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2015.3.15 辺野古新基地の建設は、税金の無駄遣いである上、環境を破壊し、不合理である (2015.3.24、4.18に追加あり)
    
                  沖縄の米軍基地と辺野古

(1)沖縄の民意
 *1に書かれているように、2014年11月16日の知事選で、142万人の沖縄県民に選出された翁長氏が、「県民の期待に添うべく、誇りある豊かさを求め、ソフトパワーで沖縄の未来を拓いていくように、全力で県政運営に取り組んでいく」と就任の挨拶をしておられる。

 その内容は、①成長著しいアジアと連動した「アジア経済戦略構想」を策定して、国際物流拠点、情報通信産業、観光リゾート産業の振興などの産業の拡充・強化をする ②健康・医療分野、環境・エネルギー分野で、沖縄の地域特性を生かした産業の集積を図る ③亜熱帯気候を生かした農林水産業の沖縄ブランド確立や6次産業化を強化する ④沖縄の優位性を生かした広範な経済発展施策展開する ⑤こどもや高齢者の笑顔が輝き、女性や障がいのある方などの力が正しく生かされる活気に満ちた幸せ感あふれる社会を創る ⑥こども環境日本一の実現を目指し、女性が輝く社会づくりや女性リーダーの育成などに取り組む ⑦若者が希望を持てる社会を目指す ⑧少子高齢化社会を見据えた健康・医療・福祉政策を実行する ⑨少人数学級の導入の推進など教育施策について力を尽くす ⑩離島・過疎地域は、県民全体で支える仕組みを構築する ⑪基地の整理縮小を加速化して豊かな生活に導く土地活用を図り、近隣諸外国との平和交流を促進する平和創造施策を展開 ⑫米軍基地が沖縄経済発展の最大の阻害要因 ⑬過重な基地負担の軽減、日米地位協定の抜本的な見直しを求め、普天間飛行場の辺野古移設問題は、この知事選の結果を受けて公約の実現に取り組む などである。

 どれも大切なことだが、特に⑪~⑬は現在の沖縄で問題になっており、*3-3のように、地元である名護市の市長選・市議選はじめ、沖縄県知事選でも辺野古新基地の反対派が勝利し、衆院選でも反対の候補が全勝している。そのため、翁長沖縄県知事の主張は、確固とした沖縄全体の民意である。

(2)沖縄の民意に対する日本政府の対応
 しかし、菅官房長官は翁長沖縄県知事が繰り返し面会を求めても門前払いした上、*2-1のように、沖縄防衛局が辺野古沿岸部で海底のボーリング調査を再開し、カヌーで抗議行動して海上保安官に拘束された29歳の男性は、*2-2のように肋骨を骨折した。

 私は、日本政府は翁長知事と早急に面会して話を聞くべきだと考える。何故なら、翁長知事が辺野古の代替案として出した硫黄島は、既に滑走路があって埋め立てる必要がなく、安全保障上の地理的位置も申し分ないからで、翁長知事と話し合えば、国費を無駄遣いしてサンゴ礁を傷つけ、ジュゴンのえさ場を埋め立てて、環境という貴重な資源を破壊することのないBestな場所が浮かび上がってくるからだ。

(3)税金の無駄遣いをして自然を破壊するのは、野蛮な行為である
 私は、スキューバダイビングで、外国のサンゴ礁はじめ沖縄の慶良間や伊豆に行き、日本の海岸にある岸壁・護岸・波消しブロックは、さして必要もない場所に設置され景観を悪くしているだけのものが多いと思っていたが、ジャック・マイヨール(http://www.sponichi.co.jp/seibu/column/envi/KFullNormal20080430166.html 参照)も、「イルカと海へ還る日」という本で、全く同じことを書いていた。

 つまり、日本人は、美しい自然の水辺に必要以上のコンクリート構造物を作り、波消しブロックまで投入して、目を覆いたくなるような醜い景観を作っている上、水中生物の繁殖を妨害しているのだ。私は、いらないコンクリート構造物や波消しブロックが、えもいわれぬ美しさの沖縄、慶良間諸島でさえ見られてがっかりしたことがあり、この波消しブロックは日本全国の沿岸に大量に置いてあるため、干潮時でも水面に出ない形に並べ換えて、漁礁として使うのがよいと考えている。

 このような中、*3-1、*3-2、*3-4のようなサンゴ礁へのブロック投入と埋め立てがあるのだが、私は、税金を無駄遣いし、自然を破壊し、住環境や観光振興に悪影響を与える“景気対策”目的の公共工事は、もうやめるべきだと考える。しかし、「丁寧に理解を得ながら進めたい」とした安倍首相を非難しても実は無意味なのは、鳩山首相が「最低でも県外」と言ってもそうならなかったのと同様、誰が首相になっても同じだからだ。その理由は、首相が進めているのではなく、官が進めて大メディアが協力しているからで、これが日本の民主主義の未成熟、大メディアの形だけの権力批判の構図なのである。

 そのため、私も翁長知事には知事権限を行使してもらいたいと考えている。また、*3-3のように、普天間飛行場の代替基地を沖縄県内に置かずに単に取り払っても在日米軍専用基地の沖縄への集中度は73.8%から73.4%になるにすぎないのに、このように明確に示された沖縄の民意を踏みにじる政府の態度であれば、その政府判断に変更がない限り、沖縄の「島ぐるみ会議」が国連人権理事会に参加して、日本政府による沖縄県民への人権侵害を報告するのがよいと思う。

