に住宅地などが濁った水で覆われた。また、武雄市と隣接する大町町の順天堂病院も周囲を泥水で囲まれ、2019年と同様に孤立状態となった。

 久留米市では、8月14日午前までの24時間降水量が観測史上最大の387mmとなり、筑後川支流で内水氾濫が起きて4年連続で市街地と田園地帯が水に漬かった。久留米市によると、支流は本流からの逆流を防ぐため合流点の水門を閉鎖し、水は本流にポンプで送るが、処理できなくなった雨水が広域であふれ、ポンプを増やしたり、堤防のかさ上げに取り組んだりしたが、圧倒的な雨量に及ばなかったそうだ。

 佐賀県武雄市の被害概要について、*2-2のように、浸水の深さ・内水氾濫の面積・家屋被害数等が、2019年8月に県を襲った記録的大雨より深刻で、2年前の8月は降雨期間が3日間だったが、今夏は7日間(11~17日)続き、総雨量も最大約1,300mm(2年前は最大約500mm)で、六角川の排水ポンプが3回合計8時間50分(前回は1回合計3時間10分)停止し、家屋への浸水被害は2021年8月25日現在で床上1,273棟・床下390棟の計1,663棟(前回は1,536棟)、通行止めは約90カ所(前回は63カ所)、浸水の深さや内水氾濫の面積は2年前より大きく、地滑りの兆候も今回は3カ所で確認されたそうだ。

 武雄市は、2年前と比べて内水氾濫が広がった理由を長時間の降雨と六角川の水位上昇に伴って排水ポンプの停止時間が長引いたことなどが影響したとみており、市長は「国交省には内水氾濫対策に目を向けてほしい」とし、ポンプ機能を維持する方策を専門家や国交省の河川事務所と早急に協議する意向を示しているそうだ。

2)国からの支援としての激甚災害の指定とこれから行うべきことについて
 佐賀県武雄市や大町町で「内水氾濫」がよく起こる理由は、海抜0m地帯で、有明海に注ぐ六角川の勾配が緩く、満潮時は有明海の海水が上流約29kmまで遡り、広範囲で住宅地が川面より低くなり、雨水が下水道等から溢れることによるそうだ。つまり、標高が低いため自然排水が難しく、もともと浸水リスクの高いこの地域は、上の段の右図のように、洪水予想地域として地図上に記載されているのである。

 これに対し、国交省は、六角川と牛津川流域の60カ所以上にポンプを設置し、住宅地に降った雨水を河川に排水しているが、大雨で河川の水位が上昇するとポンプの運転を停止せざるを得なくなり、ポンプによる排水が追いつかなくなる。これは、気候変動によって海面の高さが上昇し、豪雨も激しくなれば、ますます被害を大きくするものである。

 確かに、下の段の1番左の図のように、豪雨時の六角川本流の水面は住宅地の屋根より高く、一部で外水氾濫を起こしたと同時に広い範囲で内水氾濫を起こしている。そのため、下の段の左から2番目の図のように、武雄市では住宅地が3mも水に浸かり、大町町の順天堂病院も、右から2番目の図のように、1年おきに1階が水没しているのだ。

 これらの被害について、*2-3のように、今回も激甚災害の指定を受けることができ、国庫補助率が上がったのは不幸中の幸いだったが、広範囲に降る自然の豪雨を人工のポンプで排水すること自体に無理があるため、住宅地は土地を交換して高台に移転し、低地でもいつも川の水面上になるようかさ上げして田畑にするのが、今後の被害を免れる唯一の方法だと考える。

 私が衆議院議員をしていた2005~2009年の間にも浸水被害があったため、地元の人に「土地のかさ上げか、高台への移転ができないのか」を聞いたところ、「①かさ上げする土がない」「②浚渫していないため、ダムや川の底に土が溜まって浅くなっている」「③それをする人手がない」「④個人の住宅に補助を出すことはできない」などのできない理由ばかりが返ってきた。

 しかし、②の浚渫を行えば①の土も出るため、③は外国人労働者を雇用してでもやった方がよいだろう。また、このように頻繁に浸水するのなら、④の個人住宅や病院もかさ上げするか、高台に移転する方法を考えた方が、費用と時間をかけて行う復旧を「賽の河原の石積み」にせずに済むと思うわけである。

・・参考資料・・
<アフガニスタン>
*1-1-1:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210831&ng=DGKKZO75292470R30C21A8MM0000 (日経新聞 2021.8.31) 米軍、アフガン撤収完了、米最長の20年戦争終結、米国人ら12万人退避
 バイデン米大統領は30日の声明で「20年間にわたる米軍のアフガニスタン駐留が終了した」と明らかにした。掃討をめざしたイスラム主義組織タリバンが復権し、米史上最長の戦争は敗走に近い形で幕を閉じた。国際テロ組織がアフガンを拠点に米国本土を再び攻撃するリスクは消えていない。バイデン氏は声明で、アフガンの首都カブールの空港で米国人やアフガン人の国外退避を支援した米兵に対し「米史上最大の空輸任務を実行した」と謝意を示した。米東部時間31日午後1時30分(日本時間9月1日午前2時30分)にアフガン戦争の終結について国民向け演説を行う。米軍がアフガンの国外に退避させたり退避を支援したりした米国人やアフガン人などの数は12万3000人に上る。ブリンケン国務長官は30日の演説で「米国の軍事面での戦いは終わった。米国のアフガンに対する新しい関与のチャプターが始まる」と強調した。米国の在アフガン大使館を閉鎖し、カタールの首都ドーハでタリバンとの対話を進めていく。アフガンでは100~200人の米国人が出国できずに残っていると明らかにした。アフガン戦争で米国に協力したアフガン人について「期限を設けずに彼らとの約束を守る」と断言。退避を望む米国人と並んで退避支援を続けるとした。タリバンに対して自由かつ安全な移動に関する合意を履行するよう改めて求めた。タリバンが求める経済支援などを念頭に「我々の対応は言葉ではなく行動に基づいて決まる」と指摘し、米国との協力を促した。一方、タリバン報道官は米軍撤収について「私たちの国は完全な独立を手に入れた」とツイッターに投稿。タリバンがカブールを制圧して以降、「恐怖政治」が復活するリスクが浮上している。バイデン氏は4月、約2500人のアフガン駐留部隊を撤収させると表明した。部隊を5800人規模に増やし、米国人に加えてアフガン戦争で米国に協力したアフガン人の国外退避を8月末まで進めると説明してきた。欧州や日本も自国民らを退避させた。泥沼の戦争を批判的にみる世論に配慮し、バイデン氏はアフガン撤収を貫いた。2001年の開戦直後はテロとの戦いを米国民の大半が支持したが、巨額の戦費や米兵の犠牲を伴う戦争に一般国民は恩恵を感じず熱気は冷めていった。バイデン氏が副大統領を務めたオバマ政権は16年末までの撤収を目指したが、治安悪化を受けて断念していた。タリバン復権でアフガン民主化の取り組みは失敗に終わった。アフガン戦争を通じて根付きつつあった女性の権利や報道の自由が後退する可能性が高まる。バイデン氏は軍事力を通じて「国家建設に関与しない」と繰り返し主張しているが、民主主義や人権を重視する外交方針に逆行する。

*1-1-2:https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1381635.html (琉球新報社説 2021年8月26日) タリバン復権と混乱 国外退避に全力尽くせ
 アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンが首都カブールを制圧し、ガニ政権の崩壊から10日が過ぎた。空港周辺にはタリバンの統治を恐れ出国を望む市民数千人が連日殺到し、死者が出るなど混乱が続いている。ベトナム戦争末期に、米大使館からヘリコプターによる脱出を迫られたサイゴンの混乱を彷彿(ほうふつ)とさせる事態だ。アフガン在住の各国の国民や通訳などで協力したアフガン人の安全な国外退避は緊急を要する最優先事項である。各国は結束して退避支援に全力を挙げてもらいたい。バイデン大統領は8月に設定した米軍の撤退期限を維持する考えを強調したが、見通しが甘いのではないか。米メディアによると、タリバンは国外退避を望むアフガン人に対し、新たな国造りに必要な人材だとして空港到着を阻んでいるという。撤退期限の順守ではなく、人命を守ることを最優先させるべきだ。混乱の原因は米国にある。米史上最長の戦争の最終段階で「出口戦略」を誤った。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、在アフガニスタン米大使館員らが7月13日付の極秘公電で、駐留米軍が8月31日に撤退すれば直後にガニ政権や政府軍が崩壊する恐れがあると警告していたと報じた。米軍に協力したアフガン人らの退避手続きを急ぐようブリンケン国務長官らに求めていたという。警告されたにもかかわらず米政府は、ガニ政権とタリバンとの戦闘の見通しを誤った。タリバンによる侵攻が想定外の早さで進み、政府崩壊は予期できなかったというのは言い訳にすぎない。日米欧の先進7カ国(G7)は24日、アフガニスタン情勢を巡る緊急首脳会議を開き、退避支援に全力を挙げ、人道危機回避への貢献や女性の権利擁護、テロ対策で緊密に連携することを確認した。ここは国際社会の結束が求められる局面だ。一方、邦人と日本の協力者を退避させるため日本政府は自衛隊機を現地に派遣した。政府は出国を求める人に対し各自で空港までの移動手段を確保するよう求めている。だがタリバン戦闘員が空港に続く道路に検問所を設け、外国人を一時的に拘束する事態も出ている。丸腰の市民に自己責任で移動を求めるのは無責任である。日本政府はタリバンと交渉して安全地帯を確保して迎えに行くなど、安全で確実な方法を示すべきだ。タリバン政権は2001年、米中枢同時テロを起こしたアルカイダ指導者ビンラディン容疑者の引き渡しを拒んだため、米英軍の攻撃によって崩壊した。米軍はその後20年間、アフガニスタンに駐留したが、国家建設に失敗した。米軍撤退の教訓は何か。中央アジアの覇権争いを繰り返すのではなく、凶弾に倒れた故中村哲医師が実践した持続可能な取り組みによって国を再生させることではないか。

*1-1-3:https://www.yomiuri.co.jp/world/20210818-OYT1T50258/ (読売新聞 2021/8/19) アフガン制圧したタリバン、「国際テロ組織の排除」強調…政府承認取り付ける狙いか
 アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバンは17日に首都カブールで開いた記者会見で、国際テロ組織を国内から排除する方針を明らかにした。テロの温床になりかねないとする国際社会の懸念を 払拭ふっしょく し、「政府承認」を取り付ける狙いがある。会見には、正体不明だったザビフラ・ムジャヒド報道官が初めて姿を見せた。タリバンは2001年、米同時テロを起こした国際テロ組織「アル・カーイダ」の指導者をかくまい、政権崩壊を招いた。報道官は「外国組織が他国に危害を与えるために国土を使うことを許さない」と強調した。資金源である麻薬原料のケシ栽培についても「金輪際関わらない。そのためにも、国際社会の援助が必要だ」と訴えた。17日には、ナンバー2のアブドル・ガニ・バラダル師がカタールから帰国した。米国とのパイプを持つ穏健派として知られ、「バラダル師を大統領に据え、国際社会との関係構築を進めるのでは」(地元記者)との観測も出ている。ただ、18日にはタリバンの一派で、パキスタンとの国境付近を拠点とする「ハッカニ・ネットワーク」幹部もカブール入りし、タリバン幹部らと協議を行った。ハッカニ一派は各国でテロを引き起こし、米国がテロ組織に指定している。「アル・カーイダ」系のイスラム過激派組織「アル・シャバブ」など各国の武装勢力もタリバンに「祝意」を送っており、タリバンがテロ組織と関係を断絶できるかは不透明だ。一方、米ホワイトハウスは17日、アフガニスタン情勢に関する先進7か国(G7)首脳会議が、来週中にオンライン形式で開催されると発表した。バイデン大統領が、G7議長国を務めるジョンソン英首相との電話会談で合意した。タリバンが主導する新政権の承認などが議題となる見通しだ。ジェイク・サリバン米国家安全保障担当大統領補佐官は17日の記者会見で、タリバンの融和姿勢について、「タリバンがどのような行動を世界に示すか次第だ。(政権承認の是非を)判断するのは時期尚早だ」と答えた。女性の権利を守らせるため、同盟国と連携してタリバンに圧力をかける考えも明らかにした。

*1-2-1:https://digital.asahi.com/articles/DA3S15017957.html (朝日新聞 2021年8月22日) アフガン、息潜める女性 政権崩壊1週間
 カブールで18日、美容院の女性の肖像がスプレーで汚されていた。その前を歩くタリバンの戦闘員=AFP時事。タリバン強硬派は、女性が夫以外の男性の前で着飾ることや、目以外の部位を露出することを認めていない。アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンが権力を掌握し、ガニ政権が崩壊してから22日で1週間となる。タリバン執行部は「イスラム法の範囲内で女性の権利を尊重する」と主張しているが、旧タリバン政権下で女性を抑圧した過去があり、国際社会は女性の人権が守られるのか強い懸念を抱いている。女性が拉致されたり、職場から追い出されたりする事例は後を絶たない。社会は圧制の時代に逆戻りしてしまうのか。
■タリバン、取材に向かう記者拉致 キャスターや銀行員、職場追われ
 「州都を包囲するタリバンの戦闘部隊に見つかり、銃撃された。記者人生で最も死に近づいた瞬間でした」。地元メディア「パジュワク・アフガン通信」の女性記者エストライ・カリミさん(38)は、朝日新聞の取材に応じ、証言した。西部ヘラート州で今月2日、夫が運転する車で取材先に向かっていた。銃声が響き、とっさに顔をうずめた。耳元でサイドミラーが「カン! カン!」と弾をはじいた。戦闘員に取り囲まれ、夫婦は拉致された。カリミさんはモスクの脇にあるタリバンの施設で尋問された。「運転席の男は誰だ。女が夫や兄弟の同伴なしで出歩けると思っているのか」と憤激するタリバン幹部に、夫だと説明した。勤務先や住所も確認された。尋問が約1時間続いた後、モスクの宗教指導者がタリバン幹部をなだめ、解放された。夫婦はパソコンやカメラをバッグに詰め、翌朝の飛行機で首都カブールへと脱出した。同国で低迷する女性の識字率や社会進出の課題を、カリミさんは告発し続けてきた。「駆け出しの15年前、女性記者はほとんどいなかった。女性の尊厳を守りたい一心で書き続けた」。記事への反響が支えだった。ヘラートからカブールに退避して12日後の15日、カブールも陥落した。現在は夫婦で、保護団体のシェルターに隠れて暮らす。タリバンの一部戦闘員が「記者狩り」をしており、外出できない。カリミさんは「15年積み上げたものが政権崩壊と同時に崩れた。やっと女性たちが怒りの声を政治にぶつけられる時代になったのに」と声を落とした。タリバン傘下に入った国営テレビ局「RTA」では政権崩壊後、画面から女性キャスターの姿が消えた。その一人、シャブナム・カーン・ダウランさんはSNSに投稿したビデオ声明で「タリバンから『帰れ』『政権が変わったんだ』と追い返された」と訴えた。ロイター通信によると、南部カンダハルでは7月にタリバンが銀行を訪れ、女性職員9人に出勤停止を命じたという。タリバンは政権に就いていた1996~2001年、極端なイスラム教の解釈で女性の通学や就労を妨げ、服装を強要して国際的な批判を浴びた。今後、女性の行動に一定の縛りをかける恐れが強い。カブールではタリバンの権力掌握を受け、全身をすっぽり覆う衣装「ブルカ」を買い求める女性が店に殺到し、政権崩壊前に1着1千アフガニ(約1400円)ほどだったものが約5倍に値上がりした。カンダハルの女子校に勤める女性教員(29)は「学校は閉鎖したままで生徒が心配。たとえ授業が再開しても、科目は宗教に偏るでしょう。進学を志す女子がまた減ってしまう」と憤った。

