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2014.6.5 女性の登用を阻害する要因には、日本社会が行う評価の不公正があるということ
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2014.6.5 2014.4.17   *2-4より         *3より
西日本新聞  日経新聞  

(1)指導的地位にある女性の割合が低い理由
 *1のとおり、安倍政権は、「女性の力が不可欠として、女性の活躍を進めるために、『2020年に指導的地位にある女性の割合を30%程度にまで増やす』とした政府目標を実現させるよう、企業・国・地方自治体に対して、女性の幹部登用についての目標設定や自主行動計画の策定、情報開示を義務づけ、来年の通常国会に関連法案提出を目指す」とのことで、よいことである。

 しかし、その対策として、「働く女性が子どもを安心して預けられる環境の整備」「保育士確保プラン」「子育て支援員制度」「放課後児童クラブ(学童保育)」「家事・育児支援サービスの利用者負担軽減」しか検討しないのは、指導的地位にある女性の割合が低い理由を、「女性は、家事や子育てのため仕事を途中で辞めるからだ」とのみ考えている点で不十分である。

 実際には、*2-1、*2-2のように、生物学の常識を覆す発見をした小保方氏に対しては、メディアを中心に、本質ではないことでしつこくあら探しをしてケチをつけ、*2-4のように、再現実験を行おうとしている段階で、理研が進めるSTAP細胞の検証実験に参加させるとして(?)、小保方氏にSTAP細胞の主要な論文を撤回することを同意させた。そして、これにより、小保方氏の実績はなかったことになった。

 また、*2-3は、ハーバードで研究してきた小保方氏に対し、理研が英語の面接を行わなかったことを例外として問題視しているが、英語力で科学者としての能力が決まるのではなく、英語の論文を読み書きでき、英語でプレゼンテーションでき、英語で外国人研究者とコミュニケーションして共同研究できればよいため、ハーバードで研究していた小保方氏に対して、この批判は当たらない。それが嘘だと思うなら、日本の全研究者にTOEFLの試験をしてみればわかる。つまり、小保方氏が若い女性科学者だからこういうことを言ったのであり、小保方氏が40歳前後の男性研究者なら同じことは言わなかっただろう。

 なお、理研の再現実験が順調に進まず、外部識者からなる改革委員会の岸委員長が、「科学者として再現実験させることが責任を果たすことになる」と語ったそうだが、明治時代に繭から絹糸を紡いで外貨を稼いだのが少女たちだったことを考えれば、偉そうなことを言っている上司の男性の方が、このような実験がうまいとは限らない。

(2)「生めよ増やせよ」論が、しつこい
 *3のように、「①日本の子どもが減り続けているので、社会全体で人口減への危機感を共有し、少子化対策を急がなければならない」「②出生数と死亡数の差である自然増減はマイナス24万人と、3年連続で20万人を超えた」とする論調が、大げさに、かつ、しつこく繰り広げられている。しかし、このブログの2014.5.5を始めとして「年金・社会保障」や「人口動態・少子高齢化・雇用」のカテゴリーに、私が何度も書いているように、①については、子どもを持ちたい人が持てるようにするための処方箋は既にできており、それは「生めよ増やせよ」論の展開ではない。また、②は、人口ピラミッドから見て当然のことであって、今頃、脅しをかけて大げさに騒いでいるのがおかしいのである。

 そして、「子どもを持つ持たないは個人の選択であり、望んでも授からない夫婦もいるので、女性が圧力と感じることがないよう丁寧に対応してほしい」と申し訳程度に記載してあるが、(1)と(2)を合わせれば、「女はどうせ大した能力はないから、子どもを産むのが一番の仕事であり、望んでも授からない夫婦は気の毒なのである」ということになり、失礼千万だ。

 私は、子どもか仕事かの二者択一をさせられたため、自己実現のために仕事を選んで子どもを作らなかったが、私の夫は、そういう私の能力を評価して尊敬し護ってくれ、それは、(子どもや家族ではなく)私自身に対する愛であるため、私の結婚生活は大変幸せだったことを記載しておく。それが本当の夫婦愛であり、幸せではないのか。