(4)沖縄はLost Islandの一部だったという説もあり、調査すべき面白いポイントである
   
                    与那国島付近の海底遺跡

 *4のように、与那国島付近に大規模な海底遺跡が発見され、「歴史を覆すかも?」と言われており、そこは、魏志倭人伝に書かれている邪馬台国の位置の記述と完全に一致すると言われている。そのため、調査・研究すべき面白いポイントで、世界遺産になる可能性すらある場所だ。

*1:http://ryukyushimpo.jp/news/storytopic-122.html
(琉球新報 2014年12月12日) 沖縄県知事選挙 翁長知事の就任あいさつ全文
 12日の県議会本会議での翁長雄志知事の就任あいさつの全文は次の通り。
 ハイサイ、グスーヨー、チューウガナビラ。
 平成26年第6回沖縄県議会の開会に当たり、提案しております議案のご説明に先立ち、県政運営に関する私の所信の一端と基本的な考え方を申し述べ、議員各位、ならびに県民の皆さまのご理解とご協力をたまわりたいと存じます。私は、去る11月16日の県知事選挙において、有権者多数の支持を得て当選いたしましたが、本議会に臨み、142万県民の知事として、その責任の重さにあらためて身の引き締まる思いであります。県民の皆さまのご期待に添うべく、全力で県政運営に取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。さて、これまで、私たちは、自ら持ってきたわけではない「基地」を挟んで「経済」か「平和」かと厳しい選択を迫られてきました。しかし、社会情勢の変化とともに、これらは両立し得るものとなってまいりました。私たちは、「経済と生活」「平和と尊厳」を県民一人ひとりが手にすることができるようになりました。このことをしっかり自覚した上で、「誇りある豊かさ」を求める沖縄県民の意思を明確に示さなければなりません。こうした考えの下、私は、議員各位、ならびに県民の皆さまと心を一つにし、県政運営に力を尽くしてまいる所存であります。県政運営に当たりましては、沖縄が持つ地域力、文化力、伝統力、人間力、自然力、離島力、共生力、経済力など、国内外の多くの人々を魅了する大いなる可能性を秘めたソフトパワーで沖縄の未来を拓(ひら)いていくことが重要であると認識しております。私は、こうした県民の誇りの上に沖縄経済や社会が成り立つ「誇りある豊かさ」を手にしていくことが今後の沖縄が目指すべき姿だと考えます。このような認識の下、県民の英知を結集してつくられた沖縄21世紀ビジョンで示された将来像の実現を目指して、うやふぁーふじ(先祖)から受け継いだソフトパワーを生かし、3つの視点から、沖縄を拓き、うまんちゅの笑顔が輝く沖縄を創りあげてまいります。一つ目は、沖縄の「経済」を拓く―経済発展プラン―の視点であります。経済振興につきましては、成長著しいアジアのダイナミズムと連動した「アジア経済戦略構想」を策定し、国際物流拠点の形成をはじめ、情報通信関連産業、観光リゾート産業の振興などのリーディング産業の拡充、強化を進め、沖縄の経済をさらに発展させてまいります。空手・古武道、組踊などの文化資源を守り育てながら観光資源化を図ってまいります。健康・医療分野、環境・エネルギー分野では、沖縄の地域特性を生かした産業の集積を図ってまいります。農林水産業につきましては、亜熱帯気候を生かした沖縄ブランドの確立や6次産業化などを図ってまいります。中小企業など地場産業の活性化を着実に進めつつ、沖縄の優位性を生かした新たなビジネスの動きについてもしっかりと捉えながら、広範な経済発展施策を展開してまいります。二つ目は、沖縄の「幸せ」を拓く―生活充実プラン―の視点であります。人と人とを結ぶ絆は、協働のまちづくりの礎となります。私は、こどもや高齢者の笑顔が輝き、女性や障がいのある方などの力が正しく生かされる活気に満ちた幸せ感あふれる社会を創り上げてまいります。それぞれの地域の宝を大切にしながら、そこに関わるすべての人々が尊重される生活充実施策を展開してまいります。こどもの貧困対策や待機児童の解消などに取り組み、こども環境・日本一の実現を目指すとともに、女性が輝く社会づくりや女性リーダーの育成などに取り組んでまいります。また、若者が希望を持てる社会を目指し、格差社会などの課題の解決に取り組んでまいります。少子高齢化社会を見据えた、健康・医療・福祉政策を実行するとともに、きめ細かな教育指導ができる少人数学級の導入の推進など教育施策についても力を尽くしてまいります。離島・過疎地域につきましては、県民全体でこれらの地域を支える仕組みを構築しながら、定住人口の増加につながる生活環境の整備や産業振興など各種施策を展開してまいります。三つ目は、沖縄の「平和」を拓く―平和創造プラン―の視点であります。今、過重な基地負担に立ち向かうことができるのは、先人たちが土地を守るための熾烈(しれつ)な「島ぐるみ闘争」でウチナーンチュの誇りを貫いたからであります。私は、基地の整理縮小を加速化し、豊かな生活に導く土地活用を図るとともに、近隣諸外国との平和交流を促進する平和創造施策を展開してまいります。私は、日米安全保障体制の必要性は理解しております。しかしながら、戦後約70年を経た現在もなお、国土面積の約0・6%である本県に約74%の米軍専用施設が存在する状況は、異常としか言いようがありません。そして、その米軍基地が沖縄経済発展の最大の阻害要因であることは明確であります。日本の安全保障が大事であるならば、日本国民全体で考えるべきであります。このような基本認識のもと、私は、日米両政府に対し、過重な基地負担の軽減、日米地位協定の抜本的な見直しを求めるとともに、騒音問題や米軍人軍属による犯罪など米軍基地から派生する諸問題の解決に取り組んでまいります。普天間飛行場の辺野古移設問題につきましては、この度の県知事選挙の結果を受けて、公約の実現に向けて全力で取り組んでまいります。国においては、現行の移設計画をこのまま進めることなく、わが国が世界に冠たる民主主義国家であるという姿勢を示していただきたいと思います。この問題につきましては、埋め立て承認の過程に法律的な瑕疵(かし)がないか専門家の意見も踏まえ検証いたします。法的瑕疵があった場合は承認の「取り消し」を検討してまいります。私は、建白書の精神に基づき、県民が心を一つにし、共に力を合わせて、国内外に向けた働きかけを行っていくことが、基地負担軽減の実現につながるものと考えております。この問題の解決のため、県民の皆さまと力を合わせて全力で取り組んでまいります。以上の基本的考え方に基づき、私は、県政運営に関し、多くの公約を掲げました。未来を担う子や孫のために、「誇りある豊かさ」をいかに創りあげ、引き継いでいくか。県民すべてが生き生きと活躍できる協働のまちづくりの理念を大事にし、職員と一丸となって、その一つ一つの実現に邁進(まいしん)する覚悟であります。最後となりましたが、以上申し述べましたことに対し、議員各位、ならびに県民の皆さまには、ご理解とご協力を賜りますよう、重ねて衷心よりお願い申し上げ、私の知事就任あいさつとさせていただきます。 イッペーニフェーデービル。
平成26年12月12日 沖縄県知事 翁長雄志