*1-2-2:https://www.tokyo-np.co.jp/article/123786 (東京新聞 2021年8月13日) 「留学女性は命狙われる」「もう帰国できない」 教育禁じるタリバン支配地拡大でアフガン留学生ら悲鳴
 アフガニスタンで反政府武装勢力・タリバンが猛攻を続ける中、海外留学中のアフガン人学生が危機感を募らせている。教育を禁じたタリバン政権が2001年末に崩壊して以降、アフガンでは教育が再開し、エジプトの首都カイロにあるイスラム教スンニ派権威機関アズハルの付属大学には若者約300人が留学している。タリバンが支配地域を広げる現状に、学生からは「また教育が奪われる」と懸念の声が上がっている。「なぜアフガンだけ何度もひどいことが起きるのか。私は何でアフガンに生まれたの?」。アズハル大で法律を学ぶララ・アブドラさん(22)が「戦争の日記」と呼ぶ小さな手帳には、1ページ目にこう書いてある。駐留米軍の8月末撤退を見据え、タリバンが侵攻を激化させた3週間前から日記を付け、友人や家族から聞いた現地の状況をつづっている。3年前、激しい競争の中でアズハル大の奨学金を勝ち取り、単身でカイロに来た。女6人、男1人の7人きょうだいの長女。アフガンで裁判官になるのが目標で、父(50)の夢でもある。父は女性が教育を受けることを重視し、母と共にカイロに送り出してくれた。妹たちも姉が目標だ。しかし、教育を禁じるタリバンが国を支配すれば、「女性で単身留学している私は標的になる。帰国すれば命を狙われる」と話す。家族が暮らす西部ヘラート州は、イラン国境付近がタリバン支配下に落ち、州都は陥落目前となっている。「お姉ちゃんの後に続く」と医者を目指していた妹(17)は「もう諦めた。ただ、ここから逃げたい」と毎日泣いているという。タリバンが制圧した州都では、教育機関や政府施設が破壊され、一部では女性に体や顔を覆う衣装「ブルカ」の強要も始まったという。20年前を思わせる状況に、アズハル大の学生らは「もう帰れない」「昔に逆戻りだ」と懸念する。教育が再開したアフガンからは、アズハル大への留学生が大幅に増えた。前学生会長のオスマン・ヌーリスタニさん(26)は「私の世代は教育を受けることができ、みんな必死に勉強してきた。それがまた奪われるのか」と憤る。攻防が続くアフガンでは、国軍約30万人に対してタリバンは約7万人。数では国軍が勝るものの、タリバンに攻め込まれた地域では、国軍が戦闘を放棄して逃げたとの情報もある。在エジプト大使館のアミヌラーク・アフマディ領事は「米軍に頼らずわれわれの手で国を守る必要があるが、国際社会からの財政支援も必要だ」と話す。

*1-3:https://digital.asahi.com/articles/ASMDB5QJTMDBTIPE01X.html?iref=pc_photo_gallery_bottom (朝日新聞 2019年12月11日) 「100の診療所より用水路」 中村さんが変えた暮らし
 アフガニスタンで銃撃されて亡くなったペシャワール会(福岡市)の現地代表、中村哲さん(73)が医療から灌漑(かんがい)・農業支援へと活動を広げたのは、アフガンを大干ばつが襲い、農地が砂漠化するのを目の当たりにしたからだ。病気の背景には食料不足と栄養失調があると考えて「100の診療所より、1本の用水路を」と、2003年からアフガン東部で用水路の建設に着手した。これまで約27キロが開通。用水路は福岡市の面積のほぼ半分に当たる1万6500ヘクタールを潤し、砂漠に緑地を回復させた。今、農民65万人の暮らしを支えている。高価な資機材がなくても現地の人が維持・管理できるようにと、現代的な施設ではなく、伝統的な技法を採り入れた。取水堰(ぜき)は、江戸時代に築かれて今も使われている山田堰(福岡県朝倉市)がモデル。護岸はコンクリートを使わず、鉄線で編んだ「蛇籠(じゃかご)」に石を詰めて積み、そこに根を張る柳を植えて、護岸を補強した。防風・防砂林の植樹総数は100万本を超えた。工事に携わった人たちは現場で技術を習得し、熟練工が育った。中村さんは近年、国連機関や国際協力機構(JICA)とも連携して、ノウハウをアフガン全土に広めようと考えていた。ペシャワール会の村上優会長は9日の記者会見で「全ての事業を継続していきたい」と決意を述べた。

<日本 ← 繰り返す豪雨による内水氾濫・外水氾濫>
*2-1:https://www.nishinippon.co.jp/item/n/785375/ (西日本新聞 2021/8/15) 「同じことの繰り返し」内水氾濫に住民疲弊 久留米、武雄で浸水被害
 激しい雨音で眠れずに朝を迎えると、自宅は茶色い泥水に囲まれていた-。14日も豪雨に見舞われた九州北部。佐賀県武雄市や福岡県久留米市では住宅浸水や道路の冠水が相次いだ。水路や下水道の排水が追い付かず、雨水が地表にあふれる「内水氾濫」が起きたという。両市周辺では近年同じ被害が繰り返されており、住民たちは疲れ切った表情を見せた。「大雨が怖く、昨夜から2階で過ごした」。同日午前、武雄市朝日町の自宅から消防のボートで助け出された福田タケ子さん(85)は振り返った。市内では支流の内水氾濫に加え、近くを流れる本流の六角川が一部で氾濫。東部を中心に住宅地などが濁った水で覆われた。市や近隣自治体では2019年にも冠水被害が起きている。自宅が浸水した同市朝日町の樋口勝則さん(56)は、13日夕から避難所に身を寄せる。前回浸水時は避難所で1カ月を過ごし、泥水に漬かった家具の片付けに加え、職場も被災した。「元の生活に戻るのに半年かかった。たった2年で同じことの繰り返し。これからを考えると力が抜けてしまう」と頭を抱えた。市と隣接する大町町の順天堂病院は周囲を泥水で囲まれ、前回に続き孤立状態となった。町によると、雨水が建物内部に入り、入院患者を上階に避難させたという。周辺でも消防への救助要請が相次いだ。筑後川が流れる久留米市。14日午前までの24時間降水量は、観測史上最大の387ミリとなった。支流では内水氾濫が起き、4年連続で市街地や田園地帯が水に漬かった。市によると、支流では本流からの逆流を防ぐため合流点の水門を閉鎖。本流にポンプで水を送るものの、処理できなくなった雨水が広域であふれた。ポンプを増やし、堤防のかさ上げにも取り組んでいるが、圧倒的な雨量に及ばなかった。一部で道路が冠水した市中心部では、消防のボートで助け出される住民がいた。水をかき分けながら各戸を回り、取り残された人がいないかを見回っていた消防隊員は「水位が首の高さまである場所があった」と話した。膝まで水に漬かりながら自力で避難していた女性は「これほどの浸水は初めて。アパートの2階に住んでいるが、1階が浸水したので知人宅に避難する」と声を震わせた。

*2-2:https://news.yahoo.co.jp/articles/12a76f5f1a8d5cbf30e81fd6caefc619ca5c692c (Yahoo 2021.8.26) 大雨 家屋1663棟浸水 「2年前より深刻」 佐賀・武雄市
8月11日から降り続いた大雨で甚大な被害が出た佐賀県武雄市で被害概要がまとまり、小松政市長が25日、記者会見で発表した。浸水の深さや内水氾濫の面積、家屋被害数などが2019年8月に県を襲った記録的大雨より深刻との認識を示し、「被災者の苦しみ、痛みに寄り添いながら一日も早い復旧と生活再建に全力で取り組む」と語った。小松市長はまた被災した市民、事業者らに市独自の生活支援策を検討する考えも示した。武雄市によると、2年前の8月は降雨期間が3日間だったのに対し、今夏の大雨は7日間(11~17日)続き、総雨量も最大約1300ミリ(2年前は同約500ミリ)に達した。武雄市を流れる六角川の排水ポンプが3回計8時間50分(同1回計3時間10分)停止した。家屋への浸水被害は25日現在、床上1273棟、床下390棟の計1663棟(同1536棟)で通行止めは約90カ所(同63カ所)。浸水の深さや内水氾濫の面積は「2年前より大」としている。地滑りの兆候も今回は3カ所で確認された。2年前と比べ、内水氾濫が広がった理由について市は、長時間の降雨と六角川の水位上昇に伴い、排水ポンプの停止時間が長引いたことなどが影響したとみている。この結果、朝日町、北方町、橘町で浸水の被害が大きかったと指摘した。小松市長は内水氾濫による被害が続いていることに「(管轄の)国土交通省には内水氾濫対策に目を向けてほしい。国、県、市町が可及的速やかに対策を打ち出す必要がある」と注文をつけた。今後、ポンプ機能を維持する方策を専門家や国交省の河川事務所と早急に協議する意向も示した。復旧・復興に向けては、新型コロナウイルスの急拡大に伴い、2年前と比べてボランティアが集まりにくい状況にあると報告。小松市長は「被災者支援を2年前より強化する」と語り、2年前に被災しながら再建した事業者らに「もう1回頑張っていただける再建費用の補助検討を現在、進めている」とした。市は災害復旧に関する支援策を9月議会に追加提案する予定。
◇商工業被害額、店舗など84億円
 記録的大雨で多大な被害を受けた武雄市で商工業被害額が25日時点で約84億円(速報値)にのぼることが、同日の県産業振興課への取材で判明した。県によると、同市の中小企業や個人事業主計230店舗が被災。最も多かったのが浸水被害という。さらに被害額は膨らむ可能性もあるという。2019年8月に県内を襲った大雨で武雄市は今回とほぼ同数の約230店舗が被災、被害額は約80億円だった。

*2-3:https://www.saga-s.co.jp/articles/-/733382 (佐賀新聞 2021.9.1) 大雨被害、激甚災害指定へ 農業分野復旧は佐賀県全域、中小企業支援は武雄、大町
 佐賀県内で11日から降り続いた記録的な大雨の被害に関し、棚橋泰文防災担当相は31日の閣議後会見で、激甚災害に指定する見通しになったと発表した。農業分野では地域を限定せず県内全域が対象になる「本激」となり、国庫補助率をかさ上げする。融資による中小企業の再建支援は武雄市、杵島郡大町町に限定する「局激」となる見込み。内閣府によると、農地や農道、水路などの農業用施設や林道の災害復旧事業は、通常の国庫補助率をかさ上げする。過去5年間の実績の平均では、農地は補助率を84%から96%にかさ上げしている。国庫補助の対象とならない小規模な農地でも、交付税措置などで自治体負担を軽減する。被災した市町や農家の財政負担を軽減し、早期復旧を後押しする。これらの措置は地域を限定しない。さらに武雄市、大町町には、中小企業の事業再建のための特例措置を適用する。保証限度額を増額することで、中小企業は民間金融機関から再建資金を借りやすくなる。激甚災害は経済的被害を基準に指定する。県市町が被害額を調査し、各省庁が査定。局激の場合、市町の財政規模ごとに基準額が設定され、基準額を超えた時点で指定の見込みが示される。閣議決定による正式指定には、1カ月ほどかかる見通し。棚橋氏は「被災した自治体は、財政面に不安なく、迅速な災害復旧に取り組んでいただきたい」と述べた。内閣府によると、公共土木分野での被害状況も査定を続けている。早期指定を要望していた佐賀県は「農地などの復旧が本激指定になることはありがたい。適用される措置を活用し、この2年間で再び被災された多くの方の支援に取り組んでいきたい」とした。一方、中小企業への特例措置が、武雄市と大町町に限る局激となることについては「具体的にどういった支援ができるのか中身を精査していく」としつつ、「本激でなければ実施されない『なりわい再建補助金』(復旧費の最大4分の3を公費補助)に関し、局激でも実施してほしいと要望していた。今後の国の対応を注視したい」と述べた。

<アフガンの攻防と女性デモ>
PS(2021年9月6、7日追加):*3-1のように、アフガンのタリバン指導部は、制圧した都市で住民財産保護や生活維持に気を配るように戦闘員に指示したが、タリバン戦闘員は、①民家で「50人分の食事を作れ」と要求したり ②民家や学校に放火したり ③降伏した政府軍兵士を処刑したり ④12歳の少女に自分と結婚するよう強要したり など蛮行が目立ち、国連のグテレス事務総長は、8月13日、タリバンを非難した。
 アフガン女性は、*3-2のように、9月2~4日、国の発展には女性の力が不可欠だと訴えて女性の教育機会保障・働く権利保障・政治参加保障をするよう求めるデモを行ったが、これに対して、タリバンは催涙ガスを使ったり、小銃の弾倉で女性の頭を殴ったりしたそうだ。タリバンは、8月中旬にカブールを制圧した直後の記者会見で「女性は働けるし、教育も受けられる。女性の権利はイスラム法の枠内で認められる」としたが、BBCのインタビューでタリバン幹部は、「女性が高い地位につくことはない」などと世界の女性を敵に廻すような発言をしている。
 そのような中、*3-3のように、9月4日、タリバンは唯一制圧していない北東部パンジシール州を支配下におさめようと抵抗勢力(旧政府軍)と衝突し、米軍制服組トップは、タリバンが権力基盤を固めることができなければ「内戦」に陥る恐れがあると警告したそうだが、国民的英雄マスード司令官の息子で同地域を率いるアフマド・マスード氏は、パンジシール州は「強い抵抗を続けている」と強調している。


 アフガンの地形    パミール高原   パンジシール州の位置 パンジシール州の風景
ペシャワール会より               Ameba       Parstoday

