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2014.11.15 エコカーの普及は、何故、これだけ遅くなったのか? (2014.11.27に追加あり)
   
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(1)燃料電池車・電気自動車の普及と価格設定について
1)燃料電池車とその燃費について
 *1-1に書かれているように、東京都が水素エネルギーの利用拡大を目指して燃料電池車の普及を後押しするために支援に乗り出し、舛添知事は、「今後10年の都政の指針」で、それを「長期ビジョン」に反映するそうだ。そして、公用車や都バスで先行して16年度の実用化を目指し、燃料の供給拠点となる水素ステーションや家庭用燃料電池の普及目標も策定するとのことで、これは期待できる。そのため、他の大量に自動車を使う産業も燃料電池車や電気自動車に変更すれば、この変化は速く進むだろう。

 しかし、*1-2のように、産業ガス大手の岩谷産業が「燃料電池車のエネルギー源となる水素の販売価格を、ハイブリッド車と燃費がほぼ同等となるように設定する」と発表したのは、水素燃料の価格設定が変である。何故なら、*1-3のように、水を電気分解すれば水素を取り出すのが簡単なことは、50年前から小学校3年生の理科の教科書に載っている常識で、余っている太陽光発電など自然エネルギー由来の電力で水素を作れば、無公害で安価で国産のエネルギーを容易に作ることができるからである。

 また、*1-2の岩谷産業が、「燃費計算の前提として、トヨタ自動車が発売を予定する燃料電池車と同サイズのHVがガソリン1リットル当たり16キロ走るとみなし、2020年には水素価格をHVの燃料代と同等以下にする目標を掲げた」としているのも誤りだ。何故なら、①に書かれているトヨタのHVの燃費は、10月15日モードでは、アクアが40km/L、プリウスが28~38km/Lであり、ホンダのアコードも30km/Lだからである(http://e-nenpi.com/enenpi/?defact=carname_hybrid_best 参照)。そして、水素の価格はもっとずっと安くなければならないし、できる筈なのだ。

2)電気自動車の燃費について
 *2-1に書かれているように、ホンダが2012年の夏に米国カリフォルニア州とオレゴン州で一般発売した「フィットEV」は、米国EPA(環境保護局)が定める計測法に沿ったEV独自の燃費表示である「MPGe」と呼ばれるガソリン換算燃費が 50km/L でEV最高だそうだが、このくらいが妥当な燃費設定だ。

 また、*2-2に書かれているように、日産リーフの電気代は、一か月で「電力使用量114.1kWh(消費量153.5kWh・発電量39.3kWh)×12.41円/kWh=1415.9円」だったそうだが、もし、太陽光発電を行っている家庭や事業所が電気自動車を使えば、燃料費は0になる。

(2)日本企業の環境意識と価格設定について
 私がこのブログに何度も書いたように、電気自動車も燃料電池車も、日本が先鞭をつけ、基礎技術を持っていたにもかかわらず、日本のエコカーはハイブリッド車(HV)どまりでなかなか普及しなかった。しかし、HV車は、ガソリンエンジンやクランクシャフトを持っているため、車内の広さやデザインの制限がガソリン車と同じであり、部品点数を少なくすることもできない。そのため、価格やスタイルが変化に乏しい。

 一方、電気自動車や燃料電池車は、回転を電動モーターで作るため、ガソリンエンジンやクランクシャフトは必要なく、車内の広さや自動車のデザインを飛躍的に変えて電気自動車の良さを引き出すことができると同時に、部品点数が少なくなるため、価格も安くできる筈である。しかし、それにもかかわらず、日本企業は、環境意識が低く、エコカーの価格を高くして普及を阻んできた。それは、何故か。これが、次の日本企業の利益率が低い理由に繋がる解決すべき問題なのである。

(3)日本企業の利益率が低い理由は何か
 日本企業の利益率(稼ぐ力)が低い理由は、①時代のニーズをとらえて新しいものを世に出す行動が抑えられている(トップで走るリスクに見合うリターンが約束されず、むしろ横並びでないことが批判される) ②産業構造を変化させようとすると、周囲の多くがマイナスの力として働く ③環境意識が低い ④理科の基礎のない人が経営・経済・法律を学んでマネージメントする立場に多い などが挙げられる。

