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2014.8.6 街づくり、鉄道の高架化、自然エネルギーの推進を同時に行えば、自然に次の時代に進めるということ (2014.8.7、8.9に追加あり)
  
    *1-2より       全面太陽光発電ハウス   *3-2より  

(1)街づくりと省エネ・節電技術の関係
 *1-1のように、住宅メーカーは、省エネルギー型住宅「スマートハウス」への切り替えを進めており、積水化学、パナホーム、大和ハウスは、現在でも注文住宅の多くに、太陽光発電とHEMSを備えているそうだ。また、国は、2020年までに省エネ設備の導入を含む新しい省エネ基準を住宅に義務化するとのことであり、よいと思う。

 マンションについては、太陽光発電装置を置くのに一定の傾斜が必要という規制があるため見た目よく取り付けられず、また、ビル用の太陽光発電装置の進歩も遅いため、現在は、*1-2のような電気代節約目的の高圧一括受電を行うのが精一杯だ。しかし、マンションやビルも、自家発電でインフラを動かせなければ安心して居住することはできないため、建材と一体化したスマートな太陽光発電装置の開発が望まれる。

 このような中、*1-3-1、*1-3-2のように、福岡県みやま市と住宅設備のコンサルティング会社「エプコ」が、市内2千世帯の電力使用状況を把握して節電に繋げる取り組みを始め、電力小売り完全自由化後には、みやま市は自治体による電力供給事業も視野に入れているそうだ。上下水道やゴミ処理も自治体が行っているため、市は、電線をひくのも電力を供給するのも容易だろうし、HEMSを高齢者家庭の見守りに利用するのも、プライバシーの侵害にならない程度なら、よいアイデアである。そのため、他の自治体も参考にすればよいと考える。

(2)自然エネルギーの利用は進んできたが、機器の進歩が遅い
 *2-1のように、オリックスが、三菱化学物流の倉庫7棟の屋根を賃借して出力2.5MWの太陽光発電所の運転を開始し、今後、全国148カ所で、屋根を利用した太陽光発電を計画して、合計出力は68.9MWに達するそうだ。このほか、駐車場に太陽光発電の屋根をつければ、自動車が風雨に晒されず、電力の供給もできるため、一石二鳥だろう。

 また、*2-2のように、北海道内には風力発電の適地が多いけれども、鳥の衝突死が絶えないということだが、これは、鳥が飛びこまない細かさの網で覆ったり、羽のない風力発電機を造ったりなど、機器を改良すれば解決する話だ。

(3)自然エネルギーの利用、鉄道の進歩と街づくりの関係
 *3-1のように、松浦鉄道は、国の補助金が3割減となったため、2287万円分を基金から取り崩し、燃料費の高騰などを理由に運賃の改定を前倒しするそうだ。しかし、いつまでも重油を使って列車を走らせながら、国の補助金で燃料費を補填したり、運賃を上げたりするのは賢い経営とは言えない。例えば、デザインの良い蓄電池電車を使い、*3-2のJR西日本のように、駅の電力使用量を50%以下にして太陽光発電や回生電力で電力を賄って余った電力を販売するなど、先見性のある前向きな投資をすべきである。

 なお、電力が余るほど発電するためには、高架にして一階部分の壁に太陽光発電装置を取り付けるなど、いろいろな工夫があり得る。また、1階部分を駐車場、店舗、物置などとして貸し出したり、鉄道の敷地に超電導電線をひかせて土地の賃料をとったりなど、連続した膨大な土地や駅近の便利な土地を所有している鉄道会社だからこそ可能なアイデアがいくらでもある筈だ。

(4)教育・医療・介護・福祉は、街づくりのソフト部分だ
 魅力ある街づくりの重要な部分に福祉がある。そして、近年、病院に社会的入院せず、自宅で療養したり、自宅介護を受けたりする人が増えている。これは、生活の質(Quality of Life)を上げるとともに、医療費削減にも貢献しているが、それでも安心して暮らせる社会インフラを整えることは必要条件である。

 なお、自動車の運転ができない高齢者や障害者に、*4のように、タクシー利用の助成を行うのはよいと思う。例えば、高齢者がタクシー乗車券で出掛ける機会が増えれば、介護需要が減るため、このための事業費増加は、医療費・介護費の減少と同時に論じるべきだろう。