(図の悦明:1番左の図のように、アフガニスタンは高い山や高原に囲まれており、水がないわけではなく水利施設が整っていないようで、左から2番目の図のパミール高原も手入れをした場所には緑がある。また、強い抵抗を続けているパンジシール州は、右から2番目の図のように北東部にあり、1番右の図のように、緑豊かな渓谷があって農業の潜在力も大きそうだ)


 2016.11.1Ameba     Smartagri     Smartagri     Perfectstone

(図の説明:1番左はアフガニスタンの主食である小麦、左から2番目はアフガニスタンの葡萄、右から2番目は同サフランで、戦争前のアフガニスタンは食料自給率100%の農業国だったそうだ。また、1番右の図のように、パンジシール州ではエメラルドも採れる)

*3-1:https://www.yomiuri.co.jp/world/20210814-OYT1T50221/ (読売新聞 2021/8/15) 民家や学校に放火、12歳少女に結婚強要…タリバン支配地で蛮行目立つ
 アフガニスタンの旧支配勢力タリバン指導部は13日の声明で、制圧した都市では住民財産の保護や生活の維持に気を配るよう、戦闘員に指示した。住民を懐柔し、支持を広げる狙いだが、支配地では蛮行が目立ち、国際社会からも批判が高まっている。タリバンは声明で、支配地の拡大は「我々に対する支持があってこそだ」と強調し、タリバンを恐れる住民に「心配する必要はない」と呼びかけた。だが、実態は違うようだ。タリバンが10日に制圧した北部プレフムリの主婦(22)によると、タリバン戦闘員は主婦の自宅に押しかけ、「50人分の食事を作れ」と要求したという。夫はスリッパ商人で、一家は裕福ではないが、肉や野菜、ヨーグルトなどを大量に提供させられたという。プレフムリからカブールに避難してきたリロマさん(43)は本紙通信員に、タリバンが民家や学校などに放火していると語った。リロマさんは、「タリバンの暴虐ぶりは昔と変わっていない」と非難した。カブールの米大使館によると、降伏した政府軍兵士の処刑も確認されている。タリバンは米国と和平合意を交わした昨年2月以降、住民の取り扱いに注意するよう、指導部が戦闘員に指示してきたが、浸透していないようだ。英紙デイリー・メール(電子版)によると、あるタリバン戦闘員は支配地域で、12歳の少女に自分と結婚するよう強要した。戦闘で夫を失った女性も、タリバン戦闘員の妻にされる場合が多い。国連のアントニオ・グテレス事務総長は13日、ニューヨークで記者団に、「アフガンの少女や女性が苦労して得た権利を奪われている。胸が張り裂けそうだ」と語り、タリバンを非難した。

*3-2:https://www.msn.com/ja-jp/news/world/ (毎日新聞 2021/9/5) アフガンで女性デモ 就業や政治参加求め タリバン、催涙ガスで応酬
 イスラム主義組織タリバンが実権を掌握したアフガニスタンで2日から4日にかけ、女性の就業や政治参加の権利を保障するよう求めるデモがあった。首都カブールではタリバンが催涙ガスを使うなどし、負傷者が出たという。タリバンは2001年までの旧政権でイスラム教の厳格な教義に基づき女性の権利を制限した。デモ参加者は、国の発展には女性の力が不可欠だと訴えている。アフガンの民間放送局「トロニュース」(電子版)などによると、4日にカブール中心部で行われたデモでは、活動家やジャーナリストらが女性の働く権利や教育の機会の保障を求めるスローガンを掲げて行進した。大統領府に向かおうとしたデモ参加者に対し、タリバンの戦闘員らは催涙ガスを使ったという。ロイター通信は、女性が戦闘員によって小銃の弾倉などで頭を殴られ、血を流していたとの参加者の証言を報じた。参加者の一人はトロニュースに対し「私はタリバン政権崩壊後の20年間で学校で学ぶことができ、よりよい将来のために努力してきた。この成果を失いたくない」と訴えた。同様のデモはカブールで3日にあったほか、2日に西部ヘラートでも起きた。01年にタリバンの旧政権が崩壊するまでの約5年間、アフガニスタンの女性は教育が禁止されるなど厳しい制約下に置かれた。タリバンは8月中旬にカブールを制圧した直後の記者会見で「女性は働けるし、教育も受けられる。社会に必要な存在だ」とする一方、女性の権利はイスラム法の枠内で認められるとも強調した。タリバン幹部は英BBC放送のインタビューで、新政府の省庁で女性職員が元の職場に戻ることを希望すると述べる一方で「高い地位につくことはないだろう」と要職への女性登用を否定した。最終調整が続くタリバン政権の組閣でも、女性は起用されない見通し。

*3-3:https://news.yahoo.co.jp/articles/bc9b9a7323934577f5db64c0f7b950c62d5ce6d0 (RUETERS 2021/9/5) タリバン、北東部で抵抗勢力と戦闘 米軍幹部は「内戦」警告
 アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンは4日、唯一制圧していない北東部パンジシール州を支配下におさめようと抵抗勢力と衝突した。米軍制服組トップは、タリバンが権力基盤を固めることができなければ「内戦」に陥る恐れがあると警告した。タリバンと抵抗勢力はともにパンジシール州を掌握したと主張しているが、いずれも確かな証拠は示していない。タリバンは1996─2001年にアフガンを統治した際、首都カブールの北にあるパンジシール渓谷を支配できなかった。タリバンの報道官は、パンジシール州の7地域のうち4地域を制圧したと主張。ツイッターで、タリバン兵士が州中心部に向けて進軍していると述べた。だが、国民的英雄マスード司令官の息子で同地域を率いるアフマド・マスード氏に忠実なアフガニスタン民族抵抗戦線(NRFA)は、「数千人のテロリスト」を包囲し、タリバンが車両や機材を放棄したと主張。マスード氏はフェイスブックへの投稿で、パンジシール州は「強い抵抗を続けている」と強調した。米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長はFOXニュースで「内戦に発展する可能性が高い状況というのが私の軍事的な見立てだ。タリバンが権力基盤を固め、統治を確立できるか分からない」と述べた。その上で、タリバンが統治を確立できなければ、今後3年で「アルカイダの復活やイスラム国(IS)もしくは他のさまざまなテロ集団の拡大につながる」との見方を示した。こうした中、パキスタンの軍情報機関、3軍統合情報局(ISI)のハミード長官が4日、カブール入りした。目的は明らかになっていないが、パキスタン政府高官は数日前に、タリバンによるアフガン軍再編成をハミード氏が支援する可能性があると述べていた。
<女性が権利尊重求めデモ>
 現地メディアのトロ・ニュースによると、首都カブールでは、十数人の女性がタリバンに女性の権利尊重を求める抗議デモを行ったが、タリバンはこれを排除した。女性らが口を覆い、咳をしながら武装した兵士と衝突するのが映像で確認できる。デモ参加者の1人は、タリバンが催涙ガスやテーザー銃を使用したと語った。タリバンが女性らの頭を弾倉で殴り、出血したと話す参加者もいた。
<新政権は「あらゆる勢力」で構成>
 タリバン関係筋は、新政権の発表が5日からの週に先送りされるとの見方を示した。タリバン共同創設者のバラダル師は中東のテレビ局アルジャジーラで、新政権はアフガンのあらゆる勢力によって構成されると述べた。複数のタリバン関係者はこれまでに、バラダル師が新政権を率いるとの見方を示している。アルジャジーラによると、カタールの駐アフガン大使は、技術チームによりカブールの空港が再開され、支援物資などの受け取りが可能になったと明らかにした。アルジャジーラの記者は、アフガンの国内線運航も再開されたとしている。国連は、人道危機の回避に向けてアフガン支援拡大を呼び掛ける国際会合を13日に開く。

<自民党総裁選と政策論争>
PS(2021年9月8、9日追加):日本のメディアは、アフガン情勢を事前に報道せず、オリ・パラの開催を批判することに専念し、新型コロナ危機は必要以上に言い立て、首相を変えさえすれば物事がうまくいくかのような報道をしていた。その結果、日本は、人を貶めるための不正確な人格攻撃情報であふれ、首相は短期で交代して民主主義政治の貧困を招いている。
 そして、河野太郎氏の総裁選立候補の話が出ると、*4-1のように、原子力利権の守護神である経産省は、週刊文春を使って河野氏を人格攻撃する最終戦争に打って出た。私も週刊文春を使った人格攻撃をされた経験があるので知っているのだが、政策でかなわない時、論点をずらし、変なところを誇張して人格攻撃を行い、対象となった人を貶める卑怯な方法がよく使われる。河野氏の場合は、資源エネルギー庁幹部との会議で近く閣議決定される「エネルギー基本計画」に繰り返しダメ出しをしてパワハラを行ったように書かれているが、本当は世界に例を見ない出鱈目な「容量市場制度(大手電力の石炭火力に多額の補助金を与え、再エネ電力供給業者に多額の資金拠出を強制する制度)」の即時廃止又は抜本的改革を主張し、経産省がこれを無視したのだそうだ。また、原発と再エネの電源比率も、経産省は再エネ比率が想定以上に上がるのを妨げて原発の維持拡大に有利な抜け穴を作ろうとしているが、河野氏が「理不尽な内容のままなら閣議で反対する」と言い、経産省が論戦で完敗して、河野氏の「脅し」として一部週刊誌に漏洩し、「個人攻撃」で河野氏を叩こうとしたのだそうである。しかし、次の衆議院議員選挙は表紙を変えればいいのではなく、「脱原発して再エネ移行」を掲げるくらいの政策を掲げるのでなければ、(理由を長くは書かないが)自民党は落選者が続出すると思う。
 本来は産業振興のために頭を使うべき経産省だが、このようにやるべきことの逆を繰り返した結果、*4-3のように、日本は労働生産性がOECD加盟36カ国中21位・主要先進7カ国最下位、賃金は唯一下がっている国になった。労働生産性は「付加価値(≒売上高-売上原価《人件費を除く》-経費《人件費を除く》)/総労働時間」であるため、水光熱費や土地代などの人件費以外の経費が高ければ労働生産性は下がり、賃金を労働生産性より高くはできないからである。
 なお、付加価値を上げるには、人件費以外の経費を下げる以外に販売単価を上げて売上高を増やす方法もあるが、その基となる技術力も、*4-2のように、中国が注目度の高い科学論文の数で米国を抜いて初めて首位に立ち、年間の論文総数でも2年連続で1位になっているのに、日本は研究者数と研究開発費は世界3位、論文総数は4位であるにもかかわらず、「トップ10%論文数」の順位はインドにも抜かれてG7最下位の世界10位まで転落した。私も、その最大の原因は、「何をやっても日本の技術力は優れたままである」と根拠もなく思い込み、政治・行政がやるべき努力をしなかったことだと考えている。
 日本で光熱費を下げて付加価値を上げるには、*4-4のように、変動費0の再エネで100%のエネルギーを賄い、外国に支払っていたエネルギー代金を国内で廻して、エネルギー自給率を100%にするのがよいし、それは可能である。一方、原子炉は、新型で小型でも、冷却時に海水を温め、外国に高い燃料代を支払う必要があり、暴走のリスクが0ではなく、使用済核燃料の処分に多額の費用がかかり、エネルギー安全保障でも劣るため、賢い選択肢とは言えない。そのため、それが見えることは、日本の首相には特に重要だ。なお、脱原発については、2011年のフクイチ事故以降は本気で議論してきており、既に10年も経過しているため、「明日や来年やめろ」というような性急な話ではないだろう。

 
2019.8.29東京新聞  News.Mynavi    2021.8.10毎日新聞 2021.8.10西日本新聞

(図の説明:1番左の図のように、1997年を基準とした主要国の時間当たり賃金は、日本のみがマイナスになっている。また、左から2番目の図のように、労働生産性は日本がOECD加盟36カ国中21位・主要先進7カ国で最下位だ。また、右から2番目及び1番右の図のように、世界の平均気温上昇による極端現象は明らかに増えており、エネルギーの変換や技術開発はできるかぎり速やかに行わなければならない状況なのだ)

   
 2021.6.10日経新聞   2021.8.26日経新聞

(図の説明:左図のように、日本の国別発電コストは著しく高く、日本の産業は足に重りをつけて競争させられているようなものである。しかし、日本には、中央の図の地熱発電はじめ未利用の再エネがふんだんにあり、これらを使えば安価な電力を実現できる。また、右図のように、今では自家発電しながらエネルギーを使う方法も多くできているため、決断が遅いくらいなのだ)

*4-1:https://news.yahoo.co.jp/articles/e3cdefcb9a0801e0983015441b3fc90dc28995ed (Yahoo 2021/9/7) 経産省による「河野太郎叩き」が意味すること〈週刊朝日〉
 自民党総裁選の裏で大戦争が起きている。主役は、原子力利権の守護神・経済産業省の官僚と河野太郎規制改革担当相だ。連戦連勝の河野氏に対して、経産省は「文春砲」で最終戦争に打って出た。先週の週刊文春は、近く閣議決定される「エネルギー基本計画(エネ基)」について、経産省資源エネルギー庁幹部との会議で、河野氏が繰り返しダメ出しする様子を伝えた。普通に読めば、河野氏が理由なくパワハラ発言をしたと読める内容だ。文春は、菅義偉政権の目玉閣僚である河野氏を叩こうと考えた。その姿勢は、忖度報道ばかりの大手マスコミにはないもので貴重ではあるが、この記事はあることを報じていない。実は、この会議に至るまで、経産省と河野大臣、そして、河野大臣直轄の有識者会議「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース(TF)」の間では、1年近く議論が行われてきたということだ。TFは電力会社から完全に独立した国内最高の専門家4人からなる。そのため、私が見る限り、経産省は論戦で完敗した。経産官僚はネット生配信で毎回恥をさらしたのだ。例えば、文春の記事にあった「容量市場」制度(将来の電力需要に備えるため、電力会社が準備する安定供給電源設備に対して、供給が不安定になりがちな再エネ電力などの供給業者が一定の資金をあらかじめ支払って、設備を維持してもらう制度)は、世界に例を見ないでたらめな制度だ。驚いたことに、大手電力会社の石炭火力に多大な補助金を与え、逆に再エネ電力供給業者に事実上の死刑宣告になるような多額の資金拠出を強制する制度になっている。河野氏は、即時廃止または抜本的改革を主張したが、経産省はこれを無視。エネ基最終案にも即時抜本改革さえ盛り込まなかった。河野氏が怒るはずだ。原発と再エネの電源比率の書き方についての争いも、文春の記事からわかるのは、経産省が、再エネの比率を想定以上に引き上げるのを妨げ、原発維持拡大に有利になるような抜け穴を作ろうとしているということ。30年以上官僚をやっていた私には彼らの魂胆がよくわかる。経産官僚は、電力利権と安倍晋三前総理や甘利明税調会長などの利権政治家の側に立ち、国民の利益を全く無視している。こうした真実を知れば、国民の多くは、経産官僚に対して罵声を浴びせたくなるだろう。やむなく河野氏が、理不尽な内容のままなら閣議で反対すると言ったのは当然のことだろう。それがどうして「脅し」になるのか、意味不明だ。経産省が、内部調整中のエネ基の文言を一部週刊誌だけに漏洩して、「個人攻撃」で河野氏を叩こうとしたのは、彼らの「政策論」が世の中で通用しないと悟ったからだ。つまり、彼らは負けを認めたのだ。官僚と族議員の利権に容赦なく切り込む河野氏の敵は、利権擁護派の官僚と自民党族議員全体に及ぶ。彼らは、週刊文春を味方につけた経産省とともに、かさにかかって河野叩きに出るはずだ。河野総裁や要職での起用の可能性もあるとなればなおさらだろう。マスコミによる河野氏への人格攻撃は、その報道の意図とは関係なく、原発維持拡大などの利権擁護派に利用されていることを国民はよく理解しておかなければならない。
※「週刊朝日」9月17日号より
■古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『官邸の暴走』(角川新書)など