*2-1:http://www.asahi.com/articles/ASH1H3FZSH1HTPOB002.html
(朝日新聞 2015年1月15日) 辺野古ボーリング調査再開へ 反対派と機動隊もみ合い
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画で、沖縄防衛局は近く、中断していた辺野古沿岸部での海底ボーリング調査を再開する。14日夜から15日未明にかけ、調査のための重機を移設予定地に搬入。座り込みを続ける反対派と県警の機動隊がもみ合いになった。ボーリング調査が再開されれば、昨年11月の知事選で移設反対を訴える翁長雄志氏が当選して以降、初の作業となる。15日正午ごろには、移設予定地のある米軍キャンプ・シュワブの沿岸に仮設の浮桟橋を設置する作業を始めた。14日夜はシュワブ内への重機の搬入をめぐり、24時間態勢で座り込む市民と機動隊が激しくもみ合った。座り込みをとりまとめる沖縄平和運動センターの山城博治議長は「どれだけ強制的に排除されても粘り強く阻止していく」と語った。15日からは、移設反対の有識者や議員でつくる団体が、那覇市や沖縄市から辺野古に向けてバスを連日運行し、県内各地から市民を運ぶ。防衛局は昨年8月、埋め立てのために地質を調べるボーリング調査を始めた。当初は11月末までの予定だったが、9月中旬以降、台風などのため中断。11月の知事選直後に再開準備を始めたが、天候悪化で延期し、その後も12月の衆院選への影響を考慮するなどして作業は行われなかった。防衛局は調査期間を今年3月末までに延長している。(泗水康信)

*2-2:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-237483-storytopic-1.html
(琉球新報 2015年1月18日) 防衛局が辺野古沖に浮具再設置 海保が16日拘束の男性骨折
 米軍普天間飛行場の移設に伴い新基地建設の準備が進む名護市辺野古沿岸部では17日、沖縄防衛局の作業船が臨時制限区域を示す浮具(フロート)を海上に設置する作業が確認された。海上では新基地建設に反対する市民らがカヌーや船で抗議行動を展開。延べ28人が海上保安官に拘束された。浮具の設置が確認されるのは、昨年10月に台風の影響で撤去されて以来。今後は仮設桟橋の設置や海底ボーリング調査の準備が進められるとみられる。浮具は辺野古崎から長島の間にかけて設置され、辺野古側から大浦湾側への行き来がしづらくなっている。船首に小型の滑車を装備した作業船は、アンカーとみられるブロックを水中でつり下げながら移動した。設置された浮具付近で潜水作業などをしていた。作業終了後に、ブロックがなくなっていたことから、海中に沈めたとみられる。16日にカヌーで抗議行動し、海上保安官に拘束された29歳男性が肋骨(ろっこつ)を骨折していたことが分かった。ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は「弁護士と相談して告訴する方向で進める。やったのが誰か特定できていないが、泣き寝入りはしない」と話した。