<省エネ型まちづくり>
*1-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140731&ng=DGKDZO75007210R30C14A7TI0000
(日経新聞 2014.7.31) 分譲全戸 省エネ型に、積水化学とパナホーム 電力値上げで需要
 住宅メーカーが省エネルギー型住宅「スマートハウス」への切り替えを進めている。戸建て5位の積水化学工業は2016年度に分譲する住宅を原則、すべてスマートハウスにする。パナホームも18年までに販売する全住宅を替える。電力料金の上昇が続くなか、スマートハウスは補助金などの制度を使って電力コストが削減できる。次の消費増税も視野に消費者の節約志向に訴える。積水化学のスマートハウスは太陽光発電と家庭の電力の使用状況が確認できる「HEMS(家庭向けエネルギー管理システム)」を標準装備しており、現在、分譲する戸建ての約8割を占める。価格は延べ床面積が120平方メートルの2階建ての場合、一般の住宅が3千万円に対して3300万円。太陽光で発電した電力を自宅で使うとともに、再生エネルギーの電気を電力会社が高く買う固定価格買い取り制度を使って売れば、一般的な住宅に比べて光熱費を年間で32万円抑えられるという。スマートハウスへの切り替えとともに16年度までに宅地開発に計1千億円を投じる。郊外を中心に全国で開発する計画で、1カ所に最大で100戸強を建てられるようにする。主に30代から40代の夫婦の購入を見込み、13年度に年間1800戸だったスマートハウスの分譲戸数を16年度には5000戸にする。パナホームは現在、太陽光発電を備える分譲住宅の割合が6割。18年には全商品をHEMSを備えたスマートハウスにする。大和ハウス工業も今年4月、自分の土地に建てる注文住宅のすべてを太陽光発電とHEMSを備えるようにした。再生エネの固定価格買い取り制度の利用に加え、電力会社から買う電力量を自宅での発電量が上回る「ゼロエネルギー」の状態になると、国から最大350万円の補助金も受けられる。13年度の国内の戸建て着工戸数は分譲と注文を合わせて約48万戸。マンションの12万戸を大きく上回る。14年度は消費増税後の反動減で受注額が前年同月比で1~3割減っている。各種制度を活用すればスマートハウスに割安感があることを訴えていく。国は20年までに一定の省エネ設備の導入を含む新しい省エネルギー基準を住宅向けに義務化する見込み。各社がスマートハウスへの切り替えを急ぐ背景には、新基準に対応する狙いもある。

*1-2:http://qbiz.jp/article/43178/1/ (西日本新聞 2014年8月2日) 電気代節約、マンションごとに 「高圧一括受電」普及が加速 値上げ機に自衛策
 マンション全体で電気を一括購入して、電気代を安くするサービスの利用が増えている。1世帯当たりの料金は一般的な契約に比べて5〜10%安くなるため、今年3月末の全国の利用戸数は首都圏と関西を中心に前年同期比で4割増。原発の長期停止などで電気料金が上昇する中、九州電力グループが7月に参入するなど九州でも普及が加速しそうだ。サービスは「高圧一括受電」。2000年の電力小売り一部自由化を契機に、電気料金の「格差」に目を付けた事業者が始めた。電気には、企業など大口向けの「高圧」と、変圧器で家庭向けに電圧を下げ、その分料金が高い「低圧」がある。一括受電は、事業者が割安な高圧(6600ボルト)で電力会社と契約し、低圧(100ボルト、200ボルト)に変えて入居者に配電する仕組みだ。対象のマンションは「40戸以上」が一つの目安。事業者が電力会社に代わって変圧器やメーターを設置するため、入居者は初期投資の必要がない。最大手の中央電力は2004年にサービスを開始。オリックス系のオリックス電力、ジュピターテレコム子会社のアイピー・パワーシステムズ、NTTファシリティーズ(いずれも本社は東京)の計4社が事業規模で先行する。各事業者にとっては、11年の東京電力福島第1原発事故以降の電気料金値上がりが追い風になった。原発の運転停止が長期化し、電力各社の収支が悪化。加えて円安などの影響で火力発電所の燃料となる石油や液化天然ガス(LNG)の価格も上昇した。九電によると、モデル家庭の月額料金は11年2月の6226円から、14年8月は7567円へ21・5%上がる。一括受電事業は逆に12年秋以降急成長。先行4社の契約数は、3月末現在で前年同期比43%増の計約21万1300戸に増えた。これを見て大手電力会社も相次いで参入。東電と関西電力は昨年春、子会社を通じて新築マンション向けサービスを開始した。九州では、05年設立のM・E・M(福岡市)が九州を中心に全国約2万戸にサービスを提供。九電グループの九州通信ネットワーク(QTNet、福岡市)も7月に事業を始めた。電力業界は16年の小売り全面自由化で競争が厳しくなる。中央電力の平野泰敏副社長は「今はまだ認知度が低いが、自由化で一括受電が広く知られるようになれば、利用はさらに増える」と期待する。

