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2014,01,08, Wednesday
八郎潟の水田 大豆畑 小麦畑 とうもろこし畑 2013年9月に、公認会計士を中心とする会計人東大会で、「日本の農業発展における公認会計士の役割」という講演会を開き、農林水産省大臣官房政策課の課長に「農業の現状と課題」に関して話をしていただいた。私は、2005年~2009年の間、農業県である佐賀県を地元として衆議院議員となり、地元を廻って農業の振興について考える機会が多かったため、日本はTPPに参加しようとしまいと、農業を強い産業にしなければならず、それには、他産業の経営を多く見てきた公認会計士が、農業の現状を知った上で、農業の経営力向上の為にアドバイスすることが有用だと考えたからである。以下は、その内容を中心として書いている。 (1)農業をめぐる日本の状況 意外に思う方が多いかもしれないが、日本は、世界有数の森林資源、海洋資源を有し、耕作放棄地が2010年時点で39.6万haもある国である。また、2009年度の第一次産業(農林漁業)の国内生産額は11.1兆円で、それに関連する第二次産業(関連製造業)、第三次産業(流通・飲食業)を含めた農業・食料関連産業の国内生産額は94.3兆円であり、これは、国内生産額906兆円の10.4%を占め、わが国最大の産業になっている。そのため、農業が衰退すれば、それだけ国内生産額が減り、失業者が出る。 しかし、日本の2010年度の農業生産額(9.4兆円)は、1990年度(13.7兆円)と比較して、約70%に減少した。これは、減反政策の責任も大きいが、他産業と比較した場合の所得の低さから、次世代の若者が農業に参入したがらず、農業の就業者が減少し続けていることが大きな原因である。そのため、この解決策は、規模を拡大して就業者一人当たりの生産性を向上させ、農産品の付加価値を増大させて、農業を、若い人にとって魅力的で誇れる所得の多い産業にすることである。そして、その政策は、すでに始まっている。 (2)農業をめぐる世界の状況 「わが国は工業製品を輸出し、農産品や食料は輸入すればよい」と考える人が多くいる。しかし、世界の人口が急速に増え、中国やインドも工業化して贅沢な食料輸入国になっていく時、わが国だけが「工業製品を輸出して食料を輸入する」という方式が成り立つわけがない。工業化はそれぞれの国で進み、自国民を犠牲にしてまで食料を輸出する国はなく、食料の輸出国も買値の高い国に輸出する。 そのため、日本が食料自給率を上げることは必要不可欠であり、上のグラフのように、日本と似た先進諸外国の食料自給率は、フランスで121%、ドイツで93%であるにもかかわらず、日本は39%なのだ。 (3)農業分野で行うべき生産現場の強化 1)農地の集約 一番上の写真のように、大規模な機械を使って生産性を上げるためには、細かく分かれて分散し、飛び地となっている農地を、担い手ごとに集約して規模の拡大を行う必要がある。そのため、農林水産省は、今後10年間で担い手の土地利用が全農地の8割を占めるようにする目標を立て、その実現のために、農地中間管理機構が耕作放棄地を借り受け、農地を農地として管理しながら、農地の貸手と借手の間に立って農地の集約化を進める仕組を作ったそうである。また、農業の法人化は、既に可能になっている。 2)農業生産現場への先端技術の導入 現在は、生物学や工学の発達により、品種開発や自動化が加速化している。その一例は、ハウスで一年中いちごを生産し、出荷時には自動選別して一定の品質を持つもののみを出荷したりするもので、「糖度11度以上のいちご」というのは、地域の集果センターにいちごを集め、センサーでチェックした後、自動的に大きさ毎に選別してパック詰めするという具合だ。そのほかにも、ロボット化や自動化ができており、自動運転のトラクターも出てきたのは期待できるが、農業機械の値段が高いのはネックである。 3)第一次産業の六次産業化 農産品を作る(第一次産業)だけでなく、それに加工(第二次産業)や販売(第三次産業)を加えると、地域の雇用が増えるとともに、農産品の歩留まりもよくなり、製造物により大きな付加価値をつけることができる。