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2014,06,15, Sunday
シーレーン *3より 2015.6.15日経新聞 (1)シーレーンの機雷掃海は、日本国民の生命、自由、幸福追求に不可欠か? *1に書かれている、自民党が集団的自衛権を行使するのに必要とする自衛権発動の「新3要件」の(1)の中で、我が国に対する武力攻撃が発生し、他に適当な手段がないため、必要最小限の武力行使をした際に、それを応援した国への武力攻撃に対して自衛隊が反撃するのは当然で、これは個別的自衛権では説明できず、集団的自衛権の限定的行使と言えるだろう。 また、*1では、「他国に対して武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される恐れがある場合も、集団的自衛権の行使が認められる」としており、*2によれば、「①それは、中東のホルムズ海峡を念頭にしたシーレーンの機雷掃海を含む」「②理由は、石油の輸入が困難に直面すれば石油も物価も高騰し、株価も大きな影響を受けるため、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される恐れがあるから」としている。 しかし、相手が海賊やテロリストではなく国の場合に①を行えば戦争となり、日本国憲法9条に違反する。また、その理由とされる②は、わが国本位の利己的な都合にすぎない上、「わが国は資源が乏しい」「中東の石油輸入が困難になれば存立が脅かされる」などというのは、50年1日の如く、念仏のように同じことを唱えているものだ。実際には、わが国は排他的経済水域に天然ガスを埋蔵し、自然エネルギーを使って電気や水素を作れる国であるにも関わらず、政府の不作為で、それらを行わなかったのである。そのため、日本は、シーレーンの機雷掃海のために武力行使をするよりも、むしろ天然ガスや水素の輸出国になるべきで、その方が、環境と両立でき、国民の幸福追求の権利は、より達成される。 なお、中東から日本に原油を運び、日本で石油化学工業を行って工業製品を輸出するというスキームは、現在では古い上、運搬時の環境負荷が大きい。鉱業も6次産業化すれば、不要なものまで運搬しなくてすむため、石油化学工業は産油国で行うようにすれば、中東にも雇用ができ、民衆の教育・文化レベルが上がって、*3のような宗教戦争は収まるだろう。日本は、植物や天然ガスから工業製品を作り、水素をエネルギーとして使う技術を開発すればよいのであり、これが、日本にできる地球貢献である。 (2)「テロリスト」は、何故テロリストになったのか? *3のように、イスラム過激派「イラク・シリアのイスラム国」というテロリストが、イラクの首都バグダッドへの進撃を目指しているため、イラクのマリキ首相が掃討作戦開始の声明を出し、隣国イランのロウハニ大統領もイラクから要請があれば支援する用意があると表明したそうだ。日本で集団的自衛権の論議をしている時に、タイミングが良すぎると思うが、中東地域はこのような争いが多い。 これを根本的に解決するには、先に工業化した国と産油国の一部の為政者が原油争奪戦を繰り返すのではなく、産油国である中東に上質の雇用を作って文化・教育のレベルを上げ、民衆の暮らしを豊かにして、古い宗教に救いを求めて争う気持ちを無くさせるのがよいと考える。将来の地球人口を思えば、中東では、石油化学工業だけでなく、砂漠での農地開発も行うべきであるし、イスラム教の下での異常なまでの女性差別に対する内部からの抗議は命をかけたものにならざるを得ないため、その環境を変えるべきなのである。 *1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11189040.html?_requesturl=articles%2FDA3S11189040.htmlamp (朝日新聞 2014年6月14日) 自民案、9条を逸脱 武力行使3条件、閣議決定案の柱 集団的自衛権 自民党は13日、集団的自衛権を使えるようにするため、自衛権発動の新しい前提条件(新3要件)を公明党に示した。安倍晋三首相がめざす集団的自衛権行使を認める閣議決定案の柱となる。公明の山口那津男代表も同日、「合意をめざしたい」と述べ、限定的に行使を容認する方向で党内調整を始めた。憲法9条の下で専守防衛に徹してきた日本だが、この枠組みが外れることになる。これまで自衛権は、憲法9条のもと日本が直接攻撃を受けた時にだけ反撃できる「個別的自衛権」に限られ、その発動の3要件の一つが「我が国に対する急迫不正の侵害がある」ことだった。だが、自民党の高村正彦副総裁が13日の与党協議で示した「新3要件」では、「他国に対する武力攻撃が発生し」た時も自衛権を発動できるとし、集団的自衛権の行使容認を明確にした。加えて自民は新3要件の一つに、1972年の政府見解で示された「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがあること」との文言も盛り込んだ。公明がこの72年見解を踏まえ、集団的自衛権を狭く限定する形での容認を検討していることから、公明の理解を得やすくする狙いがある。しかし、72年見解は「集団的自衛権の行使は憲法上認められない」と結論づけており、都合のよい部分だけを切り取ったに過ぎない。政府は13日、新3要件を内閣法制局に示し、細かな文言調整をするよう審査を指示した。公明党と合意に至れば、集団的自衛権の行使を認める閣議決定案に盛り込む考えだ。ただ、新3要件には、ときの政権の判断で自衛隊の活動範囲を拡大できるようなあいまいな表現がある。公明党は朝鮮半島有事での対応など極めて狭い範囲に限って認めることを想定しており、早速、「自衛隊の活動が際限なく広がりかねない」(党幹部)との批判が出ている。