 そして、これらの日本企業の問題は、教育、環境等に関する社会の見識、雇用やマネジメントにおける考え方などの本質的な問題に起因しており、“景気”というようなその時点の気分の問題ではないため、それぞれの原因について本質的な解決をしなければならないのである。

<燃料電池車の普及と燃費>
*1-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141114&ng=DGKKASFB14H06_U4A111C1MM0000
(日経新聞 2014r。11.14) 燃料電池車、都内で10万台 東京都、25年までに官民で普及支援
 東京都は水素エネルギーの利用拡大を目指し、燃料電池車(FCV)の普及を後押しする大規模な支援に乗り出す。2025年までに都内のFCVを10万台、水素ステーションを80カ所とする目標を設定し、15年度に購入や設置費の助成制度を導入する。まず五輪施設が集まる臨海部を中心に普及を図り、クリーンなエネルギーを積極的に利用する環境先進都市を世界にアピールする。自動車、エネルギー業界などの大手約20社が参加する官民の「水素社会の実現に向けた戦略会議」で計画を固めた。18日の会合で中間報告として決定し、舛添要一知事が今後10年の都政の指針との位置づけで12月に公表する「長期ビジョン」に反映する。まず東京五輪が開かれる20年にFCVを6千台、水素ステーションは35カ所とする初期目標を設ける。トヨタ自動車は12月、世界初のFCVを発売する見通し。都は購入補助制度に加えて、初期の需要を創出するために公用車で率先して採用する。日野自動車が開発中の燃料電池バスも15年度に都バスで先行して実証実験に取り組み、16年度の実用化を目指す。燃料の供給拠点となる水素ステーションを初期目標とした35カ所に設置した場合、車が都内を平均的な速度で走ると単純計算で平均15分で水素ステーションに到着できるようになるという。25年には同10分で到着できる80カ所に拡大する。家庭用燃料電池の普及目標も策定した。20年に新築マンションなどを中心に15万台、将来は既存マンションも含めて100万台に拡大する。都は15年度予算案に水素エネの普及費用として補助金など100億円規模を計上する見通しだ。五輪開催都市として海外からも注目される東京都が普及の道筋をつける。

*1-2:http://qbiz.jp/article/49940/1/
(西日本新聞 2014年11月14日) 岩谷、水素の市販価格決定 ハイブリッド車並み燃費に
 産業ガス大手の岩谷産業は14日、燃料電池車のエネルギー源となる水素の販売価格を、ハイブリッド車(HV)と燃費がほぼ同等となるように、走行距離1キロ当たり約10円に設定すると発表した。車向け水素価格を決めたのは初めて。本年度に発売される燃料電池車の普及を後押しする。政府は6月に発表した工程表で、水素価格は「2020年にはHVの燃料代と同等以下を実現する」との目標を掲げており、岩谷はこれを5年早く達成する。水素ガス約5キログラムで車が満タンになると想定し、税抜き1キログラム1100円で販売する。上羽尚登副社長は大阪市内で記者会見し「だいぶ努力して安くした。コスト減は車が増えるかどうかが最も大きな要素だ」と強調。車の普及を促すため、今回の価格設定に踏み切ったという。産業用水素の市場シェア約55%を握る最大手という利点を生かし、岩谷は燃料電池車用の「水素ステーション」整備を加速している。15年度までに東京や大阪など大都市圏を中心に、全国20カ所に建設する方針だ。岩谷によると、燃費計算の前提として、トヨタ自動車が発売を予定する燃料電池車と同サイズのHVがガソリン1リットル当たり16キロ走るとみなした。

*1-3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11454239.html (朝日新聞 2014年11月14日) 「究極のエコ」、太陽光で水から水素 非常時の発電に 東芝、来年度発売
 太陽光発電の電気で水を電気分解して水素を取り出す技術を、東芝が開発した。二酸化炭素(CO2)を出さない「究極のエコ技術」だ。発生した水素をタンクにためておき、非常時に発電したり温水を提供したりするシステムを、2015年度に売り出す。システムはコンテナ程度の大きさで、トラックや貨物列車に載せて被災地に運ぶこともできる。1台数億円ほどで、主に自治体向けに販売。一つのタンクの水素で、300人の避難者が1週間ほど最低限の生活ができるという。水素は現在、都市ガスやLPガスから取り出すのが一般的で、その際にCO2が出てしまう。田中久雄社長は「技術が進歩すれば、(昼間しか発電できない)大規模太陽光発電所の蓄電や、燃料電池車(FCV)向けの水素ステーションなどにも応用できる」と話す。