「1+2+3=6」もしくは「1x2x3=6」で、これを第一次産業の六次産業化と言っているが、私は、高齢化社会で、かつ、多くの女性が働いている現在、六次産業化による付加価値は大きいと考えている。例えば、外食や中食、自宅療養を可能にする介護食品の宅配等が、それに当たる。 4)需要フロンティアの開拓 世界の人口が爆発的に増加し、開発途上国だった国も工業化して贅沢な食を求めるようになってくると、2009年に340兆円だった世界の食の規模は、2020年には680兆円に倍増すると見込まれている。特に、中国・インドを含むアジアだけで考えれば、市場規模は、2009年の82兆円から229兆円へと3倍増になる見込みだ。そうなると、日本は、食料の輸入国どころか、輸出国になるべきなのであり、農業・水産業の分野には、大きな機会が約束されていると言える。 (4)TPP、EPAなどの経済連協定について 1)TPPについて TPP協定交渉では21分野(物品市場アクセス/原産地規則/貿易円滑化/SPS/TBT/貿易救済/政府調達/知的財産/競争政策/越境サービス/一時的入国/金融サービス/電気通信/電子商取引/投資/環境/労働/制度的事項/紛争解決/協力/分野横断事項)の自由化が話し合われている。 そのうちの農業に関しては、衆議院、参議院の農林水産委員会で、「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対象とする」「農林水産分野の重要五品目などの聖域の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとする」と2013年4月18日、19日に決議されているが、そもそも農業は、重要五品目の関税を堅持すれば足りるというものではなく、TPPに入れば、日本の方が進んでいる食品安全基準も外国に合わせなければならず、ISD条項まであるのだ。 その上、工業製品は、日本国内で生産して輸出するよりも、現地生産を行う方が儲かる経済構造になっているため、TPPが日本の工業に与えるメリットはさほど大きくなく、食料生産に与えるディメリットは膨大であるため、私は、TPPに参加するよりも、丁寧に条件を吟味しながら、それぞれの国とEPAを結ぶ方が賢明だと考えている。 また、政府統一見解でも、供給熱量ベースで平成24年度に39%だった食料自給率は、TPP締結後は27%まで下落し、農業の多面的機能の喪失も1兆6千億円に上ると見込まれているため、ここまで国益に反した意思決定をする政府は、おかしいと言わざるを得ない。 2)EPA(経済連携協定)の現状 わが国は、シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、ASEAN、フィリピン、スイス、ベトナム、インド、ペルーとは既にEPAを締結し、現在、オーストラリア、モンゴル、カナダ、コロンビア、中国、韓国、EU、GCC(湾岸協力理事会加盟国:バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連)と締結交渉中だ。私は、国毎に条件を吟味しながら、丁寧にこちらを築いていく方が国益になると考えている。 (5)今後の農業に必要なこと (1)(2)(3)で述べた基本方針を全力で実現するためには、*1、*2のように、実用化を視野に入れた研究開発が重要である。また、*3のように、使わずに害獣としてきた野生動物を資源化したり、*4の国有財産として登録した離島や耕作放棄地を農業生産に利用したり、*5のように、農業分野で新規事業を立ち上げたりなどの地道な努力が必要なのである。 *1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140107&ng=DGKDZO64950530X00C14A1EE8000 (日経新聞 2014.1.7) 強い農業、異分野と育成、農水省、工学・医学部に拠点 自動収穫機やアシストスーツ開発 農林水産省は農業の競争力強化へ向け、異分野との産学連携を後押しする。2014年度に大学の工学部や医学部に農業の研究拠点をつくり、ロボット技術などを農業の現場に生かす。自動車メーカーやIT(情報技術)企業の農業参入も促し、新しい技術や生産システムを開発する。