*1-3-1:http://qbiz.jp/article/42919/1/
(西日本新聞 2014年7月30日) みやま市、2千世帯で大規模HEMS事業 電力自由化見据え
 エプコとみやま市のニュースリリース  福岡県みやま市と住宅設備のコンサルティング会社「エプコ」(東京)は30日、市内2千世帯の電力使用状況を把握して節電につなげる取り組みを始めると発表した。各家庭に電気の使用状況が一目で分かる家庭用エネルギー管理システム(HEMS=ヘムス)を設け、官民でデータを管理。1〜2割の節電効果を見込む。HEMSを活用した地域単位の事業としては国内最大級。同市は、2016年に自由化される予定の家庭向け電力小売りへの参入を視野に入れているという。経済産業省が本年度から40億円かけて取り組む「大規模HEMS情報基盤整備事業」の一環。首都圏、中部、東北、九州の4地区計1万4千世帯で実施し、九州はみやま市だけ。同市の取り組みに国の補助金など9億円を投じ、1台の価格が5万〜10万円程度するHEMSを設置する。設置した家庭は、パソコンやタブレット端末などで電力の使用状況が確認できる。市とエプコはデータを集めて地域や時間帯に応じた能率的な使い方を分析。最も節電効果が高まる家電の利用や、生活スタイルをアドバイスする。電力の使用状況に基づき、1人暮らしの高齢者の安否確認にも活用する。9月から市内で説明会を開催し参加世帯を募集。来春からは無料でサービスを開始し、16年度からサービスの一部を有料化する。全国4地区で集約したデータは、複数の大手通信会社などで整備するプラットホーム(情報拠点)に集約。データを活用し宅配業者が在宅世帯を効率的に回れるほか、警備会社が突然電気を使わなくなった世帯の安否を確認できる。一方、空き巣などの犯罪に悪用される懸念もあり、電力データの利活用や取り扱い方の指針を定める。みやま市が参入を検討する家庭向け電力小売りは、現在は九州電力(福岡市)の独占事業。16年の自由化後に自治体として参入すれば、注目を集めそうだ。みやま市の西原親市長は「経済性が高く、生活に役立つ新サービスを提供したい」。エプコの磯部達取締役は「他地域のモデルケースになるよう、取り組みを成功させたい」と語った。

*1-3-2:http://qbiz.jp/article/42958/1/
(西日本新聞 2014年7月31日) 「2千世帯HEMS」のインパクトは、規模だけじゃない
 地方自治体単位では国内最大規模の「HEMS(エネルギー管理システム)」導入を30日発表した福岡県みやま市の取り組みは、近年叫ばれている「エネルギーの地産地消」が現実味を増したという意味で、インパクトが大きい。まずは、その規模。HEMSを導入するのは2千世帯で、市内全世帯の14%、7軒に1軒に及ぶ。共同で事業を進めるコンサルティング会社エプコ(東京)によると、国内最大規模。北九州市・東田地区など限られた範囲で同様の取り組みを進める地域が増えているが、みやま市ほど「地域ぐるみ」の例はないという。さらに、関係者が注目することがある。同市とエプコが連名で発表したリリース文には、「みやま市においては、(電力)小売り完全自由化後の自治体による電力供給事業も視野に…(後略)」と明記。「(前略)地方都市が、なぜ電力小売りの先端実証事業に選ばれたのか?」とまで書いている。どういうことなのか。「HEMS」は一義的には、クラウド技術を駆使し、リアルタイムで地域の電力需給を自動制御し、全体の節電効果を高める仕組みを指す。だが、今回の取り組みの最大のポイントは、自治体主導による「電力小売り事業」を視野に入れていることだ。現行制度では、自治体主導で電力をつくり、集めても、一般家庭には供給できず、九州電力に売電するしかないが、完全自由化後は参入が可能となるためだ。みやま市はすでに、市が出資する会社「みやまエネルギー開発機構」を設立。市有地を使ったメガソーラー開発を積極的に進めている。関係者によると、このほか風力や水力、バイオマスなどの再生可能エネルギー由来の電力を、市が主導的に調達・生産し、家庭に供給する「電力事業者」としての役割も視野に入れており、リリース文にも明記した。さらにIT技術を駆使するHEMSでは、電力だけでなく、高齢者家庭の見守り・健康チェックなどの医療福祉サービスにも活用できるため、今回の実証事業にも組み込んでいる。関係者は、こうした仕組みを「自治体版電力小売り・制御パッケージ」として他の自治体にも広げたい、としている。人口約4万人という小規模な都市だからこそ成立する新たな「公共エネルギーサービス」のモデルとなるのか、注目を集めそうだ。