<電気自動車の燃費>
*2-1:http://response.jp/article/2012/06/07/175674.html
ホンダ フィットEV、換算燃費は 50km/リットル…EV最高
 ホンダが今夏、米国カリフォルニア州とオレゴン州で一般発売する同社初の市販EV、『フィットEV』。同車の換算燃費が公表された。フィットEVは、『フィット』ベースのEV。最大出力123ps、最大トルク26.1kgmを発生するモーターを搭載。1回の充電で、最大132kmを走行できる。二次電池は、蓄電容量20kWhのリチウムイオンバッテリー。充電は240Vチャージャーなら、約3時間で完了する。ホンダの米国法人、アメリカンホンダは6日、フィットEVの換算燃費を公表。これは、米国EPA(環境保護局)が定める計測法に沿ったEV独自の燃費表示、「MPGe」と呼ばれるもの。日産『リーフ』や三菱『i』(日本名:『i-MiEV』)も、このMPGeの数値を消費者に開示している。同社の発表によると、フィットEVの換算燃費は、複合モードで118MPGe(約50.17km/リットル)。ホンダによると、日産リーフの99MPGe(約42.1km/リットル)、フォード『フォーカス・エレクトリック』の105MPGe(約44.64km/リットル)、三菱i-MiEVの112MPGe(約47.62km/リットル)を上回る、EV最高数値だという。アメリカンホンダのスティーブ・センター副社長は、「航続距離と充電時間がEVにとって最重要。フィットEVはその点で完璧」と述べ、高い自信を示している。

*2-2:http://togetter.com/li/145868
日産リーフ[LEAF]|電気自動車ランニングコストシミュレーター
 電気自動車の月々と年間のランニングコストを、普段の走行距離、電費、電気料金から計算できます。日産リーフ10月の電気代は、「電力使用量114.1kWh(消費量153.5kWh・発電量39.3kWh)×12.41円/kWh=1415.9円」でした。走行距離1033.6kmで平均電費はEVドライブに絶好の気候で9.1km/kWh。


PS(2014.11.27追加):*3のように、中国がEV充電施設の建設を後押しする方向に動いた!「補助金は充電施設の建設・運営、管理のみに宛て、新エネ車の購入補助などへの充当は禁じた」というのは、インフラは整備するが、EV価格はEVの普及と各自動車メーカーの努力によるという意味で効果的だ。EVのデザインも優れているので、中国のEVが安価に供給されるようになれば、EVでも中国が勝つだろう。また、中国が電気自動車や燃料電池車に舵を切れば、人口が多いだけに効果が高く、太陽光発電や水素燃料による住宅の発電システムも加われば、冬の大気汚染で九州にPM2.5が飛んでくることもなくなる。アジアには人口の多い振興国が多いため、次はインドなどの対応が期待される。

   
                          中国のEV
*3:http://qbiz.jp/article/50686/1/
(西日本新聞 2014年11月27日) 中国 EV充電施設の建設後押し、モデル都市に補助金
 中国の財政省、科学技術省、工業情報省、国家発展改革委員会(発改委)の4省・委員会はこのほど、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)向け充電施設の建設奨励に向け、中央財政から補助金を給付すると発表した。期間は2013年から15年度まで。16年以降は、新エネルギー車の普及規模や、充電施設の建設コストを考慮した上で、補助制度の見直しを行う。給付対象は、4省・委員会が新エネ車普及モデルに指定する都市や都市群。普及活動にはっきりとした効果がみられ、かつ地元政府による補助制度がないことを条件として付加した。普及モデル都市以外でも、新エネ車の普及に効果がみられる都市や都市郡であれば、4省・委員会への申請が許可されれば、補助を受けられる。補助金は充電施設の建設・運営、管理のみに充て、新エネ車の購入補助などへの充当は禁じた。4省・委員会は毎年、モデル都市を対象に新エネ車の普及状況を調査し、結果が良ければ補助を増額、結果が悪ければ減額する。中国政府は新エネ車の普及目標を都市・都市群ごとに設定しており、北京・天津・河北、長江デルタ、珠江デルタなど大気汚染対策の重点都市で、13年:2,500台以上、14年:5,000台以上、2015年:1万台以上。その他の都市で、13年:1,500台以上、14年:3,000台以上、15年:5,000台以上――と定めている。この目標を達成させるため、普及活動において不可欠となる充電インフラ環境の整備を加速させる。詳細は財政省のウェブサイト<http://jjs.mof.gov.cn/zhengwuxinxi/tongzhigonggao/201411/t20141125_1160262.html>から確認できる。