環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉妥結を見据え、農業の作業効率を高めて生産コストを引き下げる。農水省は2月に農業の研究拠点をつくる大学を公募する。近く立ち上げる有識者会議を通じて、3月に5つ程度の大学を選ぶ。基準は大学が提供できる研究設備や教員数が中心になる見通し。研究テーマや課題解決に必要な人材の募集などの情報を発信できる体制も評価する。農水省が農業関連以外の学部で研究拠点を設けるのは今回が初めて。13年度補正予算と14年度予算から20億円程度を捻出する方向だ。研究内容では、種まきの際に数センチ単位で種同士の距離を調整したり、衛星からの情報をもとに自動で耕作したりする機械を開発する。脳神経などが専門の医学生と連携し、食生活の洋風化が若者のストレス増加につながっているかを研究。結果を公開し、食品会社にコメなど和食の需要促進につながる商品開発を促す。 農業生産法人と一般企業の連携も後押しする。IT企業やロボット開発会社とは、高齢者や女性が長い時間、農作業しても、首や腰に負担をかかりにくくする補助機器「アシストスーツ」を低価格でつくり普及させる。色を識別するセンサーで農作物の位置を確認し自動で収穫するシステムの実用化も目指す。自動車メーカーからは生産管理の担当者を1~2年間、農業法人に派遣することを想定。農産物の生産過程でのムダを探し農業版の「無駄削減マニュアル」を作成する。一般企業の数十社がすでに農業法人との連携を検討しているという。政府は農産物の生産コストの引き下げを目指す。来年度から農地の大規模化を進めるほか、減反政策も18年をめどに終える方針。新しい生産技術やシステムの開発も併せて進めることで農業の効率化を一段と進める。TPPでは農産物の関税率引き下げを迫られる可能性が高く、生産効率の引き上げは急務になっている。政府は成長戦略でコメの生産コストを現在の60キログラムあたり1万6000円から10年後に4割引き下げる方針を打ち出している。 みかん畑 葡萄畑 ひまわり畑 ハウス栽培のイチゴ *2:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=24954 (日本農業新聞 2013/12/10) 施設園芸に自然エネ活用 佐賀県農研など 佐賀県農業試験研究センターなどは、施設園芸での自然エネルギー活用を探っている。フィルム型や防草シート一体型の太陽光パネルなどで発電。局所加温やヒートポンプ、発光ダイオード(LED)の利用で省エネを進める。これまでに、菊やイチゴの栽培と発電を両立する手法の開発にめどを付けた。 ●ハウスに太陽光パネル 発電兼ねた防草シート 小型で静かな風力発電 イチゴと菊の試験は、それぞれハウス1.2アールで進める。イチゴは「さがほのか」を9~5月ごろまで栽培。機械室の屋根内側に、出力が計2.2キロワットのフィルム型太陽光パネルを設置。フィルム型は自由に曲げられ、ハウスに設置しやすい。屋根内側への設置は簡単に施工でき、耐候性が高い。暖房は、九州電力と開発した温水循環器で局所加温し、ハウス内は無加温だ。高設栽培で、夜間を中心に株元を20度と25度で温めたところ、収量がやや減少。今作は暖房効果を高めるため、土耕栽培で試験している。菊は6~10月に夏秋輪菊を、10~3月に秋冬スプレイ菊を栽培。栽培室に、出力が計4.9キロワットのフィルム型パネルを設置し、展張を調節できる可動式にした。ヒートポンプによる冷房で奇形花の発生が減り、品質が向上した。2012年度は、栽培期間は東側の屋根内側で朝に発電。夏場にパネルを半分展張した状態では、収量は慣行と同程度だが開花がやや遅れた。休作期間は全て展張した。13年度は西側の屋根で夕方に発電している。イチゴ、菊の他に、用水路のり面に設置した防草シート一体型のパネルや、小型で騒音が少ない風レンズ風車でも発電。発電関係のコストは約2000万円だった。発電量は、12年2~11月で3471キロワット時、12年12月~13年3月上旬で559キロワット時だった。イチゴ、菊栽培の両方でLED電照も導入し、生育や収量、省エネの効果をみている。同センターは「やり方やコストなど取り組みやすさを確認し、生産者に示したい」と話す。試験は12~14年度。同県果樹試験場でも、太陽熱温水暖房などの利用法を探っている。 *3:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=25161 (日本農業新聞 2013/12/21)[鳥獣害と闘う]捕獲鹿を飼育 ジビエに脚光 衛生的で均質、供給安定 北海道 北海道を中心に、野生の鹿を捕獲して、一時的に牧場などで飼育した上で、肉として出荷する養鹿(ようろく)事業に脚光が集まっている。ジビエ(野生鳥獣肉)に消費者の関心が広がり、コンビニエンスストアや生協も販売を手掛けるようになる中、養鹿は、衛生管理が徹底された肉の安定供給につながるためだ。鳥獣害の出口対策としてジビエの普及に力を入れる府県の自治体も、有力な手法の一つとして注目している。北海道釧路市阿寒町に広がる6ヘクタールの広大な牧場。見た目には牛の放牧場と大差ないこの牧場は、建設事業を手掛ける北泉開発の養鹿牧場だ。搬入・搬出する場やと畜場も併設。と畜方法は豚と同様で、餌は配合飼料で牛とほとんど同じだ。「家畜と同レベルに衛生面を担保したエゾシカ肉の出荷ができる。消費者が求めている肉を出荷できる仕組みだ」。同社の曽我部元親常務は胸を張る。同社は2003年に深刻化するエゾシカの農林業被害の解決と地域活性化を目指し、養鹿事業と肉の出荷に乗り出した。囲いわなで年間500頭を捕獲し、耳標をつけて放牧。半年から1年肥育して出荷する。野生のエゾシカを山で仕留めて肉にする方法に比べ、食肉にするまでの出荷体系が整い、衛生的で均質な食肉を安定して供給できる。 ●生協も販売開始 同社などで養鹿した食肉に、近年需要が急増している。コープさっぽろは、10月から、道内6店舗でエゾシカ肉の販売を始めた。これまでは野生動物の取り扱いに慎重だったが、養鹿で安全性が一定水準確保されたことから販売に踏み切った。コープさっぽろ畜産部は「健康状態を牧場で把握できる。納品数量も事前に分かる」と話す。道庁によると、道内で養鹿に取り組むのは6業者で、販売先から需要が高まっているという。エゾシカ食肉事業協同組合では、コンビニエンスストアや学校給食の取引があるが、いずれも養鹿したエゾシカ肉を出荷。この他、本州のホテルや大手百貨店の引き合いもあり、需要が広がっている。同組合事務局は「山で捕獲した鹿は、処理場に入るまでの工程に不安を感じる消費者は多い。今後は、肉になるまでの過程が見える養鹿など、しっかりとした衛生管理がジビエ普及の鍵を握るのではないか」とみる。全国各地の自治体などジビエ普及を目指す地域や企業から、養鹿牧場に毎週のように視察も相次ぐ。対応するため、養鹿牧場にエゾシカや養鹿を幅広く学べる学習館を併設する事業者も出てきた。道内では、エゾシカ肉を供給する事業者が自主的にHACCP(危害分析重要管理点)を導入するなど、高いレベルの衛生管理を徹底する新たな動きも芽生えている。 ●消費拡大の契機 東京農業大学の増子孝義教授は「野生鳥獣の肉であっても、(流通や衛生面の)管理が、担保された肉を求める声が企業などの間で急速に高まっている」と指摘。その上で「養鹿は、狩猟で捕獲して食肉利用するジビエを否定するものではない。ジビエ全般の評価を高め、消費を広げる契機になる」と強調する。 *4:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2605356.article.html (佐賀新聞 2014年1月7日) 政府、領海保全へ離島を国有化 / 280の無人島 政府は7日、日本の領海の範囲を決める基点となっている約400の離島のうち、所有者がいない約280の無人島を国有化する方針を固めた。沖縄県・尖閣諸島や島根県・竹島をめぐり中韓両国との対立が生じた経緯を踏まえ、離島が日本に帰属することを明確にして領海保全を強化するのが狙い。現在の領海の範囲に変更は生じないとしている。山本一太海洋政策・領土問題担当相が7日の記者会見で明らかにした。会見で「離島を国有財産として登録し、管理を強める。そのメッセージを(対外的に)発信していく」と強調した。 *5:http://qbiz.jp/article/29501/1/ (西日本新聞 2013年12月24日) 起業支援へ8自治体連携 福岡市や佐賀県など協議会設立 地方発の起業や新規事業を増やすための自治体連携組織「スタートアップ都市推進協議会」が23日、発足した。