*4-2:https://digital.asahi.com/articles/DA3S15036209.html?iref=comtop_Opinion_01 (朝日新聞 2021年9月7日) 論文引用数、中国躍進の一方で日本10位 科学技術力の岐路、おごり捨てて 桜井林太郎
 科学技術政策について考えさせられるリポートが先月、公表された。注目度が高い科学論文の数で、中国が米国を抜き、初めて首位に立ったという。文部科学省の科学技術・学術政策研究所が、引用された回数が上位10%に入る「トップ10%論文数」を調べた結果で、その国の科学技術力を示す一つの指標となっている。中国は、年間の論文総数でも2年連続で1位となり、「質、量ともに世界一になった」と報じたメディアもあった。知り合いの材料研究者は「10年前、中国の研究者は独創性が高い日本の論文を追いかけていたが、今では中国の論文を日本の研究者が追試していることも多い」と嘆く。ただ、中国が質でも世界一になったと言い切るのは時期尚早という意見もある。理工系のある大学教授によると「中国は自国の科学雑誌への投稿を促し、格が高い雑誌に育てた上で、論文を引用し合う場合も多い」からだ。文科省の研究所の分析でも、英ネイチャーや米サイエンスといった世界屈指の科学誌のシェアでは今なお、米国が圧倒的に強かった。中国は、米国に次ぐ英独の2位争いに加わろうと猛追している段階だ。一方、日本の凋落(ちょうらく)ぶりは目を覆うばかりだ。日本は、研究者数と研究開発費は世界3位で、論文総数は4位。なのに、「トップ10%論文数」の順位は2000年代半ばから下がり続けている。今回はインドにも抜かれ、G7最下位の世界10位に転落した。研究時間の減少や博士課程進学者の減少など、さまざまな要因が原因として挙げられている。しかし、最大の原因は「慢心」にあったのではないか。この10年余り、皮肉にも日本はノーベル賞の受賞ラッシュに沸いた。「中国のノーベル賞はごくわずか。科学技術力は日本が上だ」。そんな話を何度も耳にした。現状の認識がこの有り様では、中国だけでなく、世界から取り残されてしまうだろう。日本政府も危機感を強め、テコ入れを始めた。日本の科学技術力は今まさに分岐点にある。「失われた10年」を「失われた20年」にしてはいけない。

*4-3:https://news.mynavi.jp/article/20191218-941815/ (マイナビニュース 2019/12/18) 「労働生産性の国際比較 2019」公開 - 日本は主要先進7カ国中最下位
 日本生産性本部は12月18日、「労働生産性の国際比較 2019」を公表した。これは、同本部がOECDデータベースなどをもとに毎年分析・検証し、公表しているもの。OECDデータに基づく2018年の日本の時間当たり労働生産性は46.8ドル(4,744円)で、OECD加盟36カ国中21位だった。名目ベースで見ると、前年から1.5%上昇したが、順位は変わっていない。日本の労働生産性は、米国(74.7ドル/7,571円)の6割強で、イタリア(57.9ドル)やカナダ(54.8ドル)をやや下回る程度の水準。主要先進7カ国では、データが取得可能な1970年以降、最下位の状況が続いているという。就業者1人当たりの労働生産性は81,258ドル(824万円)で、同じくOECD加盟36カ国中21位だった。日本の1人当たり労働生産性は、英国(93,482ドル/948万円)やカナダ(95,553ドル/969万円)といった国をやや下回る水準。米国(132,127ドル/1,339万円)と比較すると、6割強の水準となっている。1990年代初頭は米国の4分の3近い水準だったが、2010年代に入ってから3分の2前後で推移しているという。

*4-4:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA07CK60X00C21A9000000/ (日経新聞 2021年9月9日) 脱炭素が問う自民総裁選 原発と再生エネが主戦場
 自民党総裁選は17日に告示され、29日投開票する。新総裁が首相になるため、誰が勝つかが関心事だが、そのまま政権公約となる各候補の政策についても国内外の熱い視線が注がれる。政府が掲げた2050年までに国内の温暖化ガス排出実質ゼロ、30年度に13年度比で46%削減する目標に向けた原子力発電と再生可能エネルギーのあり方が論戦の主戦場になる。総裁選は岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相が立候補を表明し、河野太郎規制改革相は10日にも明らかにする。今回の総裁選がこれまでとは異なり、エネルギー政策が注目されるのは、河野氏の脱原発を巡る過去の発言がある。河野氏は東日本大震災直後の11年7月の自民党の総合エネルギー政策特命委員会で原発政策について「放射性廃棄物を出すのに、なぜクリーンエネルギーと言ってきたのか」と批判。12年には超党派議連「原発ゼロの会」の発起人となった。河野氏は8日、内閣府で記者団に「再生エネを最優先に広く取り入れていくのが基本だ」と力説。「いずれ原子力はなくなっていくだろうが、明日や来年やめろというつもりはない」と述べた。「安全が確認された原発を再稼働するのはカーボンニュートラルを目指すうえである程度必要だ」と容認した。脱原発の考え方が変わったのかの質問には「変わっていない」と説明した。一連の発言には総裁選で脱原発に関して過度に焦点が当たるのを回避する狙いもあるとみられる。河野氏は新著「日本を前に進める」(PHP新書)で「与党議員ではできないことも、閣僚として権限を持てれば実現できる。権限があるということは、やる気になれば、実現できる」と記している。岸田氏は8日に発表した経済政策で「再生エネの最大限の導入は当然」とするとともに蓄電池、新型の小型原子炉などへの投資を提唱した。記者会見で原発を巡り「新増設の前に既存の原発の再稼働を進めていくのが大事だ」と話した。2日の日本経済新聞とのインタビューでは「脱炭素目標を掲げる以上は、より丁寧に日本の産業に目配りをし、責任を持って考えていかなければならない」と語った。7月に原案を示したエネルギー基本計画は30年度の電源比率で再生エネの割合を36~38%にした。高市氏は8日の記者会見で環境政策とエネルギー政策を一元的に担う「環境エネルギー省」の創設を主張。天候で変わる太陽光の発電量を補う電源として火力を挙げ、再生エネのさらなる導入と原子力の平和利用を唱えた。新著「美しく、強く、成長する国へ。私の『日本経済強靱(きょうじん)化計画』」(WAC BUNKO)で太陽光のリスクの最小化を提言。「太陽光パネルの傾斜が雨天時に地面を削り取る原因となっている」と指摘した。エネルギー政策の主な論点は電源構成だ。脱炭素へ原子力や再生エネ、火力の構成が適正で、実現可能かどうか。再生エネが季節や時間帯で発電量が変動する可変動電源ならそれを補強する電源とそのコストの議論も国民負担にかかわるだけに避けて通れない。地球温暖化は異常気象を生み、死者が出るほどの高気温や山火事、台風を含めた暴風雨など世界を恐怖に陥れる。生態系の破壊がもたらす異常気象の際限は想像がつかない。地球温暖化が国民の生命と財産を危険にさらす以上、国家指導者は最優先課題として防止策に取り組まなければならない。そのための国際連携も急務だ。総裁選は各候補の脱炭素への決意を確認すると同時にその政策の根拠が精緻で、実現できるのかを見極める場にもしたい。

<計画性なき日本の安全保障政策>
PS(2021年9月10、11、15、23日追加):自民党保守派と称する人は、軍備を増強するのに予算を使うことには熱心だが、国民の生命・財産・領土・領海・資源を守る本当の国防計画はないようだ。何故なら、*5-1-1のように、食料自給率は2020年度に37%、エネルギー自給率は2018年に11.8%なのに、それを改善する努力はせず、国民の生殺与奪の権を食料やエネルギーを依存する国に委ねているからだ。
 それどころか、*5-1-2のように、日本一の海苔産地である有明海沿岸の佐賀空港にオスプレイを配備することを自己目的化し、九州防衛局(=政府?)は、漁民と地権者は異なるため地権者にアンケート調査をしても意味がないのに、オスプレイ配備計画について地権者にアンケート調査し、土地売却の意向は「条件次第で売却」が最も多かったなどとしているのだ。しかし、重要なのは漁業権を持ち、安心・安全な食料を作っている漁業者であり、オスプレイ配備で隊員や家族ら2千人以上が移住してくることよりも、宝の海で食料生産を続けて食料自給率を上げることの方が、防衛にも協力することになり、地域活性化の上でも重要なのである。
 一方で、*5-2-1のように、沖縄・尖閣諸島周辺の領海の外側にある接続水域では、112日間連続で中国海警局の公船「海警」4隻が航行し、領海への侵入も今年は18件起き、日本漁船への接近もたびたび発生し、海上保安庁は巡視船12隻を専従させて警戒を続けているが、中国は尖閣諸島を自国領土と主張し、中国公船の活動は“パトロール”として「釣魚島と付属島嶼は中国固有の領土で海警船が巡航することは法に基づく正当な措置だ」としている。また、中国海警局の元幹部は「365日の活動を可能にする『常態化』は10年以上前から計画されてきたもので、日本側にもその意思を伝えてきた」とし、中国外交筋は「日本側はいつも『領土問題は存在しない』としか言わず、まともに議論する意思がない。日本の漁船が挑発的に尖閣領海に入っている状況からも合意を破っているのは明らかに日本だ」と批判している。
 これに対し、加藤官房長官は「極めて深刻な事態。我が国として冷静かつ毅然と対応していく考えだ」と述べ、赤羽国交相も「極めて深刻に受け止めている。海上保安庁では常に相手の勢力を上回る巡視船の隻数で対応し、万全の領海警備体制を確保している。事態をエスカレートさせず、冷静かつ毅然と対応を続けて領海警備には万全を期していく」と述べながら、*5-2-2のように、石垣市が尖閣諸島に行政標柱の設置を目指すと、*5-2-3のように、加藤官房長官は「政府は尖閣諸島および周辺海域の安定的な維持管理という目的のため、原則として政府関係者を除き、何人も上陸を認めない」と語り、肝心なところでは「毅然とした姿勢」どころか「及び腰」なのである。つまり、中国が10年以上前から計画してきた尖閣諸島領有については「領土問題は存在しない」と言ってまともな議論もせず、「冷静かつ毅然と対応する」としながら何もせず、「安定」の名の下に領土を放棄しようとしている。これは、どういうわけか。
 *5-3のように、河野氏も「安全が確認された原発を当面は再稼働させるのが現実的」と言われたが、これは新たな安全神話だ。何故なら、原子力規制委員会は「①安全を考える場合、リスク0にならないことを前提に確率論的リスク評価が必要で、不完全性・不確実性はある」「②安全性目標は、他の死亡リスクとの比較や土地汚染に関する根拠(100TBq の根拠等)などある程度の価値判断を含む定性的な上位概念を示すことを考えて良い」としており、この安全性目標から外れていれば何が起こっても“想定外”とし、ある程度の汚染は甘んじるべきという価値判断をしているからである(https://www.nsr.go.jp/data/000227853.pdf 参照)。
 また、本当に安全なら、i)電源三法による交付金 ii)原発関連施設の固定資産税 iii)電力会社からの寄付金 などの原発マネー(これまでに支払われた金額は総額2兆5,353億233万円と言われる)は不要な筈だが、原発立地自治体は原発が安全だと思っているからではなく、原発マネーが財政を潤すから原発の立地を受け入れているのである。しかし、1966年に日本で最初の原発が商業発電を始めてから既に55年が経過しているのに、未だに補助金を出さなければ運用できないような発電方法は既に破綻しているため、原発の処理と再エネ100%の実現こそが、汗をかき少し手を伸ばして可能にしなければならない課題なのだ。
 なお、「デジタルの力で日本を前に進める」とも言われたが、デジタル化や自動化は民間では1980年代からやっているため、今頃、これを言わなければならないのは行政だけだ。さらに、デジタル化を当然としても個人情報保護や犯罪防止は必要不可欠であるのに、「デジタル化さえ進めば、後はどうでもよい」と考えている点で日本は著しく遅れている。なお、「自民党は保守政党だ」としながら「自民党を変え、政治を変える」と言うのは日本語の意味を間違えている。何故なら、「保守」とは、読んで字の如く「保ち守る」という意味で、「続けられてきた状態を維持し続けること、維持するための取り組み、維持するための主張」を指すからだ。
 このような中、*5-4のように、①原子力規制委は中国電力島根原発2号機の安全対策が新規制基準に適合しているとする審査書を決定したが ②県庁所在地にある原発で事故時には46万人の住民避難が課題で ③中国電力は敷地近くの宍道断層による地震は基準地震動が最大加速度820ガルと想定 ④津波は最大11.9mと想定 ⑤三瓶山噴火の火山灰は最大56cm積ると想定 ⑥安全対策費は原発全体で6千億円程度の見積もっている そうだ。しかし、②は、事故時に46万人もの住民がどこに、どれだけの期間避難するつもりか問題であり、③の基準地震動は最大ではなく平均地震動であるため、最大地震動でも使用済核燃料プールの水がこぼれることはなく、管を含む原発のすべての部品が正常であるという前提に無理がある。④⑤については、その前提でよい理由は不明だが、事故が起これば歴史的に重要な地域で取り返しのつかない状況になることを考えれば、①は甘い審査だと私は思う。
 なお、*5-5のように、台湾がTPP加盟の正式申請手続きを行うと、日本のメディアは、「⑥中国は中国大陸と台湾は1つの国に属するという『1つの中国』を唱えているため、中国の強い反発が予想される」「⑦対立する中台のTPP加盟を日本などの加盟国がどう判断するか外交的な駆け引きも含めて交渉が激しくなる」などと報道している。これに対し、台湾通商交渉トップの鄧政務委員は、「⑧中国はいつも台湾の国際社会との連携を阻もうとしてきた。もし中国が先にTPPに加盟すれば台湾のTPP参加は不利になる」「⑨台湾のTPP参加は台湾の利益と経済発展のために行うもので、中国の反対があっても彼らの問題だ」などと切り捨てて強い不満を表明されたそうだ。私は、独立国の意思決定に対する⑥⑦の質問や考察は失礼なので、⑧⑨の反発の方が尤もだと思う。また、尖閣諸島と同様、肝心なところで敵対する相手の顔色を見て首尾一貫性がなくなる国は、誰からも信用されなくなるだろう。