*3-1:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-239982-storytopic-11.html
(琉球新報社説 2015年3月8日) ブロック再投入 知事権限で作業止めよ
 米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設で、沖縄防衛局は新たに大型コンクリートブロック2個を海底に沈めた。岩礁破砕許可区域外に投入したブロックがサンゴ礁を傷つけている問題で、翁長雄志知事がブロック設置作業の停止などを指示したのに、それを一顧だにすることなく再び沈めた。県民を代表する知事を侮辱し、誠実さのかけらもない行為と言わざるを得ない。県は、辺野古埋め立て承認に関する第三者委員会が検証を終えるまで作業を中断するよう求めたが、国はそれも無視した。埋め立て工事計画の実施設計に関する県との事前協議でも、国は工事中止に応じない姿勢だ。米国のための新基地建設には民意を踏みにじり、環境破壊もいとわない国との間で話し合う余地はもうない。翁長知事は即刻、岩礁破砕許可を取り消し、作業を止めるべきだ。10~45トンもあろうコンクリートブロックを沈めれば、サンゴ礁をはじめ環境に大きな影響を与えることは容易に想像できる。新たにブロックを沈めた場所は、岩礁破砕許可区域の境界付近だ。国は「区域内」と主張するが、線が引かれているわけではない。いずれにしてもサンゴ礁破壊を懸念する県側が区域外で作業停止を指示し、区域内でも調査する意向を示す中で乱暴なやり方だ。「丁寧に理解を得ながら進める」。安倍首相は事あるごとに繰り返してきたが、これが丁寧な物事の進め方なのか。新たなブロックの設置は近く再開予定のボーリング調査に伴うもので、調査の際に展開する浮具(フロート)などを固定するためのものとみられる。ボーリング調査は水深の深い12カ所がまだ残っており、国はさらにブロックを沈める可能性がある。「丁寧に理解を得ながら」と言うならば、国は県の要請を受け入れ、作業を中断するのが筋だ。いったん前知事から岩礁破砕許可を得たからといって強引に作業を進めても、決して新基地建設を許さないという民意は揺るがない。国は県の要請を無視し、作業強行の姿勢を鮮明にしている。これ以上のブロック投入やボーリング調査の再開を許してはならない。翁長知事には速やかに知事権限を行使してもらいたい。決断の時だ。

*3-2:http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201503143940.html
(愛媛新聞社説 2015年3月14日)辺野古海底調査再開 民主国家否定する暴挙止めよ  
 これが民主主義を掲げる国のすることなのか。政府は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先、名護市辺野古沿岸部の埋め立てに向けた海底ボーリング調査を再開した。沖縄県の再開見合わせ要請や県民の強い反発に一切耳を傾けることなく、説明や対話の機会を持とうともしないままである。「粛々と工事を進める。法に基づいており、全く問題ない」(菅義偉官房長官)。権力を持つ政府が地元の民意を抑え込み、新基地建設へと突き進んでいる。これは民意の黙殺であり県民への抑圧にほかならない。民主国家を政府自ら否定する暴挙を、決して認めることはできない。直ちに中止を求めたい。県全体の民意が辺野古移設に反対していることは明らかだ。昨年、名護市長選と知事選に加え、衆院選も4小選挙区全てで反対派が勝利した。にもかかわらず、政府は日米合意を盾に、無視を決め込む。安倍晋三首相は衆院予算委員会で「基地問題のような大事な政策は、その時々の政局、選挙に利用してはならない」とけん制。就任後7度上京した翁長雄志知事に一度も会おうとしない。首相や関係閣僚が沖縄の米軍基地負担問題を地元首長と協議する「普天間飛行場負担軽減推進会議」も昨年10月から開いていない。その状況で辺野古の埋め立て工事に「夏ごろにも着手したい」(中谷元・防衛相)と一方的に言及している。「移設が進めば反発は収まっていく」と政府関係者が言うように、既成事実をつくって反対運動を抑えようとの思惑は明らかだ。到底見過ごすことはできない。地元の反発は当然だ。政府は海上保安庁や内閣府の出先機関である国道事務所を使って市民の監視や抗議の封じ込めに躍起だが、自らの強硬姿勢が県民の心を踏みにじり、緊迫の度合いを深めている現状を省みてもらいたい。沖縄は戦争で多大な犠牲を出した。戦後も在日米軍専用施設の大半が沖縄にあり、今なお米国追従の影を背負わされている。戦後70年。米国の視点でなく、沖縄の痛みから国の針路を見つめ直す時機が来ている。地元の声から逃げず丁寧に対話することで、基地縮小の道を探らねばならない。軍縮と平和を沖縄から米国へ、世界へと発信したい。沖縄の人々は、自分たちの暮らしだけでなく、自然破壊を食い止め、海の生物を守るためにも声を上げている。ボーリング調査再開のため海中に投入した大型のコンクリート製ブロックが、県の岩礁破砕許可区域外でサンゴ礁を傷つけているのも確認されている。辺野古で起きている重い現実を、いま、日本の問題として国民全体で見つめたい。