<自然エネルギー>
*2-1:http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1407/22/news079.html
(スマート ジャパン 2014.7.22) 物流施設は太陽光向き、7棟の屋根に2.5MW
 オリックスは2014年7月、三菱化学物流の倉庫7棟の屋根を賃借し、出力2.5MWの太陽光発電所の運転を開始したと発表した。同社は全国148カ所で、屋根を利用した太陽光発電を計画しており、合計出力は68.9MWに達する。鹿島灘を望む鹿島臨海工業地帯は150社以上が集まる茨城県最大の工業地帯だ。鹿島港を中心に大小の製造業が立地している。三菱化学物流の鹿島物流センター(茨城県神栖市奥野谷、3万765m2)はこの工業地帯に位置する(図1)。物流倉庫の平屋根が太陽光発電システムの設置に向き、再生可能エネルギーの普及促進による環境配慮につながることから、同社はオリックスに倉庫7棟の屋根を貸すことになった。オリックスは企業や自治体などが保有する大型施設の屋根を活用する「屋根設置型太陽光発電事業」を進めており、倉庫7棟を利用した太陽光発電所の建設を2013年12月に開始、2014年7月に運転を開始した(図2)。発電所の規模は直流出力2.518MW。太陽電池モジュール(出力245W)を1万276枚設置した形だ。倉庫の屋根面積は敷地面積にほぼ等しい。年間発電量は262万3890kWhを予定し、これは一般家庭730世帯分に相当するという。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)を利用して、全量を20年間、東京電力に売電する。オリックスは2014年4月に自社が手掛ける太陽光発電事業の状況を発表している。2014年3月期末(2014年3月末)時点において、全国214カ所、合計出力425.1MWの開発に着手していた。そのうち、今回の取り組みを含む「屋根設置型太陽光発電事業」は148カ所、合計出力68.9MWを占め、2014年3月末時点で50カ所、合計出力25.4MW分の発電を開始していた。

*2-2:http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/553654.html
(北海道新聞 2014.7.28) 風力発電の立地 環境への配慮欠かせぬ
 持続的な社会を築くために再生可能エネルギーの普及は避けて通れない。ただし、自然環境に過大な負荷をかけないのが前提だ。道内の風力発電計画が、行政や自然保護団体から相次いで見直しを求められている。既設地で鳥の衝突死が絶えない。にもかかわらず貴重な野鳥の生息地が建設予定地と重なるケースがあるためだ。風量などから、道内には適地が多い。せっかくの自然エネルギーだ。住民とあつれきが生じないよう、事業者には立地場所を探す段階から野鳥や景観への影響などについて最大限の配慮を求めたい。道は環境影響評価条例で総出力5千キロワット以上の風力発電計画をアセスメントの対象にしている。より規模の小さい発電計画や将来、想定される洋上風力にも対応できるよう、条例見直しを急ぐべきだ。根室市内では2年以上にわたって、風力発電計画への反対運動が続いてきた。最大15基の建設を目指す電源開発(東京)の予定地が、絶滅危惧種のオジロワシやオオワシの生息地で、日本野鳥の会や市民団体が衝突を心配して声を上げた。結局、事業者が今月、中止を発表して計画は立ち消えになった。宗谷管内猿払村と浜頓別町にまたがるエコ・パワー(東京)の建設計画にも疑問符がついている。オジロワシの生息に加え、コハクチョウの越冬地として知られるクッチャロ湖が風車で囲まれる形になるからだ。湖はラムサール条約登録湿地であり、国際社会からの批判も免れまい。道、環境省、経済産業省がこぞって見直しを求めたのは当然である。事業者は耳を傾け、計画を変更すべきだ。こうした事態が続く以上、道は不適地をあらかじめ地図で示し、事業者に避けてもらう「回避地図」の作成を考えるべきだ。参考になるのは長野県の取り組みだ。風力発電に適さない「除外すべき地域」、「慎重に検討すべき地域」を地図上に記している。道内でも北海道鳥類保全研究会が2009年に全道を網羅した試作版を作ってノウハウがある。トラブル回避に役立つはずだ。風がよく通る場所は鳥も飛翔(ひしょう)に利用するから風力発電では野鳥への配慮が必要になる。どこまで許容されるか。既設風車の衝突率を検証しつつ、発電事業と折り合いをつけていく。こうした地道な作業には行政や専門家、市民、環境保護団体を交えた見極めが欠かせない。

