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2013,05,10, Friday
今日の*1の記事は、前半はそのとおりだが、最後の「スーパーウーマンの呪縛から解き放たれてこそ・・・」というのはおかしい。何故なら、「スーパーウーマン」の定義が間違っているからである。例えば、サッチャー氏はスーパーウーマンである。もし、彼女が独身だったり、子どもがいなかったりすれば、スーパーウーマンではないのかと言えば、そんなことはなく、サッチャー氏がスーパーウーマンであることに変わりはない。
早く言えば、(当然のことだが)仕事の評価は仕事ですべきであり、仕事の評価にプライバシーを持ち込むのが間違いだということである。何故なら、仕事の評価を仕事でしなければ、仕事をした結果として生産される財やサービスの質と仕事の能力が連動しなくなり、これは、個人がよい仕事をするために努力しようとする意欲をそぐとともに、経営上も、よい結果をもたらさないからである。そして、それは、男性か女性かを問わず同じだ。つまり、例えば、おもちゃ会社の役員として、子育ての経験をしたことのある人が優れていたとすれば、子育ての経験をキャリアとして活かすことができたと言えるが、子育ての経験のみが仕事の能力を形成しているわけではなく、また、すべての仕事にそれが当てはまるわけでもないため、結婚や子育て自体が仕事の能力に影響するとは限らないということなのである。 *1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130510&ng=DGKDASGU2801Y_Q3A430C1MM8000 世界を動かす(2) ガラスの天井破る 企業トップ、誇りと試練 オバマ政権下の軍事予算削減で揺れる米国の防衛産業。重厚長大の代表格で「男の牙城」だったこの業界で、女性登用が瞬く間に進んでいる。 ●軍事大手幹部に ロッキード・マーチンで1月、女性初の最高経営責任者(CEO)にマリリン・ヒューソン(59)が就任。ゼネラル・ダイナミックス、BAEシステムズ米国法人を合わせ米防衛大手3社のトップに女性が並んだ。女性の昇進を阻む見えない障壁「ガラスの天井」を突き破った女性たちはさらに続く。ロッキードは最大事業の最新鋭ステルス戦闘機F35担当副社長に女性のロレーン・マーチン(50)を起用。1月に事業運営全般を統括する副社長にリンダ・ミルズ(63)を据えたノースロップ・グラマンは幹部の半数が女性だ。軍事予算削減の非常時だからこそのイメージ先行ともとれるが、ミルズは「様々な人材が新たな価値を生み出すことはデータが裏付けている」と女性登用は経営戦略の一つと強調する。実際、経営陣に女性がいる企業の業績はいいとの調査は多い。例えばクレディ・スイスが昨年発表した調査では、女性取締役がいる世界の企業の過去6年間の株価は、同規模の男性のみの企業より26%高かった。多様な人材効果などが影響したと分析する。ペプシコ、ヒューレット・パッカード、IBM、ヤフー……。世界的な米大手企業で女性トップが目に付くようになった。とはいえ米主要企業「フォーチュン500」社のうち女性が経営する企業は21社。過去最高だが4%にすぎない。地位ではガラスの天井を破っても試練がつきまとい、一挙手一投足が注目される。妊娠中にヤフーCEOに就き、2週間の産休後に復帰したマリッサ・メイヤー(37)。2月に在宅勤務廃止を打ち出すと、働く母親らの反感を買った。同時期に同じ方針を発表した家電量販大手の男性CEOは話題にならなかった。3月、フェイスブック最高執行責任者(COO)のシェリル・サンドバーグ(43)の著書「リーン・イン(一歩前へ)」が大論争を呼んだ。女性は社会や制度の影響もあって昇進を自制しているとの指摘に「背中を押された」との賛同の一方、30億円近い彼女の年収などを挙げて「一般女性とはかけ離れた立場での意見だ」と批判も上がった。 ●理想像の呪縛 女性学研究で知られるバーナード・カレッジ学長のデボラ・スパーは、社会は女性経営者に男性以上の資質を求め「スーパーウーマン」像を押しつけていると指摘。「スティーブ・ジョブズ(前アップルCEO)の父親ぶりは問われないが、女性は仕事に加え、良妻賢母ぶり、果ては外見まで評価される」。ハーバード経営大学院の研究者らの昨年の調査では、各国企業の男性役員の90%が既婚だったが、女性は72%。子供がいる役員は男性で90%、女性は64%にとどまった。 スパーは、全てを手にしたかのようなメイヤーらも含め「何も引き換えにせずにトップの地位についた女性はいない」と言い切る。日本より登用の進む米国だが、経営手腕が公平に評価され、スーパーウーマンの呪縛から解き放たれてこそ、企業の未来も広がる。
| 男女平等::2013.5~2013.11 | 06:12 PM | comments (x) | trackback (x) |
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