*3-3:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-240321-storytopic-11.html
(琉球新報社説 2015年3月14日) 国連人権理事会 政府の非人道性を訴えよ
 今の政府の沖縄に対する態度がどれほど非人道的か、いまさら申すまでもない。人権に敏感な国際社会の目に照らせば、非難を浴びることは火を見るより明らかだ。その意味でまことに意義深い。沖縄の政財界や労働・市民団体の有志、有識者でつくる「島ぐるみ会議」が9月にジュネーブで開かれる国連人権理事会に参加し、政府による辺野古新基地建設強行が県民への人権侵害に当たると報告する。政府の仕打ちの不当性、非民主主義的専制ぶりを訴えてほしい。それにしても安倍政権の言行不一致ぶりにはあきれ返る。安倍晋三首相は就任直後、「(基地負担に関する)地元の声に耳を傾ける」と語り、ことしの施政方針演説でも「沖縄の理解を得る努力を続け」ると述べたが、翁長雄志知事が繰り返し面会を求めても門前払いだ。「耳を傾ける」発言は仲井真弘多前知事の時だった。言うことを聞く人の声は尊重するが、そうでない人は無視するということなのであろう。首相は国会で「沖縄の基地負担軽減に取り組む」とも述べたが、片腹痛い。実際に行っていることは、軍港機能を新たに加える辺野古新基地建設の強行である。考えてもみてほしい。普天間飛行場は、代替基地を県内に置かず、そのまま取り払ったとしても、在日米軍専用基地の沖縄への集中度は73・8%から73・4%になるにすぎない。そんなささやかな望みでさえ沖縄には持つ資格がないと言わんばかりの強行なのである。地元名護市の市長選も市議選も知事選も新基地反対派が勝利し、衆院選では反対の候補が全勝した。これ以上ないほど明確に示された民意を踏みにじる今の政府の態度が、人権侵害でなくて何であろう。「日本領土内で住民の意思に反した不当な支配がなされていることに国連加盟国が注意を喚起することを要望する」。現状を指すかと見まがうが、実は翁長知事の父がかつての立法院で読み上げた決議文だ。今の日本政府の専制ぶりはかつての米軍占領統治にも等しいと分かる。国連人種差別撤廃委員会は5年前、日本政府にこう勧告した。「沖縄への米軍基地の不均衡な集中は現代的人種差別だ。沖縄が被っている根強い差別に懸念を表明する」。5年前よりはるかに深刻化し、あからさまになった人権侵害を見て、今度は絶句するだろう。

*3-4:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11649029.html?_requesturl=articles%2FDA3S11649029.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11649029 (朝日新聞社説 2015年3月14日)辺野古移設 作業を止めて対話せよ
 米軍普天間飛行場の移設に向け、政府が海底を掘って地質を調べるボーリング作業を再開した。昨年夏に中断していたもので、この作業を経て今夏にも埋め立て工事に突き進む構えだ。移設に反対している翁長雄志知事の就任後、初の大きな動きであり、知事は「県民に説明がない中で物事を進めるのは許せない」と反発した。一方の政府では、菅官房長官が「法制に基づいて手続きを行っている。粛々と工事を進めるのは当然じゃないか」と強硬姿勢を崩さない。中谷防衛相はきのう、「こちらから(知事に)会う考えはない」と発言し、異様な対立状態に陥っている。確かに、仲井真弘多・前知事は埋め立てを承認した。だが、その判断に納得できない県民が選挙で知事を交代させ、移設反対の意思を明示したのだ。翁長知事を無視し続ける政府の姿勢は頑迷というほかない。政府と沖縄県の対立をこじらせることは、国と地方の関係や、安全保障を考える上でも、決して望ましいことではない。米軍の対応もおかしい。海底の環境が損なわれた疑いがあるため、県が立ち入り禁止区域での調査許可を求めたが、米軍は「運用上の理由」で拒んだ。この海域では、海上保安庁など政府の船舶は往来している。なのになぜ、県の調査船だけが支障となるのか。県が米軍に不信感を抱くのも無理はない。県が調査することになったのは、沖縄防衛局が岩礁破砕の許可区域外に巨大なブロックをいくつも沈め、サンゴなどを壊した可能性があるからだ。この海域は埋め立て予定地の周辺部で、工事完了後もサンゴ礁などはそのまま残る。県が水産資源の保護策や環境保全策をとるのは当然だろう。ましてやこの海域は、沖縄の海岸の中でわずかに残った貴重なサンゴ礁の海。ジュゴンが回遊し、近年、新種の甲殻類なども相次いで見つかっている。翁長知事は、前知事の承認を検証する県の第三者委員会の審査が終わるまで、作業を停止するよう政府に求めている。ここは政府が提案を受け入れて作業を中止し、県との対話による関係修復に乗り出すべきだ。政府も米軍も、長年、重い基地負担に苦しむ沖縄県民の心をこれ以上傷つけてはならない。民意を重く受け止められない政府の存在は、国民全体にとっても不幸だ。