<鉄道の整備と自然エネルギー>
*3-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/87598
(佐賀新聞 2014年7月26日) 基金崩して整備費補てん 松浦鉄道自治体連絡協
 第三セクター松浦鉄道(MR、本社佐世保市)の沿線自治体などでつくる自治体連絡協議会は25日、総会を開き、施設整備事業で国の補助金が3割減額となったため、2287万円分を基金から取り崩すことを承認した。またMR側は燃料費の高騰などを理由に、運賃改定を前倒しして検討する考えも示唆した。MRは本年度、検査や枕木の交換、通信線新設などの整備費に2億2874万円を計上。補助率上限の3分の1(7624万円)を国に要望したが、要望額の70%(5337万円)に減額された。JR北海道の整備不良放置が問題となった余波で、全国の鉄道事業者から施設整備の補助金申請が増え、国の予算枠を大幅に上回ったため、優先順位に応じた減額配分となったという。財務省の財源調整後の配分のため、補正予算を組むことは難しいが、連絡協議会では「次年度以降のために訴えるべき」として、国交大臣宛てに満額交付を求める要望書を提出することを決めた。MRの藤井隆代表取締役会長兼社長は経営状況報告で燃料費の高騰に強い懸念を示し、「経営改善計画で2019年に予定していた運賃改定を検討する時期にきていると思う」と述べた。同社は前年度、当期純利益で4年ぶり黒字を計上した。本年度予算では、人件費と燃料費の増加を要因に、990万円の赤字を見込んでいる。

*3-2:http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1406/23/news022.html
(スマート ジャパン 2014.6.22) 新しい駅の電力使用量を50%以下に、回生電力や太陽光発電で
 JR西日本は2016年春に神戸市で開業する新駅の電力使用量を同規模の駅と比べて50%以下に抑える。電車のブレーキ時に発生する回生電力を駅のエレベータやエスカレータに供給するほか、駅舎の屋根に太陽光パネルを設置する計画だ。回生電力によって削減できる電力量は10世帯分になる。JR西日本は2016年春から2019年春にかけて、近畿圏で5つの新駅を開業する計画である。その第1弾になる神戸市の「まや駅(仮称)」に各種のエコ・メニューを導入する。特に大きな効果を発揮するのが電車の回生電力を活用することで、導入に向けて富士電機と共同で「直流電力変換装置」を開発中だ。回生電力は電車がブレーキをかけた時に発生させることができる。通常は近くを走っている加速中の電車に送って利用しているが、それだけでは電力が余る。直流の回生電力を交流に変換するのが直流電力変換装置で、変換した電力は駅舎内の電気機器で利用できるようになる。

*4:http://qbiz.jp/article/43361/1/ (西日本新聞 2014年8月6日) 高齢者乗車券、タクシー適用も検討へ 福岡市議会委が助成請願を採択
 保健福祉などを所管する福岡市議会第2委員会は5日、高齢者に対するタクシー利用の助成制度創設を求める市民団体や市タクシー協会からの請願を全会一致で採択した。同市では70歳以上の市民に対し、バスや電車、地下鉄の交通費の一部を助成。ICカードなどを「高齢者乗車券」として交付しているが、市高齢社会政策課は委員会採択を受け「タクシー利用を含めた高齢者乗車券の在り方を検討したい」としている。請願は、9月定例会本会議で審議予定。採択されれば、議会側は、市に請願内容への対応について経過や結果の報告を求めることができる。高齢者乗車券は現在、所得に応じて年間最大1万2千円分を交付。高齢者の外出や社会参加を促す目的で、本年度の交付対象者は16万1855人、事業費は11億4432万円となる見込み。請願では「高齢者乗車券でタクシーが利用できれば、もっと出掛ける機会が増えるという声は多い」などと主張している。市によると、タクシー利用の助成を実施した場合、事業費が約2割膨らむ見込みという。現在、政令市でタクシー利用の助成を行っているのは浜松市と広島市。


