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2011.10.12 食品の暫定規制値の妥当性そのものを問う
 NHK7時のニュースで、福島県産の米がすべて日本政府による暫定規制値をクリアしたという
大々的な報道がありました。しかし、食品放射能の日本政府による暫定規制値は、緊急事態に
おいて短期間の適用が想定される規制値に近い値であるため、国民の健康を守るためには、速や
かに平常時のレベルに設定し直すべきです。私は、下の「子どもたちを放射能から守る科学者ネッ
トワーク」の見解に賛成です。NHKのニュース担当者は、国民に対し、もう少し深く追求した情報を
提供すべきです。 うし 

http://hibaku.blogspot.com/2011/10/blog-post_01.html より一部引用
  「食品放射能の日本政府による暫定規制値は、『このレベルの汚染を受けた食品を飲食し続け
ても健康に影響がない』というよりは、むしろ、緊急事態において短期間の適用が想定される規制
値に近い値です。
 物流が発達し、また、国土全体に対する原子力発電所事故の直接の影響範囲の割合から考え
て、放射能に汚染されていない食品を流通させることが十分に可能な現在の日本において、緊急
時に近いレベルの規制値を政府が採用し続けていることは問題と考えます。緊急時に近いレベル
を全国的に適用することで、原子力発電所事故による降下物に直接晒されない地域において、放
射線への合理的でない暴露が生じることは、暫定規制値が採用した指標値が基づくとされる ICRP
の勧告における ALARA (As Low As Reasonably Achievable; 合理的に達成可能な限り低く)
原則に相反します。現在の日本においては、国民的議論を経て、平常時における年間 1mSv の
公衆被曝限度を厳守する規制値を設けた上で、民間の努力も通して、合理的に可能な限り暴露を
低く抑える必要があると考えます。 
 さらに、成人と、身体の形成・発達途上にあるこどもに同じ基準が適用されることも妥当と言えま
せん。また、Sr90 は、おそらくは相当量が発生・拡散し、より健康に影響を及ぼしうる核種ですが、
明示的な規制から除外されており、そのことにも正当な理由は見い出し得ません。」

 「このノートでは、食品放射能の日本政府による暫定規制値の問題点を以下のように指摘しました。
 ●緊急時の制限を国土全域に適用する合理的理由がない。
 ●公衆の年間被曝限度 1mSv を守るためには、規制値 500Bq/kg は不当に高い。
 ●暫定規制値を設けたとしても、可能な限り放射線の暴露を低く保つ努力が必要である。
 ●成人とこどもに対して同一の基準を適用することは妥当でない。
 ●Sr90 は、より健康に影響を及ぼしうる核種だが明示的に規制されていない。」

 「その上で、日本政府が速やかに次の施策を採ることを提言します。
 ●国民的議論の上、食品放射能の規制値を平常時のレベルに設定し直す。
 ●身体の形成・発達途上にあるこどもたちが専ら食するもの (例: 乳幼児食、給食) に対しては、
   別個に、より厳しい規制値を設ける。
 ●Sr90 についても明示的に規制値を設ける。
 ●民間の努力として、合理的に達成可能な限り、規制値よりも小さな独自の基準値を設け、自
   主的に検査することを求めます。」

| 報道の問題点::2011.7~2012.4 | 07:42 PM | comments (x) | trackback (x) |

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