*4:http://matome.naver.jp/odai/2133751340913855001
(歴史を覆すかも?与那国島付近の謎遺跡 2012年05月20日) 
●与那国島の海底遺跡
 与那国、数年前からちょっと有名になっています。なぜかといえば、すぐそばの海底に人間が手を加えて作ったとおぼしき遺跡が発見されたからです。 その規模はかなり大きく、直角の石組や通路どが点在するもので、遺跡ポイントとしてダイバーにも有名になっています。
●海底遺跡の発見
 与那国の海は透明度の高さでは世界的にも有名で、変化にとんだ海底地形や回遊魚の群れるさまなどは水中撮影やウオッチングに適しているため、新嵩喜八郎氏はダイバーたちのためのダイビングポイントのマップ作りを思い立ちました。そして、新川鼻沖の海中に潜ったとき、海底で運命的な岩盤との出会いが待っていたといいます。200メートルを越す岩磐のラインが規則正しく東西方向に延びているのを見て驚愕した新嵩喜八郎氏は、これが人工的な構造物であることを直感し、「遺跡ポイント」と名づけました。
●遺跡の詳細
 「遺跡」は、海底にそびえたつ巨大なビルのよう。階段状になった巨大な壁が高さおよそ25m、幅東西約250m、南北150mにもわたる、巨大な物体。現在も調査活動が続いていて、この範囲がさらに大きくなるかもしれません。規模としては、なんとあの古代エジプトのピラミッドに匹敵する大きさだとか。
●本当に遺跡なのか?
 「水中に作った墓」「神殿」「船着場」「グスク」…人工物であると仮定しただけでも諸説様々あり、「与那国島の海底遺跡こそムー大陸だ」という人もいます。かつて陸上にあった証拠として、「陸上にしかできない鍾乳洞が遺跡ポイントの近くにあること」をあげる人も。
●アトランティスの一部?
海底にある高度な岩盤加工を考察する場合、プラトンの「クリティアス」と「ティマイオス」を参照しないわけにはまいりません。古代ギリシャの哲学者プラトン(BC427~BC347年)の著作集の中の「クリティアス」と「ティマイオス」に書かれているアトランティス記事は、今から1万二千年ほど前に海底に沈んだという古代都市についての、ほとんど唯一ともいえる情報です。その中で、プラトンは、「ティマイオス」で、この、消滅したアトランティスの情報源は、古代のエジプトのサイスのネイト女神の神殿の神官であると明言しています。与那国島海底遺跡の構造と石切り技術には、ピラミッド文明を連想する巨大さと高度さがあるのですから、これを検証する場合、この「プラトンのアトランティス記事」を見逃しては通れません。
●遺跡説は賛否両論
 海底遺跡と聞けば、誰でもロマンを感じることでしょう。しかし、遺跡だ!遺跡ではない!と議論をよんでいます。遺跡派は、自然にできたものとは考えられないから人工的な遺跡だ。反遺跡派は石器などの遺物が見つかっていないから人工的な遺跡ではない、と反論します。しかし、最近、古代文字らしきものが見つかったり、石器が引き上げられているのです。(以下略)


PS(2015.3.24):*5-1、*5-2のように、沖縄県知事は辺野古作業の停止を指示し、不自然だった埋め立て承認手続きの経緯を検証するため、第三者委員会を設置して、場合によっては承認を撤回すると発表した。しかし、中谷防衛相は、その日のうちに米海兵隊トップのダンフォード司令官に「一日も早く(辺野古沿岸部に)移設できるよう努力したい」と改めて約束し、菅官房長官は「この期に及んでこのような文書が提出されること自体、甚だ遺憾だ」「法律に沿って粛々と工事を進める」と述べた。しかし、*5-2、*5-3のように、承認の経緯はきわめて不自然だった上、日本の民法では「契約は守るべきもの」とされ、契約違反があれば契約解除してもよいのが法治国家日本の法律なのである。なお、米国は、日本が硫黄島など離島で既に滑走路のある、今から埋め立てる場所よりもよい場所を提示すれば無理は言わないため、どうしても辺野古を埋め立てると言うのは日本政府の変な頑迷さによるところが大きい。

   
      *5-1より         ずっと続いていた沖縄県を挙げての反対運動

*5-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150324&ng=DGKKASDE23H0E_T20C15A3EA2000 (日経新聞2015.3.24)沖縄知事、辺野古作業の停止指示 政府は移設を継続
 沖縄県宜野湾市の米軍普天間基地を名護市辺野古沿岸部に移す作業をめぐる政府と県の対立が23日、一段と深まった。翁長雄志知事は海底ボーリング(掘削)調査を含む移設作業の停止を沖縄防衛局に指示。応じない場合、許可を取り消す意向を示した。政府は移設作業を「粛々と進める」(菅義偉官房長官)との立場を崩していない。対立は泥沼化しつつある。掘削調査など移設作業の停止指示は、沖縄県の漁業調整規則に基づく。県は30日までの「7日以内」に作業停止を文書で報告することを求めている。理由は沖縄県が2月に初めて実施した辺野古沖の海中調査。沖縄防衛局が設置したコンクリート製ブロックによって工事区域の外でサンゴ礁が傷ついた蓋然性が高く、改めて広い範囲で調査する必要があるという。翁長氏は記者会見で、作業停止の指示に従わない場合、沖縄県が仲井真弘多前知事時代の2014年8月に出した岩礁破砕許可を取り消すと強調したうえで「腹は決めている」と語った。同年11月の知事選以来「あらゆる手法を尽くして辺野古に基地をつくらせない」と繰り返してきた。強硬姿勢の背景には政府対応への不満がある。日米両政府が立ち入りを制限した工事区域の内側の調査を政府と米軍それぞれに求めたが、断られた。12日には沖縄防衛局が中断していた掘削調査が再開された。「不合理極まりない」(翁長氏)と反発を強めた。一方、政府は辺野古移設の作業を進める立場を堅持している。菅長官は23日の記者会見で「この期に及んでこのような文書が提出されること自体、甚だ遺憾だ」と批判した。掘削調査を経て夏にも埋め立て工事をスタートさせる政府方針は揺らいでいない。沖縄県は許可を取り消せば政府側が一連の作業を進めることができなくなるとみている。しかし、政府は移設を遅らせるための時間稼ぎととらえ、「手続き面に瑕疵(かし)がない以上、効力はない」(防衛省幹部)と続ける見通しだ。政府と沖縄県の対立は法廷闘争に発展するおそれもある。県が取り消し処分に踏み切った場合、政府は無効を求めて提訴する構えをみせている。1995年には米軍用地の強制使用に必要な代理署名を拒否した当時の大田昌秀知事を国が提訴し、96年に最高裁で県側敗訴が確定した。日米関係に影響を及ぼすとの見方も出ている。中谷元・防衛相は23日、米海兵隊トップのダンフォード司令官と防衛省内で会談し、「一日も早く(辺野古沿岸部に)移設できるよう努力したい」と改めて約束した。日米両政府は4月下旬に外務・防衛担当の閣僚協議(2プラス2)、同28日にはワシントンで首脳会談の開催をそれぞれ予定している。今回は日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を18年ぶりに見直す節目でもある。防衛省幹部は「米国の信頼を失うわけにはいかない」と懸念している。