PS(2014.11.27追加):上に記載しているように、世界が脱石油して環境悪化防止に努め、燃料費を安くするイノベーションを起こそうとしているのに、*4のように、「原油価格下落で物価の伸び率が鈍り、低インフレを招いて景気を冷え込ませる」などと解説しているのは、「デフレがいけない=インフレがよい」という誤った知識を持っているせいである。実際には、原油価格高騰は、日本にコストプッシュ・インフレーション(悪いインフレ)を起こして実質経済を縮ませているものであるため、メディアは、経済学のわかっている人に経済記事を書かせるべきである。なお、産油国は、原油で潤沢な資金が得られている間に、国内にいろいろな産業を作るのがよい。

*4:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11476839.html (朝日新聞 2014年11月27日) 原油、減産か維持か きょうOPEC総会、市場注視 価格下落、対応に温度差
 中東などの産油国12カ国でつくる石油輸出国機構(OPEC)は27日、ウィーンで総会を開く。原油価格の下落に歯止めをかけるため生産を減らすよう主張する国があるものの、加盟国の足並みはそろっていない。生産目標を据え置くのか、減産するのか。金融市場の注目が高まっている。OPEC総会を目前に控えた25日、有力産油国のサウジアラビアとベネズエラ、ロシア、メキシコの石油相らがウィーンで急きょ4者会談を開いた。OPECに加盟していないロシアとメキシコも加わった会談は、減産の可能性を探るのが狙いとみられた。だが、協調減産に向けた合意はできなかった。原油価格の下落傾向は止まらず、指標となる北海ブレント原油の先物価格は25日、1バレル=78ドル(約9200円)台に下がった。115ドル台をつけた6月に比べ、3割超の値下がりだ。値崩れを防ごうと、少なくない産油国から減産を求める声が上がるが、足並みはそろわない。各国で異なる財政事情があるからだ。アラビア半島の東端にある産油国オマーン。議会は23日、外国居住者からの送金に2%課税する新法を承認した。国防費など政府予算の削減も進める。いずれも、原油価格の下落による財政赤字の拡大を食い止めるためだ。国際通貨基金(IMF)の推計によると、オマーンが財政を黒字化するのに必要な「財政均衡原油価格」は1バレルあたり102ドル。原油の市場価格が回復しなければ、深刻な赤字に陥りかねない。苦しいのはイラン、イラクも一緒で、OPECに価格下支えを求める声が相次いでいる。一方、外貨準備が潤沢なサウジは、当面の赤字をかぶってでも市場でのシェアを確保したいため、大幅な減産には消極的だ。クウェートやアラブ首長国連邦(UAE)なども追随する。ロンドンの調査・コンサルティング会社「エナジー・アスペクツ」のアナリスト、ビレンドラ・チャウハン氏は「市場は減産が必要と見ているが、加盟国内でどこがどれだけ減らすのか決めるのは難しい」と指摘する。
■低インフレ懸念も
 OPECが減産で合意できなければ、原油価格がさらに値下がりするとの見方が市場には強い。今の生産目標の日量3千万バレルは維持する、と見るコメルツ銀行のアナリスト、カルステン・フリッチ氏は「原油価格は値下がりし、1バレル=75ドルを下回るだろう」と言う。市場には、1バレル=60ドル台まで下がるとの見方すらある。原油価格の下落は、日本など輸入に頼る国にとってはプラスの効果が期待される。ガソリン価格をはじめ、化学製品など原油を原料とする幅広い商品の価格を引き下げるからだ。一方で、原油価格の下落によって、物価の伸び率は鈍る。デフレ懸念が高まる欧州では、現在0%台の物価上昇率がさらに下がる可能性もある。そもそも今回の原油価格の値下がりは、欧州に加え、中国など新興国の景気減速による需要の伸び悩みと、米国などのシェールオイルの生産増で、供給過剰になるとの見方からだ。原油価格の下落が低インフレを招き、さらに景気を冷え込ませるという悪循環に陥るおそれもある。

| 資源・エネルギー::2014.10~2015.4 | 12:18 PM | comments (x) | trackback (x) |

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