    
   MotorFan         Quara   2021.8.26山陰中央  2021.4.15Yahoo
エネルギー自給率国際比較  食料自給率国際比較  食料自給率推移  尖閣諸島の位置

(図の説明:1番左の図のように、エネルギー自給率は先進国の中でも著しく低く、左から2番目の図のように、食料自給率も先進国の中でかなり低い。また、右から2番目の図のように、食料自給率は一貫して下がっており、政策が悪かったとしか言いようがない。さらに、1番右は尖閣諸島の位置関係を示す図で、沖縄県石垣島と中華民国《台湾》が170kmで等距離であるものの、中華人民共和国《中国》は330kmも離れており、全く関係ないと言える)

   
  2021.4.9産経新聞     Goo    2021.4.29東京新聞   

(図の説明:1番左の図のように、2019年時点で原発の発電量は6%しかなく、2050年までに原発と火力を30~40%にするということこそ、世界の流れに反しており、非現実的である上、理念が見えない。また、左から2番目と右から2番目の図のように、膨大な量の使用済核燃料が満杯に近く貯蔵されており、残りの貯蔵空間は少ないが、最終処分の方法もまだ決まっていない。そして、1番右の図のように、仮に玄海原発が自然災害や戦争による爆撃で爆発すると、歴史的に重要な場所を含む食料生産地域が汚染され、食料自給率は現在の1/4程度減ると思うが、日本政府は食料・エネルギーの自給率や食料の汚染にとりわけ疎いのだ)


                 iMart        2016.6.19Goo  2016.10.21
                                     朝日新聞
(図の説明:1番左の図のように、日本は北米プレートとユーラシアプレートの上にあり、ここに太平洋プレートとフィリピン海プレートが沈み込んで、その内側に火山帯がある。そのため、左から2番目の図のように、押されてできた割れ目が多数の活断層になっており、知られている活断層が全てではない上、新しい活断層ができない保証もない。そして、右から2番目の図の熊本・大分の地震は中央構造線から連なる活断層の上で起こったが、特に伊方原発と川内原発は中央構造線に極めて近い場所にあり、図に活断層は描かれていないものの、近くには活断層が多いと考えるのが自然だ。また、1番右の図のように、2016年の鳥取地震では地殻変動によるひずみの集中で地震の起こるメカニズムが初めて明らかにされ、これもノーベル賞級の研究だと思う)

*5-1-1:https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/84726 (山陰中央新報 2021/8/26) 食料自給率37% 過去最低 20年度、コメや小麦減少
 農林水産省は25日、2020年度のカロリーベースの食料自給率が前年度から1ポイント低下し37%だったと発表した。1993年度と2018年度に並ぶ過去最低の水準。自給できているコメの需要減少や、ただでさえ輸入頼みの小麦の生産量が落ち込んだことが響いた。新型コロナウイルス禍で外食需要減少に伴う消費の落ち込みも押し下げた。新型コロナの影響では、家庭食の増加など自給率向上に寄与する要因もあったが、マイナス面が上回った。
1993年度は記録的なコメの凶作の年で、2018年度は長期的な自給率低下が続く中で天候不順となり、小麦などの生産量が減少し、いずれも37%だった。一方、生産額ベースの自給率は前年度から1ポイント上昇の67%だった。単価の高い豚肉や鶏肉、野菜、果実の生産額が増加した一方、魚介類などの輸入額が減少したため4年ぶりに上昇した。農水省の担当者は「外出自粛で清涼飲料水や土産物の菓子の需要が落ち込んだ」と説明。これらの原料として使用する砂糖類や植物油脂の輸入額が減ったことも上昇要因となった。品目別(重量ベース)の自給率では、コメが前年度と同じ97%、小麦は1ポイント下落し15%となった。野菜は1ポイント上がり80%、魚介類は2ポイント上昇の55%だった。農水省は19年度の都道府県別の食料自給率も発表した。カロリーベースでは北海道が216%で3年連続の1位となり、2位は205%の秋田県。東京都は都道府県別の統計として初めて0%を記録した。島根、鳥取はともに61%だった。

*5-1-2:https://www.saga-s.co.jp/articles/-/735211 (佐賀新聞 2021/9/4) <オスプレイ配備>割れた意見、漁業者ら受け止めさまざま、配備候補地 地権者アンケート結果
オスプレイ配備計画の地権者アンケートで、計画への理解を尋ねた設問の結果は、賛否と「どちらとも言えない」の三つに割れた。土地売却の意向も、賛否に直接的にくくれない「条件次第で売却」が最も多く、地権者や漁業者の受け止め方はさまざまだった。漁協支所の運営委員の一人は、計画への理解について「どちらとも言えない」が3分の1を超えた点を「多くの人が判断しようがなかったのだろう」と推し量る。「説明不足」との指摘が相次いだ九州防衛局の地権者説明会を引き合いに「ずっと判断材料が不足したまま。アンケート結果をもってしても、どっちにも進めようがないだろう」。駐屯地予定地の直接の地権者が所属する漁協南川副支所では、「売却する」が「売却しない」をやや上回り「条件次第」が半数近くだった。微妙な数字で、田中浩人運営委員長は「正式な数字を見たばかりで、コメントする立場でもない。皆さんの考えが表れたものとしか言えない」と口数は少なかった。ただ、「条件次第」が多かった点には「どういう条件なのか精査し、今後、漁協内で協議すべきものと思う」とした。南川副支所の50代のノリ漁師は計画に賛成の立場で、土地を売却すると回答した。結果は「条件付きを含めると売却に賛成が多く、思った通り」と受け止める。配備で隊員や家族ら2千人以上が住み、地域活性化につながると期待する。「今回の結果を機に計画が前進してほしい」と話した。地権者でつくる有志の会の古賀初次さんは、質問が誘導的として疑問を呈しつつ「お金が欲しくない人はいないのだから、条件次第で土地を売ってもいいという人が多いのは当たり前」と指摘した。ノリ漁の準備が始まっており「この多忙な時期に、こんな大事なことを話すなんておかしい」と、漁協が防衛省のペースに乗って議論を進めていると批判した。

*5-2-1:https://digital.asahi.com/articles/ASP646HKSP62UTIL041.html (朝日新聞 2021年6月4日) 尖閣周辺の中国公船確認、112日連続 最長記録を更新
 沖縄・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で4日、中国海警局の公船「海警」4隻が航行しているのが確認された。接続水域での航行は2月13日から112日連続。2012年の尖閣国有化後、最長だった111日連続(昨年4~8月)を更新した。領海への侵入も今年は3日までに18件起き、漁船への接近もたびたび発生。海上保安庁は巡視船12隻を専従させて警戒を続けている。4日は午後3時現在、大正島沖で2隻、久場島沖で別の2隻が確認された。うち1隻は機関砲のようなものを搭載していた。通常、中国公船は4隻で航行していることが多いという。領海は、通常は潮が最も引いている大潮の干潮時の海岸線を基線とし、そこから12カイリ(約22キロ)までの海域をいう。沿岸国の主権が及ぶが、その国の平和や秩序を乱さなければ「無害通航権」といって他国船は事前通告なく通ることが認められる。この領海外側にある24カイリ(約44キロ)までが接続水域だ。沿岸国は犯罪が領海で起きるのを防いだり、違反した船を取り締まったりすることができる。日本は2012年9月に尖閣諸島にある五つの島のうち、魚釣島、北小島、南小島の3島を国有化した。それ以降、中国当局の船が周辺海域に近づく事案が頻繁に発生するようになり、領海侵入も増えた。1年間に接続水域内で確認された日数は12年は91日で、13年には232日に増加。一時期は減少していたが、19年に282日と再び増えると、昨年は333日と過去最多を記録した。頻度とともに懸念されるのは、船舶の大型化や武装化だ。海上保安庁が公開情報をもとに推定したところ、大型船(1千トン級以上)は12年に40隻だったが、昨年は131隻と8年間に3倍以上に増加した。海上保安庁の同水準の巡視船69隻を上回る勢力になっている。また、15年12月に機関砲を搭載した海警船も初めて確認され、以降は機関砲を搭載した船の接近が頻繁に発生している。海警局は18年7月に人民武装警察部隊に編入され、今年2月には武器使用を認める中国海警法も施行された。海上保安庁の奥島高弘長官は5月の定例会見で、尖閣周辺の情勢を「依然として予断を許さない厳しい状況」との見解を示し、「関係機関と緊密に連携して冷静にかつ毅然(きぜん)として対応を続け領海警備に万全を期す」と述べた。加藤勝信官房長官は4日の会見で「極めて深刻な事態と認識している。我が国として冷静かつ毅然(きぜん)と対応していく考えだ」と述べた。赤羽一嘉・国土交通相も4日の閣議後会見で「極めて深刻に受け止めている。海上保安庁では常に相手の勢力を上回る巡視船の隻数で対応し、万全の領海警備体制を確保している。事態をエスカレートさせず、冷静かつ毅然と対応を続けて領海警備には万全を期していく」と述べた。これに対し、尖閣諸島を自国領土と主張する中国は、中国公船の活動を「パトロール」と強調。日本政府が「国際法違反」と指摘している点について、中国外務省の汪文斌副報道局長は4日の定例会見で「釣魚島(尖閣諸島の中国名)と付属島嶼(とうしょ)は中国固有の領土であり、海警船が巡航することは、法に基づく正当な措置だ」と主張した。中国公船は12年の日本の尖閣国有化直後から定期的に航行するようになり、段階的に回数と態勢を引き上げてきた。自身も尖閣周辺のパトロール経験がある海警局元幹部は「365日の活動を可能にする『常態化』は10年以上前から計画されてきたものであり、日本側にもその意思を伝えてきた。当たり前のことができるようになっただけなのに、日本があおり立てて問題を大きくしている」と語る。日中両政府は14年、尖閣問題について「対話と協議を通じて、情勢の悪化を防ぐ」などとする4カ条の合意を交わした。だが、中国外交筋は「日本側はいつも『領土問題は存在しない』としか言わず、まともに議論する意思がない。日本の漁船が挑発的に尖閣領海に入っている状況からも、合意を破っているのは明らかに日本だ」と批判する。

*5-2-2:https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1380399.html (琉球新報 2021年8月24日) 石垣市、国に尖閣上陸申請へ 行政標柱が完成、設置目指す
 石垣市は23日、尖閣諸島への設置を目指している行政標柱が完成したと発表した。市が昨年10月に、市の行政区域に含まれる尖閣諸島の住所地の字名を「登野城」から「登野城尖閣」に変更したことに伴う取り組みの一環。市は今後、標柱設置のために国に尖閣諸島への上陸申請をしていくが、具体的な時期は未定という。23日に市内であった完成発表会で、中山義隆市長は「尖閣諸島とその周辺を取り巻く環境は大変厳しい状況が続いている。市はこれまで国に対し必要な措置を要請してきたが、いまだ状況に変化がない。尖閣諸島を市民、国民の皆さんに広く正しく知ってもらうことが重要だと考えている」と語った。標柱には石垣島産の御影石が使われ、「八重山尖閣諸島魚釣島」や「沖縄県石垣市字登野城尖閣二三九二番地」などと記されている。製作費は総額約200万円で、ふるさと納税による寄付でまかなった。国から上陸許可が出るまでの間は、この冬のオープンに向けて計画中の「市尖閣諸島情報発信センター」(仮称)で展示を予定している。

*5-2-3:https://news.yahoo.co.jp/articles/34ca6f79116d9ef11551a757e36c497cba10781c (Yahoo 2021年8月30日) 石垣市の尖閣標柱に日本政府「弱腰」 上陸申請めぐり“中国に屈した発言”も 石平氏「中国の反応など考慮する必要はない」
 中国当局が東シナ海での休漁期間を解禁して以降、沖縄県・尖閣諸島周辺には連日、数十隻もの中国漁船が大挙して押し寄せている。日本の領土・領海を守り、先祖から受け継いだ海洋資源を守るためにも、尖閣諸島を行政区域とする石垣市は近く、「行政標柱設置のための上陸申請」を行う方針だが、日本政府は「及び腰」「弱腰」だという。これで、国民の生命や財産を守り抜けるのか。菅義偉政権の胆力が試される展開となっている。
    ◇
 第11管区海上保安本部(那覇)によると、尖閣周辺の接続水域外側で25日、約60隻の中国漁船が操業しているのが確認された。中国当局が漁を解禁した16日以降、漁船を確認しない日はなく、19日には最多の約100隻が押し寄せた。海上保安庁の担当者は「接続水域や領海に接近する様子があれば、警告するとともに、違法操業があれば退去させる」と説明した。中国海警局船も要警戒だ。尖閣周辺の接続水域では26日、海警局船2隻の航行が確認された。18日連続で、1隻は機関砲のようなものを搭載していた。巡視船が領海に近づかないよう警告した。こうしたなか、石垣市は、昨年10月に尖閣諸島の字名を「石垣市字登野城」から「石垣市字登野城尖閣」に変更したことを受け、島名などを刻んだ行政標柱を製作し、23日公開した。魚釣島と南小島、北小島、久場島、大正島に設置する方針で、今後、国に上陸申請を行うという。中山義隆市長は同日の記者会見で、「尖閣周辺に中国船が連日出没し、大変厳しい状況が続いている」「これまでも国に対し、尖閣周辺海域の適正な管理や漁業者の安全操業の確保など、必要な措置を要請してきたが、状況に変化がない」「尖閣について国民に広く正しく知ってもらうことが大切だ」などと語った。行政標柱の設置は、日本の毅然(きぜん)とした姿勢を示すことになる。ところが、菅首相の女房役である加藤勝信官房長官は24日の記者会見で、「政府は尖閣諸島および周辺海域の安定的な維持管理という目的のため、原則として政府関係者をのぞき、何人も上陸を認めない」と語った。まだ、上陸申請が出ていない段階で、これを拒否する考えを示したのだ。日本沖縄政策研究フォーラム理事長の仲村覚氏は「菅政権の考えは、まったく理解できない。尖閣諸島は日本領土ではないのか?現在の状況では、『安定的な維持管理』ができているとは言えない。『中国に屈した発言』としか思えない。これでは、尖閣諸島だけでなく、他の領土も危ない」と懸念を示した。石垣市は淡々としている。企画部の担当者は、上陸申請を提出する時期を「検討中」としたうえで、「今回の標柱設置は、市の行政手続きの1つとして理解していただきたい。今後、申請にあたって政府に説明したい」といい、一切譲歩しない姿勢を示した。菅政権による新型コロナウイルス対策への不満などから、一部の世論調査では内閣支持率が30%を下回る「危険水域」に突入している。菅首相の地元・横浜市の市長選(22日投開票)では、首相が全面支援した候補が惨敗した。尖閣諸島に関する「及び腰」「弱腰」といえる姿勢は、習近平国家主席の中国にナメられ、さらに菅内閣の支持率を下落させかねない。中国事情に詳しい評論家の石平氏は「日本の領土である尖閣諸島について、(中国の反応などを)考慮する必要はない。ここまで中国を増長させた責任は、今回の加藤長官の発言をはじめとする、愚かな姿勢を示してきた日本政府にある。日本の領土であることをハッキリと主張して、行動すべきだ」と指摘した。