*5-2:http://www.shinmai.co.jp/news/20150324/KT150323ETI090003000.php
(信濃毎日新聞 2015年3月24日) 辺野古移設 政府はごり押しやめよ
 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐる沖縄県民と政府との対立が、ますます抜き差しならない状況になってきた。翁長雄志知事が記者会見し、政府が進めている海底ボーリング調査を含め「海底面の現状を変更する行為を全て停止する」ことを沖縄防衛局に指示したことを明らかにした。政府が指示に従う可能性は低い。対立の原因は県民の反対を押し切って移設を強行しようとしている政府にある。政府は、沖縄の民意を力ずくでねじ伏せるやり方をやめて、対話による問題の打開に転換すべきだ。政府は先日、辺野古のボーリング調査を再開した。知事選などへの影響を考え、昨年夏から中断していた調査である。調査は海上や沿岸部で住民の抗議行動に取り囲まれ、もみ合いが続いている。反対派女性の一人を海上保安官が馬乗りになって制圧するなど、乱暴な警備が住民の怒りを駆り立ててもいる。「法律に沿って粛々と工事を進める」。菅義偉官房長官は繰り返す。仲井真弘多前知事による許可を根拠に調査を続ける構えだ。前知事が埋め立てを承認した後の知事選で、移設反対を掲げた翁長氏が前知事を大差で破り、当選している。12月の総選挙では県内四つの小選挙区全てで自民党の公認候補が敗北した。県民は辺野古移設に対し明快に「ノー」の意思表示をしている。前知事の承認を根拠に、政府が作業を続けるのは許されない。翁長知事が調査をやめさせようとするのは当然だ。知事はきのうの会見で、埋め立て承認手続きの経緯を検証し、場合によっては撤回する考えも示した。検証のための第三者委員会は既に議論をスタートしている。早ければ4月にも報告がまとまる見通しだ。知事が姿勢を軟化させる見通しはない。翁長知事の就任後、政府は沖縄県に対する圧力を露骨に強めている。知事が何度も上京し安倍晋三首相との面会を求めても応じようとしない。2015年度予算案では沖縄振興予算を減額した。自民党も知事を党の会合に呼ばないままだ。仲井真前知事のときとは打って変わった対応である。冷遇すればそのうち音を上げる、と高をくくっているとすればとんでもない考え違いだ。住民意思を無視しての移設は沖縄では、本土による差別と受け止められている。対話の姿勢を欠いては、打開の道は遠くなるばかりだ。

*5-3:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=108428
(沖縄タイムス社説 2015年3月24日) [辺野古 作業停止指示]筋を通した重い判断だ
 名護市辺野古の新基地建設に反対する翁長雄志知事が、自らの権限を行使し、新たな対抗措置に踏み切った。ボーリング調査を含むすべての海上作業を1週間以内に停止するよう沖縄防衛局に指示したのである。国が指示に従う可能性は極めて低い。従わなければ来週にも岩礁破砕の許可を取り消す考えだ。海底の岩石採掘と土砂採取などを内容とする岩礁破砕の許可が取り消されれば、埋め立て工事の着工に影響を与えるのは確実である。翁長知事にとっては就任以来、最も重い政治決断といえる。なぜ、何を根拠に、知事は作業の停止を求めたのか。一連の経過を冷静に吟味すれば、筋の通った毅然とした判断であることが理解できる。県は昨年8月、仲井真弘多前知事の時に、県漁業調整規則に基づき埋め立てに必要な岩礁破砕を許可した。しかし今年2月、海底ボーリング調査を再開するため海中にコンクリート製の大型ブロックを投入した際、許可区域外にコンクリートブロックを設置し、サンゴを傷つけていたことが県の潜水調査で分かった。翁長知事は「漁業調整規則違反の懸念が払拭(ふっしょく)できない」と主張、調査が終了するまでのすべての作業の中止を指示したのである。併せて県は、臨時制限区域への立ち入り調査を認めるようあらためて沖縄防衛局に申請した。公務遂行のための調査であるにもかかわらず、米軍は、県の立ち入り調査を認めていないからだ。
    ■    ■
 臨時制限区域内では、民間の工事船や海上保安庁の警備船が多数出入りし、沖縄防衛局も独自の潜水調査を実施している。なのに、県の調査だけを認めないというのは、嫌がらせと言うしかない。菅義偉官房長官は「国としては十分な調整を行った上で許可をいただき工事をしている。全く問題ない」と法的正当性を強調する。だが、岩礁破砕の許可には条件がついており、条件に反する行為が確認されれば、許可を取り消すのは当然である。それよりも何よりも最大の問題は、前知事の埋め立て承認を唯一の根拠に、県との一切の対話を拒否し、選挙で示された民意を完全に無視し、抗議行動を強権的に封じ込め、一方的に作業を続けていることだ。埋め立て承認が得られたからといって、公権力を振り回して問答無用の姿勢で新基地建設を進めることが認められたわけではないのである。
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 国の環境監視等委員会(第三者機関)に配布した資料の改ざん、議事録公開の遅れが問題になっている。同委員会の副委員長は、国の環境影響評価(アセスメント)に不満を抱き、辞任を表明した。埋め立て承認の適法性に疑問符が付いているだけでなく、国の環境影響評価の信頼性も、疑われ続けているのである。「1強多弱」の国会の中で、安倍政権におごりや慢心が生じていないか。新基地建設は、今や完全に「負のスパイラル」に陥っている。異常な事態だ。