PS(2014.8.7追加):離島は、風力発電や潮流発電にも適地だが、電線をひくのは一苦労という事情があるため、燃料電池向けの水素を生産して船で出荷するという案もあるだろう。

*5:http://qbiz.jp/article/43360/1/
(西日本新聞 2014年8月6日) 離島の再生エネ契約中断問題 九電、壱岐で説明会
 壱岐、対馬など長崎、鹿児島両県の六つの離島で、再生可能エネルギー発電の新規契約を1年程度中断することについて、九州電力は4日、壱岐市で説明会を開いた。発電事業者や電気工事関係者など約60人が参加した。九電本社の担当者が、壱岐での電力買い取り量が、安定供給のため設けた目安を上回る見通しで、7月26日以降の申し込みを対象に出力抑制を交渉する、と説明した。参加者からは「今後、出力抑制の対象を段階的に広げるのではないか」「すでに買い取り契約済みの場合も出力抑制の対象になるのか」などの質問が出た。九電の担当者は「対象は今の段階では新規申し込みの500キロワット以上の設備」「契約済みの場合は不利益にならないように対応する方針」と答えた。九電によると、太陽光などの電力買い取りが増えると、供給が過剰になり電力の需給バランスが崩れ、停電が起きる恐れがあるという。


PS(2014.8.9追加):太陽光発電による電力の買取制度ができたからといって、*6のようなメガソーラーは、1)太陽光発電設備下の動植物を殺して水質を悪化させる 2)その結果、動植物が住めない環境にする 3)景観を悪化させる など、環境を破壊するため許可すべきではない。そもそも、太陽光発電設備は、住宅・畜舎・倉庫の屋根や壁に地道に設置していき、空いた空間を利用して省エネしながら賢く発電するために考えたものなので、公害を出しながら大規模発電する必要はなく、このような設置の仕方には環境影響評価を行うべきである。なお、どうしてこういうことを同時に考えられないのか、疑問だ。

*6:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140809&ng=DGKDASDZ0705B_Y4A800C1TJ2000 (日経新聞 2014.8.9)ウエストHD、水上に太陽光発電所 発電量、陸上より1割増
 太陽光発電施工大手のウエストホールディングス(HD)は、池などの水面に太陽光パネルを並べる「水上太陽光発電所」の建設事業を始める。パネルなど資材調達から発電所の建設までまとめて請け負う。大規模太陽光発電所(メガソーラー)の適地が不足していることから水上の需要が高まるとみている。最初の施設を2015年1月に着工し、年間で出力3万キロワット分の建設を目指す。発電能力1000キロワットあたり、3億円程度の価格で請け負う方針だ。調整池をもつ地方自治体などからの需要を見込んでいる。価格は陸上につくる場合と同等に抑える一方、発電量は冷却効果によって陸上より1割増す見通し。プラスチック製品のキョーラク(大阪市)と、太陽光パネルを水上に浮かべる土台となる浮体式架台の金型を共同開発した。海外製の類似製品を使用する場合に比べ、2割近く価格を低減。総投資額で陸上並みのコストに抑えられるようにした。架台はキョーラクが国内で生産する。太陽光パネルは中国企業からOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受ける。太陽光パネルは熱で発電効率が落ちるため、冷却効果が見込める水上の注目が高まっている。ウエストHDが昨夏に埼玉県桶川市で自社向けに建設した水上のメガソーラーでは、陸上に比べ発電量が約1割多い実績が出ているという。発電能力1000キロワットのメガソーラーの場合、陸上に比べて売電収入が年間300万円程度増す計算だ。発電所の大きさはメガソーラーから小規模まで自由に選べる。海上には建設できないが「多少の塩分には機材は耐えられる設計にする」(ウエストHD)という。ウエストHDによると愛知、福岡、佐賀、香川、埼玉各県の10市程度から発電能力の合計2万キロワットを超える水上発電所の建設の引き合いがきている。
  

| まちづくりと地域振興::2014.4~2015.4 | 12:07 PM | comments (x) | trackback (x) |

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