*1:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10202/70465
(日経新聞 2014年6月3日) 成長戦略で女性登用の目標義務化、企業と国、自治体に
 政府が今月まとめる新たな成長戦略に盛り込む女性の活躍推進策の全容が3日、分かった。企業と国、地方自治体に対し、女性の幹部登用についての目標設定や自主行動計画の策定、情報開示を義務づけ、来年の通常国会に関連法案提出を目指すことなどが柱。企業の取り組みを進めるため、優遇策も検討し、2014年度中に結論を出すとした。安倍政権は減少しつつある労働力人口の確保には女性の力が不可欠としており、女性の活躍を進めている。法整備によって「20年に指導的地位にある女性の割合を30%程度にまで増やす」とした政府目標を実現させる狙いがある。推進策では、国家公務員の女性採用や幹部登用を拡大。5月末に発足した内閣人事局のほか、全府省の次官級で構成する「女性活躍・仕事と家庭の調和推進協議会」を新設し、府省ごとの女性登用の目標や進み具合を公表する。女性の社会保障制度や配偶者控除などの税制の見直しについては、政府の経済財政諮問会議の下に新たな議論の場を設け「年末までに一定の結論を得る」とした。働く女性が子どもを安心して預けられる環境の整備にも取り組む。保育所の待機児童の一因となっている保育士不足を解消するため、数値目標と期限を示した工程表を「保育士確保プラン」として策定。子育て経験がある主婦らを対象にした「子育て支援員」(仮称)の資格を創設する。共働き家庭などの小学生を放課後に校内や児童館で預かる「放課後児童クラブ」(学童保育)の定員を19年度までに30万人分増やす。このほか、家事・育児支援サービスを安価で安心して使えるように、利用者負担の軽減などを検討する。

*2-1:http://digital.asahi.com/articles/ASG584SMVG58PLBJ007.html?ref=reca
(朝日新聞 2014年5月8日) 小保方氏側「結論ありきで残念」 再調査せぬ方針に
 理化学研究所がSTAP細胞の論文に研究不正があるとした調査結果に対する不服申し立てを退けたことを受け、理研の小保方晴子ユニットリーダーの代理人の三木秀夫弁護士は8日午後、大阪市内で、「結論ありきだ。腹立たしく残念に思っている」と報道陣に話した。その上で、英科学誌ネイチャーに掲載されたSTAP細胞の論文を撤回する意思はないことを改めて表明した。三木弁護士は、理研が不服申し立てを退けた報告について「何の連絡もないのに、診断書が出ていないとか一方的に書かれている」と反論した。小保方氏は理研の決定を聞いて「何を言っても通らない、絶望感にとらわれている様子」だという。

*2-2:http://www.nikkei.com/paper/related-article/?b=20140605&c
(日経新聞 2014.6.5) マウスの間違い、説得力なくした
 上昌広・東京大学特任教授(医療ガバナンス)の話 細胞の遺伝子などを解析した結果、マウスの種類が違っていたのは非常に大きな影響力がある。小保方氏側は単純なミスというかもしれないが、辻つまが合わず説得力はなくなった。ただ理研は撤回を理由に再調査しないというが、調査しなければ様々な不正が「なかったこと」になる。再発防止のためにも徹底的に調査をすべきだ。

*2-3:http://digital.asahi.com/articles/ASG6504LXG64ULBJ024.html
(朝日新聞 2014年6月5日) 理研、小保方氏に英語面接せず 特例的に採用か
 理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)が2012年12月に実施した小保方晴子ユニットリーダーの採用面接で、英語のヒアリングを実施せず、2通必要な推薦状が1通もない状態だったことがわかった。CDBがまとめた報告書案で明らかになった。CDB側が当時、STAP研究を重視し、実績のない小保方氏を特例的に採用した状況をうかがわせている。CDBはSTAP細胞の研究不正を受け、小保方氏の採用過程を含む組織上の問題を点検していた。