PS(2015.4.18追加):*6-2のように、沖縄県が県を挙げて新基地反対の地元民意を国内外に発信するための基金を設立したりしている中、*6-1のように、安倍首相は単に翁長沖縄県知事との会談しただけで、「①少しでも基地負担軽減を進めたい」「②辺野古が唯一の解決策」と言われているが、②の理由はないため言えるわけがなく、①は念仏にすぎない。そのため、②の理由を列挙した上で、それが本当に理由になるのか、よりよい代替案はないのかについて検討すべきである。なお、朝鮮有事なら長崎県の佐世保基地や対馬駐屯地を使う方が便利だが、朝鮮有事に玄海原発は危なすぎるのだ。

*6-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150418&ng=DGKKASFS17H3J_X10C15A4MM8000 (日経新聞 2015.4.18) 
首相「唯一の解決策」 辺野古移設巡り初会談 沖縄知事「中止を」
 安倍晋三首相は17日、首相官邸で沖縄県の翁長雄志知事と会談した。両氏の会談は、昨年12月に翁長氏が移設阻止を掲げて就任して以来初めて。首相は米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古沿岸への移設について「唯一の解決策だ」と強調した。翁長氏は「唯一の解決策との固定観念に縛られずに作業を中止してほしい」と反対する考えを伝えた。首相は「戦後70年、沖縄には大きな基地負担をかけている。少しでも負担軽減を進めたい」と語った。米軍嘉手納基地以南の施設・区域返還など政府の取り組みにも触れた。「普天間の一日も早い危険性の除去は我々も沖縄も思いは同じだ」と移設への理解を求めた。翁長氏は昨年の名護市長選や知事選など移設反対派が勝った一連の選挙結果を踏まえ「辺野古反対という圧倒的な民意が示された」と力説した。普天間基地については「土地を奪っておきながら老朽化したとか世界一危険だからとか(辺野古移設が)嫌なら代替案を出せというこんな理不尽なことはない」と訴えた。首相には26日からの訪米を前に、普天間移設に向けて沖縄との協調を探る姿勢を示したい意向がある。翁長氏は日米首脳会談に臨む首相に「オバマ米大統領に、沖縄は辺野古移設に反対だと伝えてほしい」と求めた。会談は約35分間で、菅義偉官房長官と沖縄県の安慶田光男副知事が同席した。

*6-2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015040802000136.html
(東京新聞 2015年4月8日) 辺野古基地反対で基金 米政府に「民意」直接訴え
 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)への新基地建設をめぐり、地元経済人や有識者らが九日、新基地反対の地元民意を国内外に発信するための基金を設立する。日本政府が強行する新基地建設について、米政府や米議会にロビー活動で反対を訴え、国内でもこの問題への理解を深めてもらい、日本政府を動かすことが狙いだ。新たな基金「辺野古基金」は、昨年の沖縄県知事選で当選した翁長雄志(おながたけし)氏を支援した地元の経済人や地方議員、市民団体らが設立。重い基地負担に苦しむ沖縄の現状を訴える有識者らの活動を財政面から支え、世界一危険とされる普天間飛行場の早期閉鎖と、辺野古への新基地建設中止を目指す。共同代表には、建設会社やスーパーなどを運営する「金秀グループ」の呉屋守将(ごやもりまさ)会長、ホテル「かりゆしグループ」の平良朝敬(たいらちょうけい)最高経営責任者(CEO)ら地元経済界の重鎮が就任。本土の有識者などにも賛同者や寄付を募る。主な活動は、米政府と議会対策。米政府関係者や上下両院の議員へのロビー活動を後押しする。シンポジウム開催も検討し、米国の有識者の理解を広める。沖縄では昨年の名護市長選、知事選、衆院選の四小選挙区全てで新基地反対派が勝利。この結果を示し、「民主主義」の価値観を重視する米国で直接、建設に反対する地元の意思を伝える。県も四月、米ワシントン事務所を新設。在沖縄米国総領事館で特別補佐官を務めた経歴がある平安山(へんざん)英雄氏(66)を駐在員に起用。基金との官民一体で米国への働きかけを強める方針だ。基金は国内では、新聞への意見広告掲載やパンフレット作成などで建設反対を訴える。全国の地方議会にも、政府に対応を改めることを求める決議などで意思を示すよう働き掛ける。九日に那覇市内で設立会見を開き、翁長氏も出席する予定。設立に携わる沖縄県議は「沖縄の民意を無視し続ける政府の姿勢は許せない。国内外から政府に計画の断念を迫る」と話す。

| 辺野古・普天間基地問題::2012.2~2015.3 | 04:48 PM | comments (x) | trackback (x) |

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