*5-3:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210911&ng=DGKKZO75676950R10C21A9MM8000 (日経新聞 2021.9.11) 河野氏「安全な原発は再稼働」 総裁選出馬を表明
 河野太郎規制改革相は10日、国会内で記者会見し、自民党総裁選への出馬を表明した。原子力発電所について「安全が確認された原発を当面は再稼働させるのが現実的だ」と強調した。「デジタルの力で日本を前に進める」とも語った。新型コロナウイルス禍を踏まえ「皆さんと一緒に直面する危機を乗り越えていかなければならない」と訴えた。「人が人に寄り添う、ぬくもりのある社会をつくっていきたい」と述べた。総裁選への立候補を表明したのは岸田文雄、高市早苗両氏に続き3人目となった。出馬表明した3人で唯一の現職閣僚になる。規制改革、ワクチン担当の職務は続ける。河野氏は総裁選向けの政策パンフレットで「産業界も安心できる現実的なエネルギー政策を進める」と明記した。持論の「脱原発」政策を推進するとの見方があったため、現実的な路線をとると強調した。冊子は「日本を前に進める」と題し「自民党を変え、政治を変える」と掲げた。会見の冒頭で「自民党は保守政党だ」と指摘し「日本の一番の礎は伝統と歴史、文化に裏付けられた皇室と日本語だ」と力説した。保守層からの支持が念頭にある。記者会見では政府と日銀が掲げる2%のインフレ目標の達成に慎重な考えを示した。「かなり厳しいものがあるのではないか」と説いた。河野氏は10日夜のテレビ東京番組で、原発で燃え残った核燃料を再利用する「核燃料サイクル政策」に言及した。「方向転換することもテーブルの上に載せる必要がある。我々の責任で解決策を見いだし、実行していく必要がある」と話した。過去にも核燃料サイクルに異論を唱えていた。総裁選は17日告示―29日投開票で実施する。3人以上で争う構図になった。河野氏は世論調査で「次の総裁にふさわしい人」の上位に挙がる。日本経済新聞社の8月の調査は16%で首位だった。派閥横断的に若手を中心に衆院選の「選挙の顔」に期待する声がある。

*5-4:https://www.saga-s.co.jp/articles/-/740315 (佐賀新聞 2021.9.15) 島根原発2号機が審査合格、全国唯一、県庁所在地立地
 原子力規制委員会は15日の定例会合で、中国電力島根原発2号機(松江市)の安全対策が、新規制基準に適合しているとする「審査書」を決定した。これで正式に審査に合格した。合格は10原発17基目。事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉としては4原発5基目となる。全国で唯一、県庁所在地にある原発で、事故時の住民避難が課題だ。中国電は再稼働に向け、本年度内の安全対策工事完了を目指す。再稼働には、原発が立地する島根県と松江市の同意を得る必要があり、時期は未定。原発の30キロ圏に入る鳥取県などの動向も焦点となる。会合では、6月に取りまとめた審査書案に対する一般からの意見公募で、中国電が規制委から借り受けたテロ対策施設に関する機密文書を誤廃棄した問題に関し、「中国電に原発を運転する資格があるのか疑問」などの意見が寄せられたことを規制委事務局の担当者が説明。規制委側は、施設の運用ルールを定めた保安規定の審査の中で、引き続き中国電の改善姿勢を確認していくとした。審査書の決定には5人の委員全員が賛成した。中国電は、敷地近くの宍道断層による地震などを検討し、耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)を最大加速度820ガルと設定。最大で海抜11・9メートルの津波が敷地に到達すると想定し、海抜15メートルの防波壁を建設した。三瓶山(島根県)の噴火で敷地に最大56センチの火山灰が降り積もるとして対策を取る。中国電は2013年12月に審査を申請。18年には、新規稼働を目指して建設中の3号機の審査も申請した。1号機は17年から廃炉作業中。原発全体での安全対策費は6千億円程度と見積もる。

*5-5:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM230B00T20C21A9000000/?n_cid=BMSR3P001_202109231017 (日経新聞 2021年9月23日) 台湾、TPP加盟申請を発表 中国反発でも加入に強い意欲
 台湾当局は23日、環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟に向け、正式に申請手続きを行ったと発表した。同日午前、記者会見を開き、行政院(内閣)の報道官が明らかにした。加盟申請は22日午後に行った。中国の強い反発が予想されるなか、TPP加盟に強い意欲をみせた。TPPを巡っては、中国が16日に加盟申請を行ったことを公表したばかりだ。台湾として中国に加盟申請で大きく遅れれば、加盟が困難になるとみて申請手続きを急いだ。台湾の通商交渉トップである鄧振中・政務委員(無任所大臣に相当)は会見で、「中国はいつも、台湾の国際社会との連携を阻もうとしてきた。もし中国が先にTPPに加盟してしまえば、台湾のTPP参加は不利になることが予想された」と述べた。そのうえで、鄧氏は「台湾のTPP参加は、台湾の利益と経済発展のために行うものだ。中国の反対があっても、それは彼らの問題だ」などと切り捨て、強い不満を表明した。さらに「TPP加盟国は、台湾の貿易総額の24%以上を占める。今年、(閣僚級会合のTPP委員会の)議長国である日本とは非常に緊密な関係にあり、今こそ加盟すべき時が来た」と語った。蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は、2016年の就任時からTPP加盟を悲願としてきた。台湾経済は中国に大きく依存している。台湾からの輸出は4割強を中国が占める。統一圧力を強める中国からの脱却を急ぐには、TPPに加盟し、中国への経済依存度を引き下げる必要があると判断した。ただ中国は、中国大陸と台湾は1つの国に属するという「一つの中国」を唱えている。台湾のTPP加盟には強硬に反対する姿勢だ。TPPには現在、日本やオーストラリアなど11カ国が加盟している。参加するには、加盟国すべての同意が必要となる。今後、対立する中台のTPP加盟を、日本などの加盟国がどう判断するか、外交的な駆け引きも含めて交渉が激しくなりそうだ。米国の今後の動きも大きな焦点となる。トランプ前大統領は17年1月、TPPから「永久に離脱する」とした大統領令に署名し、TPPから離脱した。バイデン政権が復帰を決定することは容易ではないが、中台の加盟申請でTPPを取り巻く状況は大きく変化しており、米国としても何らかの対応が必要になる可能性がある。

<アフガンへの支援と今後>
PS(2021年9月17、18日追加):2021年9月12日、*6-1のように、タリバンが権力を掌握したアフガンで食料不足や物価高騰が深刻になり、「①国民の93%が食事を十分にとれない事態に陥って人道危機が迫っている」として、国連は、*6-2のように、9月13日、96カ国が参加する緊急会合で計12億㌦(約1300億円)超の拠出を表明した。グテレス事務総長は、ジュネーブの国連欧州本部で開かれた会合で「②事実上の政府であるタリバンとの関わりなしに人道支援を行うのは不可能」「③経済が崩壊すれば人道支援だけで問題は解決しない」「④国外資産凍結・IMF・世界銀行の支援停止などでアフガン経済はさらなる苦境に陥っている」と訴えたが、ドイツのマース外相や米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「⑤国際社会の支援を受けたいタリバンは政権発足にあたって女性の人権や旧政権に参加した人の安全などを守るとしていたが、既に多くの市民への暴力が報告された」と、タリバンの実行動に懸念を示されたそうだ。
 また、*6-1には、2年前に戦闘に巻き込まれて夫を失い、自身も右足をけがして不自由になり、3歳から14歳までの7人の子どもと逃れてきた避難民女性が首都カブールの公園などにテントを張って暮らしている様子も書かれている。アフガンは食事も十分にとれない国民が93%に上るそうだが、男性は戦闘という破壊活動(生産とは反対の活動)を行い、女性は勉強も就業もできずに次々と7人も子どもを作っていれば、貧しかったり飢えたりするのは当然のようにも思うが、放っておくわけにもいかない。そのため、日本で消費期限が近づく災害用非常食や1年以上備蓄されている備蓄米・脱脂粉乳等々を、団体を通じて援助物資として送ったらどうか。その際、梱包する箱や袋に日本の国名・(男女を含む)作っている人の写真・農村の生産風景・再エネ発電等を映した印刷物を添付し、女性が働かなければ付加価値を高めることは困難で、豊かさは戦争をしても作れないことを示すメッセージにすればよいと思う。
 なお、*6-3のように、イスラム主義勢力タリバンが首都カブールを制圧してから、自分たちの権利を守るために声を上げる女性も出てきているが、タリバンのメンバーが抗議デモの女性をムチで打つなど暴力を振るったり、女子学生への教育は認めたが学校で男女の間に仕切りを置いたり、女性は働くことができないと言ったり、女性に頭髪を覆うスカーフやブルカの着用を義務づけたりなど、女性差別が多すぎる。そのため、*6-1のドイツのマース外相や米国のトーマスグリーンフィール国連大使の懸念は的を得ているのである。
 こちらが先だが、アフガンに平和・民主主義・人権・平等・信教の自由などを重視する憲法ができ、それに沿った民法・商法・税法等の法律ができれば、その後は、*6-4の中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」やその他の鉄道・道路によって、アフガンで見込まれる非鉄金属・レアアース(希土類)等の資源開発や輸出が期待でき、バーミヤンの石仏などを復元すれば観光の要所にもなれるだろう。


  2021.9.10    2021.9.8CNN    2021.9.9afpbb  2021.9.17  2021.4.1
 TokyoHeadline                        日経新聞  毎日新聞

(図の説明:1番左の図は、アフガン女性が命がけで女性差別に抗議している様子で、左から2番目の図は、学校で男女間に仕切りを付けられた様子だ。また、中央の図は、イスラム世界において女性に許された服装で、男性目線のSEX中心でしかない。さらに、右から2番目の図は、鉱山開発のためにアフガンが期待する中国の「一帯一路」だ。そして、1番右の図は、男女格差の小さい順に並べた国名で、アフガニスタンは156ヶ国中156位で全体最下位である)

*6-1:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210912/k10013255411000.html (NHK 2021年9月12日) アフガニスタン 国民の93%が「十分に食事をとれない事態」に
 武装勢力タリバンが権力を掌握したアフガニスタンでは、食料不足や物価の高騰が深刻になっていて、国連は、国民の93%が食事を十分にとれない事態に陥っているとして、国際社会の支援が急務だと訴えています。アフガニスタンでは、仕事ができなくなったり銀行が閉鎖されたりして、多くの人が現金収入を絶たれ、食料不足や物価の高騰が深刻化しています。首都カブールには、国内各地で家を追われた避難民が公園などにテントを張って暮らしていますが、多くの人は近くの住民などが善意で運んでくれる食料を頼りにして飢えをしのいでいるということです。2か月半前に戦闘で家が破壊され、北部の州から子ども7人と避難してきたという女性は「子どもたちは飢えていて、ひと切れの小さなパンをめぐって奪い合いになっています。このひどい状況から抜け出すためにも支援が必要です」と話していました。WFP=世界食糧計画は、地域事務所の担当者がオンライン会見を開き、タリバンが権力を掌握した8月中旬以降、食事を十分にとれない人は、国民の93%にのぼるとして、支援のための食料の備蓄もなくなるおそれがあると説明しました。担当者は「冬を迎える前に助けを必要としている人たちを救えるかは、時間との戦いになっている」と話し、国際社会の支援が急務だと訴えました。
●「誰も助けてくれず、取り残されている」
 アフガニスタンで、各地での混乱を逃れ、首都カブールに避難してきた人たちは、多くが支援を受けられず、食事が確保できない深刻な状況に陥っています。このうちカブール中心部の公園には2000人余りの避難民がテントを張って生活しています。2か月半前に北部バグラン州での戦闘で家が破壊されたというザル・ベグムさん(42)は3歳から14歳までの子ども7人と逃れてきました。ザルさんは2年前、戦闘に巻き込まれて夫を失ったほか、自身も右足がけがで不自由となりました。着の身着のままで逃れてきたため食料を買う金もなく、近くの住民などが善意で運んでくれる食料だけが頼りですが、子どもたちの飢えをしのぐには十分ではないといいます。ザルさんは「政権の崩壊以降、誰も助けてくれず、取り残されています。私は足が不自由で、子どもたちもまだ幼いので食料の分け前をほかの人たちに取られてしまいます。子どもたちは飢えていて、ひと切れの小さなパンをめぐって奪い合いになっています。このひどい状況から抜け出すためにも支援が必要です」と窮状を訴えていました。