福岡市の高島宗一郎市長が呼び掛け、佐賀県など全国8県・市が参加。中小企業庁や経済同友会の協力を得て、それぞれのベンチャー支援事業のノウハウや情報を共有して起業支援態勢の充実につなげる。参加したのはほかに、三重、広島両県と千葉、神奈川県横須賀、浜松、奈良の4市。参加自治体はベンチャー企業と大企業や投資家などを結びつけるマッチング事業を協力して実施したり、企業トップを小、中学校に招いたりする予定。都内であった設立総会で、高島市長は「日本の復活を本物にするには、地方が国を引っ張るという気概が必要だ」と主張。佐賀県の古川康知事は「佐賀県は農産物に恵まれている。農業の分野で起業を増やしていきたい」と話した。 PS(2014.1.9追加):*6のように、「岩盤規制」として緩和することが是とされている“改革”があるが、それは、農業関係では、①農業生産法人の要件を「役員の1人以上が農作業に従事すればよい」とする緩和 ②市町村と農業委員会が合意すれば、農地の権利移動の許可事務を市町村ができるようにするという緩和 である。しかし、農地を法人に売却させず50年の賃貸借としているのは、農業を営む意思のない法人が農地を取得して、なし崩し的に乱開発するのを防ぐためであり、農業を営む法人なら50年の賃貸借契約ができ、契約更新も可能であるため、それで十分な筈なのである。そのため、農業を知らない民間議員が①②に固執した政策提言をするのは、食料自給率や雇用、環境など、農業の多面的機能を考えておらず、無責任だ。 *6:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=25373 (日本農業新聞 2014/1/8) 「岩盤規制に突破口」 農業も念頭 国家戦略特区会議 初会合 政府は7日、国家戦略特区諮問会議(議長=安倍晋三首相)の初会合を開いた。昨年12月に成立した国家戦略特区法に盛り込まれた規制改革項目などとは別に、国家戦略特区で実施する新たな規制改革項目を検討していくことを決めた。諮問会議や国家戦略特区ワーキング・グループ(WG=作業部会)が全国からの提案に基づき検討する。農業分野でも新たな規制改革の検討が進む懸念がある。特区の第1弾は3月に指定する方針だ。特区の進め方について、5人の民間議員が連名で提言を提出。新たな規制改革は、次期通常国会での法改正を含め検討すべきだとした。今後2年間を集中期間として、いわゆる岩盤規制について「少なくとも特区では突破口を開く」と明記した。民間議員を務める慶応大学の竹中平蔵教授は会合後、記者団に対し農業、医療、雇用分野を念頭に「短期目標として2年で全ての岩盤規制に突破口を開く」と規制改革に意欲を示した。会合では国家戦略特区基本方針などを議論した。安倍首相は「今までの提案の深掘りや洗い出しを含め、大胆でスピード感を持った検討を進めていきたい」と述べた。閣僚からは「現場からの規制改革提案は基本的に採用すべきだ」(甘利明経済再生担当相)、「全国展開が望ましい場合は、規制改革会議が必要な検討をして迅速に対応したい」(稲田朋美規制改革担当相)など、規制改革に前のめりの発言が相次いだ。国家戦略特区法は、全国からの規制改革の提案などを基に、昨年12月に成立。地域を限定して、大胆な規制緩和や金融・税制支援を行う。農業関係では、四つの規制緩和ができるようにした。農業生産法人の要件は、役員の過半が販売・加工を含む農業の常時従事者とする要件は維持しつつ、さらにその過半の役員が農作業に従事するとの要件を緩和し、役員の1人以上が農作業に従事すればよいこととする。市町村と農業委員会が合意すれば、農地の権利移動の許可事務を市町村ができるようにする。法律に関する事項ではないが、農業への信用保証制度の適用、農家レストランの農用地区域内の設置容認などの規制緩和も想定している。 下は、講演会で、農林水産省大臣官房政策課の天羽課長に話をしていただいた時の資料で、全部で56ページあって情報量が多いため、詳しく知りたい方はクリックして参考にされたい。
| 農林漁業::2013.6~2014.1 | 02:34 PM | comments (x) | trackback (x) |
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