今後の協議で文言をめぐる攻防が予想される。 ■参戦の道、歯止めきかぬ 《解説》自民党が提示した新3要件は、日本を守る場合に限って武力を使うことを認める「専守防衛」という、戦後日本が長年にわたって守ってきた基本方針を事実上放棄するものだ。新3要件が適用されれば、日本は自分の国への攻撃がなくても、ときの政権の政治判断によって、他国どうしの戦争に参戦できるようになる。日本は先の大戦の反省を踏まえ、これまでの3要件では、日本を防衛する目的であっても自衛隊の出動を厳格に抑制してきた。武力行使が可能となるのは、自国が直接攻撃される「急迫不正の侵害」という明確な基準を設けた。さらに、政府は武力行使が可能となる具体的な場面を国会答弁などで例示してきた。例えば、北朝鮮を念頭に置いた弾道ミサイル攻撃への対応については、相手国から「東京を火の海にしてやる」という表明があり、発射態勢になった場合などと、具体的に答えている。一方、今回の発動要件は「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれ」としており、極めてあいまいだ。ときの政権が「我が国の存立が脅かされるおそれがある」と判断すれば、「地球の裏側」での戦争でも、参戦できるようになる。自民党の提案は集団的自衛権の行使を認めているうえ、その歯止めにもならない。行使に慎重姿勢を示してきた公明党は、これにどう向き合うつもりか。「平和の党」を自任する公明党の存在意義が問われている。 ◆自民党が集団的自衛権を行使するのに必要とする自衛権発動の「新3要件」 憲法第9条の下において認められる「武力の行使」については、 (1)我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は他国に対する武力攻撃が発生し、これにより 我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される おそれがあること (2)これを排除し、国民の権利を守るために他に適当な手段がないこと (3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと という三要件に該当する場合に限られると解する。 *2:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10202/74157 (佐賀新聞 2014年6月14日) 与党協議、機雷掃海も視野に議論、自衛権3要件で首相 安倍晋三首相は14日、自衛隊による国際的な機雷掃海活動について、日本への攻撃がなくても他国に対する武力攻撃が発生した場合に自衛権発動を認める新たな3要件の対象とすることも視野に議論する考えを表明した。公明党は集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈変更を容認する方向だが、対象事例を限定的に捉えており、与党協議の焦点になりそうだ。首相は、視察先の鳥取県境港市で記者団に「正面から向き合っていく必要がある。当然、機雷掃海も視野に入れて議論したい」と述べた。同時に「資源の少ない日本にとって、海外からの石油や食料は死活的に重要だ。日本がなすべきことはやらなければならない」と強調した。これに関連し、自民党の石破茂幹事長は、新3要件の下でも、集団的自衛権行使を容認すべき事例として政府が示した国際的な機雷掃海活動など全8事例への対処は可能と明言した。「できると思っている。国民生活を根底から覆す蓋然性が高いと評価されれば認められる」と広島市内で記者団に語った。石破氏は、輸入原油の多くが通過する中東のホルムズ海峡を念頭にしたシーレーン(海上交通路)の機雷掃海に関し「石油の輸入が困難に直面すれば石油も物価も高騰する。株価も大きな影響を受ける」と指摘した。3要件は、自民党の高村正彦副総裁が13日の与党協議会で「たたき台」として提示。自衛権行使の要件の一つとして「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される恐れがある」場合を挙げた。 *3:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10201/74194 (佐賀新聞 2014年6月14日) イラク軍、過激派に反撃準備、掃討作戦の開始宣言 イラクのマリキ首相は13日、首都バグダッドへの進撃を目指すイスラム過激派「イラク・シリアのイスラム国」に対する掃討作戦の開始を宣言する声明を出した。イラク軍高官は14日、攻防戦の焦点となっている中部サマラに援軍が到着、反撃の準備を整えたと語った。フランス公共ラジオが伝えた。隣国イランのロウハニ大統領は14日の記者会見で、イラクから要請があれば支援する用意があると表明した。ただし、まだ要請は受けておらず、軍部隊の派遣については「していないし、しないと思う」と語った。シーア派のイランは同派主導のマリキ政権と緊密な協力関係にあるが、米国などの反発が必至である直接的な軍事介入には慎重とみられる。マリキ政権はバグダッドの北方約100キロ前後に位置する中核都市サマラ、バクバを首都防衛ラインとして死守する構えだ。同ラジオによると、治安部隊と政府支持派の住民は13日、両市の間に位置するドルイヤ周辺で武装勢力を撃退した。バグダッドやイラク南部では、シーア派最高権威シスタニ師の「テロリストとの戦い」への参加呼び掛けに応じ、多数の住民が志願を登録した。
| 外交・防衛::2013.1~2014.8 | 09:25 AM | comments (x) | trackback (x) |
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