*6-2:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR13CXG0T10C21A9000000/ (日経新聞 2021年9月14日) アフガン支援でジレンマ 「タリバン政権」に米欧慎重、国連が緊急会合、1300億円超の拠出表明
 アフガニスタンへの支援を協議する国連の緊急会合で各国は13日、計12億㌦(約1300億円)超の拠出を表明した。イスラム主義組織タリバンによる制圧後、食料不足や経済のまひ状態が続くアフガンに人道危機が迫る。「タリバン政権」の承認に慎重な国際社会は、暫定政権との協力をめぐりジレンマを抱えている。「事実上の政府であるタリバンとの関わりなしに人道支援を行うのは不可能だ」。国連のグテレス事務総長は13日スイス西部ジュネーブの国連欧州本部で開いた会合で、タリバンとの協力は不可欠だと繰り返し訴えた。会合には96カ国が参加した。国連が9~12月を乗り切るために必要としていた目標の6億ドルは達成できる見込みとなったが、グテレス氏は「経済が崩壊すれば、人道支援だけで問題は解決しない」とも述べ、アフガンが直面する現金不足の問題を指摘した。名指しこそしなかったものの、念頭にあるのは米国などが凍結した、アフガン中央銀行の約100億ドルもの国外資産だ。資産凍結や国際通貨基金(IMF)、世界銀行による支援の停止などで、最貧国の一つであるアフガン経済はさらなる苦境に陥っている。現金の不足で銀行は営業停止や引き出しの制限をしている。物価は高騰し、経済はまひ状態にある。国連開発計画(UNDP)によると、既に7割程度だった貧困率は22年半ばまでに97%に上昇する恐れがある。国民の3人に1人は次の食事もままならない状況だという。国際社会の支援を受けたいタリバンは政権の発足にあたり、女性の人権や旧政権に参加した人の安全などを守るとしているが、既に多くの市民への暴力が報告されている。7日に発表した暫定政権の顔ぶれには、国連制裁や米連邦捜査局(FBI)の指名手配対象が含まれた。女性や少数派の姿は見られない。ドイツのマース外相は「良いシグナルではない」と指摘。米国のトーマスグリーンフィールド国連大使も「言葉だけでは不十分だ。実際の行動を見なければいけない」とくぎを刺した。タリバン側との対話や調整を通じた大規模な支援や資産凍結の解除は「タリバン政権」の承認につながりかねないだけに、米欧は消極姿勢を崩さない。人道支援に約6400万ドルを拠出すると発表した米国では、13日の議会下院外交委員会の公聴会で懸念の声が出た。共和党のスコット・ペリー下院議員は「(米国民の)税金をテロ組織へ支払うことは米国の政策なのか」とブリンケン国務長官を問い詰めた。ブリンケン氏は「国連などを通じて支援する」と応じたが、議会の監視は厳しい。一方、隣国パキスタンはいち早く援助物資の空輸に動いた。パキスタンとともにタリバンと密接な関係を持つカタールも「無条件の支援」を国際社会に呼びかけている。12日にはムハンマド副首相兼外相がカブールを訪れた。中国は医療支援などでタリバンと接近している。王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は8日、オンラインで開いたアフガン隣国の外相協議に参加し、「新型コロナウイルスワクチンを第1回分として300万回分寄贈する」と表明した。総額2億元(約34億円)分の食料や越冬物資なども提供すると述べた。ロシア、中央アジア諸国などとともに加盟する上海協力機構(SCO)の枠組みも活用してアフガンへの関与を強める。16日から2日間の日程で、タジキスタンの首都ドゥシャンベで首脳会議を開く。習近平(シー・ジンピン)国家主席がオンラインで出席する見通しだ。中国はアフガンからのイスラム過激派流入を警戒しており、人民解放軍は11日からロシア南部オレンブルク州で実施する対テロ合同軍事演習に参加している。タリバンとの関係を築き、復興を支援することでアフガンを安定させたい考えだ。

*6-3:https://news.yahoo.co.jp/articles/bdd36bb3e32f4f012c9261580af02629210e2879 (Yahoo、日テレ 2021/9/15) カブール制圧から1か月  タリバン支配下のアフガン女性たちの現状は?
 アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンが首都カブールを制圧してから1か月たち、注目されているのが「女性の権利」だ。旧タリバン政権下でその権利を大きく制限されてきた女性たちの間では、手に入れた自由がまた制限されてしまうのではないかと不安が広がっている。アフガン女性たちに現状を聞いた。
●自分たちの権利を守るため 声を上げる女性たち
 9月、首都カブールで行われた抗議デモ。自分たちの権利を守るために声を上げる女性も出てきている。デモに参加した女性たちは――「仕事に行けない女性、学校に行けない女性の助けになるために外に出ている。私は彼女たちの声になりたい」「アフガン女性は常に女性の権利を訴えてきた。アフガン女性も他の女性と変わりない。なぜ私たちは権利が無いのか。私たちもすべての権利を持つべきだ」。そして、9月8日、ロイター通信によると、タリバンのメンバーが抗議デモに参加した女性らをムチで打つなど暴力をふるったという話も出てきた。
●旧タリバン政権下で権利を制限されてきた女性たち
 1996年から2001年まで続いた旧タリバン政権下では、女性の権利は大きく制限されていた。例えば…
・頭の先からつま先まで全身を覆うブルカの着用義務
・学校教育、就労の禁止
・外出は男性親族の同伴が必要
などの制約があった。それが2001年、アメリカ同時多発テロをきっかけに、アメリカがアフガンを攻撃。旧タリバン政権が崩壊したことで、女性たちはそれまでの抑圧から解放された。女性YouTuberたちが登場し、日常生活の様子を動画で配信。おしゃれをして街を歩き、その様子を積極的に発信するなど、タリバン政権下とは打って変わって女性たちが輝いているように見えた。しかし、今回タリバンの支配が復活したことで、せっかく手に入れた自由がまた制限されてしまうのではないかという不安が女性たちの間で広がっている。
●男女で仕切られた教室
 タリバンは、「女性の権利を尊重する」として、12日には女子学生への教育を認めると発表したが、学校では男女の間に仕切りを置いたり、女性は頭髪を覆うスカーフの着用が義務づけられるなどさまざまな条件が課されている。タリバンの復権以降、女性たちはどんな思いで過ごしているのか、アフガン女性2人に話を聞いた。以前NGOで働いていて現在はパキスタンに避難している30代の女性――「タリバンから女性は働くことができないと言われ、新しい方針が決まるまでは家にいるよう言われた」「以前は、人と集まることも仕事もピクニックなども自由にできていたのに、今はそのすべてが奪われた」。日本に留学経験があり、現地の国際機関に勤めていた20代の女性――「出勤しても、オフィスは閉鎖され、タリバンの戦闘員に追い返され、いまだ出社できない状態」「外国人と仕事をしていたことが分かると危害を加えられる恐れがあることから、自宅の書類をすべて燃やした」「銀行にお金をおろしに行ったときには銃で武装したタリバン兵がいて、彼らの意に沿わない行動をしたら死につながってしまうだろう」と不安の中で生活している。20年ぶりに復権したタリバンは国際社会の目を意識して、表向きは女性の権利を保障すると主張している。しかし、女性たちの話や今実際に起きていることを見ていると、女性の権利がどこまで守られるのかは不透明で、今後、国際社会が注視していく必要がある。

*6-4:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210917&ng=DGKKZO75832810W1A910C2FF1000 (日経新聞 2021.9.17) タリバン、「一帯一路」意欲 パキスタンと道路接続も 鉱山開発、進展に期待
 アフガニスタンを制圧したイスラム主義組織タリバンが大規模インフラ整備事業「中国・パキスタン経済回廊(CPEC)」への参加に意欲を見せ始めた。中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」の関連で、アフガンの鉱山開発で利点がある。だが、アフガン情勢はなお安定せず、専門家は「中国はアフガンの加入に慎重だ」と指摘する。タリバンの報道担当は16日までに、CPECに加わりたいと述べた。中国とパキスタンを鉄道や道路で結び、同国南西部のグワダルの港を軸に発電所なども整備する計画で500億ドル(約5兆5000億円)前後の投資が見込まれる。鉄道や道路をアフガンに延伸すれば、同国で見込まれる非鉄金属やレアアース(希土類)などの開発を促せるとタリバンは期待しているようだ。アフガンは内陸国だが、パキスタンの港を使えば鉱物の輸出先を広げられる。中国は経済成長に欠かせない資源を大量に確保できる。タリバンを支えてきたパキスタンはアフガンへの影響力を強め、対立するインドをけん制できる。13日にはタリバンのメンバーがカブール近郊のアイナック鉱山を視察した。ロイター通信が報じた。中国企業は2008年、世界有数の銅鉱床があるこの鉱山の開発権を30億ドルで獲得したが、アフガン情勢が不安定だとの理由で、実質的な工事に着手していない。アフガンには未開発の鉱物資源が大量に埋蔵されているといわれる。中国は18年からタリバンにインフラでの協力を持ちかけてきたとされる。タリバンに近い関係者は「口頭では合意した。(タリバンの)暫定政権が国際社会に承認されれば、中国はアフガンで整備を進めるはずだ」と明かした。8日に開かれたアフガン周辺国の外相会議で中国は、アフガン側に穀物、防寒具、医薬品など3100万ドルの緊急支援を約束した。タリバンの報道担当は9月上旬の記者会見で「中国とよい関係を築きたい」と主張した。その前に中国の呉江浩外務次官補はタリバン幹部と電話で協議した。呉氏は「アフガンへの友好政策を励行する」という構えだった。だが、情勢に詳しいチェコの大学の専門家は「中国は焦らない。アフガンへの関与を深めるかどうか慎重に判断するだろう」と指摘する。パキスタンの内相は先週の記者会見で同国とアフガンの発展は相互に影響すると述べ、アフガンのCPEC参加を歓迎する姿勢をみせたが、この専門家は「パキスタンはテロの脅威にさらされており、CPECを広げれば同国のリスクも高まる」と説明した。

<無駄遣い・高齢者いじめ・消費税増税は何故起こるのか?>
PS(2021年9月20日追加):日本記者クラブ主催の公開討論会で、*7-1のように、自民党総裁に立候補した4氏が論戦し、河野氏はエネルギー政策のやりとりで「①私の脱原発は耐用年数が来たものは速やかに廃炉にして、緩やかに原子力から離脱していくことだけ」「②野田さんは将来も原子力に頼った方がいいと思っているのか」「③再エネを増やせなかったのは原発に重きを置こうという力が働いていたから」「④原発のコストが見直されて再エネの方が安いことが明確になった」「⑤核のごみの現実的な処分方法をどうするのかを議論をした方がいい」と言われた。私は、①②③④については、耐用年数が来ていなくても廃炉にすべきものやできるものはできるだけ早く廃炉にすべきだと思う。その代替は再エネ以外になく、日本の場合は再エネ化を進めることによって国や地方自治体に税外収入が入るため、呪縛のように言われている消費税増税を行わず、消費税を廃止することすらできる。また、最悪の事態に備えるのなら、⑤の核のごみも早急に処分すべきだ。
 上の⑤を受けてか、*7-2のように、経産省が「⑥廃炉が相次ぎ、低レベル廃棄物の『蒸気発生器』と『給水加熱器』の処分を有用資源として安全に再利用されるなど一定基準を満たす場合に限り例外的輸出を可能にすることを新エネルギー基本計画改定案に盛り込んだ」「⑦電力会社から海外業者への支払いでコストが膨らむ可能性もある」そうだ。しかし、⑥について、私は、国内処分の原則は不要だと思うが、除染する人に被曝の可能性があり、除染の程度も疑問であるため、「放射性廃棄物を有用資源として安全に再利用する」とするのはよほどの放射能好きだ。また、⑦は、これ以上の負担を電力使用者にかけないためにも、安価に処分してくれるのでなければ、密閉した容器に入れて排他的経済水域内の3,000m以上深くて流れのない窪地に沈めるのが最も安価だと思う。しかし、その分量にも限界があるので、これ以上核廃棄物を増やさないことが最も重要だ。
 また、*7-3のように、「⑧新型コロナ対策として人流抑制を考え」「⑨個人への給付金を検討し」「⑩緊急事態宣言より強制力の強いロックダウンに向けた法整備をする」と言った人もいたが、⑧⑩は感染症が蔓延しやすく、ワクチンや治療薬を作れない国のすることで、(もう長くは書かないが)日本はこれとは異なる。そして、今回の蔓延と個人の経済破綻は政治による人災であり、経済を止められて破綻した生産年齢人口の人が30万円の給付金をもらっても焼石に水だが、数が多ければ国民負担は大きい。つまり、生産年齢人口の人に補助しなければならないような政策を作ること自体が誤りなのである。
 なお、*7-1では、「⑥全額消費税で支える基礎年金への制度変更」の話も出ていたが、これまで年金保険料を支払っていた人への基礎年金の支払いを停止するのは契約違反だ。そのため、最低保証年金を作るのなら、これまでの1~3階はそのままにして、最低生活に満たない人に保障する0階を設けるべきであり、その原資が消費税でなければならない理由もない。例えば、生産年齢人口にあたる人に景気対策として補助する政策をなくし、原発は早期にやめて再エネに変え、国内にある資源を有効に使って国や地方自治体が税外収入を獲得すればよいのである。
 その1例は、*7-4のように、排他的経済水域内にコバルトリッチクラストが広く分布しており、コバルト・ニッケル・白金などのレアメタルやレアアース等を含む海底金属資源があるため、(国立公園内の地熱とともに海も国有なので)採取すれば国が税外収入を得られるのだ。


                   *7-4より
(図の説明:左図は*7-4の図1、中央は図5、右図は図6で、日本の南東約1,800km沖にある巨大平頂海山の南斜面に、多量のコバルトリッチクラストが存在することがわかった)

*7-1:https://www.nishinippon.co.jp/item/n/803028/ (西日本新聞 2021/9/19) 「狙い撃ち」された河野氏のカウンター「原発に頼った方がいいんでしょうか」
 「ポスト菅」を決める自民党総裁選(29日投開票)は18日、日本記者クラブ主催の公開討論会で立候補4氏による論戦が本格化。主役を張ったのは、報道各社の世論調査などで「次の首相にふさわしい人」の首位を走る河野太郎行政改革担当相だった。脱原発をはじめ数々のとがった改革志向の持論に対し、他の3氏が質問を集中。河野氏は「守り」の回答を崩さず、時には逆質問して「攻め」に転じる柔軟さも見せた。
●改革志向の持論に定められた照準
 相手を指名して見解をただせる討論会第1部の見せ場は、エネルギー政策のやりとりだった。自民内では少数派である河野氏の脱原発に照準を定め、野田聖子幹事長代行が「総理になったら、速やかに過去の発言を実行してしまうのか」と切り込んだ。河野氏は表情を動かさず、「私が言っている脱原発は、耐用年数が来たものは速やかに廃炉になる。緩やかに原子力から離脱していくことになる、というだけだ」。返す刀で、「野田さんは将来も、原子力に頼っていった方がいいと思っているんでしょうか」と切り返した。手元に準備した資料にはほぼ目を落とさない。「再生可能エネルギーを増やすことができなかったのは、原子力発電に重きを置こうという力が働いていたからだ」「原子力発電のコストが見直されて、再生可能エネルギーの方が安いということが明確になった」。こう畳み掛けた河野氏は、「原子力産業は、あまり先が見通せない」と言い切ってみせた。第2部で、原発の「核のごみ」を埋める最終処分場の場所が決まっていない問題を問われた際は、「もう、現実的な処分方法をどうするのかをテーブルに載せて議論をした方がいい」と一歩踏み込んだ。今回の総裁選。河野氏は支持の裾野を広げたいがためか原発再稼働の容認を明言し、脱原発の姿勢は玉虫色となった。だが、使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」の見直しは掲げ続けており、自民政権の伝統的な原子力政策路線との違いが際立っている。岸田文雄前政調会長は、そのアキレス腱(けん)を突き「(核燃料サイクルの停止は)原発再稼働と両立できるのか」「核燃料サイクルを止めればプルトニウムが積み上がり、外交問題にも発展しかねない」と整合性に疑問を投げ掛けた。
●「一対一」の討論、最多の5回指名
 河野氏の持論の一つである「税金で支える方式への公的年金制度改革」もまた、俎上(そじょう)に載せられた。
高市早苗前総務相は「基礎年金を税金で、となるとかなりの増税になる。年金制度の仕組みそのものに、大きなひずみが出てしまう」、岸田氏も「(消費税は)何%上がるのか」などと追及。これに対し、河野氏は「どれぐらいの年金を、どういう人を対象に支払うかによって税金の必要な額が違ってくる」と慎重な言い回しで言質を取らせない一方、「高齢者でも所得1億円の方に最低保障年金を出す必要はない」とアピールも忘れなかった。この日、候補者同士の「一対一」のやりとりは計12回あり、うち最多の5回で河野氏が質問相手に指名された。力をそいでおくべき標的に位置付けられたことは、自民の同僚議員間における人気は別として、国民的な知名度では頭一つ抜けている現実を裏付けた。