*2-4:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140605&ng=DGKDASGG04027_U4A600C1EA2000 (日経新聞 2014.6.5) 疑惑の果て、白紙 「世紀の発見」STAP論文撤回、小保方氏、再現実験には参加も
 理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーは、STAP細胞の主要な論文を撤回することに同意した。理研が4日、小保方氏から同意するとの書面を受け取ったことを明らかにし、小保方氏の代理人も事実関係を認めた。撤回に反対していた主要著者のチャールズ・バカンティ米ハーバード大学教授も同意しており、英科学誌ネイチャーが論文を取り下げれば研究は白紙に戻る。科学技術立国に向けて研究不正を防ぐ仕組みづくりが課題となりそうだ。代理人の三木秀夫弁護士は、理研が進めているSTAP細胞を再現する「検証実験に参加するためには(撤回に)応じざるを得なかった」と説明した。小保方氏は本意ではないとして「仕方がなかったんです。悲しいです」と話したという。一方、理研広報室は4日、「再現実験参加を条件に撤回に同意させたことはない」と話した。小保方氏は論文撤回に同意する書面を3日、共著者の一人である理研の丹羽仁史プロジェクトリーダーに提出した。撤回に同意したのは「アーティクル」と呼ぶ主要な論文で、STAP細胞の作製法や万能性に関する内容。小保方氏ら8人が著者に名を連ねる。アーティクルの撤回には原則、共著者全員の同意が必要。ネイチャーのニュースサイトは4日、バカンティ教授が5月30日に論文撤回を求める書簡をネイチャーに送っていたと明らかにした。これを受け小保方氏も同意に転じた可能性があるという。ネイチャーの広報担当者は「我々は独自に調査しており(論文を撤回するか)結論に近づいている」とコメントした。小保方氏はSTAP細胞の存在を主張し、撤回を強く否定していた。今回の同意の背景には、論文の不正で新たな疑惑が相次いでいるうえ、STAP細胞の存在を確かめる再現実験が難航していることがある。理研関係者は「ここまで出てくるとSTAP細胞の存在は疑わざるを得ない」と語る。理研は3日、論文に掲載した遺伝子データの調査結果を公表。論文でSTAP細胞の遺伝子としていたデータを調べたところ、ほかの万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)が混入した疑いが強まった。理研が不正と認定した画像の切り貼りなどの行為に加え、新たな疑惑が浮上した格好。科学的証拠から疑問が投げられ、もし裏付けられれば研究自体の存在が完全に消える深刻な内容だ。次々と明らかになる論文の不正疑惑に、小保方氏はかたくなに拒否していた撤回をせざるを得ない状況に追い込まれたといえる。再現実験は思うように進んでいない。「『もう限界』と泣きが入るぐらいだ」(理研関係者)という。ただ理研は予定通り来春まで続ける考え。外部からは小保方氏を再現実験に参加させるべきだとの意見がある。理研の外部識者からなる改革委員会の岸輝雄委員長は「科学者として再現実験させることが責任を果たすことになる」と語る。

*3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140605&ng=DGKDZO72292050V00C14A6EA1000 (日経新聞社説 2014.6.5) 人口減への危機感共有し少子化対策急げ
 日本の子どもが減り続けている。2013年の出生数は前年より約7千人少ない103万人弱にとどまり、過去最少を更新した。1人の女性が生涯に産む子どもの数の推計である合計特殊出生率はわずかに上昇したが、1.43と依然、低水準だ。母親となる年代の女性の数が減っており、出生率がわずかに改善しても子どもの数は増えない。出生数と死亡数の差である自然増減はマイナス24万人と、3年連続で20万人を超えた。社会全体で人口減への危機感を共有し、少子化対策を急がなければならない。なにより大事なのは、結婚したい、子どもを持ちたいという若い世代の希望がかなうような環境を整えることだ。雇用が安定せず、結婚や出産に踏み切れない人は多い。就業支援や、非正規雇用の処遇改善などを通じ、将来への不安を和らげる必要がある。
 経済的な負担が重くなりやすい多子世帯への支援もしっかり考える必要があるだろう。保育サービスの充実や、男性を含めた働き方の見直しも、引き続き進める必要がある。長時間労働が常態化した硬直的な働き方のままでは、女性は仕事か子育てかの二者択一を迫られる。国や自治体だけでなく、企業経営者などの努力が求められる。長年の少子化傾向を食い止めることは容易ではない。高齢者に偏りがちな社会保障の配分をどう工夫するか。財源の確保を含め、本格的に議論する時期が来ている。ここに来て、「50年後に1億人程度」という人口の目標値の議論が盛んになってきた。ただそれには、合計特殊出生率が2を超えて上昇することが前提になる。子どもを持つ持たないは個人の選択であり、望んでも授からない夫婦もいる。女性が圧力と感じることがないよう丁寧に対応してほしい。子育てを阻む壁を取り除き、若い世代の希望に寄り添う。その結果として子どもが増えていく道筋をつくりたい。このまま少子化が進むと、労働力不足や国内市場の縮小などで経済活動が勢いを失い、社会保障制度の土台も揺らぎかねない。少ない人口でも社会の活力を維持する方策を考えることはもちろん大事だが、それだけでは足りない。子どもたちは、未来だ。座して人口減を待つのか。危機感を共有し、一層の対策を打ち出すのか。時間は残されていない。

| 男女平等::2013.12~2014.6 | 08:26 PM | comments (x) | trackback (x) |

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