*7-2:https://digital.asahi.com/articles/DA3S15048847.html (朝日新聞 2021年9月20日) 放射性廃棄物、海外委託も 国内処分の方針、転換 低レベルの原発主要機器 経産省
 原発の放射性廃棄物は国内ですべて処分するという原則に関わる規制が、変わろうとしている。廃炉が相次ぐなか、低レベル廃棄物である一部の大型機器について、処分を海外業者に委託できるように輸出規制を緩和する。新たなエネルギー基本計画の改定案に方針が盛り込まれた。経済産業省が見直し案を検討するが、実施に向けては不透明な部分もある。海外での処分を検討しているのは「蒸気発生器」と「給水加熱器」、「核燃料の輸送・貯蔵用キャスク」の3種類の大型機器だ。いずれも原発の重要機器で、主なものだと長さは5~20メートル前後、重さは100~300トン前後もある。使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)ほど放射能レベルは高くはないが、低レベルの廃棄物として埋設処分などが必要だ。エネルギー基本計画の改定案に「有用資源として安全に再利用されるなどの一定の基準を満たす場合に限り例外的に輸出することが可能となるよう、必要な輸出規制の見直しを進める」と明記された。改定案には、今月3日から10月4日まで意見を公募している。国内ではこれまで原発24基の廃炉が決まり、2020年代半ば以降に原子炉の解体などが本格化する。国内に専用の処理施設がなく、発電所の敷地内で保管したままだと作業スペースが圧迫され、廃炉の妨げになると経産省は説明する。米国やスウェーデンでは放射性廃棄物を国外から受け入れ、除染や溶融をしたうえで、金属素材などとして再利用するビジネスが確立しているという。国際条約では、放射性廃棄物は発生国での処分が原則だ。相手国の同意があれば例外的に輸出できるが、日本は外国為替及び外国貿易法(外為法)の通達で禁じている。経産省は大手電力会社の要望などをもとに、専門家らを交えて検討してきた。国内処分を基本としつつ、対象を3種類の大型機器に絞り、再利用されることなどを条件に例外的に輸出を認める方向だ。法改正をしなくても通達の見直しなどで対応できるという。原発敷地内で保管している大型機器も対象になるとしており、稼働中の原発の廃棄物が輸出される可能性もある。電力会社から海外業者への支払額ははっきりしておらず、コストがふくらむ恐れもある。安全な輸送方法など課題は多い。規制が緩和されても、実施まで時間がかかりそうだ。低レベルの廃棄物は電力会社が責任を持って処分することになっている。原発の稼働や廃炉にともなって増えているが、処分先が決まらないことが大きな問題だ。たまり続ける廃棄物への地元住民らの不安感もあり、海外での処分に期待する見方もある。ただ、国内処分の原則を揺るがしかねないだけに、国や電力会社には十分な説明が求められる。

*7-3:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210920&ng=DGKKZO75906870Z10C21A9NN1000 (日経新聞 2021.9.20) 個人に給付金検討 一律の現金支給は否定
 自民党総裁選の各候補は新型コロナウイルスの感染が再び拡大局面に入った場合の対策として、人流抑制を引き続き視野に入れる。個人への給付金を検討する考えを示し、一律の現金支給は否定する。規模や範囲、時期などが焦点になる。河野太郎規制改革相は19日のNHK番組で「次の緊急事態宣言に備えて給付金を一律ではなく、必要性や規模に応じて出せるようにする」と述べた。岸田文雄氏はかねて「非正規労働者や女性、困っている方々には直接給付金を用意しないといけない」と言明する。高市早苗氏は「本当にお困りの低所得者に手厚くする」と語る。野田聖子幹事長代行はクーポンでの配布を主張する。2020年4月に決めた経済対策で1人あたり一律10万円が特別定額給付金として支給された。所得が一定水準を下回った世帯に30万円を配る内容だったのを公平性や支給スピードを重視して転換した経緯がある。河野、高市両氏は緊急事態宣言よりも飲食店の営業制限などへの強制力が強い「ロックダウン(都市封鎖)」に向けた法整備の必要性に言及している。経済的な影響もより大きくなり、個人へのさらなる生活支援の議論が必要になる。

*7-4:http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20160209_2/ (国立研究開発法人海洋研究開発機構、国立大学法人高知大学 2016年2月9日) 5,500mを超える大水深に広がるコバルトリッチクラストを確認、~コバルトリッチクラストの成因解明に大きな前進~
1.概要
 国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という)は、国立大学法人高知大学(学長 脇口 宏、以下「高知大学」)と共同で、戦略的イノベーション創造プログラム(※1以下「SIP」)の課題「次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)」における「海洋資源の成因に関する科学的研究」(研究代表者:鈴木 勝彦、JAMSTEC次世代海洋資源調査技術研究開発プロジェクトチーム成因研究ユニットリーダー)の一環として、日本の南東約1,800km沖に存在する巨大平頂海山 拓洋第5海山(図1左図)の南斜面において、無人探査機「かいこうMk-IV」(図2)を用いたコバルトリッチクラストの調査を実施しました(※2)。コバルトリッチクラストは、コバルト、ニッケル、白金などのレアメタルやレアアースの資源として期待されている海底の岩石です。今回の調査により、世界で初めて5,500mを超える大水深の海山の斜面においてコバルトリッチクラストの存在を確認し、研究用試料の採取に成功しました。今後、採取したコバルトリッチクラスト試料を詳細に分析・解析することによって、日本周辺におけるコバルトリッチクラストの成因解明に関する研究を進め、海洋資源調査技術の開発につなげていく予定です。
2.研究の背景・目的
 形成後時間が経過した古い海山の斜面には、海山を形成する玄武岩や水深の浅い石灰岩等の基盤岩を覆うように鉄・マンガン酸化物を主体とした数mmから10cmあまりの厚さのコバルトリッチクラストが広く分布しており、コバルト、ニッケル、白金などのレアメタルやレアアース等を含む海底金属資源として注目されています(※3)。SIP「次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)」の「海洋資源の成因に関する科学的研究」課題においても、コバルトリッチクラストが対象となっており、科学的な研究を基にその調査技術の研究開発を進めています。過去にもJAMSTECの船舶・無人探査機を用いた拓洋第5海山の調査が行われており、水深3,000mより浅い海域において、系統的、かつ、連続的なコバルトリッチクラストのサンプリングや厚み計測などの調査が行われてきました。平成21年に海洋調査船「なつしま」航海(NT09-02 leg2、首席研究者:浦辺 徹郎、国立大学法人東京大学教授(当時))において、無人探査機「ハイパードルフィン」を用いて最初のコバルトリッチクラストの現場産状観察と系統的な試料採取が水深1,200mから3,000mまでの連続的な水深で実施されました(図1右図青線)。平成27年には、深海調査研究船「かいれい」航海(KR15-E01、首席研究者:飯島 耕一、JAMSTEC海底資源研究開発センター調査研究推進グループ技術主任)において「かいこうMk-IV」が拓洋第5海山の南方尾根にて潜航し、水深3,491mから3,360mの調査によってコバルトリッチクラストの産状観察と試料採取を行いました(図1右図青点)。JAMSTECにおけるこれまでのコバルトリッチクラストの研究で、採取された試料などから、同位体を用いた年代測定によって、コバルトリッチクラストの成長速度が数mm/百万年であることを明らかにするとともに(Usui et al., 2007; Goto et al., 2014)、モリブデン,タングステン、テルルなどのレアメタルがコバルトリッチクラストに濃集するメカニズムを解明し(Kashiwabara et al., 2011; 2013; 2014)、さらにコバルトリッチクラストの遺伝子解析(Nitahara et al., 2011)などを行って、多様な微生物が生息していることを明らかにしてきました。本調査では、コバルトリッチクラストの成因研究をさらに進めるため、無人探査機「かいこうMk-IV」を用いて、これまでの調査で成し得なかった拓洋第5海山の5,500m以深のコバルトリッチクラストの産状観察や試料採取を行って、拓洋第5海山のような巨大海山の大水深部にコバルトリッチクラストが広がっているかどうかを明らかにすることを計画しました。さらに、コバルトリッチクラストの現場環境と生成メカニズムの理解に向けて、電磁流速計、微生物現場培養・化学吸着実験装置の設置を計画しました。
3.成果
 本調査では、無人探査機「かいこうMk-IV」を用いて、世界で初めて拓洋第5海山南方尾根の水深5,500mに広がるコバルトリッチクラストの現場観察に成功し、研究用のコバルトリッチクラスト試料を採取しました。これまでは、詳細なコバルトリッチクラストの調査のために、拓洋第5海山にて水深3,500mまでの現場観察と試料採取が連続的に行われていましたが、そこから2,000mも水深方向に延伸するものです。さらに、水深1,150m、3,000m、5,500mという異なる3つの水深での電磁流速計の設置、現場培養・化学吸着装置を設置しました。これによって、コバルトリッチクラストが形成される環境での有用なメタルを効率的に集めるメカニズムを観察し、さらには、コバルトリッチクラストの成長や有用メタル濃集に関わる微生物の観察が可能になり、コバルトリッチクラストの成因研究に大きな前進が期待されます。今回の調査で、南方尾根水深4,500m付近にコバルトリッチクラストが広がっていることを確認し(図3)、約2cmから約7cmの厚みのコバルトリッチクラストを採取しました(図4)。さらに南方へ進んだ5,500m付近では、崩れた崖が続く海底の所々に板状のクラストや庇状のクラストがあることを確認し(図5)、マニピュレータを使って幅30~40cm、厚さ約3cm~約8cmの板状の多数のクラスト試料を採取しました(図6)。これまで、大水深のコバルトリッチクラストのほとんどが船上からドレッジ(ケーブルで降ろしたバケツ状の採取器具を底引き網のように引っ張ること)によって試料が採取されているために、その試料は転石と呼ばれる現地性を確証できない試料でした。また、有人潜水調査船による火山岩の調査で同時にコバルトリッチクラストが採取された例はありますが、コバルトリッチクラストの調査を目的としていないため、散点的に発見されたものでその広がりは明確ではなく、試料採取も系統的なものではありませんでした。さらに、無人探査機を用いたコバルトリッチクラストの現場観察を系統的に行ったのは、拓洋第5海山の一連の調査のみで、水深も3,500mが最深でした。今回の調査により、拓洋第5海山の深さが5,500mを超える斜面にコバルトリッチクラストの広がりが確認され、さらに試料採取も行えたことから、コバルトリッチクラストの形成メカニズムを解明するための微生物学的・地球化学的機能の分析が行えるようになります。
4.今後の展望
 採取したコバルトリッチクラスト試料の化学組成、同位体組成を分析し、水深によるレアメタル濃度(品位)の違いを調べます。そのデータと、海水の溶存酸素濃度や海水の元素組成とを比べることで、コバルトリッチクラストのレアメタル濃度を決めている要素を明らかにすることが期待されます。また、微生物の解析を行うことによって、コバルトリッチクラストに存在する微生物の種類等を把握します。現場培養装置と化学吸着装置は、いわゆる天然での実験装置であり、次年度に予定されている調査航海にて回収を行い、その分析・解析を行うことによって、深海におけるコバルトリッチクラストと海水との相互作用を把握し、コバルトリッチクラストに元素が濃集するメカニズムの全容を把握するとともに、微生物とコバルトリッチクラストの形成開始,成長との関わりを明らかにできることが期待されます。我々は拓洋第5海山をコバルトリッチクラストの成因研究を行うためのモデル地域と位置づけており、これまでの研究の蓄積と今回の成果、および、今後得られるデータにより、コバルトリッチクラストの成因の解明に迫ります。これを基にSIP「次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)」における「海洋資源の成因に関する科学的研究」の目的である高品位のコバルトリッチクラストの存在地域の予測と、調査手法の開発につなげます。これらの成果は、コバルトリッチクラストの鉱量評価にも貢献します。
※1 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)
 総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が自らの司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野の枠を超えたマネジメントに主導的な役割を果たすことを通じて、科学技術イノベーションを実現するために平成26年度より5カ年の計画で新たに創設したプログラム。CSTIにより選定された11課題のうち、「次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)」(プログラムディレクター 浦辺 徹郎、東京大学名誉教授、国際資源開発研修センター顧問)はJAMSTECが管理法人を務めており、海洋資源の成因に関する科学的研究、海洋資源調査技術の開発、生態系の実態調査と長期監視技術の開発を実施し、民間企業へ技術移転する計画となっている。
※2 深海調査研究船「かいれい」KR16-01 leg1航海(首席研究者:飯島 耕一、JAMSTEC海底資源研究開発センター調査研究推進グループ技術主任、調査期間:平成28年1月9日~1月30日)
※3 コバルトリッチクラストの経済価値
 一般社団法人日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)の見積もりでは、日本周辺のコバルトリッチクラストの経済価値は、回収率45%を仮定し、約100兆円とされている。現時点で商業的に採掘されている例は無く、深海から環境への影響を適切に評価しながら採鉱する技術を確立する必要がある。環境影響評価についてはSIP「次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)」の「海洋生態系観測と変動予測手法の開発」課題(研究代表者:山本啓之、JAMSTEC次世代海洋資源調査技術研究開発プロジェクトチーム生態系観測手法開発ユニットリーダー)において評価手法の国際標準確立を目指している。

| 男女平等::2019.3~ | 05:31 PM | comments (x) | trackback (x) |

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